ジョー90の”The Birthday”を観ました。珍しくちゃんと最終回を意識した話でしたが、中身はジョーの10歳の誕生日をWINの2人とマクレーン教授が祝う中で、過去のジョー90の活躍を振り返るという、過去フィルムの使い回しでした。そのため紹介するようなストーリーが無いため、ジョー90のProsとConsをまてめておきます。
Pros
・ビッグラットで、他人の脳波を移して、それを使えるというアイデアの面白さ。
・そのビッグラットで脳波を移すシーンの何というかサイケデリックな雰囲気。ちなみに普通にビッグラットを見たら洗脳マシンにしか見えませんが。
・主要な視聴者である子供が感情移入しやすい9歳の少年のスパイとしての活躍。
Cons
・ビッグラットで知識とか記憶を移せるのは分りますが、肉体的な鍛錬が必要なものまで能力を移せるというのは不自然です。例えばウェイトリフティングの金メダル選手の脳波を移してもジョーが200Kgのバーベルを頭上に持ち上げたりは出来ないでしょう。
・キーアイテムである眼鏡を落としたり、敵に取られたりというのが1回だけで、後はあまりピンチになることがありませんでした。
・9歳の少年に命がけの仕事をさせたり、人殺しをさせたり、という不自然さとモラルに反する内容。
・ビッグラットで知識が移せるのが最初は一人のものだけだったのが、最後の方では複数人可になり、そうなると何でも有りで、却って面白みが薄くなりました。
・ビッグラットの技術は平和利用すれば、世界的な学者の知能を保存したり、あるいは脳の機能異常がある人の役に立てたり、とか色々あったと思いますが、スパイ活動での利用だけで後味の悪さが残ります。
という感じで、懐かしさはありましたが、正直な所ジェリー&シルビア・アンダーソンの作品の中では地味でした。メカもフライングカーぐらいで魅力に乏しかったです。一番良かったのは、あるパイロットの脳波を移したら、そのパイロットの着陸恐怖症もそのまま引き継いでしまい、着陸が出来なくなる、というエピソードです。
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トワイライト・ゾーンの”A World of His Own”
トワイライト・ゾーンの”A World of His Own”を観ました。これが第1シーズンの最後です。グレゴリー・ウェストはアメリカの有名な脚本家で、今は家で30歳ぐらいの美人で優しそうなマリアという女性が彼にマティーニを作ってくれていて、とても幸せそうでした。しかし映画を観に出かけていた彼の奥さんのビクトリアがそれを外から見ていて、部屋の中に駆け込んで来ます。しかしマリアの姿はどこにも見つかりませんでした。ビクトリアはウェストを問い詰めますが、彼はマリアは自分が作り出したキャラクターが実在化したもので、その内容を吹き込んだ口述テープを暖炉の火に放り込んで彼女は消滅したと言います。ビクトリアはそんなことは当然信じたりせず、外に行って離婚の手続きを始めようとします。しかしウェストはアフリカ象の内容をテープに吹き込んで実在化させ、ビクトリアが出ていくのを阻止します。しかしビクトリアはさらにウェストを糾弾しますが、彼は本棚の奥の金庫からやはりテープの断片を取り出して、何とビクトリアもウェストが作り出したキャラクターだと言います。ビクトリアはそれを信じず、テープが入った封筒を暖炉に投げ入れます。テープが燃えた所でビクトリアは消えてしまいます。邪魔者がいなくなったウェストは、再度マリアを作り出します。笑えるのがそこにロッド・サーリングが登場して、「皆さん、もちろん現実の人生ではこんな馬鹿げたことは起きませんが…」と説明し出すと、ウェストは「馬鹿げたと言うな」と怒り、金庫の中から「ロッド・サーリング」と書かれたテープ入りの封筒を取り出し、それを暖炉に投げ入れてロッド・サーリングも消えてしまいます…
今回はいつもと違ってホラー色の少ないコメディータッチのお話でした。
トム・フーバーの「英国王のスピーチ」
