本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が本木克弥8段、白番が依田紀基9段の対戦でした。序盤から中盤にかけて、白は左下隅に打ち込んだ石を捨て石にして中央をやや厚くし、更にその後左辺の攻防になりましたが、白の4子くらいが左辺に置き去りになって、左辺から左下隅が通しの黒地になり、この辺りは黒が優勢でした。異変が生じたのは、左辺で白が利かしに行ったのを黒が受けずに、上辺の白を攻めにいった時です。黒は右辺下から中央に延びる石に眼が無いので、上辺白の攻めでそれをカバーしようとしたこともあるのでしょうが、結果的に左辺で取られていた白2子が復活し、出入りは大きく、白が挽回しました。また上辺の白も眼2つながら先手で活きたので、黒の攻めは空振り、明らかに白が成功し優勢になりました。後は依田9段の手堅い収束振りで、結局終ってみれば白5目半勝ちになりました。久しぶりに依田9段らしい碁を観たように思います。
NHK杯戦囲碁 本木克弥8段 対 依田紀基9段(2024年6月9日放送分)
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