松田定次の「七つの顔」(片岡千恵蔵の「多羅尾伴内」シリーズ第1作)

ちょっと気分を変えて松田定次監督・比佐芳武脚本・片岡千恵蔵主演の「七つの顔」を観ました。いわゆる「多羅尾伴内」シリーズの第一作です。私が「多羅尾伴内」を知っているのは、高校生の頃、少年マガジンだったと思いますが、石ノ森章太郎の絵の漫画版があったからです。(この漫画版はあまり長続きせずすぐに打ち切りになったように記憶していますが。)今の視点で見るといわゆる突っ込みどころ満載、って奴になりますが、まあ野暮なことを言わないで、気楽に観ていればそれなりに楽しめました。知らなかったのは、七つの顔の実体である藤村大造が元々盗賊で、その罪滅ぼしのため、犯罪捜査をやっているという設定です。元はといえば、時代劇の大スターだった千恵蔵が、戦後GHQによる禁止で映画におけるチャンバラが禁止されたため、苦肉の策で千恵蔵に日本刀ではなく拳銃を持たせて活躍させるために出来た映画のようです。

原子力潜水艦シービュー号の”The Heat Monster”

原子力潜水艦シービュー号の”The Heat Monster”を観ました。以前第一次世界大戦時のUボートの艦長役で2回出た人が別の役でまた登場。そして舞台は何回目かの北極。シービュー号が氷の間の海に浮上するシーンは、明らかに映画版の使い回しでシーズン1でも出てきました。北極からエイリアンにコンタクトしようとしていた科学者がそれに成功し、エイリアンが北極上の基地にやってきますが、その実体は「火」で科学者の助手を殺してしまいます。その科学者は生き残り、火が中に入った氷の状態になったエイリアンと一緒にシービュー号の中に連れて行かれます。エイリアンはシービュー号の中で火に戻り、艦内の温度を上げてネルソン提督以下に原子力エンジンによって火焔ビームを作り、それを北極上に放射することを命じます。その目的はそのエイリアンの仲間が氷に閉じ込められているのを助けるためでした。ネルソン提督はエイリアンが立てこもっているエンジン室に冷たい北極海の海水を入れてエイリアンを殺そうとしますが、失敗します。エイリアンにコンタクトしようとしていた科学者は、エイリアンから宇宙に関する知識を得ようとしてエイリアンに協力しますが、最後はクレーン艦長がその科学者の観察小屋に時限爆弾を仕掛けるのを邪魔しようとして失敗し、結局エイリアンに殺されますが、その死の間際にエイリアンの弱点である寒さを突いて、凍らせるように言い残します。それでネルソン提督が液体酸素のボンベでエイリアンを攻撃し、また観察小屋が爆発寸前にシービュー号は何とかダイブし無事に済んだ、という話です。

NHK杯戦囲碁 第66期決勝戦 井山裕太5冠王 対 一力遼8段

本日のNHK杯戦囲碁はいよいよ第66期の決勝戦で、黒番が井山裕太5冠王、白番が一力遼8段の対戦です。井山5冠王は勝てばNHK杯戦3連覇、一力8段は勝てば3度目の決勝進出で3度目の正直ということになります。一力8段はまだ21歳ですが、この2人は既に7大タイトル戦で5度戦っています。しかし一力8段にとっては井山5冠王は厚い壁であり、7大タイトル戦挑戦手合いでは3勝16敗という結果に終わっています。特に2017年から2018年にかけて、王座戦・天元戦・棋聖戦と3連続の挑戦という大きなチャンスがありましたが、1勝も出来ず10連敗に終わりました。この結果はかなり一力8段にとってはショックだったと思いますが、しかし立ち直りは早く、第25期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦の2回戦で井山5冠王と当たり1勝しました。また2018年の王座戦でもタイトル奪取にはなりませんでしたが、2勝3敗となり後一歩まで迫りました。そういう二人による決勝戦でしたが、常に局面を動かす手を打ったのは一力8段であり、特に上辺に開いた白に黒が迫った時、それに受けずに逆に黒の開きの中に打ち込む、という積極策を採りました。黒はケイマに飛んで上辺右側の白にプレッシャーをかけましたが、それにも受けず左上隅の小目の黒につけてさばきに行きました。黒がはねた時、さばきでは切るのが普通の手ですが、一力8段はハネ返しました。こうした白の斬新な打ち方に井山5冠王は対応に苦慮し消費時間を先に使うことになりました。左上隅の折衝で、実利は白が取り、黒は左辺の白に付けて上辺を拡大しようとしましたが、ここで白が黒の根元をずばっと切ったのが、解説の趙治勲名誉名人もおそらくまた井山5冠王も予想していなかった強手かつ好手であり、ここから局面がもつれましたが、結果として黒は上辺に大きな地を築くことが出来ず、また切られて左辺に取り残された黒が弱くなりました。更には本来打ち込まれて攻められそうだった上辺右の白について手を入れずに補強した形になり、白の切りはこの対局のハイライトといっても良い手でした。その後黒が上辺右で取られかけていた2子を逃げ出し、ねじりあいが始まりました。結局黒と白の大石のどちらにも眼がなく、最初は攻め合いかと思われましたが、内ダメがかなり空いていて結局セキになり双方生き生きになりました。白は今度は左辺に残された黒を再度中央と切断して攻めに回りました。もしこの黒が取られてしまうと、セキだった筈の所がセキ崩れになって、中の黒が全部取られてしまいます。結果的に黒はうまく白3子を取ってつながりしのぎましたが、ねじりあいが一段落した結果としては白地が多く、白の優勢となりました。大ヨセで井山5冠王が右下隅を打ったのが意図が不明で、次に白が打った下辺の方が大きかったように思いますが、真意は分かりません。ざっと見た感じでは盤面でもかなり白が優勢という状況になり、井山5冠王の投了となり、一力遼8段が3度目の決勝戦で初めてのNHK杯を獲得しました。優勝インタビューでは、今回勝ったことだけに満足せず、TV囲碁アジア選手権に向けて頑張りたいとのコメントがあり、非常に頼もしく感じました。またこの2人のタイトル戦での戦いはこれからがむしろ本番になるのではないかと思いますが、一力8段が井山5冠王を下して初の7大タイトルを奪取する日も遠くないと思いました。

