バイデン新大統領の就任演説を「読んで」

バイデン新大統領の就任演説を「読んで」感じたこと。(実際のしゃべりはニュースの中で一部流れるのを聴いただけです。)学生時代に京極純一さんの「日本の政治」を読みましたが、その中に、自民党の長期政権時代(55年体制)における社会党のことを「正論政党」と描写していました。アメリカなどの西側諸国とだけ平和条約を結ぶのではなく、ソ連や中国とも同時に平和条約を結べ、と主張したのが社会党で、それはもし可能であれば確かにその方がいいのでしょうが、冷戦の時代にそんなことは不可能であることは誰でも分かる理屈でした。そういう政策の非現実性が社会党が「正論政党」と言われる所以でした。
アメリカの民主党は、社会党みたいに実際に政権を担った経験がほとんど無い政党とは違い、多くの大統領を産み出していますが、ある意味ではこちらもかなりの「正論政党」です。「PC(= Politically Correct)政党」と言ってもいいかもしれません。要するにきれい事のオンパレードで、今回のバイデン新大統領の就任演説もまさにそれでした。分断を解消すると言う目標自体は、非常に良いことでそれ自体は否定されるべきではまったくありません。でもそれをどのような具体的政策で進めて行くのかはほとんど示されませんでした。実際に初日に出した大統領令でやっているのは、トランプがやって来た政策のほぼ全否定です。トランプを今回の大統領選で支持した人は当然面白くないと思います。こうしたやり方では分断が解消されるとはとても思えず、むしろますます対立を先鋭化するように思います。
もしバイデン新大統領が就任演説の中で、多少はトランプの成果も公平に認めれば、トランプ支持者も少しは耳を傾ける気持になったのではと思います。少なくとも経済状況についてはその政策のせいかどうかは議論があるにしても、コロナが出て来る前は非常に好調だったことは誰でも知っています。
2016年の大統領選の時に、トランプの娘のイヴァンカは、「私の父は行き過ぎたPCを是正しようとしているのだ」と言っており、なかなか上手い言い方をするなと感心したことがあります。人の性として、たとえそれが字面上良いことであっても、ほとんどいつもそればかり聞かされていたら、嫌になります。民主党を支持していない人の気持ちがそれに近いように思います。
今バイデン新大統領がやっていることは、トランプのマイナスを何とかゼロにしようとしていることばかりです。新大統領の真価が問われるのは、トランプの関連から抜けて自身でどんなプラスをもたらすかで評価されるべきと思います。

N95クラスのマスク

ウレタンマスクは不可とか、ドイツで公共交通機関の中はN95クラスのマスク着用が義務になるとか、ようやくマスクについてもともかく口元を覆っておけば良いというレベルから素材や効果にまで意識が行くようになったのはいいことだと思います。
私は不織布マスク+自家製漏れ防止アダプターで効果的には十分だと思っていますが、一応N95クラスのマスク(N95、FFP 2、DS2)を昨年マスクの供給が潤沢になってから、100枚程度買って備蓄しています。元々防塵マスクなんで、建築関係の材料を売っているサイトで入手出来ます。注意点は、一種類を大量に買うのではなく、顔の形に合う合わないがありますので、少しずつ買って試した方がいいです。お勧めは当然3MやMoldexといった一流メーカー品です。これらの模倣品が多数売られていますが、ゴムがすぐ外れたりとかしますので、安くても手を出さない方が無難です。
ここの資料が参考になります。

スタートレックのファーストシーズンの”The Alternative Factor”

スタートレックのファーストシーズンの”The Alternative Factor”を観ました。エンタープライズ号がある星に近付くと突然宇宙全体での磁気嵐のようなことが起こり、地球連邦はこれを何かの侵略と考え、エンタープライズ号に調査を命じます。その星には一人だけラザルスという男が小型の宇宙船のようなものといました。その男はある「物体」を追いかけており、その「物体」は全宇宙を破壊しようとしていると言います。それで色々あって、結局、パラレルワールドで2つの宇宙があり、それぞれが正物質と反物質で出来ているという、この時代のSFに好まれた話になります。宇宙家族ロビンソンでもそういう話がありました。結局それぞれの宇宙にラザルスがいて、片方は狂っていてもう一人のラザルスを殺そうとしています。しかしどちらか片方の宇宙で両方が出会うと両方の宇宙が消滅するということで…それで結局エンタープライズ号がフェイザーでラザルスの宇宙船を破壊して(同時にもう一つの宇宙の宇宙船も無くなり)二人のラザルスは2つの宇宙をつなぐ回廊に閉じ込められて未来永劫戦い続けるという話でした。まあパラレルワールドも物質・反物質の話も消化不足でとってつけたような話になってしまっています。

