トワイライト・ゾーンの”Shadow Play”を観ました。アダム・グラントは殺人の罪で裁判所で電気椅子による死刑を宣告されます。その判決に対し「また俺を殺さないでくれ」と叫びます。彼はそれは現実ではなく、彼が見ている悪夢だと思っています。彼はそれを弁護士や他の死刑囚にも説明しますが、誰もそれを信じようとはしません。12時になって電気椅子に座らされまさに処刑されようとした瞬間、彼はまた判決の場にいます。しかし今度の裁判官は、先ほどの死刑囚の一人だった人に変わっています。彼はこうして毎晩同じパターンの夢を繰り返し見ている、という奇妙な話です。まあトワイライト・ゾーンらしい話ではありますが。中二病というか哲学で言う唯我論、フレドリック・ブラウンの「火星人ゴーホーム」と共通する主題のエピソードでした。
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アウター・リミッツの”The Guests”
アウター・リミッツの”The Guests”を観ました。何というか、いわゆるゴシック・ロマン+SFです。ウェイド・ノートンという放浪の若者が、車を運転中に老人が森の中の道路で倒れているのを発見します。その老人を助けるため人手を借りようと森の中に入って行き、そこで古い洋館が丘の上に建っているを発見します。その中には奇妙な老夫婦、女優、若い女性がいました。しかし彼らは助けを求めるウェイドの要求を鼻で笑い、その老人の年齢だけを尋ねます。その家を出て行こうとしたウェイドですが、何故かどこも出口が無くなっており、さらに彼自身は奇妙な力で上の階へと引っ張られます。そこにはブヨブヨした軟体動物のようなエイリアンがいました。この洋館自体がそのエイリアンが作り出した幻影で、その中に人間を閉じ込めている理由は人間というものを完全に理解するためでした。そのエイリアンはウェイドの心の中に他の館の住人にはない何かを発見したため、彼を殺さず館に留めました。ウェイドは洋館の中の若い女性が彼が森の中で拾った懐中時計の中にあった写真と同じであることを発見します。そしてウェイドはその女性テスに一目惚れします。テスはウェイドに実は逃げる道はあるので、手遅れにならない内に出ていくように言います。しかしテスを愛したウェイドは彼女となら一緒に洋館にいても良いと言います。ウェイドを目覚めさせるため、テスは洋館の門から外に出ます。実はテスはもう90歳以上でしたが、洋館の中では時が止まっていたため若い姿だったのですが、外に出たとたん時に追いつかれたちまち老婆となりまた灰になって消えます。エイリアンはそんな二人を見て、「愛」と「自己犠牲」という人間の特性を理解し、ウェイドを解放します。その瞬間洋館は巨大な脳になり、そのまま中の住民と共に消滅します。
しかし、SF+ゴシックロマンというのはスタートレックにも宇宙家族ロビンソンにもそういうエピソードがありましたが、アングロサクソンのオカルト好きの一つの変形版という感じです。
ウルトラQの「鳥を見た」
ウルトラQの「鳥を見た」を観ました。これもウルトラQの中のつまらないエピソードのワースト5に入るかも。普段は文鳥の格好をしていて、突然40mにまで巨大化する古代鳥ラルゲユウスの話。と言っても動物園から動物を逃がしたり、また閉じ込められていた警察署を巨大化して壊したりするだけで、何のために現代にやって来たのかも不明ですし、また去り方も唐突です。しかも造形はリトラの流用じゃないでしょうか。誉める所が無いです。
トワイライト・ゾーンの”Silence”
トワイライト・ゾーンの”Silence”を観ました。何とまたも弁護士訳でドクター・スミスのジョナサン・ハリス登場。あるクラブのメンバーであるテイラー大佐は、同じクラブのメンバーのテニソンの絶え間ないおしゃべりが大嫌いです。そこで彼に50万ドルの賭けを持ちかけます。それは彼が外から見えるガラス張りの部屋で一年間を過ごし、その間に一言もしゃべらなかったらその50万ドルを進呈するというものです。テイラー大佐は、テニソンが数ヶ月で我慢できなくてしゃべるだろうけど、その間だけでも彼が静かにしていれば儲けもの、と考えていました。しかし賭けに乗ったテニソンは数ヶ月どころか、半年、10ヵ月と無言の行を続けます。焦ったテイラー大佐は、彼の奥さんが若い男と歩いているのを見た、などの汚い手を使ってテニソンに喋らせようとしますが、それでもテニソンは喋りません。そしてついに1年が経ち、テニソンは賭けに勝ちます。賞金を受け取ろうとしたテニソンに対し、大佐は実は数年前に破産し、お金は無い、と言います。それに対しテニソンは筆談で何かを伝えようとします。人々は何故彼が喋らないのか訝りましたが、実はなまじのことでは賭けに勝てないと知っていた彼は、何と声帯につながる神経を切断していました…
