英辞郎 最新版

(この記事は2018年4月7日時点のものです。)会社の新しいPC(Windows 10)に、英辞郎の第7版をインストールしようとしたら、インストールが途中で止まってしまいます。多分ディスクに傷が入ったかなんかのせいかと思って、最新版の第10版を買い直しました。それのインストールの方法を読むと、Windows 10では、Autoplayで表示されるアイコンをクリックしてインストールしては駄目で、エクスプローラーでセットアップファイルを表示させて「管理者として実行」をやらないといけないということです。ということは多分第7版も同じですね。(7版が出た時まだWindows 10は出ていませんでした。)なーんだ。まあでもこのソフトは私が会社で一番使っているソフトなので、最新版を買う価値はあるので構いませんけど。
この「英辞郎」はご存知でしょうけど、元々懐かしのNifty Serveの「翻訳フォーラム」で、翻訳者が本当に使える英和・和英辞書を作ろう、というプロジェクトから始まったと記憶しています。実際の所、英語の先生が作った市販の和英辞典は、専門用語・ビジネス用語がほとんど載っていなくて、使い物になりません。本当に使える辞書はこの英辞郎だけです。ただ、ある意味上級向けというか、たとえばある日本語の単語を入力すると、英単語の候補がずらりと出てきますけど、TPOに応じて使い分けないと、最初に出てくるのをそのままいつも使えばいい、という訳にはいきません。また、例文が一応載っていますが、出典がイマイチなのであまり信用しないで、インターネットで検索して調べた方がいいです。また面白いのは日本に住んでいる英語のネイティブもこの英辞郎を重宝して使っているんですよね。

23年前のTOEIC+HELPTの結果

荷物置き場にしている通称「腐海」の部屋の片付けを進めています。先日はそこに放置状態のPCを6台業者に引き取ってもらいました。今日は空段ボール箱をいくつか片付けました。そうしてようやく奥の方の本棚にアクセスできて、昔の転職活動用資料一式が出てきました。その中に、TOEIC+HELPT(昔日立グループが独自にやっていた英語のテスト)の結果が入っていました。1995年の2月に、33歳(23年前)で初めて受けたTOEIC(団体受験)は、リスニング470点(!)、リーディング425点の895点でした。何とリスニングは965点取れるようになった今が480点ですから、10点しか違いません。さすがにこの頃は現役で海外関係の仕事をしていましたから、耳は鍛えられていた訳です。(逆に言うと、使わないと落ちるのはリスニングの方ということです。)
この時の日立グループはまだTOEICとHELPTの併用で、TOEICでは800~990点を取っても一次試験扱いでC止まり。B以上を取るには別途ネイティブの面接試験を受けないといけませんでした。その結果が右の書類で、目出度く「B」(英検1級相当、とされていましたが、今から考えるといいところ準一級ぐらいだと思います)を取っています。
「ウィリス」さんという面接した先生のコメントは、
“Mr. XXXX is a strong and direct English speaker. Some minor grammar flaws prevented him from reaching the highest level. He was able to access the proper vocabulary for most situations. Most of his responses were clear and direct, that was great. Thanks for your hard work!” でした。

オンライン英会話Eigoxのレビュー

オンライン英会話サービスのEigoxを使い始めて半年以上が経過しました。
Eigoxについて、レビューとこれまでの使用状況をまとめてみます。

1.利用状況
1回25分のSKYPEによるネイティブ講師とのトークを、2017年9月以来、平均8~9回/月行ってきています。これまでに通算53回のレッスンを経験しました。申し込んでいるコースは8回/月で7,500円ですが、時々月末にポイントを使い果たした時に、1回だけのポイントを購入しています。これは1,200円です。

2.講師の分析
これまでレッスンを経験した講師の数は全部で18人です。講師A 25回、講師B  6回、講師C 4回、講師D、E、F 各2回、他の12人の講師 各1回という内訳です。講師Aとは無償のトライアルの時に選んでみた先生ですが、この人との相性が良かったので、1回/週のペースでこの人とはずっとやってきています。後は講師Bは最近知り合った人ですが、浮世絵が好きということで私と趣味が一致し、最近ずっと日本の絵師について私がこの人に紹介する形でレッスンをしてきています。(何かどちらかと言うとこちらが教えているのですが…(笑))他の講師は、講師の検索画面で国籍や講師経験を指定してその都度選んで来たものです。