トム・フーバーの「英国王のスピーチ」を観ました。これはずっと前に買っていましたが今まで観ていませんでした。会社で毎週やっている部下への英語の研修について、エリザベス女王2世とパディントン・ベアーの動画を取上げて欲しいというリクエストがあり、それだけだと3分で終わりなんで、ついでにこの映画のジョージ6世のスピーチも観てもらおうと思って、やっと観たものです。映画の中に幼い頃のエリザベス女王2世(リリベット)とマーガレット王女も登場します。映画自体は有名なので説明は不要でしょうが、小さい頃に左利きを右利きに直された結果として吃音になりというエピソードや(私も本当は左利きですが右利きで教育されています)、兄が勝手なことをやって弟が苦労する、という所でちょっと身につまされました。映画の中でローグという言語セラピストがジョージ6世が怒りの言葉だとどもらないのに対して、悪罵やフォーレターワード系をわざと言わせるというシーンがあり、そのせいでアメリカやイギリスで成人指定になったそうで、実に馬鹿馬鹿しいですね。この映画はむしろ子供に見せるべきものと思います。ちなみにどうでもいい余談ですが、ジョージ6世の兄は即位前のタイトルはプリンス・オブ・ウェールズで、この名前にちなんだ戦艦がご承知の通り、マレー沖で日本軍によって沈められています。王位自体も短かったですが、その名前にちなんだ戦艦も結局あまり活躍しないまますぐ沈没しました。
ジョー90の”See You Down There”
ジョー90の”See You Down There”を観ました。この時期のドラマによくある幻覚もの。悪辣だが合法のギリギリの範囲で株価を操作して会社を乗っ取っていくある会社の経営者に、その行動を止めさせるために、WINが乗り出すという話です。マクレーン教授がまずその会社に乗り込んで、給仕人に化け、その経営者にお茶を飲ませます。マクレーン教授はそのお茶にはドラッグが入っていて、解毒剤を飲まないと幻覚を見続けると言ってその経営者を脅します。その経営者はそれをブラフとして信じません。そこからWINとジョー90が、その経営者に対して幻覚を見ていると信じさせるための、色んな馬鹿げた仕掛けを作ってその経営者がこれまでのような行動を止めさせることが条件の契約書にサインさせようとします。ジョー90は今回は、声帯模写の名人の脳波を移して、その経営者の声で部下に無意味な命令を出したり、架空のテレビ番組を作ってその経営者の家のテレビに映したりします。まあ原子力潜水艦シービュー号でもシーズン4あたりはこうしたドラッグでラリったような話がいくつかありましたが、1960年代後半の一種の流行ですね。
トワイライト・ゾーンの”The Mighty Casey”
トワイライト・ゾーンの”The Mighty Casey”を観ました。トワイライト・ゾーンには珍しい野球ものです。ホーボーケン・ゼファロスというプロ野球チームは32年間優勝したことがなく、その年も首位から大幅に離されて下位に低迷していました。そのチームのトライアウトに、変な科学者がやって来て、ケイシーというピッチャーを連れていました。このケイシーをテストしてみたら、超剛速球、信じられない軌道の変化球、そして打者が待ちきれないで2回も空振りするスローボールと、スーパー投手でした。早速採用されたケイシーでしたが、実はその科学者が作ったロボットですが、球団はそれは内緒にして雇います。チームはケイシーの活躍でたちまち白星街道を突き進みます。しかしある日ケイシーはビーンボールを頭に受けて、入院することになります。そこで医者の診察により、ケイシーには心臓が無く、ロボットであることがバレます。医者がコミッショナーに連絡し、選手は人間でなけらばならず、心臓が無いものは人間ではないので、ケイシーは試合に出場出来ないと言います。それならと、科学者はケイシーに心臓があればOKなのか、と聞き、コミッショナーはYESと答えます。科学者は首尾良くケイシーに人工心臓を付けて、ケイシーがまたマウンドに立ちました。しかし彼の投げるボールは威力が無くなっていて、めった打ちでKOされます。実は心臓を付けたことによってケイシーには人間のような同情心が生れ、相手の選手に同情して速い球を投げなくなったのでした。ケイシーは首になって慈善活動を行うためにチームを離れます。科学者が別れ際に監督にケイシーの設計図を渡します。そこでおそらく監督が、ケイシー2号、3号(但し同情心抜き)を作ってもらうことを思い付き、それでチームがワールドカップで優勝、というのが匂わされて終ります。
