本日のNHK杯戦囲碁は、いよいよ決勝戦で、黒番が芝野虎丸名人、白番が一力遼棋聖という名人対棋聖の対決でした。序盤で黒が上辺に模様を築き、白がそこに入って行き、ある意味開き直るような強い打ち方をしました。黒も目一杯の手で白を攻め、結局振り替わりのような形で右上隅が黒地となり白は右辺へと脱出しました。その白を黒が切っていっていた石がどうなるかが次の焦点で、結局右辺の黒は取られましたが、黒から中央の白に攻め取りでどれだけ締め付けが利くかが次の焦点でした。しかし白も巧みに中央で手数を伸ばして締め付けを避けました。そこで黒が一転して左下隅の星の白に付けて行き、そこから次のラウンドが始りました。その戦いの中で黒が白のハネに延びておけば良かったのに二段バネしたのがある意味打ち過ぎだったようで、中央の黒を脅かされつつ下辺に進出され、また一度取られていた白4子が復活する手が生まれ、さらには右下隅も攻めらました。更には左辺にもかなりの白地が付くことになり、ここの戦いで白が完全に抜け出しました。こうなると地合が盤面でギリギリということになり、黒の投了となりました。これで一力遼棋聖が4回目の優勝となりました。一力棋聖はNHK杯戦出場10回で、その内8回で決勝進出、そして4回優勝というとても信じられないような記録を作っています。まだ26歳ですから、この先どこまで優勝回数を伸ばすかが楽しみです。
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ウルトラマンAの「復讐鬼ヤプール」
ウルトラマンAの「復讐鬼ヤプール」を観ました。視聴率低迷対策なのか、今回初めてヤプール人が地上に隕石でやって来て、人間に化けて作戦を行います。TAC基地潜入は失敗しましたが、追跡して来た山中隊員と美川隊員の乗るTACパンサーを崖から墜落させ、美川隊員が死んでしまいます。と思ったら山中隊員が助けを呼びに行っている間にヤプール人が化けた青年が美川隊員を蘇生させます。美川隊員はその青年をすっかり好きになってしまいますが、その青年はブラックサタンという超獣の模型を幼稚園の子供達と美川隊員の手伝いで作ります。そして北斗がその青年の腕輪が基地に潜入したヤプール人と同じことに気付きますが、その青年の策謀で脚立から落ちて足を捻挫します。結局青年は人間でないことがバレますが、それはTACを呼び寄せるための罠で、子供達を人質にされ武器を捨てたTACの隊員の前にリアル化した超獣が現れます。ヤプール人のサポート付きの強力な超獣にAは苦戦しますが、女の恨みは怖いで、ヤプール人は美川隊員に倒されます。それでAは石油タンクの石油を超獣にかけ、雷を落して火を点け、燃え上がる超獣にトドメはメタリウム光線となかなか凝った倒し方でした。
トワイライト・ゾーンの”In Praise of Pip”
トワイライト・ゾーンの”In Praise of Pip”を観ました。このエピソードからシーズン5に入ります。放送は1963年9月で、そのためかベトナム戦争に関する話です。ピップと呼ばれる若い兵士がベトコンの罠にかかって重症を負います。医者の診断は死は時間の問題でした。ピップの父のマックスは競馬のノミ屋をやっていましたが、ピップのことは溺愛していました。マックスはジョージという若者に言葉巧みに誘って賭けさせますが、当然その若者は外します。賭けたお金はマックスの親分のところから借りたお金で返せないジョージは痛めつけられ、刑務所送りになりかけます。しかしその時にマックスに軍から電話があり、ピップが危篤であることを知ります。これまでの生き方を反省したマックスはジョージを助け、親分をナイフで刺して逃亡しようとしますが、自分も子分に撃たれます。マックスがよろめきながら昔ピップを週末に良く連れてきた遊園地の前に来ます。そこには何故か10年前の10歳のピップが彼を待っており、狂喜したマックスはピップと遊びます。しかしピップはもう死ぬのでサヨナラだと言い、姿を消します。マックスは神に対して自分の命を取って、その代わりにピップを助けてくれるよう祈り、そして倒れます。次のシーンでは杖をついているものの、無事に戻って来た20歳のピップが、遊園地で死んだ父を懐かしがっていました…
