スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”The Measure of a Man”を観ました。これまで観たネクスト・ジェネレーションの話の中でもっとも素晴しい、良く出来たストーリーでした。それだけでなく、このエピソードはスター・トレックというシリーズを貫いている精神のようなものが感じられました。
エンタープライズ号は定期メンテナンスのためスターベース173に来ています。ピカードはそこでかつての恋人であったフィリッパに再会します。二人は恋仲であったとはいえ、かつて法廷でフィリッパはピカードを厳しく裁こうとしたことがあります。そこにマドックスというロボット工学の専門家がやって来て、データの構造について分って来たので、一度データを分解して調べさせてくれるよう頼みに来ます。しかしデータ自身もピカードもマドックスの技術に不安を感じたため、二人は断ります。しかしマドックスは連邦の上を使い、データを自分の部下に異動させ目的を果たそうとします。そしてピカードはデータを辞職させ、その異動を無効にしようとします。しかし連邦の規定ではデータは連邦の「資産」であり、拒否も出来ず辞職も出来ないということになりました。ピカードはフィリッパに頼み、その解釈にチャレンジします。その法廷にはマドックス側の弁論人も必要で、ピカードはライカーにそれをやらせます。ライカーはデータの怪力や演算速度を例に出したり、またデータの腕を抜いたり最後はスイッチを切ってデータがロボットであることを強力に論証します。ピカードは反論の方法が見つからずバーに行きますが、そこでアフリカ系アメリカ人のギナンから、そうやってデータを資産として使うことは奴隷制度と同じだというアドバイスを受けます。法廷に戻ったピカードは、マドックが人間であることの証拠としている3つのこと、知能、自意識、それから良心の内、最初の2つはデータにあることを示し、最後の良心は人間も自身それがあることを証明出来ないことを指摘します。そして裁判官であるフィリッパに新しい歴史を作ること、新たな奴隷制度を産み出さないことを求めます。最終的にデータは選択の自由を与えられ、正式にマドックの依頼を断ります。
手塚治虫の鉄腕アトムとか火の鳥でもロボットの人権の話が出て来ましたが、今回のエピソードはスター・トレックが表出している「差別を克服した人類の未来」というのを良く示していたと思います。またピカードが裁判の最後で「我々の使命は新しい生命、新しい文明を探し出すことだ。彼(データ)が新しい生命だ。」というセリフが非常に印象的でした。
月別アーカイブ: 2024年1月
「中世合名・合資会社成立史」の余波
ようやく、という感じですが、私が日本語訳したヴェーバーの「中世合名・合資会社成立史」を読んで、それをベースにして本を書いた人を見つけました。私の訳も誉めていただいていて、それは嬉しいのですが、肝心の「成立史」の読解と解釈にかなり問題があり、批評を書きました。しかし、安藤英治氏と言い、今回の方と言い、ヴェーバーがきちんと述べていることを理解せず、ヴェーバーが言ってもいないことを勝手に解釈する人が多いのは何故なんでしょうか。
寒川神社にお詣り
ウルトラマンAの「怪獣対超獣対宇宙人」と「太陽の命 エースの命」
ウルトラマンAの「怪獣対超獣対宇宙人」と「太陽の命 エースの命」を続けて観ました。地球に向かって衝突コースで、妖星ゴラスがやって来ます。TACはミサイルで爆破しようとしますが、ここにメトロン星人Jrが現れ、ミサイルを破壊してしまいます。ここでこのメトロン星人Jrというのがひどくて、ウルトラセブンに登場した時の着ぐるみがおそらくもう無くて、ショーのために作られた安っぽい着ぐるみを使っており、実相寺監督が夕陽の中でセブンと戦わせたあの幻想感はまるでなく、なんかヒッピー系の学生のようです。そこにヤプール人がつけ込んで、超獣ドラゴリーを送り込んで来ます。ミサイルを作り直す時間を稼ぐため、エースはエースバリアーで超獣と宇宙人を一時的に閉じ込めます。しかしそのため南隊員がエネルギーを消費し過ぎ、危篤状態になります。そこにさらにおまけの怪獣ムルチが出てきますが、ムルチは結局ドラコリーに残酷にも皮を深く剥がされ倒されます。南隊員が危篤状態なので普段の力が出せないAは、メトロン星人Jrをエースギロチンで真っ二つにしましたが、超獣と戦う力は残っておらず、ついに倒れます。そこにAが戦っている間に打ち上げたミサイルが妖星を爆破し、光が降り注ぎます。その光でAが蘇る、というウルトラセブンの時にあったパターンの真似です。
まあ2話連続で、超獣と宇宙人に怪獣まで出てきてサービスはいいんですが、ここまでの危機的状況で何故今までの回のように他のウルトラ兄弟が助けに来ないのか、まったく矛盾しています。脚本家が変わると設定がぶれる、という好例のエピソードでした。
