本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が大西研也5段、白番が富士田明彦7段の対戦です。序盤で黒が、右辺の白の二立三析の構えに上から詰めた後、右上隅の折衝の途中で、構えの内側に付けて行きました。しかし黒は強く戦わず結局三子を捨てて外側からノゾキを利かし、また当てを利かしたことで手を打ちました。その次に左下隅から下辺にかけての戦いになり、黒は何とか下辺の一団を右下隅に連絡し、また左辺下方でポン抜きの後の白5子を取り込みましたが、その代償で下辺上方の白が厚くなり、先ほど右辺で利かした黒3子がほぼ飲み込まれてしまいました。トータルではここで白のリードとなりました。次に左上隅、上辺、中央の争いになりましたが、一時は黒が取られている石を上手く活用して中央に厚みを築き、上辺の白を攻める展開になって形勢を盛り返しましたが、一手中央で守りの手を打ったのが逸機で、白に上辺を連打され、白は上辺にかなりの地をもって治ることが出来、ここで白が勝勢になりました。しかし形勢は細かく、その後ヨセで黒にも逆転のチャンスがありましたが、結局白の中押し勝ちとなりました。富士田7段は、本因坊・名人の両リーグに入り、また天元戦でも挑戦者決定戦まで行ったということで、一流棋士の道を進みつつあります。
NHK杯戦囲碁 大西研也5段 対 富士田明彦7段(2023年11月5日放送分)
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