最近出回り始めた中国製不織布マスク

Amazonで不織布マスクが検索で普通に出て来るようになったので、「細菌遮断率 BFE 99% 試験証明書付 使い捨て マスク 50枚 中国製 三層構造 50枚入×1箱 国内アマゾン倉庫から発送 ハナブサ英」というのを注文したら、5月4日に注文して6日に到着しました。(価格は3,880円)確かに試験証明書は付いていて、製造工場も製造日も書いてあって好感が持てますが、
(1)BFEは細菌の遮断率であり、ウイルスはVFE(ウイルス遮断率)・PFE(ラテックス微粒子遮断効率試験)で無いと意味がありません。
(2)写真上の楽天市場で4月初旬に注文して4月末に付いたのと見た感じほとんど同じ物です。どちらも不織布が薄くて効果がイマイチという感じがします。どうもこれが今の中国製の標準仕様という感じです。

まだユニチャームとかアイリスオーヤマみたいな日本ブランドは入手が困難ですが、少なくとも今回入手したタイプの不織布マスクはもうどこでも手に入ると言っていいのではないかと思います。
私はメインは自作の4層不織布強化マスクを使うつもりですが、これから蒸し暑くなってくると、こういう普通のマスクも必要かと思ったのと、ちょっとコンビニに行ったりするのに自作強化マスクを使うのはもったいないという感じでこれらの不織布マスクを買いました。

今度は北里大学/FNNの不適切情報

今度は北里大学の不適切情報

「――ウイルスの不活化が確認された製品とそうでない製品、違いはどこにある?

残念ですが、今の時点では分かりません。さらに研究を進めています。今回は一部の洗濯用洗剤で不活化効果が不十分という結果でしたが、そうした製品も不活化効果を持つワイドハイターを加えることで、不活化効果に期待ができるでしょう。」

洗濯物と一緒に使って殺菌効果が強いのは単なる「ハイター」(次亜塩素酸ナトリウム)であり、「ワイドハイター」ではありません。ワイドハイターはオキシドールが酸化成分で、殺菌効果がまったくない訳ではありませんが、次亜塩素酸ナトリウムに比べ殺菌に時間がかかります。(玉川進編著、東京法令出版「消防職員のための消毒・滅菌・感染症対策マニュアル」によれば、オキシドール=過酸化水素水が一般細菌を殺すには5~20分かかります。次亜塩素酸ナトリウムの希釈液では最大2分でほぼ全ての細菌・ウィルスを殺せます。{芽胞を除く。})しかも単体で使わず普通の洗剤と一緒に使えばもっと殺菌効果は落ちます。(血液中のカタラーゼと触れると酸素を激しく出し、強い殺菌効果がありますが。その血と触れると酸素を出す作用のため昔は傷口の消毒に良く使われていましたが、今はその急激な酸化作用が傷口の組織を破壊するため、あまり使われなくなりました。)

花王のHPでも「ワイドハイター EXパワー」を「除菌」に使う時は、洗剤に追加するのではなく、「ワイドハイター EXパワー」だけを使うように書いてあります。しかも「※すべての菌を除菌するわけではありません。」という注意書きがあります。

また内閣府の食品安全委員会のHP(ノロウイルスの消毒方法)でも、
「なお、酸素系の漂白剤(商品名:ワイドハイター等)ではなく、塩素系の漂白剤(商品名:ハイター等)でなければ効果的な消毒はできません。」
と明記してあります。

ともかくも専門家が少し調べれば分るようなことで不正確なことを書かないで欲しいです。

こちらがハイター、強い殺菌力があるのはこちら。

こちらはワイドハイター。殺菌力は低いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、洗濯の時に、洗剤以外にハイターを入れすぎると殺菌力はもちろんありますが、こうなりますので注意。(私は消毒剤についてこのブログで記事を書く時、文献を調べただけでなく、可能な限り現物を入手して実際に試しています。)

アベノマスクは捨てるしかないかと。

不織布のマスクですが、今日(5月1日)の14時頃、行きつけのスーパー(川崎市多摩区)に行ったら普通に売っていました。5枚一組で、一人10枚までの限定でしたが、特に人が群がってもいませんでした。Amazonでも今日見たら、今日発注すれば2日後ぐらいに届くものがいくつかありました。アベノマスクはまだ都内だけの発送で、こちらに届くのは5月半ばくらいかなと思いますが、おそらく届く頃にはそこら中に不織布マスクがあふれている予感がします。

アベノマスクですが、私は絶対に使わないので(ハウスダスト{ダニ}とある種のカビ{カンジタ}のアレルギーなので、そういうものが付着していないという保証の無さそうなマスクは使えません)寄付しようかと思っていましたが、たかがマスク2枚を寄付しても大して意味なさそうだし、それより何よりマスクの衛生状態にきわめて疑問があり、そんな物を無責任に人にあげてもいいのかと思います。