NHK杯戦囲碁 志田達哉8段 対 大竹優7段(2024年1月7日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が志田達哉8段、白番が大竹優7段という中部総本部同士の対戦です。序盤はお互いじっくりした碁でしたが、右下隅の攻防から局面が動きました。白が下辺からかかった石を挟まれて、上に逃げるか下辺の黒に付ければ普通でしたが、振り替わり含みに三々に付けました。黒は下にハネて反発し、結局黒が右下隅を取り、下辺の白は中央に逃げ出すことになりました。下辺の黒の模様が大きくなったので白は消しに行きましたが、こちらも逃げている間に中央の黒が非常に厚くなりました。この結果下辺からの白は活きる手を打たねばなりませんでした。しかしじっと我慢で守りの手を打った後、白は17の10の3線に出て反撃に転じました。これに対し逆に黒は跳ね出して白を上下に分断しました。上方の白は分断された後、黒の右辺の2箇所の切りを見合いにして上手くしのいだかと思いましたが、黒が中央に逃げている白に割り込み、黒一子が取られていた所を欠け眼にするという手が成功し、この辺りで黒が少しリードしたようです。その後白は左辺を大きくまとめ、また右辺からの黒に対しても寄り付きを狙いましたが、少し黒がいいという形勢はなかなか変わらず、結局黒の2目半勝ちという、予想通りのヨセ勝負を志田8段が制しました。志田8段は次は藤沢里奈女流本因坊です。こちらもヨセ勝負が予想されます。
姫野桂の「ルポ 高学歴発達障害」
姫野桂の「ルポ 高学歴発達障害」を読了。この「発達障害」も常々疑問を持っているもので、実際にこの本に出てくる実例を知っても、単なる性格のバリエーションとしか思えません。どうして皆が能力のレーダーチャートでどれも5段階評価で3.5以上でなければならない、みたいな考え方をするのでしょうか。私はそういうある意味何の尖った部分の無い人より、他は全て2以下でも、一つだけは5どころか10くらいある、人を評価します。しかし、同意するのは、今はやたらとそういう全外交的な能力要求の敷居があがってそういう人が生きにくくなっているというのは事実でしょう。また企業においてはかつての年功序列の時代は、それなりに従業員同士助け合ってというのがあったのを(私も若い時は先輩社員に色々助けてもらいました)、評価制度のおかげで自分のことしか関心が無く、同じ部署の出来ない人をフォローしてあげようとする奇特な人は激減したと思います。前の会社でそういう風潮を少しでも変えようと、社内で最初に自分の部署からいわゆるメンター制度を始め、それを他の部署にも広げて行きました。その時、「忙しいのにそんなことやってられるか!」という反応を半分予想していたのに、アンケートを取ったら、メンターからもメンティーからも「いい制度だから続けて欲しい」という反応があり驚いたことがあります。
それからこの本に出てくる多くの人が「大学時代は良かった」と回想しているのが目立ちました。前から思っていましたが、大学はある意味社会に適応出来ない人の「収容所」なんですよね。研究者にはむしろ発達障害の人が向いていると思います。
トワイライト・ゾーンの”I Dream of Genie”
トワイライト・ゾーンの”I Dream of Genie”を観ました。ありがちな「魔法のランプ」ものです。さえない事務職員のジョージは社長秘書のアンに誕生日のプレゼントをしようとし、古道具屋で古ぼけたランプを売りつけられます。しかし職場ではやり手のロジャーにプレゼントの先を越されて、ランプは渡しそびれてしまいます。家に帰ってランプを磨いていると、ビジネスマンの格好をした魔神が現れます。ジョージは3つの願いのことを思い出し、何を魔神に頼もうか色々考えます。一つはアンが有名な映画女優になっていてその夫が自分であるというもの。二つ目は大富豪、三つ目は大統領です。それぞれについてジョージは白昼夢で経験しますが、どれもこれも結局は彼にとっては上手くいきません。それで結局ジョージが魔神に頼んだことというのは…というのがちょっとユニークですが、ネタバレになるのでここで止めておきます。
ウルトラマンAの「変身超獣の謎を追え!」
ウルトラマンAの「変身超獣の謎を追え!」を観ました。特撮番組に出演した回数ではおそらく日本でNo.1でしかもウルトラシリーズと仮面ライダーシリーズの両方に出た小林昭二が宇宙飛行士で、超獣ブロッケンに乗り移られる役で登場します。冒頭でヤプール人によるワニと宇宙生物の合体化のシーンが出てきます。まだCGがなかった時代でウルトラマンAの特撮は、空が割れたり、結構高いレベルに達していると思います。ブロッケンの戦いで、いつものようにピンチに陥ったAに対し、またもウルトラ兄弟からウルトラサインが届きます。そんなに心配なら、最初から複数のウルトラ兄弟が地球に滞在すればいいと思いますが。ともかくウルトラ兄弟はAでは濫用され、さらにウルトラの父や母まで登場します。小学生の時、畏友の岡田君は「ここまで来れば次は太郎や花子が登場する。」と「予言」しましたが、その通りにAの次はウルトラマンタロウになりました。
包丁研ぎ
本年の神棚
本年の神棚はこういう風になりました。例年は正月はどこかの温泉地に旅して、その近辺の神社で神宮大麻(天照大神のお札)とその神社のお札を買い、それから更に地元の神社と言うことで寒川神社にも行ってそこのお札も買って来ていました。今年はどこにも行かなかったのと、また一応神奈川県とはいえ、山梨県に近くそちらを地元と感じてもまあいいかと思い、川口浅間神社で諏訪神社(多分境内の中に一緒にある)のお札も売っていたので、それで済ましました。ここ数年は九州の習慣で三社詣りをずっとやって来ましたが、今年は一社だけにしました。三が日の寒川神社はとても混んでいて参拝まで1時間近くかかります。また元日から長距離ドライブして万一事故とか嫌なので。