何だか後味の悪い嫌な話でした。ジョナサン・ハリスを見られたのは良かったですが。
アウター・リミッツの”The Mutant”
アウター・リミッツの”The Mutant”を観ました。またも悪趣味なグロいキャラクターが登場します。宇宙探査の結果、地球に良く似た星が発見され、Annex 1(第1別館)と名付けられます。ただ一つの地球との違いは、その星は常に昼で夜が無いということです。さらに研究者の一人がその星の放射性物質を含んだ雨に打たれたため、その研究者はミュータントと化し、眼が飛出て、また彼が触るだけでその人間を殺すことが出来、また人の心を読むことが出来るようになりました。他の研究者はそのミュータントのファウラーの症状が感染することを恐れ、彼を残して地球に帰ろうとしますが、心を読まれてそれを察知され、ロケットは壊されます。そういった事態を訝しく思った地球側から心理学者マーシャルが一人派遣されます。偶然その心理学者はAnnex 1の科学者の一人ジュリーの元恋人でした。ジュリーともう一人の科学者は、マーシャルがファウラーに心を読まれないため、ファウラーのことを説明した後、催眠術をかけ、ファウラーがミュータントであるということを忘れさせます。しかし、結局催眠術を解くある言葉が偶然話されたため、マーシャルの催眠術は解けてしまいます。皆が自分を殺そうしていることを察知したファウラーはマーシャルとジュリーを洞窟の中に追い詰めます。しかしミュータントのファウラーは暗闇の中ではおかしくなり、洞窟の中でロウソクの灯を追い求めますが、結局その火も消してしまい、悲鳴を上げつつ死んでしまいます。しかしこのミュータントの造形、忍者ハットリ君の実写版(これもキモかったです)を思い起こさせます。
ウルトラQの「地底特急西へ」
ウルトラQの「地底特急西へ」を観ました。これに出てくる人工生命体M1号が、相撲の朝潮関に似ていると、その昔「東京大人倶楽部」という月刊アスキーの編集長をやった遠藤諭(エンドウユイチ)氏とか中森明夫が作っていた雑誌のウルトラQ特集に出ていました。まあ確かに目元は似ていますが、唇はいくらなんでもこんなに拡がっていません。
この話はウルトラQの中でももっともシュールなもので、時速450Kmのイナヅマ号の試運転にたまたま人工生命体のM1号が持ち込まれ、車内で大きくなって運転席を占拠し無茶苦茶いじったので、イナヅマ号が暴走して、最後は強制停止装置でも止まらず宇宙に飛び出して、衛星軌道を漂うM1号が「私はカモメ」と言うという最後です。(これも説明しないと若い人は分らないと思いますが、「私はカモメ」ロシア語でЯ — Чайка{ヤー・チャイカ}はソ連の初の女性宇宙飛行士テレシコワが衛星軌道を周回中に語ったセリフです。)ちなみに上海で実運転しているリニアモーターカーが時速430Km、JRのリニアモーターカーが時速500Kmですから、ようやく時代がドラマに追いついたということです。イナヅマ号はリニアではなく、ジェット噴射で走っています。
トワイライト・ゾーンの”The Rip Van Winkle Caper”
トワイライト・ゾーンの”The Rip Van Winkle Caper”を観ました。ある催眠ガスの大家の科学者が、ならず者4人を仲間にして列車強盗を行い、金の延べ棒を大量に強奪します。そして捕まらないためのアイデアが、デスバレーの洞窟の中に金を隠し、そして4人は科学者が発明した長期睡眠装置で100年の眠りに入るというものです。100年経てば時効であり、彼らは無罪になります。装置は間違いなく作動し、3人が2061年に目を覚まします。一人は睡眠中に岩が落ちて来て、催眠装置のガラスが割れ、白骨と化していました。残った3人は仲間割れを始め、1人が車にひき殺されます。残った科学者と1人は砂漠を歩いて町を目指しますが、途中で科学者が水筒を落し、もう一人は水を金の延べ棒一本で科学者に売りつけます。しかし最後の水になったら科学者は延べ棒で男の頭を叩いて殺します。ようやくやってきた車に科学者は町まで連れて行ってくれたら金の延べ棒を贈呈すると言いますが、そのまま息絶えます。通行人はその金を放り捨てます。何故ならば2061年では金は化学的に合成出来るようになり、価値がほとんどなくなっていたからです。
