ロザリン・テューレックの「ゴールドベルク変奏曲」

ロザリン・テューレックのバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を聴いています。メジューエワの本の中で「ゴールドベルク変奏曲」のお勧めとして彼女が挙げていたので興味を持って買ってみたものです。聴き始めてびっくり!グレン・グールドと演奏スタイルが非常に似ています。特にグールドの2回目の録音に。と思ってテューレックについて調べてみたら、何と事実は逆でした!グールドがテューレックのバッハ演奏に大きな影響を受けているんだそうです。ゆっくりしたテンポ、一音一音大事にするようなフレージング、またチェンバロでの演奏を真似るかのような一つの音の前に「タメ」を作るスタイルなどが特徴かと思います。2枚組で5000円ととても高かったのですが、買った甲斐はありました。さすがメジューエワです。

21年使用の日立の洗濯機の糸くず取り用フィルター

現時点で買ってから21年経っている日立の洗濯機の糸くず取り用のフィルターの布の部分が破れてしまいました。でも、恐るべきことに、この古い古い機種用の糸くず取り用フィルターがまだちゃんと純正品として販売されていて、問題なく入手し交換することができました。たぶんずっとデザインを変えていないんだと思います。最近のものってやたらとすぐデザインが変わりますが、変わらない良さ、というのを実感しました。ちなみにこのフィルターの交換は21年の使用で2度目です。

豊田有恒の「『宇宙戦艦ヤマト』の真実 ---いかに誕生し、進化したか」

豊田有恒の「『宇宙戦艦ヤマト』の真実 ---いかに誕生し、進化したか」を読了。豊田が「宇宙戦艦ヤマト」についてある大新聞からインタビューを受けたけど、その大新聞が内容をねじ曲げ、無理矢理に「ヤマトではガミラスに敗北寸前の地球が太平洋戦争での日本の姿に重ねられている」という勝手な解釈で記事を書かれたことに憤激して、「宇宙戦艦ヤマト」の誕生の背景を当時者として改めて語っているものです。(その大新聞の名前は書いてありませんが、誰が読んでも朝日新聞だろうと推測がつきます。)個人的には、前半の日本のアニメの創生期の話が興味深くて、エイトマンが生まれる背景などが楽しく読めました。「ヤマト」については、西崎義展との関わりが必然的に多くなります。豊田は西崎がいなかったらヤマトは出来ていなかったとその功績を認めながら、しかし西崎にはクリエイターとしての才能はなく、その一方で多くのクリエイターをただみたいな安いお金でこき使ったとして強く非難しています。なんと松本零士にさえ、ろくなお金を払っていなかったようです。これは西崎一人の罪というより、日本で多く見られる「知的作業にお金を払わない」という悪しき慣習と深くつながっていると思います。豊田によれば、作品が一律に「コンテンツ」と呼ばれるようになってから、この傾向がさらにひどくなったとしています。
豊田のヤマトの最初の設定で面白いのは、イスカンダルにコスモクリーナーを取りに行くというのの元ネタは何と西遊記だということです。さすがにそれは気がついていませんでした。(西遊記をベースにしたアニメには、同じく松本零士原作の「SF西遊記スタージンガー」があります。)また、初期の設定はかなりダークでハードなもので、その設定が2010年のキムタク主演の実写版で一部使われていました。

英語学習雑誌2誌の比較-CNN English ExpressとEnglish Journal

2018年3月で、購読歴丸4年になる2つの英語雑誌の比較。「CNN English Express」と「English Journal」。この2つはたぶんライバル誌となりますが、内容はかなり違います。価格はCNNの方が税込み1,240円、EJの方が1,512円でEJの方が高いです。

1.CNN English Express
朝日出版社から出ているもの。名前の通り、CNNのニュースが満載でそれが主要コンテンツです。それも短いニュース(10本+2本くらい)、ちょっとまとまったニュース(4本くらい)、ニュースショー(アンダーソン・クーパー360°)とバラエティーに富んでいます。ただ、雑誌に掲載されるのは大体2~3ヵ月前のニュースで時間差があります。ニュースの元もアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアと色々でそれぞれの国のアナウンサーがしゃべっており(2回読まれて最初がオリジナル、2回目がアメリカ人かカナダ人になりますから、発音を比較する上でも有益)、TOEICでのリスニングがこの4ヵ国ですから、TOEICリスニング対策として有益です。また、長いニュース1本について、通常のスピードと1.5倍速のスピードがあり、これも聴き取り強化に有益です。ニュース以外に、インタビュー記事がありますが、これは月に2本ぐらいでEJに比べるとちょっとだけ劣ります。その他連載が何本かありますが、一回連載が始まるとかなり長く続き、今やっている科学評論家のクリストファー・ロイドの記事は2018年1月号でもう34回目です。添付されているCDの収録時間は毎回きちんと65分ぐらいで安定しています。これはEJに比べるとしっかりしていて学習計画が立てやすいです。

