古今亭志ん朝の「四段目、風呂敷」

jpeg000 197今日の落語、古今亭志ん朝の「四段目、風呂敷」。
「四段目」は、芝居好きでしょっちゅう仕事をさぼって芝居を観ていた小僧が、とうとう旦那にばれて、蔵の中に閉じ込められたが、蔵の中で忠臣蔵の一幕を演じ始めて切腹の真似をしたのを、女中が見て勘違いして大騒ぎに…という噺です。
「風呂敷」は、間男が居るところに亭主が帰ってきたのを、うまく隠して逃がしてやる噺です。元々バレ噺だったのを、戦争中の禁演落語にひっかからないように、滑稽噺に変えられたもののようです。

小林信彦の「私説東京繁昌記」

jpeg002 6小林信彦の「私説東京繁昌記」を再読完了。元々1984年に中央公論社から出版され、後に加筆・再校正されたものが、最終的にちくま文庫で「私説東京繁昌記」のタイトルで出たもの。写真家のアラーキーこと荒木経惟と組んで、一緒に東京の街を歩き回り、荒木が写真を撮っています。バブル前期の東京を、小林信彦が住んだことがある街を中心として歩き回り、「下町と山の手」という視点でまとめたもので、東京という巨大都市の基本的な骨格を明らかにしようとしたものです。筆者は、東京という街について三度の「町殺し」、つまり関東大震災、太平洋戦争、高度成長期の建設ラッシュを指摘しており、基調としては詠嘆的です。この三度の町殺しの後、四度目の町殺しとしてバブルがありますが、バブルの後の東京については、1992年の「私説東京放浪記」にまとめられています。