ワーフェデールのDenton 85thのレビュー

今回新たに購入した、ワーフェデールのDenton 85thのレビューです。これを購入したのは、真空管アンプで現代のスピーカーがどの程度鳴らすことが出来るのかを実験したかったからです。実は10年以上前に買ったクリプトンのKX-3Pという出力音圧レベル87dBのスピーカーで既に試してみましたが、300Bのシングルアンプ、KT77のプッシュプルとも、それぞれ音量は狭い部屋の中で聞くには十分なものが出ます。問題は、鋭い音の立ち上がりで歪むことで、たとえばピアノの高音の強い音が割れます。これはシングルの方がひどく、プッシュプルでも若干出ます。良く人が音楽を実際に聞いている音量は1Wも無いから、3W+3Wの真空管のシングルアンプでも十分といった議論をする人がいますが、それは間違いだと思います。音楽の音量にはVUメーターで表されるような平均的な音量とピークレベルメーターで表されるような突発的に立ち上がる音量の両方があります。小出力のアンプは前者に対応出来ても後者については出力不足で歪みます。
それでKX-3Pはダメでしたが、このワーフェデールのDenton 85thは出力音圧レベルが88dB/mと現代のスピーカーにしては高いので、もしかしたら、と思って買いました。実はワーフェデールの前にJBLの3ウェイを検討して、こちらは出力音圧レベルが90dB/m以上ありますから真空管でも問題無いと思ったのですが、残念ながらブックシェルフタイプでは大きすぎるか小さすぎるかで丁度いいサイズがありませんでした。
それでワーフェデールは出力音圧レベルもありますが、落ち着いたデザインにも惹かれました。普通のブックシェルフに比べると一回り大きめで、構造的には普通のエンクロージャーの回りを木のキャビネットが取り囲むような構造になっています。この構造が独特の再生音を作っています。好意的に言えば独特の音場を作ってくれ、否定的に言えば若干ですが余計な音を付け加え音像の輪郭をぼかしている感じです。故にこのスピーカーはサウンドマニア向けではなく音楽ファン向けです。
ユニットは、ツィーターがテキスタイル、つまりソフトドームです。ソフトドームとは言っても、KX-3Pのもそうですが、現代のソフトドームは得意の弦やボーカルだけではなく、ピアノについても綺麗に再生します。ウーファーは16.5cmのケブラーコーンで、センターキャップ部はツィーターと同様の柔らかめの素材が使われていて、つながりを良くしています。このウーファーの腰は非常にしっかりしていて、低音についてはかなり強い押し出し感を感じる音になっています。なおサランネットを外すと、外側のキャビネット部は若干ですが、フロントホーンの形状になっています。なのでスピーカーの置き方としては、ラックに平行ではなくて、メーカーが推奨している通り、それぞれ左右を少しユーザー側に向けた方がいいと思います。
音はちょっと聴いた感じではレンジが狭いような気もするのですが、良く聴きこむと高域も低域も十分伸びています。特に低域はバスレフ(パイプ状のダクトが2本背面に付いています)であるにも関わらず、40Hzがある程度の音量で鳴らせています。このバスレフは低域を持ち上げるというより、スピーカーの背圧を抜いているような感じです。
音楽ジャンルとしては何を聴いてもそつなくこなしますが、特にオーケストラの量感の再生に優れていると思います。ボーカルはほんの少しですが音像がヴェールをかぶったような感じで、これはエージングで改善されるかと思います。音場は前にではなく横と後方に拡がる感じです。
最近ずっとバックロードホーン+サブウーファーをメインにして来ましたが、こういう一本でOKというスピーカーもなかなかいいと思います。これだけの質のスピーカーがペアで14万円でしたので、コストパフォーマンスは高いと思います。(昔RogersのLS3/5Aをペアで買った価格より安いです。)
最後に真空管アンプで鳴らせるかですが、シングルはさすがにまだ苦しくやはり音割れが発生します。プッシュプル(定格:20W+20W)はそれに比べほぼ問題ありませんが、若干低域の制動が弱い感じで、アキュフェーズのE-600で聴くのが当然とはいえ、このスピーカーにはふさわしいようです。

「巨人の惑星」の”The Chase”

「巨人の惑星」の”The Chase”を観ました。脚本が出ました!、ウィリアム・ウェルチ(原子力潜水艦シービュー号できわめてナンセンスな脚本を何度も書いた人)でした。ウェルチにしてはそれなりにまともなストーリーでした。いつも地球人達を追い回している捜査官のコービックが、ベティとヴァレリーを捕まえます。この2人を人質にしてキャプテンと交渉しようとします。そこでコービックが提示したのが、偽札製造グループの検挙に協力してくれたら、人質を解放するだけではなく、今後もう追い回すことをしない、というものでした。普段は巨人のことは信じないキャプテンが結局その話しに乗ってしまいます。(この辺りの非論理性がウェルチ脚本の特徴ですが。)犯人グループを突き止める方法は、偽札の製造に特殊な光るインク(紫外線を当てるとぼーっと光るアレ)が下水に流された跡をたどることによってであり、そのために下水管に直接入れる地球人達の協力が必要なのだとコービックは言います。表面的にはコービックと地球人達は協力しますが、どちらも裏では相手を信用しておらず、地球人達は自力で人質を救おうとします。それがコービックにばれた時にコービックも約束を果たすつもりはなかったと言います。それで犯人のアジトを突き止めたキャプテン達は逆にその犯人団=独裁政府を倒そうとしている決して悪人ではない人達と手を組む提案をします。そしてコービックの事務所に戻ってその犯人団にとって都合の悪い資料を盗むことに協力します。犯人団が爆弾を仕掛けて混乱に導き、犯人団の2人が地球人達を外に連れ出してくれた、という話です。今一つすっきりしないストーリーでした。これで第1シーズンは終わりで、半分観たことになります。