Eigoxのシステムはこのように、国籍や講師経験を指定して検索できるのがグッドです。(左の写真がその画面)これは向こうが勝手に講師を選んで押しつけてくる(しかもネイティブといいつつ2/3は南アフリカの講師である)EF English Liveに比べ大きなメリットです。また、講師が空いている時間も大体10日先ぐらいまで分かるので、これまでレッスンの予約で大きなトラブルがあったことはありません。日本時間の20:00~22:00くらいで予約していますが、この時間でもアメリカ人講師とレッスン可能です。

ただ、たまに予約した後に講師の都合が悪くなって、別の講師に振り替えられるということが3回ほどありました。

3.レッスンの内容

Eigoxのレッスンでは、講師にテーマを決めさせることも出来、こちらでテーマを指定することもできます。私は100%こちらでテーマを指定した上でのフリーディスカッションにしています。これもEF English Liveではあらかじめ決められた3つぐらいのテーマしか選べなかったのに比べるとEigoxの方がはるかに使いやすいです。また、レッスン時間についてはEF English Liveが一回40分で、Eigoxは25分で、一見EF English Liveの方が良いように見えますが、EF English Liveのは実際は25分くらいがディスカッションで後はオンラインで問題を解かされます。これはある意味オンラインでやる意味が不明で無駄です。実質的にはEF English Liveもしゃべっている時間は25分でEigoxと変わりません。(しかもEF English Liveはマンツーマンのレッスンは月に4回だけです。それ以外にグループレッスンがありますが、こちらは自分がしゃべる時間がかなり限られてしまい、オンラインレッスンとしては非常に効率が悪いです。)

これまで私が指定したEigoxでのディスカッションのテーマは、
(1)トランプは何故アメリカの大統領になれたのか
(2)アメリカにおけるPolarization(保守とリベラルの2極分解の状況)について(4回ぐらい違った講師と討議しました。)
(3)アメリカと日本における銃規制の比較
(4)日本の戦後の政治体制の変遷について(2回くらい)
(5)日本の大衆小説について(6回くらい)
(6)イギリス文学について、E・M・フォースター、イアン・マキューアン、ディケンズなど
(7)英語の効果的な学習方法
(8)日本の浮世絵について(6回)
(9)日本の移民政策について

などで、私の趣味全開という感じです。なんかこのEigoxのレッスンで「もっと日本文化を英語で海外に説明する必要があるのではないか」というある種の使命感に目覚めました。(笑)また、自分が決めたテーマについて、あらかじめ単語を調べたりして準備するのが、結構いい単語力向上のトレーニングになっています。

4.講師の評価
これまでの講師は、講師の数が全18人で、国籍はアメリカ 12人、イギリス 4人、カナダ 1人、オーストラリア 1人といった感じです。ただアメリカ人と言っても、現在アメリカに住んでいる人は4人くらいで後は海外在住で、セルビア、コスタリカ、タイ、日本、フィリピン、韓国など様々でした。
国籍については、すべて私の方で指定して検索して予約した結果こうなっています。米英を中心とするネイティブと話したいという希望は100%達成されており、これもEF English Liveよりはるかに良いです。
政治的なテーマで多くディスカッションしましたが、講師の7割くらいはリベラル、3割くらいが保守という感じです。元々外国人が嫌いな人が英語を外国人に教える講師にはなりませんので、これはある意味当たり前という感じです。
英語を教えるスキルについては、英語教師に特化している人もいますが、多くはごく普通の職歴の人という感じです。(まあボヘミアン的な生き方の人も多いですが。)国連関係の機関の人、大使館、フリーランスとか色々ですが、現役で大企業に勤めてばりばりやっているような人は今まで巡り会っていません。(まあそういう人がこのような副業はやらないでしょう。)そういう意味で実際的なビジネス英会話みたいなものを期待している人にはちょっと違うかもしれません。(それが出来る講師がいない訳ではないと思いますが。)また、既にリタイアされている高齢の方も何人かいらっしゃいました。高齢の方は意外といい評価をしてくれる場合が多いようです。
「知性」という点では、結構インテレクチャルな話題が通じる講師が多い、という感じで、最近はかなりアカデミックな話題を論じることもあります。(例えばサピア=ウォーフ仮説と、チョムスキーの生成文法仮説はどちらが正しいのか、みたいな。)

