「愛の戦士 レインボーマン」52話全部を観終わりました。ちょっと観たくなってDVDのVol.1を買って観ていたら、結構はまって結局Vol.8まで全部買って最後まで観たものです。マーベルコミックのヒーローで「キャプテン・アメリカ」ってあってそのデザインはほとんど星条旗そのものですが、レインボーマンはこのラストシーンで分かるように、それに対して言ってみれば「キャプテン・ジャパン」ですね。ダッシュ7のコスチュームはほとんど日の丸です。(まあ太陽の化身だから、日の丸でまったくおかしくない訳ですが。)子供の時実際に放映されていた頃は数回ぐらいしか観ることが出来なかったので、今回初めて全部のストーリーを知りました。それでやはり川内康範の原作というのが、非常にユニークかつ優れていると思います。まあ細かく言えば突っ込みどころは沢山ありますが、偽札によるインフレで経済を混乱させるとか(ただ10倍くらいのインフレであの騒ぎは変で、第1次世界大戦の後のドイツのインフレは1兆分の1に通貨価値が下落しています)、東京湾で巨大爆弾を爆発させて津波を起こすとか、ミサイルを撃ち込むとか、幼稚園のバスを襲うぐらいしか能の無い他の特撮ものの敵と違い、非常にリアリティーがありました。また、人々が逃げ惑うシーンは、大平洋戦争末期の空襲とかまた初代ゴジラのシーンを思い出させます。それだけでなく、この番組が終ってすぐに(1973年10月)第1次石油ショックが起こり、実際に石油が入ってこなくなり、買い占めが横行し、狂乱物価と言われたインフレが起き、この番組は何か非常に予言的な内容でした。
ただ、「キャッツ・アイ作戦」でキチ○イという単語が何度も登場したり、「死ね死ね団のテーマ」(挿入歌)では、1番だけで47回も「死ね」が繰り返されており、どう考えても再放送は無理だと思います。(実際にされていないようです。)また原作ではミスターKは欧米系(オーストラリア?)という設定だったそうですが、日本人の平田昭彦が演じた結果、ある子供向け雑誌で元々半島の人と間違って説明されていたようで、ますます再放送は困難です。(ウルトラセブンの第12話、スペル星人の回の事情とちょっと似ていますが。)
配役は何故か女性が非常に多彩で、主人公の恋人、妹、母に加え、「死ね死ね団」側でミッチー、キャシー、オルガ、ロリータ、ダイアナ等々と色々と楽しませてくれました。またそれぞれの俳優もさすが東宝でみな達者な演技で、特にタケシの父親役の小泉博は良かったです。また主役の水谷邦久も本当に眼がきれいな俳優で、レインボーマンのダッシュ7の眼出しコスチュームが良く似合っていました。
後は髪型とか服装とか、カルチャーとかがいかにも70年代初頭で、とても懐かしかったです。一応難点を言えば、ホテルなどとのタイアップが2回あって(鴨川シーワールドホテル、ホテル林田温泉+フェリー会社)、そのための強引なストーリー展開がちょっと鼻につきました。ミスターKが九州の工場を視察に行くのに、潜水艦とかヘリとか持っているのにカーフェリーでのんびり行ったりとか。
「愛の戦士 レインボーマン」
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