なんかちょっと捻りが単純すぎてあまり感心しませんでした。人造人間キカイダーの良心回路による葛藤とかの方がよほど話としてはレベルが上のように思います。なお、ケイシーという名前は「ケイシー打席に立つ」という有名な野球詩から取ったもので、ホーボーケン・ゼファロスも当時観ていた人には、おそらくあのチームがモデルだな、と分ったものらしいです。
ジョー90の”VIVA CORDOVA”
ジョー90の”VIVA CORDOVA”を観ました。これを入れて後3話ですが、いよいよ詰まらなくなっています。スペインで大統領選が行われ、10年以上独裁者的に大統領を勤めた男に代わり、コルドバが新しい大統領に選ばれます。しかし元大統領は彼を何とか抹殺しようと殺し屋を使います。コルドバの奥さんはコルドバにボディガードを付けるように言いますが、彼は自分は人民に選ばれた大統領でそんな者は必要無いと言い張ります。奥さんはWINに電話し、ジョー90が奥さんの従兄弟と称して秘かに大統領を警護することになります。今回のジョー90はWINのトップ級のエージェントの脳波を移されています。大統領の乗った車がトラックに囲まれそうになるのを突破したり、釣りをする大統領を水中から襲おうとするダイバーをジョー90が倒す、というまったく捻りの無いお話でした。
トワイライト・ゾーンの”The After Hours”
トワイライト・ゾーンの”The After Hours”を観ました。マーシャ・ホワイトという若い女性がデパートで捜し物をしています。エレベーターを待っていると、何故か隣のエレベーターのドアが開き、彼女だけを乗せて上に行きます。エレベーターマンは彼女の捜し物が金の指ぬきだと聞き、それは9Fの特別売り場にあると言って、彼女を9Fに連れて行きます。しかしエレベーターの外の表示は8Fの上はRで9Fはありません。マーシャが9Fで降りるとそこはがらんとした屋根裏部屋のような空間で、何も商品はありません。そのうち一人の売り子が声をかけていて、マーシャが探していた金の指ぬきを差し出し、マーシャはそれしか商品がないのを奇妙に思いながら、25ドルを払ってそれを受け取ります。またエレベーターで下に向かいますが、マーシャは指ぬきに傷が沢山あることに気付き、エレベーターマンに苦情を言います。彼は苦情受け付けは3Fですと、マーシャを3Fで降ろします。マーシャの話は信じてもらえず押し問答になりますが、その時マーシャは9Fの売り子を見つけましたが、それがマネキンだと分ってマーシャは気を失います。しばらくしてマーシャは眼を覚ましますが、誰もいない部屋に閉じ込められてしまいます。その内、部屋の中のマネキンが突然マーシャの名前を呼び始め、彼女は悲鳴を上げます。彼女はエレベーターに乗って再び9Fに向かいますが、そこには多くの男女が彼女を待ち受けていて、マーシャに元に戻るようように言います。そうです、マーシャも実はマネキンで、交代交代で1年に一ヵ月だけ本物の人間に化けて暮すのを、マーシャが元のマネキンに戻るのを忘れて自分が人間だと思うようになっていた、というお話でした。
なんか子供の頃、夜中になるとデパートの中をマネキンが歩き回っているといった夢を見たような記憶がありますが、もしかするとこの話をどこかで観ていたか、あるいはこの話に影響された漫画やアニメを観たのかもしれません。
ちなみにマーシャを演じた女優はアン・フランシスという有名な女優であの「禁断の惑星」にも出ていた人です。
ジョー90の”Trial At Sea”
ジョー90の”Trial At Sea”を観ました。新しいホヴァークラフト船がまさに処女航海に出ようとしています。おそらく世界最高速の船となるであろうこの船の処女航海には各国から名士が招かれていました。しかしある男がこの船の積み荷に時限爆弾を仕掛けます。最初の爆弾は幸いにも途中で発見され、ことなきを得ましたが、犯人は諦めず、今度は船内に飾られるこの船の模型に時限爆弾を仕掛けます。脅迫電話から犯人の声紋が分析され、その男が半年前にこの船の会社を首になった者だと判明しました。男は逮捕されますが、爆弾の位置について口を割らせるのに時間がかかるため、犯人の脳波をビッグラットに送って、それをジョー90に移します。