5.私自身の英会話力についてのレビュー

Eigoxでの会話力の評価基準は10段階に分かれていて、その内6以上の基準は以下の通りです。

6 ★★★★★★☆☆☆☆ 国際共通英語(プチ・バイリンガル) 努力&継続 準1級/800点
7 ★★★★★★★☆☆☆ ネイティブ・レベル (入門) 難関 準1級/880点
8 ★★★★★★★★☆☆ ネイティブ・レベル (初級) 超難関 1級/980点
9 ★★★★★★★★★☆ ネイティブ・レベル (中級) 究極難関 ―
10 ★★★★★★★★★★ ネイティブ・レベル (上級) 奇跡 ―

で、私の英会話力についてのこれまでの評価(完全に講師の主観です)は、
これまで、6が2回、7が5回、8が42回、9が3回、10が1回で平均:7.8となっています。
最初の頃は7の評価が多かったですが、最近はほとんど8です。これはTOEICだと980点だということで、ほぼ私の英語力と比例する評価になっていると思います。
1回ごとのレッスンについては、講師の寸評が付き、後から見ることができます。参考までにそういう寸評の一つの画像を上げておきます。(クリックで拡大します。)

6.Eigoxの総合的な評価

以上のような感じで、個人的には満足しており、英会話力の向上にも確実に効果が出ていると思います。
マイナス評価は広告の表示で、料金がネイティブ講師で「1回350円から」と表示されていますが、これは月に60回レッスンを行った時の単価で、私がやっている8回/月のコースでは、1回938円で、広告の表示とはかなり差があります。実際に月60回(1日2回)もやっている人はまずいないので、ある種の仮想的料金だと思います。
後は、レッスンを予約する時に、ディスカッションの希望テーマを書きますが、その内容がメールでの配信にしか記載されておらず、Web上では参照できず不便です。この点はもうすぐ改良するというアナウンスが12月くらいにありました。
まとめて、上級者でネイティブと会話したくて、トピックも自分で選びたい人にはお勧めです。逆に中級者以下で、テキストとかテーマも講師に選んで欲しい、という人は(それも可能ですが)特にEigoxがメリットあるとは思えず、むしろ教材の充実という点では色々悪口を書いているEF English Liveの方が優れているかもしれません。
また、Eigoxは良くも悪くもSKYPEなんで、通信状況はやってみないと分からないという感じです。これまでこちらの声が向こうに聞こえずレッスンが出来なかったのが1回、音声が途切れ途切れになって聞きにくいということは10回くらいありました。