週刊文春の記事によると今回マスクを供給した4社中最大手の興和は中国の業者に外注していますが、出張出来ないため向こうの製造ラインのチェックがまるでされていません。それでいてきわめて大量のマスクをこれまたきわめて短納期で作らせたのだから、どういう品質になるかきわめて容易に予想出来ます。また布マスクなので、クリーンルームではなく、ごく一般的な縫製のラインで作られた可能性が高いと思います。実際問題、汚れていたり、カビが生えていたり、虫が入っていたり、髪の毛が入っていたりとかそういうレベルです。今回のマスクは医薬部外品扱いでしょうから、バイオバーデン(製造装置等の細菌やウィルスによる汚染レベル)のチェックまでは求められないでしょうけど、少なくとも人が口に当てるものとしての衛生管理が行なわれた形跡は窺えません。
再検査するっていったってそれだけの数どうせ目視でチェックするだけだと思います。

結論としてこのアベノマスクを使うと却って別の健康被害を受ける可能性があります。それなら消毒して使えばいいのでしょうが、洗うと70%ぐらいに縮むという情報もあります。そもそも洗ってもあまり縮まないこと、という発注仕様もなかったようです。ともかくこのマスクは捨てるしかないかと。もったいないですが、元々安倍政権の愚かさ極まった無駄遣いなのですから。

ポビドンヨードのハンドウオッシュ(2)

以前紹介したポビドンヨードのハンドウオッシュですが、現在入手しやすいのはニイタカのポビドンハンドウオッシュと、このシオノギヘルスケアのイソジンウオッシュです。この写真のは2Lでインターネット上の通販で送料込みで9,280円でした。ニイタカの方は500mlでAmazonで2,200円くらいだったのが今日時点で2,850円にまで値上がりしています。この2つの違いはニイタカのは泡タイプなので飛び散りにくく使いやすいです。シオノギは液体です。シオノギも別に泡タイプも出しています。なおどちらを使う場合でも、服などに飛び散ってシミになった場合に、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を買っておくと良いです。病院で使っているのはハイポアルコールといってハイポをエチルアルコールに溶かしたものですが、これは消毒も兼ねているのでアルコールを使うので、しみ抜きだけであれば固体(結晶)の安いハイポを買って、それを水に溶かしてそれで拭くだけです。固体のハイポは30gで300円くらいで売っています。(熱帯魚飼育用品を売っている店で買えます。何故かというと水道水のカルキ抜きとして使うからです。)

t-maru製特製4層不織布マスクの作り方

私特製の4層不織布マスクですが、使ってみてなかなか調子良く、効果としても市販の不織布マスクよりもいいと思いますし、コストもそう高くありませんので、作り方を紹介します。すべて個人のアイデアに基づくもので、もし真似をされる場合は自己責任でお願いします。(以下写真はすべてクリックで拡大します。)

1.材料

左から、ウレタンフォーム製マスク、シャープ空気清浄機用フィルター用使い捨てフィルター、ワイプ用不織布です。ウレタンフォーム製マスクは3月11日頃Amazonで買ったもので3枚で990円。ウレタンフォーム製マスクは現在入手しにくいですが、良く探せばまだ売っている所があり、普通の不織布マスクよりは入手しやすいと思います。1枚で20回使えるとして、1枚当たりのコストは16.5円です。
シャープの空気清浄機用フィルターは別にシャープのでなくとも同様のもので清潔そうなものなら何でも使えると思います。一袋6枚入りで711円ですが、36枚取れますので、マスク1枚当たり19.8円です。
不織布はこれで無くても良いですが、このワイプオールX70の場合、50枚入りで711円で、1枚からマスク2枚分が取れますので、マスク1枚当たり7円です。合計で材料代は43円で、ほぼ平常時の不織布マスクの販売価格と同じくらいです。

 

 

 

 

2.作り方
不織布は真ん中からはさみで2つに切ります。切った片方で不織布層2層のフィルターになります。(この不織布は折りたたまれて2層になっています。)なお、これが口に接触する部分なので気になる方はアルコールで拭くなどしてください。どうしてもそこが気になる方は不織布ですので洗えますので、次亜塩素酸ナトリウムの希釈液(キッチンハイターなど)で消毒してもいいかと思います。

 

 

 

 

