皮むき包丁(両刃)の刃


これは土佐の皮むき包丁(両刃、合わせ)の刃の部分です。剃刀に比べると、ややノコギリ状の刃が残っています。また、「スーパートゲール」を使用しなくても、きちんと一定の角度で研げるようになったことが分かります。テカっているのは、錆び止めに塗っているベビーオイルです。

日本剃刀を研ぐ(刃こぼれ修正)


日本剃刀の刃の状態を数回使った後X15倍のルーペでチェックしたら、一箇所刃こぼれがありました。念のため中国製のデジタル顕微鏡の「PlumRiver デジタル顕微鏡 デジタルマイクロスコープ 最大倍率 300倍〜500倍」で撮影してみましたが、結構ちゃんと写りご覧のように明らかに刃こぼれがあるのを確認できます。
これは#1000ぐらいから研ぎ直さないとダメだと思い、次の順で研ぎました。

(1)キングハイパー1000→(2)ナニワ研磨 日本製 堺伝 和砥石 20mm厚 粒度:4000→(3)キング 研ぎ器 刃物超仕上用砥石 台付 #6000 最終超仕上用 S-1→(4)天然砥石奥殿戸前→(5)奥殿戸前に液体石けんを数滴垂らしたもの→(6)革砥で仕上げ
その結果、2枚目の写真のように刃こぼれは消えてきれいな直線状の刃になりました。天然砥石に液体石けんを垂らすというのは、岩崎航介氏の本にあったものを採用したものです。(本ではシャンプーでしたが。)

岩崎重義作の日本剃刀


岩崎重義作の日本剃刀1丁掛を購入。¥32,400とかなり高価ですが、替え刃式剃刀を買うのを止めて、3年ぐらい使い続ければ元が取れるかと。
岩崎重義氏は、「刃物の見方」の岩崎航介氏の息子さんです。本当は玉鋼製なんですが、今は材料の入手に問題があるのか、これはスウェーデン鋼製です。ヤフオクで玉鋼のが出ていましたが、私が見た時点で100,000円を超していたので、さすがに入札はしませんでした。
で、早速自分の髭を剃ってみましたが、おっかなびっくりで剃ったので、結局ちゃんと剃れていなくて、シェーバーでもう1回剃り直しました。これ日本式の刃物なんで、片刃です。断面を見るとかなり強い裏スキがしてあります。片刃ということは剃る方向性があるということで、理髪師がお客さんの髭を剃る分には問題ないでしょうが、自分の顔を剃る時は結構これ大変です。
で、研ぎですが、附属の説明書ペラ一枚には、
・始め強めに、最後は剃刀の重さだけで研ぐ
・最初はストロークを長めにし、徐々に短くしていく
というコツが書いてあります。
包丁の研ぎの場合は、ミクロで見ると微小なノコギリ状の刃の状態で仕上げます。その方が切れ味としてはいいからです。しかし剃刀の場合は肌に当てるので、ノコギリ状の刃はダメで、刃先が一直線になるまで研ぐ必要があります。砥石は天然砥石の堅めのもの、私が持っているのでは戸前がいいと思います。人造砥石の場合は#12,000を使います。シャプトンとナニワ研磨工業から製品が出ています。岩崎航介氏が紹介しているように、シャンプーを数滴垂らして潤滑性を上げて研ぐといいかもしれません。