NHK杯囲碁 謝依旻女流本因坊 対 瀬戸大樹八段

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本日のNHK杯戦の囲碁は謝依旻女流本因坊と瀬戸大樹八段の一戦。謝依旻女流本因坊は、女流名人九連覇を達成し、女流のNo.1です。対する瀬戸大樹八段は、棋聖戦リーグ1期、本因坊戦リーグ3期在籍の実績を持つトップ棋士です。ちなみにこの2人と高梨聖健八段は、Monotoneという歌手ユニットを結成しています。対局は、黒の謝女流本因坊が序盤早い段階で、下辺に踏み込んだ白をツケコシで分断に行き仕掛けます。(余談になりますが、早碁に強い棋士は、概して仕掛けが早いようです。例えば結城聡九段など。)複数の石がからみ合った戦いになりましたが、黒が終始攻勢を維持して寄せに入りました。地合だけなら細かい碁でしたが、黒は白の大石に劫で寄りつき、白は連絡だけの手を打たされ、黒が劫を解消して、ここではっきりと黒リードになりました。終わってみれば、黒の三目半勝ちでした。

小林信彦の「丘の一族」

jpeg000 27小林信彦の「丘の一族」再読。小林信彦の自選作品集で、「丘の一族」、「家の旗」「八月の視野」「みずすましの街」の四篇を収録。「丘の一族」、「家の旗」「八月の視野」の三作は芥川賞候補、「みずすましの街」は直木賞候補になっています。「丘の一族」は「汚れた土地」をある意味私小説的に書き直したものです。「汚れた土地」とは違って、米兵相手に貸家業を営むイギリス人が、小林信彦の遠い親戚であったことが明らかにされています。「家の旗」は、和菓子屋「立花家」ののれんを、祖父の弟子に売り渡す話です。「八月の視野」は、戦争直後の小林家の暮らしぶりを当時中学生だった筆者の視点で描いたもの。「みずすましの街」は「ぼくたちの好きな戦争」のある意味姉妹編のような短編で、遊び人清さんの戦中・戦後の移り変わりを描きます。