自作真空管アンプの最後の仕上げ。若干だけ定位が右寄りなんで、11本持っているITT LorenzのPCL86の中から、若干プレート電流が大きめのペアを選別してそれを左チャンネルに適用して解決。
それから自作の真空管ガードを適用。これで地震などで何かが落ちて来ても真空管は大丈夫です。
残った問題:
ちゃんとした音になるまで右チャンネルが10~15分、左チャンネルが30分ほどかかります。それまでは音量も小さく歪んだ音。
これの回避手段は分かっていて、NF(負帰還)の回路の両端をテスターの電圧測定モードで3秒ほどプローブを当てればすぐ正常状態になります。もしこの問題が続くようでしたら、これ用の端子を外に出すなどを考えます。でもまあ30分待てばいいだけなんで特に大きな問題ではありません。なおこの問題はもう一台の全段差動プッシュプルアンプにもあって、こちらは電源ON直後では右チャンネルが弱く(プリのバランスボリュームで10時くらいにしないと真ん中に音像が来ない)フル音量になるまで3時間くらいかかります。なのでこれは私の配線が間違っているとかどこかの半田付けが外れているとかの問題ではなく、全段差動プッシュプルアンプの固有の問題ではないかと思います。
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NHK杯戦囲碁 呉柏毅5段 対 三村智保9段(2022年5月8日放送)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が呉柏毅 5段、白番が三村智保9段の対戦です。布石では白が左辺の黒に打ち込んで黒がそれを直接受けずに下辺にかわした辺りでは白がリードしていましたが、その後黒が白のノゾキを逆手に取って白を左下隅と中央で切断したことで互角に戻りました。中央で激しい戦いとなり、結局黒は中央の一団を捨て、代償で右辺の白を大きく取り込むという振り替わりになりました。中央の黒は取られたといっても攻め取りなので見た目ほど大きくなく、ここで黒が優勢になりました。しかし、黒が上方の白の薄味を突いて取られていた石を逃げ出したのは、打ち過ぎでした。上辺の白はギリギリでしたが捕まらずに脱出出来たため、黒の中央の損害が拡大しました。なおかつ黒の包囲網の一部が逆に取られてしまって攻め取りもなくなりました。こうなると盤面でも白が5目以上のリードで黒の投了となりました。黒が余計なことをせずに右辺を大きく取って中央は攻め取りさせれば勝ちではなかったかと思われ、呉柏毅 5段としては残念な一局でした。
今回のアンプの回路図
完成!PCL86全段差動プッシュプルアンプ
真空管アンプ、底板も付けて最終版として完成しました。外観と内部の最終写真です。ちょっと本体と底版の隙間が空いていますが、部品を詰め込み過ぎたんで、あまり締め付けるとショートする危険性もあってこのくらいにしています。これを完成するのに結局2ヵ月半もかかりましたが、なんとか無事に連休中に完成出来て嬉しいです。
それから音質ですが、自分で一から作ったものに親馬鹿的バイアスがかかるのは当然ですが、それを抜いても音質は非常にいいです。このアンプは全段差動プッシュプルアンプというものですが、このタイプはもう一台KT88のものをヤフオクで買って持っています。それと比べても定位の良さ、音のピュアさは優っていると思います。出力は計算値で3.1Wくらいですが、実際は3.5Wくらい出ている感じです。
ベースとなっている回路は、https://lavie60.blog.fc2.com/blog-entry-659.htmlにあったものです。この場を借りて御礼申し上げます。
元の回路からの変更点は、
(1)出力段の定電流回路を三端子レギュレータから、定電流ダイオード16mA~18mA(SEMITECのE-153かE-183)のものの4本並列に変更。(1本あたり平均で14mAが必要なのですが、SEMITECのEシリーズの定電流ダイオードは大体公称値よりも実際のピンチオフ電流が低い傾向にあり、さらにばらつきも±20%程度ありますので数多く測定してその中から4本ずつ2組選びます。)テスターで測定して4本合計で56mAになる組み合わせを2組選んで使いました。(ノイズを出す三端子レギュレータより、定電流ダイオードの方が絶対にいいです!)