NHKラジオ「実践ビジネス英語」4年間修了

NHKラジオの「実践ビジネス英語」の2018年3月号の学習を終了しました。これで2014年4月号以来、丸4年間続けたことになります。この講座は、「ビジネス」となっていますが、一般に想像されるような、価格がどうした、契約の内容が、納期が問題だ、などといった内容は4年間で「一度も」登場していません。なのでそういう内容を期待しているならまったくの肩すかしです。そうではなくて、この講座ではもっと深い内容が語られます。たとえばこの3月号のトピックは「仮想現実と未来の旅」「仕事からの学び」です。前者は旅行社やレンタカー会社などがVR(仮想現実)の力を借りて新しいビジネスを創造できるという内容で、後者は1年間A&A社で働いた社員が、そこで先輩社員のワークスタイルに見いだしたもの、というものです。講師の杉田敏先生は、本当に感心するくらい毎月ある意味最新の話題を集めてきて、それに関するヴィニエット(短い会話)を届けてくれます。そういう内容に触れるだけでも、この講座は価値があります。
英語の面での効果はと言えば、ネイティブが言いそうな自然な表現に触れて慣れる、というのが一番大きいと思います。また語彙の面でも、学校英語ではまず出てこないようなリアルなネイティブらしい表現をたくさん学ぶことが出来ます。実際にAEONの英語教室で、この講座で学んだ語彙を使って、講師の先生に「よくそんなの知っているな」と褒められたことが数回あります。例えば、”Hippocratic Oath”(ヒポクラテスの誓い、医師が患者を助けることを道徳的に誓うこと)とか、”gentrification”(大都市で荒廃した地域を再開発すること)とか、”to fork over a hefty chunk of change”(かなりの額のお金を渋々払う)といったものです。
私はテキストとCDを毎月買っています。実はCDには放送では省かれている単語一覧の読み上げがついており、放送よりメリットがあります。またいつでも好きな時間に学習できるのもメリットです。価格は両方合わせて2000円弱です。私はまずはテキストを見ないで通して一回聞き、その後一日に3課分(大体30分くらい)をやって、四日でテキスト全部をやります。それを3回繰り返します。3回目はテキストを聞くだけでなく、シャドーイングで声に出して読みます。このやり方で、この講座で出てくる語彙をかなりの部分自分のものにすることが出来ました。
今後もこの講座は英語学習の基礎として、続けるつもりです。

Richard Schenkmanの”The man from earth”

EigoxのSFファンの先生のお勧めで、The man from earthというSF映画を観ました。一応劇場映画として作られたようですが、何故かネットで全部観られます。全部英語で日本語の字幕も英語の字幕もないので(左の写真はトレーラーなので字幕が入っています)英語が聴き取れないとまったくストーリーは分かりません。しかも劇的なシーンはほとんどなく、淡々と室内の会話だけで話が進みます。(以下ネタバレしますので、これから観る人は読まないように。)

ストーリーは、ある大学に10年勤めたジョンという男がその大学を辞めて別の土地に行くので、仲間の教授達が私的なお別れ会をジョンの家で行います。そこでジョンは驚くべき告白を始めます。それによると彼は14,000年前の洞窟に住んでいたクロマニヨン人の生き残りで、まったく歳を取らず生き続けており、ある場所で10年過ごすと彼が歳を取らないのに人々が気づき始めるので、10年毎に住む場所を変えると言います。仲間の教授達は、考古学や古美術や精神医学のそれぞれ専門家でそれぞれの立場からかなり突っ込んだ質問をしますが、ジョンはそれにすらすら答えていきます。途中で彼はアジアでブッダの弟子になり、その教えを広めるために中東にやってきて、その話が誤って伝わってキリストと間違えられたという恐るべき話をし、敬虔なクリスチャンの女性は泣き出してしまいます。結局最後にジョンはそれまでの話は全部作り話だと言いますが、本当へ彼は事実を言っているんじゃないかという謎を残したままジョンが去って行く、というものです。

