かなり前から(40年前から)、滝廉太郎の「お正月」の冒頭部分(♫もーいーくつねーるとー)は、シベリウスの交響曲第1番の第2楽章の主題のパクリだと思っていました。以下のYouTube動画の0:44~0:49あたりです。(♫もーいーくつねーるー、です)
https://www.youtube.com/watch?v=nbGS6qMojs8
それで今日ある人から教えてもらいましたが、「荒城の月」と「箱根八里」もメンデルスゾーンの交響曲、前者が第3番「スコットランド」の主題、後者が第2番「讃歌」の主題に良く似ていると言っている人がいます。
http://www.worldfolksong.com/classical/mendelssohn/symphony-no3-scottish.html
http://www.worldfolksong.com/classical/mendelssohn/symphony-no2-lobgesang.html
ちなみに滝廉太郎は西洋音楽の調査係であり、ドイツに留学し、メンデルスゾーンが作った音楽学校で学んでいます。当時、西洋音楽とか西洋の民謡に歌詞を付けて童謡として音楽の教科書に載せるということは頻繁に行われていました。むしろ滝は直接的にではなく自分なりにアレンジして自分の曲とした、と言えるかもしれません。
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手持ちのLPレコードのクリーニング完了
手持ちのLPレコード、全部で1,051枚のクリーニングマシンによる洗浄がこのお盆休みで完了しました。内50枚くらいは新盤を買ったものなので、約1,000枚せっせと洗ったことになります。5月の中旬から始めて3ヵ月かかりました。1日平均12~15枚くらいです。なお、メーカーによると、1回に洗浄する枚数は最大30枚くらいまでだそうです。それ以上続けてやると、モーターが熱を持って故障の原因になるらしいです。洗浄液は私はかなり多めにジャブジャブという感じで使ったので、5本くらいを使いました。なお写真ではあまり目立ちませんが、これ以上に白く泡立つくらいゴシゴシやった方がいいです。付属のブラシではかなり力を入れても、盤面に傷がついたりはしませんでした。なおA面が終ってB面をクリーニングした後、洗浄済みのA面の端にクリーニング液が残る場合がありますが、ティッシュで拭き取れば大丈夫です。もう一度バキュームをかけるという手もありますが面倒です。
洗浄したLPレコードは元の状態にもよりますが、かなりいい状態になり、プチプチノイズは激減します。場合によってはほとんど新品同様になるのもかなりあります。
電蓄によるSPレコードの音
日本ラジオ博物館で見せて(聴かせて)もらった電蓄です。
元々個人の方が組み立てたもの。昭和29年頃のようです。蓄音機部、ラジオ部、スピーカー、アンプ部、筐体が別々に売られていて、アンプ部は自分で組み立てる人も多かったようです。この電蓄のアンプ部が館長が新しく真空管のプッシュプルアンプを作ってつないだものだそうです。
でこれで聴いたSPレコードの音がなかなか良かったです。スピーカーは16cmのフルレンジで、高域は8KHzくらしか出ませんが、それが逆にSP特有の針音を目立たなくして良かったです。今最新のHiFi機器につないでSPを聴くとかなり貧弱に聞こえますが、当時の人はもっといい音で聴いていたということですね。
なお、カートリッジは電磁式ですが、針は機械式の蓄音機の鉄針をそのまま使っていました。針圧は10gくらいとのことです。(機械式蓄音機の針圧は100gくらいです。また私が使っているSP用カートリッジの針圧は5gです。)
アン・バンクロフトの映画「卒業」
アン・バンクロフトの映画「卒業」を今さらながらに初めて観ました。観た理由ですが、サイモン&ガーファンクルの名曲「ミセス・ロビンソン」がどうもずっと思っていた歌詞の内容とは違うんではないかということを確かめたかったためです。まずミセス・ロビンソンは、この映画の主人公ベン(ダスティン・ホフマン)を誘惑し不倫を重ねる身持ちの悪い女性です。歌詞の内容はミセス・ロビンソンを褒め称えるようで、実は皮肉っているのが真相のようです。ただ、映画版の同曲はシングルカットされたのとアレンジが違い、歌い方にも皮肉る調子があり、また歌詞も少し違うようです。どうもシングルカットされる時に一般に受ける内容に変えたのではないかと思います。それから「サウンド・オブ・サイレンス」については「え、ここで使うの?」という感じで違和感がありました。逆に「スカボローフェア」については実にピッタリのシーンで登場します。何故かというと「スカボローフェア」は元々イギリスのバラードで、妖精の男性に結婚を迫る若い女性に対し、妖精が絶対に不可能なことを出来たら結婚すると言い、若い女性が負けず「じゃあこれをまずそちらが出来たら私もそれをやる」と不可能なことを要求し返す、という内容に基づいているからです。(「スカボローフェア」では、「針と糸を使わず縫い目が無いシャツを作ってくれ」「潮の満ち引きする間の砂地に家を建ててくれ」といったことが要求されます。)
