NHK杯戦囲碁 許家元碁聖 対 上野愛咲美2段

本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が許家元8段、白番が上野愛咲美2段の、今打てているバリバリの2人の対戦です。特に許家元8段はついこの間井山裕太7冠王から碁聖のタイトルを3-0のストレートで奪取したばかりです。乗っている若手同士の対局は実に面白く。特に下辺から黒が左下隅に利かしに行った時、白が反発して黒に対しノゾキを決行したのに黒が更に反発して下辺右からの白にノゾキ返した所が実に面白い攻防でした。下辺の攻防は互角だったと思いますが、白が左辺の黒を攻めに行った時に黒はただ逃げるのではなく、左下隅と中央の白の連絡の不備をとがめて、下辺の黒からじっと伸びを打ちました。これが俗手のように見えて厳しい実戦的な好手でした。白の中央は切り離されて弱くなり、また左下隅も手を入れないと黒から劫にする手があり、結局後手を引いたのは痛く、黒が明らかにポイントを上げました。その後中央の攻防で、中央の白が完全に黒に包囲される寸前というタイミングで、白は下辺を出ましたが、黒は受けずに中央を伸びきり、白が下辺の黒4子を取り、黒が中央の白をほぼ取るという振り替わりになりました。その後白は下辺右から延びる白を攻めたてられ、その間に黒は白に2カ所でノゾキを打って右辺を地にし、更に中央も厚くなったので中央の白が完全に取られました。また、黒はそれでも緩まず左上隅に手を付けていきました。白はこの黒を攻めながら上辺を目一杯囲おうとしましたが、黒は緩まず白に切りを入れました。白はその切った黒を大きく取ろうとしましたがうまく行かず、ここで白の投了となりました。

「ボヘミアン・ラプソディ」

「ボヘミアン・ラプソディー」観て来ました。フレディ最高!自分をミュージシャンやアーチストではなくパフォーマーとしている所が素晴らしいです。私はボヘミアン・ラプソディーのイメージからクィーンがヨーロッパのクラシック音楽とオペラの伝統を背景にしたロックバンドと思っていましたが(実際メンバーは大学出の結構インテリ、またフレディもインドでイギリス式のパブリックスクール出身)、フレディがゾロアスター教徒でインドからザンジバルに移住し、更にザンジバルから追われて難民のようにロンドンにやって来たことを知りませんでした。この映画が今作られた理由は明白で、移民を嫌悪し、また少数派に対する敵意が剥き出しになっている現在、ある意味また振り子の揺り戻しのように元に戻そうとする主張のように思いました。実際フレディこそ、移民による多様性が新しいパワーをある国にもたらす、という良い例のように思います。
また私の世代が今の若い世代より良かったと思うことは、共通の音楽体験を持てたことです。このクィーンなんかまさにその典型です。実際、映画館で沢山の同世代の人を見ました。