2.English Jounal
英語教材で定評があるアルクから出ているもの。この雑誌の売りはなんといってもインタビュー記事で、毎月3本くらい。それもその中には毎月かなりの有名人が含まれており、たとえば2018年1月号ではレディー・ガガが登場します。過去にはジョン・レノンの昔のインタビューとか、ブラッド・ピットなんかも登場しました。大体新しい映画が封切られるとその主演男優・女優が登場することが多いので、洋画好きの人にはいいと思います。(まあそのせいで価格がCNNより高いのでしょうが。)芸能人以外にも、学者系が結構登場し、なかなか面白いことをしゃべっていることがあります。最近著作を読んだエリン・メイヤーはこのEJのインタビューで初めて知りました。インタビュー以外の連載記事としては、アメリカの作家ケイ・へザリのエッセイ(これはなかなかいいです)とか、クイック・チャットという日本に在住している外国人同士の雑談(普通)、またミステリー・スピーカーという正体が隠されたキャラクターがしゃべってその正体を当てるクイズ(これはその正体が最近はスモッグだとか駐車場だとかダムのような訳の分からない物が多くなってイマイチ)があります。この雑誌の問題点は、それ以外の特集記事のばらつきが極めて激しいことです。その特集記事の長さによって、毎月のCDの収録時間がかなり大幅にぶれ、短い時は50分程度、長いときは80分とCDの収録時間の限界に近いものもあり、毎月の学習計画を大幅に狂わせてくれて、非常にやりにくいです。また、最近始まった「英語でヨガ」というのも意味不明の企画で、出てくる単語はinhale(息を吸う)、exhale(息を吐く)みたいなのの繰り返しで、英語の教材としてはあまり価値がありません。(私はいつも聴かないで飛ばしています。)全体的に編集方針がはっきりしていなくてあっちへ行ったりこっちへ行ったりしています。

もし、どちらか1冊だけというのであれば、価格的にも安いCNN English Expressの方をお勧めします。

山室恭子の「歴史小説の懐」

山室恭子の「歴史小説の懐」を読了。この人は白井喬二のちくま文庫版の「富士に立つ影」の第6巻「帰来篇」で見事な解説を書いていた人で、他に大衆小説に関する評論は無いかとAmazonで検索してみて見つけたものです。この方、本業は日本の中世専門の歴史学者です。その本業の影響もあって、時代小説をまるで歴史資料みたいに扱っていて、各小説のまず詳細なストーリー内の年表を作って、色んな矛盾を発見しています。その矛盾の最たるものが「大菩薩峠」です。この小説が1867年の秋で時間が進まなくなるのは知っていましたが、それが実は全体の1/4しか進んでいない第5巻でもうその時に達してしまうのだということは、この本で初めて知りました。また大菩薩峠で主人公の机龍之助と関わる女性が「お浜」(白浜)、「お銀」(白銀)、「お雪ちゃん」とすべて「白」を基調にしている、つまり色が欠けている、それだけではなく実は「大菩薩峠」は「何かが欠如している」ことを特徴とする、という指摘は実に鋭いと思います。
それはいいんですが、後半の方になるとかなり脱線気味で、平岩弓枝の「御宿かわせみ」の「かわせみ」の宿が実はパラレルワールドで2軒存在するのだとか、池波正太郎の「鬼平犯科帳」で平蔵に可愛がられた野良犬が突如姿を消した後、「御宿かわせみ」に別の名前の犬として登場する、などという説は、かなり妄想が入っていて、表面的な辻褄を合わせるために、学者が珍説をひねり出すという感じを受けました。
そうはいっても、なかなか面白い指摘をたくさん含む本で、時代小説ファンにはお勧めします。