(2)ヒーター用電源+14V電源の回路の電解コンデンサーを10,000μFx3本を4,700μFx3本に減らしています。いくらなんでも14V電源用に30,000μFは理不尽ですし、またかなりのレベルの突入電流が発生してスイッチその他の部品を傷めます。オシロで見て、4,700μFx3本でまったく問題ありませんでした。(というかそれでもまだ多すぎると思います。)またヒーターは傍熱管なのでそもそもDC点灯にする必然性は少なく、さらに若干のリップルが残っていても問題ありません。
(3)同じくその電源のアースポイントを最初の電解コンデンサーのマイナス側ではなく、最後の電解コンデンサーのマイナス側に変更。これによりアースに混入するリップル電流が少なくなります。
(4)表示灯としては定電流ダイオード内蔵のLEDを使用。ちょっと明るすぎますが、今回のテーマが「定電流ダイオード」だったので敢えて使いました。明るさを落とすには、抵抗を入れて定電流ダイオードにかかる電圧を6Vより低くしていわゆる「肩特性」の所を使えばいいです、ってそれをやるくらいなら最初から普通のLEDを使った方がいいです。
(5)これは変更ではありませんが、元のページには電源トランスがもう1台必要なことが回路図以外には書いてありません。(同じページにこのアンプで使うトランス類という写真がありますが、その中にも含まれておらず、また外観写真でも使用を確認出来ませんでした。)この6V電源はC電源でバイアス用ですが、ぺるけさん式の整流用ダイオードの電圧降下を利用するなどでわざわざ別トランスを使わなくても出来そうですが、今回は修正に自信がなかったので回路図のままにしました。
(6)3極管部のプレート電圧を調整する抵抗は47KΩにしました。これで206Vくらいになっています。
(7)組み上げた後盛大にハムが出て、その対策としてカップリングコンデンサーの電力増幅段側をアース(全体のアースとは違うポイント、つまり2点アース)に落としました。これでピタリとハムは止まり、ボリューム最大でもハムは出ません。
(8)スパークキラーは岡谷のS1201が納期半年で入手出来なかったので、120Ω2Wの金属皮膜抵抗と0.1μF 200VAC(400VDC)のフィルムコンデンサーを3つ並列にして(つまり0.3μF)自作しました。(S1201は120Ω+0.1μFです。コンデンサーを0.3μFに増やしたのは大容量の電解コンデンサーが多く使用されているので、その突入電流を十分吸収させるためです。)
(9)電源スイッチはNKKの2極単投のS-21Aを使い「両切り」にしました。つまりライブ(トランスの100V端子につながる方)とニュートラル(同じくトランスの0V端子につながる方)を同時に入り切りして安全性を高めています。このスイッチの定格は15A 125V ACで、フューズが2Aであることを考えると十分な容量があります。
(10)B電源の整流回路を普通のブリッジダイオードではなく、ショットキーバリアダイオードに変更。このアンプには3つの電源回路がありますが、その全てでショットキーバリアダイオードを使っています。
(11)ヒーター用電源はDCのため電源トランスの14.5Vタップからではなく、12.6Vタップから取りました。これでヒーターの電圧が13.4Vくらいになっています。(14.5Vタップから取ると、整流することで電圧が1.2倍くらいになりますので、元の回路の抵抗程度ではヒーター電圧が17Vに近くなります。もちろんこれでも動きますが、ヒーターの寿命が短くなります。)
(12)回路の変更ではありませんが、抵抗は出来る限り指定より大きめのW数のものを使うように心がけました。
松本城
NHK杯戦囲碁 小県真樹9段 対 林漢傑8段(2022年5月1日放送)
2022年5月1日のNHK杯戦囲碁は、小県真樹9段と林漢傑8段の対戦です。この碁のポイントは、中央の黒への白への攻めがどのくらい効果を上げられるかでした。その意味で白が中央の黒の一間飛びに下から覗いたのに、黒は素直に継がずに上辺からの白の一団の石に突き当たりました。これは私も一瞬考えてすぐ無いな、と思った手でしたが、小県9段が実際に打ったのには驚きました。この突き当たりに白は延び、そうすると黒はもう一手タケフでつながる必要があります。白からすれば薄みが気になっていた一団を先手で強化出来た理屈になります。実際にこの黒の手でAIの評価は白の大幅リードになりました。黒はその後一方的に攻められることになり、白は攻めながら効率良く右辺と下辺を地に出来ました。黒も左辺を目一杯囲いましたが、あちこちに穴があって侵入出来、大きくはまとまらず、黒の投了となりました。