面白いストーリーですが、かなり地味なのも事実です。劇場で有名にならずネット拡散しているのはそういう理由からでしょうか。

阿部公彦の「史上最悪の英語政策 ウソだらけの「4技能」看板」

阿部公彦の「史上最悪の英語政策 ウソだらけの「4技能」看板」を読了。うーん、「最悪」なのはこの本の方ですけど。
ともかくこの筆者、今の日本の英語教育についての現状認識がきわめて甘いと思います。私の世代のも、最近のもともかく日本の英語教育はひどいと思います。
特に中学校の。私は高校からは私立高校で、そこではネイティブの英語の授業が一応ありましたが、中学ではそんなのまったくありませんでした。特に問題があるのがリスニングです。英語(に限らず外国語)はまず耳からだと思います。しかし、中学の英語の授業では、せいぜい授業の最初にテープを聴かされるくらいで、後は大して英語力もない日本人教師の朗読を真似するだけです。
それからこの筆者、TOEICを受けたこともないくせに、TOEICの内容を批判していて、いわゆる対策本に、例えば写真問題のコツとか載っているのを過大視していますが、TOEICはそんな甘いモノではない!きわめて限られた時間で次々に解いていかないといけなくて、パターンがどうの、なんて考えている暇はないです。そして経験上TOEICの点数はかなり英語の本当の力と比例すると思います。(本当の上級者の能力を測るのにはちょっと無理がありますが。)
さらには、この方、従来型の文法+訳読のメリットを強調するんですが、私がドイツ語で経験したのは、会話の勉強をしてある程度しゃべったり聴き取れるようにならないと、ドイツ語の文章を読んでも本当には理解できない、ということです。要は動詞の本当の肌的感覚みたいな所を会話の練習でつかんで、初めて文章を読んでも理解できるようになります。
私は大学の時、2年間ゲーテインスティテュートに通いましたけど、その時に初めて「ああ、外国語ってこうやって学ぶんだ」ってのが理解でき、逆にそれまで自分が受けてきた英語教育がいかにひどかったかを実感しました。講談社学術文庫で、沢田昭夫著の「外国語の習い方―国際人教育のために」っていう本に、ゲーテインスティテュートの授業の様子が出てきますが、それがまさに私が習った先生と私が使った教科書のもので、読むととても懐かしく思います。ゲーテでの授業は、まず1課分のスキットみたいなのを聴いたら、後はひたすらそれをベースにして色々な言い換えみたいな練習を徹底的にやらされました。そのため、今でもテキストの内容を暗唱できる程です。
日本の英語教育は、それこそフィリピン人でも大量に雇って、中学生の最初から徹底的に耳を鍛えて、ってやらないと改善されないと思います。逆に文法なんかは1年ぐらいでまとめてやってもいいと思います。

久野暲・高見健一著の「謎解きの英文法 単数か複数か」

久野暲・高見健一著の「謎解きの英文法 単数か複数か」を読了。最近EigoxやAEONで英語をしゃべっていて、よく迷うのが動詞を単数で受けるか複数で受けるかということ。その辺りの知識を整理するために読みましたが、なかなかに有益でした。まずは学校文法で十把一絡げに「集合名詞」と呼ぶものの中に、team, familyのように数えられるものと、cattle, policeのように数えられないものが混在していることを明らかにしてくれます。しかもcattleの場合は、a cattleは駄目だけど、two cattle (two cattlesではない)はOKというなかなか混乱することが書いてあります。また、アメリカの野球チームのThe Boston Red Soxは複数形で受ける、何故ならSoxは元々Socksだから、なんてのは知らないとまず間違えます。(野球チームは原則複数で、日本のHiroshima Carpも見た目は単数形だけど、この場合Carpが単複同形で複数形と見なすべきだそうです。)また私は会社については複数の人が働いているという意識でつい複数で受けてしまいますが、それはイギリス英語で、アメリカ英語の場合なら、General Motorsのように名称自体が複数形になっていても単数で受けなければならないことを再度確認できました。また、none of usの後はisかareというのは、50年くらい前まではisが正しいとされていたのが、今は複数で受ける人の方がはるかに多い、などなかなか目から鱗でした。それがNeither of themの後だと、書き言葉で正しくは単数で受けるけど、話し言葉では単数を使うとものすごく文法の細かい所にこだわっている感じがして却って不自然と思われるなど、なかなか一筋縄ではいかないことが理解できました。また、Nobody can see himself directly. に付加疑問文をくっつけると、Nobody can see themself directly, can they? になるなんて言うのは細かすぎて初めて知りました。この場合のthemselfはthemselvesの間違いではなく、himself or herself という意味です。
そんな感じで、この本では英和辞典の記述も結構当てにならないことがいくつか例示されています。

