タイムトンネルの”Massacre”(大量虐殺)を観ました。1876年にカスター将軍がインディアン(ネイティブ・アメリカン)との戦いで殺されるまでを描いたものです。この話もアメリカ人なら誰でも知っている話でしょう。カスター将軍というのはWikipediaで見ると、南北戦争で非常に勇敢な兵士として数々の功績を挙げ、20代にして将軍になった人です。しかし、その後1868年に平和主義者のインディアンであったシャイアン族の集落を襲い、女子供まで皆殺しにするという虐殺を実行します。そしてこの虐殺がその後のアメリカのインディアンに対する基本方針に大きな影響を与えることになります。1876年にリトルビッグホーンでカスター将軍は200人ぐらいで2000人近いインディアンと戦って戦死しますが、そのことによって彼はアメリカの英雄に祭り上げられます。そういう時代が長く続きましたが、ようやく1960年代になって公民権運動の盛り上がりもあってインディアンからの主張も取り上げられるようになり、次第にカスター将軍の残虐さが暴かれ、英雄から悪役へと変わっていくことになります。このタイムトンネルの話は丁度カスター将軍観の転換期であって、インディアンが一方的に悪役として描かれることはなく、タイムトンネルの所長が「どっちが野蛮人なんだ」とつぶやき、スー族の子孫である男が「野蛮人はどちらの側にもいる」と答え、中立的に描かれます。またカスター将軍は自分の栄誉に走ってトニーやダグの忠告を一切聞かない男として描かれています。写真はシッティング・ブルがトニーの力量を確かめようとしてインディアンと戦わせる場面です。なお、この回でもトニーとダグが現在に戻れないのに、スー族の男が間違ってタイムトンネルの管理センターに飛ばされます。そこでその男はスー族の子孫である男からスー族の言葉で説得され、平和の道を探るためにまた元の時代に戻ります。
タイムトンネルの”Massacre”(大量虐殺)
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