NHK杯戦の囲碁は、本日より新しい71期のスタートです。それに伴いセットもBGMも新しくなり、また解説の碁盤もタッチパネルの電子式のものになリました。皮切りの対戦は、黒番が六浦雄太7段、白番が佐田篤史7段の好対局です。今回解説が前期優勝の関航太郎天元で、司会・読み上げ・記録も含め佐田篤史7段の27歳が最年長というのも驚きです。この碁の最大の攻防は左辺で、黒が大きく地模様を形成したのに、白が打ち込んで、黒が詰めた時に白が手を抜いて左下隅を滑って地を稼ぎました。この手は間接的に左辺へのワタリを見せる手が利くので、左辺の攻防に多少の支援にもなっていますが、おそらく素直に中央に飛んで頭を出していた方が優っていたと思います。黒が当然ボウシしたのに白が上方に付け引いて活きに行きましたが、黒が2目の頭を自ら跳ねられに行ったのが強手で、結局白が単独で活きる手は無く、かといって攻め合いにもならず、左辺の白が取られて左辺に40目以上の黒地が完成しました。これで黒が勝勢になり、以降黒が手堅く打ったため差は縮まりましたが、最後半劫を白に譲って、黒の1目半勝ちでした。