FE203Σ-REと、FE208-Sol用のバックロードホーンエンクロージャーでやっと「ああ、これがバックロードホーンの本当の音か」というのを日々体験しています。
これまで聞いてきたバックロードホーンは、ハセヒロのキットを組み立てたもので、MM-171+FE166En、MM-151S+FE103Eの2台です。(ユニットはどちらも後にNVに変更)
実は16cmのユニットは最初はFE168EΣを使おうとしていたのですが、発注先であるコイズミ無線からMM-171に168EΣは合いません、という連絡があって166Enに切り替えたものです。
何が合わないかというと、これらのブックシェルフ型はホーンの長さがせいぜい1.6mくらいしかなく、低音が非常に不足します。(長岡鉄男によると2~2.4mくらいのホーン長がお勧めだそうです。)なので磁気回路が強力で低音がより出にくいΣ系はダメ、ということになります。しかしEnで低音が出たかというと、こちらでも低音は非常に不足しており、特にクラシック音楽のオーケストラには非常に不十分です。それで仕方なくフォステクスのサブウーファーのCW250Aを2台追加して組み合わせ、クロスオーバーを100Hzくらいにして、それなりにボリュームを上げてやっとクラシック音楽が聞けるものになりました。
もう一つ短いホーン長の欠点として、おそらく100~170Hzぐらいの間で、盛大なホーン鳴り(ブォーといったホラ貝を吹いているような音)が発生します。特に16cmの方はこれがとても目立ちました。おそらくはハセヒロ特有の曲線ホーンも、これに関しては悪い方に作用しているんじゃないかと思います。私の愛聴のCDに、ジブリの「コクリコ坂から」のサントラがありますが、この中の1曲に非常にこのホーン鳴りが目立つものがあります。
またEnやNVが非力なユニットという訳では必ずしもありませんが、Σ系に比べるとやはり音のダンピング性ということでは若干落ちます。
以上をまとめて、ハセヒロの「ブックシェルフ型」のバックロードホーンキットは、バックロードホーンの雰囲気は味わせてくれるものの、今FE203Σ-REと90cm高さのエンクロージャーで聞いているバックロードホーンの音とははっきり言って別物です。もしどうしてもハセヒロのキットが、というなら高さが90cm程度あるものにすべきと思います。(そちらの音は聞いたことはありませんが。)ただその大きさになると、かなりの価格になりますので、はたしてハセヒロのキットを買う意味があるか、とも思いますが。色々ハセヒロのキットの悪口を書きましたが、作るのが非常に簡単とか、ボルトで締め上げるので剛性が高い、とか良い所ももちろんあります。
ハセヒロのブックシェルフ型バックロードホーンキットについて
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