空気清浄機用フィルターは6等分にして、その内の1枚を使います。

ウレタンフォーム製マスク→空気清浄機用フィルター→不織布の順に重ねます。空気清浄機用フィルターと不織布は2つに折り目を付けておくと重ねやすいです。

重ねた3つの層を、ステップラー(ホチキス)で4箇所止めます。この際に針の曲がる方が外側になるようして止めます。顔の近くで使うものなので万一にも針が顔に刺さったりしないための配慮です。また上の線はマスクの鼻が当たる所の上端に合わせるようにします。

4箇所で止めたらこんな感じになります。

空気清浄機用フィルターと不織布で下部にはみ出た部分を3箇所ほどやはりステップラー(ホチキス)で止めます。

上部でウレタンフォーム製マスクの上端よりはみ出た部分をハサミでカットします。

以上でマスクの基本部分は完成です。簡単でしょ?更に密着性を向上させるためにノーズフィット機能を追加します。私は半田付け用のハンダを使いました。(太洋電機産業 電子工作用 Φ1.0mm SD-63、送料込みで605円)
写真の右にあるような被覆付きのワイヤーを使ってもいいと思います。

ハンダを10cmぐらいに切って、黒いビニールテープの上に貼り付けます。

ビニールテープに貼り付けたハンダを、ウレタンフォーム製マスクの裏側の鼻の所に水平に貼り付けます。

これで完成です。簡単だったでしょ?

付けてみた時はこんな感じです。別におかしな所はないと思います。

3.効果
付けてみてすぐ分るのは、ノーズワイヤと下部をステップラー(ホチキス)で止めたことにより、マスクの気密性がかなりあることです。またウレタンフォームは通常の不織布マスクのゴムが耳掛け部分だけなのに対し、全体でゴム性があり均等にホールドしてくれます。また市販の不織布マスクだと口とマスクの不織布との間の距離がかなりあるため、息を吸う際の負圧が分散し、結果的にマスクの横とか下の隙間からフィルターを通さない空気が入ってきますが、この自家製マスクは口がマスクの不織布に直接接触する感じになるため、吸った息のほとんどがマスクを通したものになっているように感じます。またフィルター層としてもウレタンフォームの層、空気清浄機用フィルターの層(これも一種の不織布と思います)、不織布2層と4層になっており、それなりのフィルタリング効果があると思います。また4層に重ねたことで静電気が発生しやすくなり、ほこりやウィルスをキャッチする効果が強まるのではないかと思います。また、空気清浄機用フィルター+不織布がウレタンフォーム製マスクの下部よりはみ出して下部をカバーしていますので、人にウイルスを撒き散らさないという意味でも咳をした場合などの飛沫が飛び散るのを防ぐ効果が普通の不織布マスクより高いと思います。
全体でアベノマスクに比べたら10倍以上こちらの方がウイルス感染を予防する意味も人にウイルスを移さないという意味でも効果が高いと思います。

4.メンテナンス
一度使ったら、空気清浄機用フィルターと不織布はステップラー(ホチキス)の針を外して捨てます。ウレタンフォーム製マスクは次亜塩素酸ナトリウムの希釈液(水3Lにキッチンハイターキャップ1.2杯くらい)で押し洗いした後2分程度漬けて消毒し、よく水洗いして塩素分を取り(呼吸器に直結してる箇所で使うものなので、これは重要です)、その後軽く絞ってさらにキッチンペーパーで水分を吸い込ませた後乾かします。1~2時間くらいで乾きます。ステップラー(ホチキス)を外すときにウレタンフォーム製マスクを破らないようにすれば、かなり何回も使えると思います。

次亜塩素酸水のチェック事項

次亜塩素酸水は、見た眼は水そのもので、臭いもほとんどありません。
なので、もし購入してもチェックのしようが無いですが、簡単には次の点ぐらいはチェックした方がいいと思います。

次亜塩素酸試験紙(高濃度用)
これでその製品が自称している有効塩素濃度が本当にあるかどうかチェックします。
この試験紙は200ppmが上限なので、それ以上の濃度の場合は薄めて測定します。

pHメーター
微酸性の次亜塩素酸水ならpHは5~6.5位の弱酸性の筈です。これが7以上のアルカリ性だったら、それはおそらく電解次亜水など似て非なるものです。

次亜塩素酸水の製造コスト

イプロスで「次亜塩酸水製造装置」で検索して出て来るメーカーで、コアテックという会社の「微酸性次亜塩素酸水生成装置コア・クリーン25」という製品のHP(別にこれを推奨している訳ではなく単なる例です)によると、1Lあたりの原料コストは1.5円です。装置自体が公称価格が40万円です。この機械で100,000L作れると仮定した場合(単なる電気分解装置ですから、そう簡単に壊れるとは思えません)、1L製造のコストは、5.5円です。仮に10,000Lしか作れないとしても41.5円です。これに電気代を加え更にボトルに詰め等のパッケージコストを足しても、トータルでの原価が100円を超すことは考えにくいです。
先日Amazonで買ったジアナインの価格が1Lで2,750円です。これは塩素濃度200ppmなので80pmに換算すると2.5で割ればいいので、80ppmにして1Lが1,100円ということになります。いかにデタラメな商品かがこれでご理解いただけると思います。(馬鹿高い価格はもっともらしいHPの作成コストなどに使われているとも考えられますが。)

