NHK杯戦囲碁 河野臨9段 対 林漢傑8段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が河野臨9段、白番が林漢傑8段の対戦です。黒の布石は右上隅が三々の変形中国流とでもいうべきものでした。序盤で黒が下辺の左側に打ち込み、白が飛んだのに隅に付けていってサバキに行きました。白の当てに強く劫に受けて、劫材はと思いましたが、下辺のノゾキがぴったりの劫材でした。その後白の右下隅のノゾキの劫材に受けずに劫を解消し、白は代償に右下隅の地を侵略しましたが、この別れは若干黒が上手く立ち回った感じです。その後黒は左辺上方に打ち込んで行きました。黒の弱石はこの左辺の一団、対して白は右上隅と下辺に弱石を抱え、黒の打ちやすい碁になりました。白が左辺の黒を攻めることにより、右上隅の白は左上隅からの白とつながり強くなりましたが、黒は左辺からの石が中央である程度強くなったので、下辺の白を攻めに行きました。途中、上から覗いて白に継ぎを打たせた一子をコスんで引っ張り出したのが強手でした。結果として下辺の白が切り離され、単独では眼がありませんでした。そこで左辺からの黒の一団の眼を取って攻め合いを目指しましたが、黒の方が2手ぐらい長く、20子が取られてしまいました。しかし攻め取りなので黒は手を入れる必要があり、白が他で頑張れるかと思いましたが、最後は左辺で動き出して、白の一部を取り込んで攻め取りすら無くなり、白の投了となりました。黒の名局だったと思います。