梨の花

家の近くに梨の果樹園があります。梨の花は通常ソメイヨシノが満開になって一週間くらいで咲くのですが、今年はソメイヨシノが遅れたせいなのか、ほぼ同時に咲きました。こういうのは初めてのように思います。

久地円筒分水から二ヶ領用水沿いの桜

今年も久地円筒分水から二ヶ領用水沿を溝の口まで歩いて桜を撮ってきました。
ソメイヨシノは満開で丁度良かったですが、しだれ桜はもう盛りを過ぎていました。
今年はPENTAXが桜を撮る時のお勧めにしている、カスタムイメージである「雅(みやび)」に設定して撮ってみました。

横溝正史の「髑髏検校」

横溝正史の「髑髏検校」を読了。「髑髏検校」は、いわゆる「ドラキュラ」を、まだ戦前で日本語訳も出ていない段階で、横溝正史が原書を読んで感動し、それを江戸を舞台にした物語に翻案したものです。吸血鬼の犠牲になった人が自身も吸血鬼になってしまうなどの設定は忠実に守られています。ただ、吸血鬼と戦う側の鳥居蘭渓が何故吸血鬼がニンニクに弱いことを知っているのかという疑問が残り、またキリスト教国ではない日本の江戸でどうやって吸血鬼を倒すのかという問題がありますが、なかなか良く出来た翻案ではあります。最後の吸血鬼の正体があっという感じです。
もう一作収録されている「神変稲妻車」が、まるで白井喬二と国枝史郎を足して2で割ったような、伝奇浪漫の快作です。雑誌「譚海」に掲載されたもので、この雑誌は小林信彦の「隅の老人」に出てくる真野律太が編集長をやっていた雑誌です。タイトルの「神変」やお宝(=二本の笛)の奪い合いという展開は白井喬二の「神変呉越草子」を想像させます。また信州高遠が舞台で、山窩族が出てくる所は、国枝史郎色を強く感じます。戦前の横溝正史は、当時探偵小説が当局からほとんど禁止されていたので、「人形佐七捕物帳」のような時代物や、このような伝奇小説を書いていたみたいです。後年の「八つ墓村」や「犬神家の一族」に見られるような伝奇色は、横溝正史は元々持っていたのだということがわかりました。

フィッシャー=ディースカウとブレンデルの「冬の旅」(1979年、DVD)

フィッシャー=ディースカウとブレンデルの1979年のライブの「冬の旅」のDVDを入手、聴きました。フィッシャー=ディースカウの冬の旅は、LPとCD合わせて12種類持っていて、それで全てかと思っていたらこのDVDがまだあったので取り寄せてみたものです。録音時期としてはバレンボイムと入れたものと同じ年です。ですが、バレンボイムとの盤が、色々と変化を取り入れた「変化球」の「冬の旅」だったのに対し、このDVDは60年代の演奏に近いオーソドックスなものです。ただ、DVDのせいだからかもしれませんが、CDに比べると音質が落ちる感じです。DVDの「冬の旅」はもう一種類、クヴァストホフとバレンボイムのを持っています。こちらはクヴァストホフがいわゆる「サリドマイド児」だったということを初めて知って衝撃的でしたし、演奏自体も素晴らしいものでした。しかし、このディースカウ・ブレンデルのDVDはそれほどの感激は与えてくれないですね。「冬の旅」に関しては、「映像」の必要性は疑問に思います。

遠藤周作の「海と毒薬」

遠藤周作の「海と毒薬」を読了。1945年の九大医学部における、アメリカ人捕虜に対する生体解剖事件を題材にした小説です。Wikipediaで読んだ実際の事件と、遠藤のこの小説はかなり異なっているように思います。遠藤の関心は「日本人とは何なのか」が主なものであり、大した葛藤もなく、生体解剖を行った関係者の姿がある意味淡々と描かれています。実際の事件は、当時(1945年5-6月)、日本の都市へ無差別爆撃を繰り返し、罪のない一般市民の命を奪っていたB-29の搭乗員への憎しみがあり、どうせ死刑にするなら、という発想で生体解剖を行ったということが推測されます。だからといって生きた人間を医療実験に使った関係者の罪は免れ得ないものだと思いますが、遠藤の描写は非常に一面的で突っ込みにかけるもののように思います。遠藤はこの作品については第二部を書く予定があったようですが、実際には書かれずに終わりました。