また面白いのは、音楽でサイモン&ガーファンクル以外にデイブ・グルーシンが参加していることです。私はデイヴ・グルーシンは中本マリの「アフロディーテの祈り」で知りました。
映画の内容は非常に有名なのでコメントは省略します。
シャルランのLP
中野英男さんの「音楽 オーディオ 人々」という本の中に、トリオが日本で販売していたシャルランレーベルの話が出てきます。それを読んで「あれ、シャルランって持ってなかったっけ」と思いました。しかしその時は確かめていませんでした。今回、5月から3ヵ月かけて例のクリーニングマシンで手持ちのLPレコード約1,000枚を洗いました。それで棚卸しも出来て、シャルランのLP3枚を確かに所有していたことが確認出来ました。ORTF四重奏団のフォーレの室内楽です。現在このLP3枚はCD2枚組で復刻されています。今何十年かぶりに聴いていますが、うーん、高音質という感じはあまりしないですね。非常に自然な録音ということは確かですが、テープのヒスノイズが若干目立ちますし、また強音では音が少し歪んでいるように思います。私としては仏ハルモニアムンディやエラートの方が好みです。
サンチャゴ・ナバスケスの「ギター音楽の3世紀」
私の愛聴盤、サンチャゴ・ナバスケスの「ギター音楽の3世紀」。(Eurodisk)
バチバチノイズだらけになっていたのが、クリーニングマシンによる洗浄で蘇りました。特筆すべきは演奏もですがむしろ録音。きわめて間接音の多い録音でおそらく小さな教会とかで床も壁も石だと思います。その間接音と直接音の混じり具合が絶妙です。全段差動プッシュプルアンプの良好な定位と相性が良いようです。長い間、このギタリストがどういう人なのか分かりませんでしたが、さすがインターネットで情報がありました。1933年生まれのスペインのギタリストです。10枚くらいレコードを出していたようです。
リンデンバーク(リンデンベルク)という指揮者を知っていますか?
エドゥアルト・リンデンバークという指揮者をご存知の方は、クラシック音楽ファンでも多くはないと思います。私はこの指揮者にブラームスの交響曲第1番集めにて出会いました。北西ドイツ響とのブラームス交響曲全集は、LPの時代には廉価盤でのブラームス交響曲全集として、「リンデンバークかバルビローリか」と並び称された名盤みたいです。ご興味があれば是非聴いてみてください。CD二枚での全集は確認していませんが、まだどこかで入手出来るのではないかと思います。この人はドイツ系でルーマニア生まれ、ヴィーンとベルリンで学び、あのシェルヘンに指揮法を学び、ブカレストフィルを手兵として鍛え上げた人とのことです。LPはたまたま中古屋であさった中に入っていたもので、ダニエル=ルジュールの舞踏交響曲他で、オケはフランス国立放送室内管弦楽団です。
ルドルフ・ケンペ+ベルリンフィルのブラームス交響曲第1番
ブラームスの交響曲第1番については、かつて可能な限り入手出来るCDやレコードを集めようとし、全部で230種類くらい持っています。さすがにこれだけ集めている人は日本の中に5人もいないと思います。そして今手持ちのLPをせっせとクリーニングしていて、終ったものを片端から聴いてます。その中にルドルフ・ケンペとベルリンフィルのブラームス交響曲第1番がありました。ケンペのブラームスで一番標準的なのはミュンヘンフィルとの全集ですが、その前に1960年前後の録音でステレオとモノーラル混じりのベルリンフィルとの全集があり、このLPがその中の一枚です。それで久しぶりに聴いてみたら、非常に良かったです。ケンペはフルトヴェングラーが亡くなって、その後をカラヤンが継ぐまでの過渡期にベルリンフィルを良く指揮していたようです。現在タワーレコードからSACDでこのベルリンフィルとのブラームス交響曲全集が発売されています。ちなみに手持ちのケンペのブラ1は全部で4種類です。後の2種はバイエルン放送響と、シュターツカペレ・ドレスデンとのものです。