



「謎の円盤UFO」の”Computer affair”ですけど、Wikipedia(英語)とかブルーレイに付属しているブックレットの説明だと、エリス中尉がインターセプターの黒人パイロットに「恋愛感情を抱いていた」という説明になっています。私の英語力の問題かもしれませんが、私が最初に聞いた限りではエリス中尉はこの黒人パイロットに「複雑な感情」を抱いていて、それで指示が遅れた可能性があるとSHADOの医者は言っているように聞こえました。つまりは「嫌悪感」です。(それまでの文脈からするとそう解釈する方が自然です。)どうも推測すると、このUFOはアメリカでも放送されていますから、「黒人を嫌悪している」という設定は非常にまずいので、後から「恋愛感情を持っている」に意図的に変えられたんではないかという気がします。大体恋愛感情を抱いているなら、何とか助けようと必死になる筈です。この話では、エリス中尉の本当の感情を試すためフリーマン大佐がわざと二人にチームを組ませてUFOを攻撃させます。それで結果的に成功し、二人は和解して食事する、という内容でした。もし、「恋愛感情」ならそれを取り沙汰するのはいくらSHADOといっても個人のプライバシーへのあまりにも行きすぎた干渉であり、おかしいと思います。
別の話でも、この黒人パイロットがフォースター大佐が死んだと思われていた時にストレイカーから司令官になることを打診されますが、「人々の心の中にまだ差別感情があるから」という理由で断っています。つまりUFOの世界では、表面的にはマイノリティーが活躍していますが、実はまだ差別は残っているという設定です。
この問題、結局ブルーレイを見直してもう一度セリフをチェックして真相がわかりました。おそらくは最初はエリス中尉が心の底で黒人を嫌っていたから、というのが原案で、途中でさすがにそれはまずいのではという配慮があって脚本に修正が加えられたんだと思います。以下の流れを見れば私の言っていることがおわかりいただけるかと思います。
(1)SHADOの精神科医がブラッドレイに向かっていきなり「私はお前ら黒人が嫌いなんだ」(”I’ve no liking for you blacks!”)と言います。(ブラッドレイの反応を見るためと説明されていますが。)
(2)エリス中尉が言葉の連想テストで、”Black”という言葉に普通の人ならすぐ”White”と答える所を言いよどんでかなりの時間がかかっている。
(3)医者はエリス中尉が「意識的に”White”という言葉を避けようとしている」と説明しています。
(4)(5)フリーマン大佐は二人に分析の結果を読み上げますが、それによると二人の間に”an emotional attachment”があった、となります。それは「個人的な愛着」という意味ですので、確かに字面的には二人が愛し合っているということになります。
脚本に修正が加えられたか、あるいは(4)(5)でフリーマン大佐が二人の関係に問題があることを婉曲的に示すためにわざと言い換えた、という解釈も成り立つと思います。
原子力潜水艦シービュー号(”Voyage to the bottom of the sea”)の「地球温暖化エディション」を観ました。(邦題「地球の危機」で、TV版の元になる映画版です。)こっちの温暖化は、今の地球の温暖化のレベルではなくて、隕石がヴァンアレン帯にぶつかった結果、ヴァンアレン帯が燃えだし、地上の気温は130℃を超えて150℃にもなり、ジャングルは燃えだし、水は干上がって、という危機的状態になります。シービュー号は処女航海で南極の下を航行中でしたが、この急速な気温上昇で南極の氷が崩落して水中に落下し、シービュー号にぶつかり初めてこの危機を知ります。艦長のネルソンは優れた科学者でもあるという設定で、この危機を回避するにはマリアナ沖から核ミサイルを発射してヴァンアレン帯の炎を吹っ飛ばすしかないと考え、国連での会議で提案しますが、炎はそのうち燃え尽きるからそんなことは必要ないと主張する科学者が現れ、合意を得られません。艦長は「私が必要なのはアメリカ大統領の許可だけだ」と言い放ち、シービュー号をマリアナに向けて出発させます。マリアナで必要な日時にミサイルを発射するためには、全速力で向かわないと間に合いません。しかし、クルーの間には艦長への不信が次第に高まって…といった話です。さすが後年のパニック映画の巨匠だけあって、次から次にシービュー号に危機が発生します。ただ、潜水艦の装備は、今の眼で見るとかなり原始的でちゃちに見えます。原子力潜水艦自体も1950年代のノーチラスが既にある訳ですから、このTVドラマはSFとは言えません。
謎の円盤UFOの第2話、”Computer affair”を観ました。第1話のちょっとおちゃらけた雰囲気から一転してかなりシリアスな話でした。ムーンベースでやってきたUFO1機を撃墜するため、インターセプター3機が出撃しましたが、ミサイルは3発とも外れます。(第1話でも3機が全部外していました。)インターセプターは機首の核ミサイル1発を打ってしまうと後は武器がない、という何とも不思議な迎撃戦闘機ですが、エリス中尉は3機に回避行動を取らせますが、結局1機が撃墜されてしまいます。攻撃をかいくぐったUFOはその後地球に侵入し、カナダの湖の中に隠れます。事態を重く見たストレイカー司令官が、エリス中尉とインターセプターのパイロット2人を地球に呼び戻し、精神鑑定を受けさせます。その分析結果が、前回はセクハラ全開ドラマでしたが、今回はpolitically correctでの問題ドラマで、何とエリス中尉がパイロットの一人が黒人であって、その人に対して実は特別な感情を持っていて指示が遅れた、というもの。その後UFOは湖から飛び立ち、スカイ1が一撃し、再びカナダの森林地帯に不時着します。フリーマン大佐はエリス中尉の嫌疑を晴らすため、2人にチームを組ませて、モービルで森の中のUFOを攻撃させます。といった話です。最後の結論は、エリス中尉の判断は正しく、そうしなかったらインターセプター3機共やられていた、というものです。(何かトロッコ問題みたいですが。)