English Journal 2018年3月号

English Journalの2018年3月号について。この号で買い始めてから丁度丸4年になります。
しかしながら、この号はこの雑誌の悪い所が出ていると思います。
(1)収録CDが今号は60分弱くらいしかない。ちなみに先月は80分近くありました。私は、まず一回通して流し聞きし、次に30分ずつ2回に分けてテキストを見ながら聴くというのを2回やります。時間が毎月大幅にぶれるとこうした計画的な学習がやりにくくなります。
(2)特集記事の意味の無さ。今号の特集は、「TOEICテストが劇的にアップする「コスパ最高の」英単語」ですが、挙げられているのが、「上級語49」となっているので、delivery(配送、配達)、material(素材)、production(生産)、application(申込書)などで、どこが「上級」なのか理解に苦しみます。上級じゃないのは、interview(インタビュー)、busy(忙しい)、position(位置)、market(市場)とかではっきり言って中学生レベル。そりゃこのレベルの単語を知らない人がこれらを覚えればTOEICの点数はアップするでしょうが、この雑誌を買って読むような人はそんなレベルじゃないと思います。(そうじゃないと英語の生インタビューなんか聴いてもまったく理解できず役に立たないでしょう。)

要はこの記事は、TOEICの問題を集めて、その中から頻出する単語を抜き出したんでしょうが、大半の人がそのレベルは知っているので無意味です。むしろ出現頻度は低くても、例えばproduceに「生産する」という動詞だけではなくて、「農産物」という名詞の意味があるといったそういうことを覚えるのが必要だと思います。実際にこの意味で出題されたことがあります。

ロッシェル・カップ、大野和基の共著の「英語の品格」

ロッシェル・カップ、大野和基の共著の「英語の品格」を読了。これは良書です。日本人の英語学習者は、アメリカは何でもストレートにダイレクトに言う文化で、英語もそうあるべきである、と考えている人が多いのですが、この本はそれが大きな間違いであることを明らかにします。エリン・メイヤーの「The Culture Map」にも、アメリカ人の上司が部下にネガティブなフィードバックをする時は、まずポジティブな指摘から始めて、なるべくネガティブな内容をオブラートでくるむようにするというのが出てきていましたが、この本でも同じことが言われています。気をつけないと、ネイティブは日本人だから英語のニュアンスが良くわかっていないんだろう、なんて好意的には解釈してもらえなくて、なまじ少し英語をしゃべる人の方が大きな誤解と悪印象を相手に与えがちです。また私にとって良かったのは、私にとっては、英語の語彙を今の9,000語レベル(TOEICのReadingでほとんど困らないレベル)から20,000語レベル(TimeとかNewsweekをすらすら読めるレベル)に上げるのが課題なのですが、この本ではネイティブが語彙を強化するために使っている本を3冊紹介してくれています。私は内2冊をAmazonに発注しました。また、主に映画で英語を覚えた人が、映画に出てきた表現をそのままインタビューで使って、相手の人を怒らせる事例が出てきます。後、この本ではいわゆるpolitically correctな表現の話も出てくるのですが、体に障害がある人を言う場合の、disabledやhandicappedが既に古い表現で、今はphysically challengedとか、differently abledとか言わないといけないのだとか。この点はこの本に同意できず、行きすぎじゃないかと思いました。
まったく英語がしゃべれない人向けではないですが、TOEICで800点ぐらい取れる人は読んでおいた方がいい本です。

ディケンズの「クリスマス・キャロル」

ディケンズの「クリスマス・キャロル」を「英語で」読了。このお話のラジオドラマ(英語)を、高校の時英語の授業で使って、懐かしかったので改めて英語で読んでみたものです。よく知られた小説で、ストーリーも分かっているし、そんなに難しくないだろう、と思っていましたが、実際には知らない単語だらけで、結構苦労しました。それでもストーリーは分かっているので知らない単語を一つ一つ辞書で引いたりはせずに読み進めました。この小説が書かれたのは1843年で、日本で言えば天保年間の最後の年です。さすがにこれだけ昔の本だと今の英語とはそもそも語彙自体が違うように思います。後読んでいて感じたのは、結構韻を踏むような文章も出てくることでした。
この物語に出てくる、ボブ・クラチットの末の息子で、足の不自由なTiny Tim(これも韻を踏んでます)が、私は好きで、スクルージ爺さんが改心して、ボブの一家を助けてTiny Timを死の運命から救い、Tiny Timの第2の父のような存在になる、というお話が好きです。