池井戸潤の「下町ロケット ゴースト+ヤタガラス」について追記

池井戸潤の下町ロケットの最新刊2巻の農業用AIトラクターの話はどうもクボタとかヤンマーが実際にやっているものを取材して書いているみたいです。こういう姿勢に2つの問題点を感じます。
(1)以前私の勤めている会社の製品の実使用例をまとめた資料を作り、それをその後業界別資料にまとめ直しました。その過程で分かったのが、日本のほとんどの業界がガラパゴス化していることです。つまり日本でしか通用しない製品が多すぎるということです。この農業ロボットの話も同じで、誰が考えたって日本の特殊な農業、世界的に見て競争力がほとんどなく関税で保護されてやっと生き延びている農業だけをターゲットにした製品開発はガラパゴスの典型です。
実際ちょっと調べてみたら、農業のロボット化やAI化は海外の方が当然進んでいますが、この小説にはその手の話はまるで出てきません。
(2)こういう時事的なネタを小説に取り入れると、そこから小説が腐っていく、ということ。つまり10年ぐらい経ってこの小説を読んだら、時代としてはまったく違う方向に行っていて、馬鹿馬鹿しくて読むに耐えないことも十分考えられる訳で、その意味で賞味期限が数年しかないこと。
要するに、この小説、小説というよりもはやテレビドラマの原作でしかないということですね。プロジェクトXのドラマ版というか。

Japanese food

The following essay is what I wrote as an assignment of an English school AEON.

Topic: Japanese food
Style: Casual

If we ask some foreigners about their favorite Japanese food, answers might be almost always the same: sushi, tempura, sashimi, and so on. I think the most important thing in Japanese food is not a specific type of dish, but an element or ingredient, namely, dashi. I do not think there is an exact corresponding word in English, but soup or soup stock could be the one. As for the types of tastes of human, there were only four in western countries, namely sweetness, sourness, saltiness, and bitterness. In Japan, we had one more taste called umami. Though the fifth taste was just empirically known, Kikunae Ikeda found that L-monosodium glutamate could make us sense umami in 1907. He derived the chemical by boiling dried kelp, which is one of the most popular ingredients to get good dashi in Japan. Most western scientists did not approve the new taste, but it was proven that there are receptors of umami on our tongues in 2000. Dashi means soup that can provide any dishes with umami. For most Japanese dishes, we use some dashi in them. The most typical sauce shoyu or soy source contains a lot of umami in it such as amino acid, glutamic acid, and asparagine acid. Now umami is translated into English as savory.
Except for dried kelp, we use katsuobushi, dried bonito, niboshi or iriko, dried small sardine, and also dried shiitake mushroom, and so on. Combinations of dried kelp and dried bonito are the most important skill for all Japanese dishes’ chefs. One good thing about these two ingredients is that they are well prepared for daily usage and we can easily use them even at home. On the contrast, in French dishes, chefs take some burdensome steps to get Bouillon, or broth.
Do not forget one more important material: water. Some western chefs tried to use dried kelp and dried bonito in their countries, but because of the different quality of water, they could not get good dashi. I heard that some famous Japanese chefs brought a big bottle of Japanese water with them when they were asked to cook in foreign countries.
I show you a good example of Japanese dishes that utilize dashi: Dashi maki tamago, or Japanese style rolled omelet with dashi. It is a very simple dish, just bake egg with dashi mixed, but it is very tough to get a good figure. We use a special small square pan just for this dish.
At last, one thing I hate is that many Japanese house wives use instant powder type dashi that uses MSG for their daily dishes. I never choose convenience over getting good dashi.