吉川英治の「宮本武蔵」(水火の巻)(全六巻中の第二巻)を読了。この巻でも特に国粋主義的な武蔵の台詞は登場しません。この小説に違和感を感じるのは、武蔵がどうやって強くなったのかがほとんど書かれていないこと。最初の巻では関ヶ原の敗残兵として登場しますが、全国をさすらいだした頃は既に一廉の腕になっており、例えば柳生の高弟4人と1人で戦っても引けを取らなくなっています。元はと言えば、武蔵は父親に武道の手ほどきを受けたぐらいで、名のある師範に就いた訳でもありません。
後の展開はいかにも大衆小説というか、お通と朱美という二人の女性が武蔵に絡み、お通が朱美に嫉妬するなど、極めて通俗的な展開です。
吉川英治の「宮本武蔵」(戦前版)(水火の巻)
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