年末・年始の休みに、安藤健二の「封印作品の謎」(テレビアニメ・特撮編と少年・少女マンガ編)を読みました。ウルトラセブンの「ひばく星人」の話なんかはもう聞き飽きていて、中身もかなり前にYouTubeかなんかで視聴済です。「怪奇大作戦」の封印話もニコニコ動画で公開されています。サンダーマスクも、ごく一部はインターネット上で視聴可能です。なのでテレビアニメ・特撮編はそれほどインパクトが無く、少年・少女マンガ編の方が面白かったです。特に藤子不二雄の両名が共作したマンガ、特に「オバケのQ太郎」が封印されていて、長い間買うことが出来なかったというのは初めて知りました。それも原因がFとAの両氏が不仲になったからではなく、その本人の周りの女性達がお互いの利益を優先して話し合うことが出来ていなかったとうのが真相のようでした。それと同じようなのが「キャンディ・キャンディ」を巡る原作者と漫画家の争いで、裁判の結果としては原作者が100%勝ったのですが、マンガの原作というのはおそらくマンガの創生の時期には無くて、1950年代後半くらいからマンガ雑誌が多数創刊され、漫画家だけでは大量の需要に応えられない所から考案されたものだと私は理解しており、漫画家の方が「皆に愛される絵を描いたのは私なのに」著作権的にはあくまでも共同にしかならないジレンマというのは理解出来なくもないです。また黒人差別問題で「ジャングル黒べえ」が一時封印されていたというのも、確かに日本人が伝統的にイメージしている「土人」的イメージに近いけど、決してアフリカ系アメリカ人を揶揄するようなものではなく、なかなか難しい問題をはらんでいるように思いました。
この手の本はどちらかというとオタク的興味から書かれることが多いと思いますが、この作者は非常に地道に関係者に聴き取り調査をして色々な隠された事実を明るみに出してくれていて、そこは評価出来ます。
安藤健二の「封印作品の謎」(テレビアニメ・特撮編と少年・少女マンガ編)
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