王銘エン9段の「棋士とAI - アルファ碁から始まった未来」を読了。アルファ碁に関する本はもうこれで何冊目になるか分からないくらい読んでいますが、この本はアルファ碁の打つ手の分析とかではなく、アルファ碁を中心としたAIの碁が人間の碁のはるか先を行くようになり、(アルファ碁の最新バージョンだと、人間のトップ棋士より既に三子強いのだとか)、そういう時代に棋士はどうAIと向き合っていくか、といった所を述べた本です。囲碁に限らず、これからありとあらゆる分野で人間がやってきた仕事はすべてAIに脅かされずにはいられないでしょう。そういう時代に人間としてどういう技能を強化して生き残っていくべきか、色々と考えさせられる本です。NHK杯戦の囲碁を毎週観ている限りでは、人間のAIの碁の研究はまだ本当に始まったばかりであり、人間がAIの良さを吸収してもう一歩上に行くにはまだかなり時間がかかると思います。日本の囲碁はいまや中国や韓国の後塵を拝するようになって久しいですが、AIはその中国や韓国の棋士に勝つための有用なツールであって、日本の棋士にとっては大きな武器になると思っています。