うーん、結末は予想出来ました。また4人が仲違いするのもありがちです。それから1961年に西部劇じゃあるまいに列車に金塊は積んでいないと思います。
アウター・リミッツの”The Moonstone”
アウター・リミッツの”The Moonstone”を観ました。月面探査隊の一行が、月面で奇妙な球体を発見します。それは継ぎ目も無い完璧な球で明らかな人工物でした。しかしレーザーでもそれに穴を開けることが出来ません。やがてその中からエイリアンが英語で話しかけて来ます。彼らは惑星アグリッパの優れた知能で、その星の暴君が彼らの知識を全銀河系征服のために使おうとしたのを察し、地球への亡命の旅に出て、途中でエネルギー不足で月に不時着したものでした。エイリアンの指示で装置を改良し、アグリッパの星から救援隊を呼び寄せようとします。しかし実際に来たのは暴君の部下で知性の高いエイリアンを捕まえにでした。地球人は抵抗を考えますが、科学力の圧倒的差からそれは死を意味するだけと考え、結局知性の高いエイリアンを引き渡すことを決定します。しかし知性の高いエイリアンは、まさにやって来た部隊に捕まろうとした瞬間自爆します。実は探検隊の隊長は、朝鮮戦争の時に自分の部隊を中共軍の攻撃から救うため、ある村の人々をゲリラに仕立て、そのためにその村全員が中共軍に殺されてしまったという過去を持っており、そのことを別の研究者になじられていました。しかしその研究者にも人生においてはそのような苦渋の決断をしなければならない時がある、ということを理解します。このエピソードが放送されたのは当然1969年のアポロ11号の月着陸の前で、当時月面がこのように思われていた、というのが確認出来るという意味で興味深いです。しかしよく考えると、アメリカの兵士を救うためにはアジア人を犠牲にしても仕方がない、とも主張しているのであり、かなり問題作です。そのせいかWikipediaの荒筋にはそのことが全く書いてありません。
ウルトラQの「クモ男爵」
ウルトラQの「クモ男爵」を観ました。初期のウルトラQが怪獣もの一辺倒ではなく、こういうゴシックホラー系もやっていた、という話です。パーティーの帰りに霧に巻き込まれた万城目一行がある怪しげで古びた洋館に沼に落ちた2人を介抱するために入り、そこで2匹の巨大グモに襲われるという話です。その巨大グモは90年前くらいのクモ男爵とその娘ではないか、という内容です。大グモはタランチュラの筈が意外に弱く、ナイフで刺されたり、車に轢かれたりであっさり退治されます。それと同時に洋館が崩れ落ち、炎に包まれるのが円谷らしかったです。ただそれだけ。
トワイライト・ゾーンの”A Hundred Yards Over the Rim”
トワイライト・ゾーンの”A Hundred Yards Over the Rim”を観ました。時は1847年で馬車3台の一行はオハイオからニューメキシコの砂漠を越えてカリフォルニアを目指していましたが、途中で水も食料もなくなり、おまけにリーダーのクリス・ホーンの息子はもう10日間以上高熱を発して動けない状態です。クリスは水を探しに一人砂漠の中を彷徨いますが、何故かそこでタイムスリップし、1961年に来てしまいます。彼はそこでハイウェイを走るトラックに驚き、銃で自分の手を撃ってしまいます。その近くにガソリンスタンド兼カフェがあり、彼はそこの奥さんに怪我の手当を受け、化膿止めにペニシリンをもらいます。彼はカレンダーを見て、自分が1961年に来たことにようやく気付きます。彼はその家にあった百科事典に自分の息子が何故か抗生物質の発見者として載っていることを発見します。やがて警察が呼ばれたため、クリスは砂漠の中に逃げ、その時また元の時代に戻ります。彼はペニシリンを病気(肺炎)の息子に飲ませ、息子は助かります、という話です。カリフォルニアで金が発見されたのは1848年で、いわゆるFourty-Ninersは1849年ですが、アメリカ人にとってはこの時代は特別な郷愁があるようです。