レコードクリーナーのお陰で、中古盤だけではなく、学生時代に聴いていたけど、バチバチノイズだらけになって聴く気がしなくなっていたLPが復活し、再生して学生時代を思い出しています。これはトリヴィオ・サントスというギタリストのアランフェス協奏曲(2回目の録音)ですが、お勧めはそちらよりB面の最後のヴィラ=ロボスの「神秘的六重奏曲」です。7分弱の短い曲ですが、楽器の選択が非常に特殊なんでめったに演奏されません。その楽器というのが、ギター、サキソフォーン、フルート、オーボエ、ハープ、チェレスタというものです。オーボエ以外のほぼ全ての楽器が演奏出来たというヴィラ=ロボスらしい選択ですが、おそらく他にこういう編成はないでしょう。ヴィラ=ロボスは1959年まで生きていたので、時代としては現代音楽の時代ですが、彼は決して無機的で実験的な曲というものは作らず、どういう曲を作ってもある種の歌心にあふれていると思います。私はヴィラ=ロボスの交響曲不完全集(一曲だけ楽譜が行方不明で録音されていません)とか弦楽四重奏曲全集、あるいはハーモニカ協奏曲といったものまで持っています。
なお、トリヴィオ・サントスというギタリストは、高校の時に鹿児島にいて、そこの十字屋という音楽ショップでアランフェス協奏曲を求めた時に勧められた人です。それは1300円の廉価盤で高校生には有り難かったですし、サントスというギタリストも気に入ったので、こうして2度目のアランフェス協奏曲のLPも買っています。当時の地方の音楽ショップはなかなか良心的だったと思います。
ヴィラ=ロボスの「神秘的六重奏曲」
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