タイムトンネルは観終わったので、次は1970年放映のイギリスのSFドラマ(ジェリー/シルヴィア・アンダーソン製作)の”UFO”(「謎の円盤UFO」)です。第1話”Identified”を観ました。このドラマは私はSFのTVドラマでの最高峰だと思っています。ともかく設定がリアルで、特にこの第1話でUFOで宇宙人が地球にやってくるのは、地球人の内臓を採取して、自分達の体に移植するため、というかなりグロテスクな設定がリアル感を高めています。このドラマの特長として、そうしたシリアスな設定の一方で、SHADOの女性職員(兵士)は何故か揃いも揃ってセクシーなユニフォームで、SKYDIVERの女性兵士に至ってはシースルーで胸が見えてしまっています。それでムーンベースに行くと何故か女性は全員紫色の髪で、この辺りジェリー・アンダーソンの趣味というより、奥さんのシルヴィア・アンダーソンのアイデアではないかと思います。またSHADOの男性職員(兵士)も軍務中でありながら、女性を口説くのを忘れません。この辺り007とかの影響でしょうか。ともかく子供向けが多かったSFドラマの中で、この番組だけがはっきりとアダルト志向でした。
タイムトンネル2002年版を観ました。DVDのオマケで付いていたもの。テレビでは放映されなかったようです。
タイムトンネルの全30話を見終わったので、ProsとCons(良い所と駄目な所)を私なりにまとめておきます。
タイムトンネルの”Town of horror”を観ました。これが最終回です。(といっても実は違うんですが…)今度は2人は1978年という比較的近未来のニューイングランドのある町に飛ばされます。今回はいきなり人間に襲われますが、殴ったらすぐ死んだと思ったら、またすぐ蘇ります。そうです、今回はゾンビでした。ある星から派遣されたアンドロイド達が、地球の酸素を全部彼らの星に転送しようとします。そのアンドロイドの造形が今回はさすがに銀の顔と服ではないですが、かなりちゃちで、例えばウルトラシリーズに出てくる宇宙人なんかにくらべるとかなり落ちます。それから今回面白いのは、アンドロイドの酸素転送がタイムトンネルの制御室にも働いて、タイムトンネルが制御室の酸素を吸い出してしまい、そこの人間がバタバタと倒れていきます。カーク司令官はさすがの責任感で、マイクでトニーとダグにそちらから接続を切り離すように必死に頼んで倒れます。後は二人が町の小間物屋から入手した火薬類を使ってアンドロイドの装置を爆破して、というお話です。小さな町の人間の大部分がエイリアンに支配されるって、結構他にもあったと思います。この頃の流行りのパターンなのだと思います。
タイムトンネルの”Raiders from outer space”を観ました。この回は最終回の前の回です。今度は1883年のスーダンでアラブとイギリスが戦っている所に飛ばされますが、そこに地球を攻撃しようとするエイリアンが現れ、という話です。今回のエイリアンは銀の顔ではなく、一応それらしいメイクをしています。ダグが捕まって拷問にかけられそのタイムトンネルに関する知識を読み取られようとされますが、その機械が他の時代でもさんざん出てきた原始的な拷問用具(ストレッチャー)にそっくりで、何だかSFらしさがありません。タイムトンネルは二人を転送して助けようとしますが、エイリアンはタイムトンネルの制御室に巨大な時限爆弾を送りつけてきて、タイムトンネル側の動きを封じようとします。その爆弾は爆発寸前でタイムトンネルによりエイリアンの基地に送り返されます。(そんなの最初から思いつけよ、という感じですが。(^_^;))そういう訳でエイリアンの基地は破壊されますが、ロンドン目がけて飛んできていた筈のミサイルはどうなったのかイマイチ良くわかりませんでした。ともかく後一話です。
タイムトンネルの”The kidnappers”を観ました。冒頭でタイムトンネルの制御ルームにいきなり宇宙人か未来人か分からない(このドラマではどちらにしても顔を銀色に塗って、銀色の服を着ているので同じです。(^_^;))のが出てきて、光線銃を振りかざして警備兵やカーク司令官を倒し、アンをさらって時空の彼方に去って行きます。その男が落としていったパンチカード(原始的(^_^;))を分析して、どうやら時空の座標らしいことが分かると、カーク司令官はそれがどこなのか確かめもせずに、トニーとダグをそこに転送するように命令します。(現在には戻せないのに、そういうコントロールは正確に出来るのが不思議。(^_^;))二人が転送されたのは地球から98光年離れたカノープス星系で、時間的には80世紀でした。実は、アンをさらったのは二人をおびき寄せるためのおとりで、二人以外にもローマのキケロ、ルネサンスのエラスムス、そして何とヒトラーが転送されていて、彼らの地球侵略のためのデータを取るために使われようとしていました。で、ここまではまあそれなりに許せる展開なんですが、ここの宇宙人は植物と同じで光合成みたいな感じで生きていて、暗くなると眠くなって動けなくなるという何ともSFとは思えないチープな設定です。彼らが寝ている間に久し振りに再会したアンと二人が、盗まれたタイムトンネルの時空転換装置(こういう重要な装置が簡単に盗まれてしまう、またもタイムトンネルのセキュリティーの甘さが…(^_^;))を取り戻し、アンが彼らのタイムマシンを使って、タイムトンネルの制御室に無事戻ります。そして今度は二人を転送して(何故かやっぱりどこかへまた飛ばされますが…(^_^;))どうも、タイムトンネルの未来の話や宇宙人の話は陳腐なものが多いですね。