ということで良い話ですが、あまりに捻りがなさ過ぎです。ちなみに10歳のピップはトワイライト・ゾーン2回目のビル・マミー(宇宙家族ロビンソンのウィル役で有名)が演じていました。
ジェイコブ・ソールの「帳簿の世界史」
ジェイコブ・ソールの「帳簿の世界史」を読了。筆者は会計学と歴史学の専門家で、この本は「複式簿記」と国の繁栄をセットにして書いた歴史書です。しかし歴史書としては質が低く所々間違ったことが書いてあります。というか主題は「複式簿記をきちんと採用した国は栄え、そうでない国は駄目になった」ということの繰り返しです。私見では複式簿記というかお金の管理はもちろん必要なことでしょうが、それが十分条件では無い訳で、いくら帳簿をきちんと付けていても、歳出が歳入より大幅に多ければその国はいつかは破綻します。というか大体戦争とインフレでチャラになるんですけど。それとこの本で良く分る別のことは、複式簿記は常に複複簿記というか二重複式簿記になりやすい、平たく言えば常に表帳簿と裏帳簿が使われてきたということで、複雑で元帳とか仕訳帳が多数あるので、ごまかしやすいというか、簿記の歴史は粉飾の歴史でもあります。今会社で内部統制の手伝いをやっていますが、こんなのがうるさく言われるようになったのも、最近の粉飾決算によるスキャンダルが原因です。これについては今後も無くなることが無いどころか、フィンテクとかのIT技術の進歩で財務情報がますますブラックボックス化し、もっと状況が悪くなるような気がします。ある生成AIが粉飾決算情報を作り出し、別の生成AIがそれを暴こうとする、といった世界がもうすぐ来そうだと思います。まあまとめて、暇つぶしにはなりますが、学術的な本ではないです。
白井喬二の「名乗り損ねた敵討」、「紙城」
もう一冊、ヤフオクで落札した白井喬二作品掲載誌。「ポケット講談社」(大日本雄弁会講談社と関係あるかどうか不明)の「文藝講談」創刊号です。(大正15年10月発行)この雑誌に白井喬二は「名乗り損ねた敵討」という戯曲(!)と「紙城」というエッセイを載せています。白井以外では、三上於菟吉、長谷川伸なども名前を連ねており、それなりに気合いの入った雑誌だったように見えます。ちなみに表紙がこれもカストリ雑誌みたいに見えますが、おそらくピエロとコロンビーヌかと。「名乗り損ねた敵討ち」は初めて出会った白井喬二の戯曲です。(未読ですが、他に戦前の「苦楽」に載った「古代マーチ」という戯曲もあるようです。)一幕三場ですが、この号には一場の途中で終わっています。古書店でも国会図書館でも、この雑誌の2号以下は発見出来ませんので、初の戯曲も全容を知ることが出来ず残念です。主人公はサイコロ作り師で、とある親分が雇いたがっているということで、おそらくグラ賽(特定の目が出やすいイカサマ用のサイコロ)作りであることが匂わされていますが、詳細は不明です。実際に上演されかも不明ですが、おそらく無いと思います。
「紙城」というエッセイは、白井が何かの文献でこの表現を見つけ、本当に紙で作った城があったのかと思ったけど、実際は「金城湯池」の反対で比喩的に攻め破られやすい脆弱な城のことを言うことが分ってがっかりする、というまあ城師同士の戦いを描いた白井らしいエッセイです。
白井喬二の「強い影武者」