ジョー90達はマクレーン教授のフライングカーで船に向かい、ジョー90が乗り込みます。ジョー90によって模型の中に爆弾が仕掛けられていることは分っていましたが、その時限装置の解除の方法は犯人=ジョー90にしか分りません。しかも最初の点火装置を無力化して10秒で次の点火装置が作動し、これはキャンセル出来ません。ジョー90は最初の点火装置を切断した後、マクレーン教授のフライングカーが船の模型を船外に運び、8秒後に海面に投下し、そこで模型が爆発します。うーん、何かもう一つのお話で、もう少し捻りが欲しいように思いましたが、そろそろネタ切れ気味です。
トワイライト・ゾーンの”Mr. Bevis”
トワイライト・ゾーンの”Mr. Bevis”を観ました。ビーバスは30歳くらいの若者で、ちょっと変わっていて船の模型や動物のぬいぐるみ、チター音楽、フットボール、子供達と若い女性、そう言ったものが好きでした。今日も蝶ネクタイをして会社に向かいますが、よせばいいのに階段の手すりをすべり台にして転げ落ちてしまいます。彼の車は1924年製のリッケンバッカーというクラシックなおんぼろで、子供達に押してもらわないとエンジンがかかりません。会社の彼の机には様々なぬいぐるみや風変わりな置き時計、そういったもので一杯です。その会社のオーナーはそんな彼の仕事振りに不満でついにビーバスは首を言い渡されます。おまけに駐車していた彼のリッケンバッカーがアクシデントで動き出して横転して壊れてしまいます。何とかアパートに戻ったら、今度は家賃滞納で追い出されてしまいます。自棄になってバーで酒を飲んでいた彼の前に、鏡の中にだけ写る不思議な男が現われます。その男は彼の守護神だと言い、彼の先祖が大昔に誰かを助けたことの恩返しとして、代々その時代の子孫の一人を助けて来たと言います。守護神が最悪だった今日の一日をやり直させると言います。その通りになり、彼は蝶ネクタイではなくちゃんとしたスーツを着てアパートを出ようとすると大家からいつも家賃を前払いしてくれて有り難う、と言われます。車はリッケンバッカーから最新型のコンバーティブルのスポーツカーに変わっていて、それに乗って守護神と会社に向かいます。会社ではオーナーが、ビーヴァスの仕事が素晴らしいので、週給を10ドルアップする、と言います。しかし以前あった彼の机の上のガラクタは全て無くなっていました。ビーヴァスは週給10ドルアップよりも、元の暮らしがいいと言います。それで結局また首になります。彼はまたバーで飲んでいましたが、そこを出ようとすると彼の車が消火栓の前に駐車されているとして警官がチェックします。しかし守護神の助けはまだ続いていて、消火栓は警官のバイクの前に移動します。まあ人間にとって真の幸せとは何か、必ずしも物質的な満足だけではない、というお話でした。
ジョー90の”Child of the Sun God”
ジョー90の”Child of the Sun God”を観ました。世界の重要な政治家4人が何者かにより毒の吹き矢を射られ意識を失います。解毒剤が欲しければ、スイス銀行にお金を振り込め、というものでした。アステカ文明の専門家の教授によると、それはアステカの人達が使う毒矢で、解毒剤がある筈と言います。そこでジョー90がその教授の脳波パターンをもらって南米に飛びます。そこではアステカの悪い神に化けた何物かが原住民を操っていました。ジョー90はパラシュートで降下して、自分が太陽の神の子で空から来たと思わせます。しかし原住民に捕まえられ、真実を言っているかどうかの証のために、山の中の神殿に閉じ込められます。これまで出てこれた者はいません。ジョーは何とか脱出出来る水路を見つけそこから外に出ようとしますが、折から豪雨が降り出し水路の水かさが上がり、ジョー90は途中で気絶します。しかし何とか気絶から醒めて、原住民達の前に現われます。今度こそ原住民はジョー90を太陽の神の子だと崇めます。不利になった悪の神に化けた男は神殿の中に逃げ込みますが、そこには無線装置があり、そこから出る声で原住民達を騙していました。その中でジョー90と撃ち合いをした男は誤って足をすべらせ滑落して死んでしまいます。
うーん、今放映したら、現地民蔑視で問題になりそうな感じの内容でした。