日経ビジネスの次亜塩素酸水に関するデタラメ記事

この日経ビジネスの次亜塩素酸水に関する記事日経ビジネスの次亜塩素酸水に関する記事(注:会員限定記事)はひどいです。
化学の世界では二酸化炭素と一酸化炭素は大違いといいながら、「プールの消毒に、強い塩素の代わりに食塩水に近いものを入れるようなものと思う。」などという科学的にみたらデタラメな事を書いています。大体、殺菌効果が高いとされている次亜塩素酸水は微酸性次亜塩素酸水であり、それは食塩水だけでなく塩酸も使います。

次亜塩素酸水について怪しげな商品かつ暴利をむさぼる商品が多いのは事実ですが、次亜塩素酸ナトリウムのコロナウイルスに対する殺菌力を認めるのであれば、次亜塩素酸水のコロナウイルスに対する殺菌力を否定するのは非科学的と思います。何故ならどちらも塩素の酸化力で殺菌しているからです。何故次亜塩素酸水の方が次亜塩素酸ナトリウムより殺菌力が高いのかという理由は、化合物である次亜塩素酸ナトリウムより、次亜塩素酸水の方が次亜塩素酸の比率が液体中で高く、より有効に塩素の殺菌力が働くということだと思います。

元素表の第17族の中のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素というのはいずれも高い酸化力を持ちそれによる殺菌力があります。フッ素は歯に塗って虫歯予防として使われますし、塩素は次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素水の殺菌成分、臭素は塩素系殺菌剤では効果が出ない下水などの殺菌に使われます。ヨウ素はここで何度か紹介したポビドンヨードやヨードチンキの殺菌成分です。

上記訂正:
塩素イオン(Cl¯)自体に酸化力があるのではなく、次亜塩素酸(HOCl)が全体として+1の電荷を持ち、次亜塩素酸中の塩素がCl¯になる際に他の物質から2個の電子を奪うというのが殺菌作用の実態になります。ここを参照。塩素イオン(Cl¯)に殺菌力があるんだったら、食塩水は殺菌性があるのか、という反論を受けることになります。
なお、酸化することが何故ウィルスや細菌を殺すのかということについては、ウィルスや細菌の組織を分解するということだと思いますが、詳しいメカニズムははっきりとは解明されていないようです。

自家製マスク完成!

本日自家製改良マスクで1日出社でしたが、息苦しくもならず、なかなか快適でした。ただ、市販のマスクにあって私のマスクに無いのがノーズフィット機能です。それで適当な硬さの針金みたいなのが無いかと手持ちのものを探っていたらありました!はんだ付け用の半田です!これを10cmくらいに切り、黒いビニールテープでウレタンフォームの裏に貼り付けてバッチリでした。気密性が一段と向上しました。これで4層ノーズフィット付きマスクの完成です!

次亜塩素酸ナトリウムに関する問題記事ー今度は毎日新聞

次亜塩素酸ナトリウムの使い方についての不適切記事、今度は毎日新聞。何でわざわざPETボトルを使うのか。PETボトルは単に500mlの量を分かりやすく説明するために使っているだけで、次亜塩素酸ナトリウムを薄めるのにPETボトルを使うのは、
(1)誤飲の危険性
(2)つけ置きが出来ない
でまったく意味が無いと思います。しかも薄めた液は使い捨てなのに、何でペンで「消毒液」と書くのか、意味不明以外の何物でもないです。漂白剤の量も漂白剤のキャップを使うべきで、漂白剤の説明にも付属のキャップを使って量が説明してあります。(キッチンハイターならキャップ1杯が25ml、ピューラックスなら10mlです。)
私はいつも5Lの洗い桶を使っています。布巾とかをつけ置きも出来ますし、布を絞って拭き掃除も簡単です。終わればそのまま捨てるだけです。後、それからこれも読売新聞と同じですが、ハイターなどの家庭用の漂白剤は使う時濃度が6%ある保証はどこにもありませんから。
ともかくこの記事を書いている人は、キッチンハイターで漂白した経験がまるで無いんでしょうね。普通キッチンハイターで消毒するものと言えば、布巾かまな板でどっちにしてもPETボトルなんてまったく出番がありませんけど。