久しぶりに白井喬二の未読作品を入手。しかし掲載誌は昭和26年7月発売の、「青春サロン」という誰が見てもカストリ雑誌です。題名は「強い影武者」。残念ながら失敗作以外の何物でも無く、トップページに書いてある要約がそのままで、それ以上の内容はまったくありません。紀田順一郎さんによるとカストリ雑誌の多くは昭和25年頃姿を消した、とあります。しかし古書店では、昭和26年発行のカストリ雑誌が多数売られています。これはおそらく、ブームは過ぎたのにまだ売れると思って出したカストリ雑誌がまったく売れずに出版社の倉庫などに残って、それがそのまま古書店に流れたのではないかと思います。なお、白井喬二以外にも一流の作家がカストリ雑誌に書いていたケースは多数あります。しかし天国の白井喬二も「こんな作品まで発掘しなくていいよ」と言いそうな気がします。
NHK杯戦囲碁 井山裕太二冠 対 一力遼棋聖(2024年3月3日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、準決勝の第2局で、黒番が井山裕太二冠、白番が一力遼棋聖という最高のカードです。序盤左上隅で黒が両ガカリしてから競い合いになりました。白が上辺で黒を挟んだのを更に黒が挟み返してという目まぐるしい展開でしたが、黒が白に頭を押さえられる前に4線から3線に下がったのが良い手で、逆に白が黒に当て込みを打たせるためにタケフを切りに行った形になったのがマイナスで、ここでAIの判定が黒に傾きました。その先、左上隅から中央に延びる白を攻めるのに黒がケイマで煽った所をすぐに白が切って行って、結局右辺に展開しました。そして黒が上辺から延びている石と下辺が二間で連絡している所を黒が一手守ったのに白がくすぐりに行った後、白は大ゲイマで上辺から延びる黒への攻めを見ました。しかし黒は白の急所に置いていき、また中央の黒と下辺の黒をつながる守りの手を打たずどんどん下辺に出て行きました。この辺りまさしく井山二冠らしい打ち方でしたが、結局白に間を分断されて、黒が苦しくなり結果的には打ち過ぎでした。白はここでチャンスを掴み、左辺に展開して形勢は五分五分になりました。その後白がいっぱいに打ち回し、左辺上方の黒を取り込んで左辺の地を大きく取ったので、ここで白が優勢になりました。結局黒が投了しました。来週はいよいよ決勝戦で、一力棋聖と芝野名人というこれまた好カードです。
ウルトラマンAの「天女の幻を見た!」
ウルトラマンAの「天女の幻を見た!」を観ました。河童やセミやホタルの次は何と天女!正確にはヤプール人によって破壊された乙女座の精、ということになっています。羽衣の話の一部を借りるのかと思ったらそれはなく、何と言うか今一つ良く分らない話でした。結局乙女座の精の願いで、ヤプール人からのコントロールを断ち切って元の姿に戻し、白鳥座に連れて行くことになりました、という決着です。しかし竜隊長が独身だったことが分ってびっくり。
スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Pen Pals”
スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Pen Pals”を観ました。エンタープライズ号が始めて人類として訪れた惑星系の全ての星で地殻変動が起きており、それを調査するためウェスリーがリーダーとして任務を命じられます。年上で自分より経験も深い部下を相手にウェスリーが如何に任務をこなすか、という話と、データがたまたまある星の住民である女の子と交信してしまい、それは連邦のPrime Directive(最優先指令:他の文明に干渉してはならない)違反行為になります。しかしデータの行動はエスカレートし、転送でその女の子の住処に降り立ち、またその子をエンタープライズ号にまで連れて来てしまいます。この辺りデータの行動はアンドロイドとは思えない支離滅裂さです。しかしピカードはデータの「気持ち」を尊重し、ウェスリーが地殻変動の原因を突き止めそれを止めることに成功します。女の子は記憶を消して元の住処に戻されます。しかしPrime Directiveの解釈を巡ってシビアな話も以前あった筈で、こんな風にいい加減な解釈の話を作るのはどうかと思います。