NHK杯戦囲碁 坂井秀至8段 対 志田達哉7段

本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が坂井秀至8段、白番が志田達哉7段の対戦。坂井8段は灘高から京大医学部に行って医者に1回なっておきながら、そこからプロ棋士に転向した変わり種。そういうコースをたどった棋士としては東大出てから銀行員になった後プロ棋士になった石倉昇9段もいるのですが、坂井8段はそういう遅いスタートでありながら碁聖のタイトルを取っている所がすごいです。対する志田7段は、26歳ですが既に各棋戦で活躍中の若手です。対局は黒の坂井8段が2連星でスタートし、途中で3連星にしたのが珍しいです。白が右上隅の黒の星にいきなりスソ掛かりしたのがまた珍しい打ち方でしたが、その結果白は上辺を目一杯模様にし、白が悪くないと思いました。白が右辺の黒模様を消した後、黒は上辺の白模様に手をつけて行きました。結果として黒は先手で活きましたが、白も中央が厚くなり、右辺からの石が安定したので白が悪くなかったと思います。その後白は中央の厚みを生かし左辺の黒に打ち込んで行きました。折衝の結果左辺は劫になりました。この劫は黒が勝って若干形勢を盛り返したように思いましたが、白も右辺を連打できたので、形勢としてはやや白が打ちやすいのは変わりませんでした。寄せで双方最善を尽くしたように思いますが、終わってみれば白の半目勝ちでした。

天頂の囲碁6との九路盤互先対局 白全滅。

この対局は天頂の囲碁6との九路盤互先の対局で、左下の白が死形になるまでは前の対局と同じ。その後の打ち方で最善は何なのかを試してみただけですが、何と白は全滅して72目半勝ちになりました。右上隅の白が死んでしまったのは驚きで、Zenが基本的な死活を理解しているのか疑問に思います。また、最後の手77も不要なのですが、何故かこう打たないと天頂の囲碁6は左下の白が死んでいると認識してくれないので、やむを得ずこう打っています。

NHK杯戦囲碁 王立誠9段 対 淡路修三9段

本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が王立誠9段、白番が淡路修三9段の対局です。王9段はかつて棋聖2連覇などタイトルを取った一流棋士、かたや淡路9段もタイトルこそ取っていませんが、挑戦者としては何回も登場し、ロッキーと言われた剛腕の持ち主です。対局は白が左上隅でやり損ねて、はっきり活きて厚くはなったのですが、何手もかけ過ぎで効率の悪い打ち方で黒に地を稼がれてしまいました。白がその左上隅から左辺を更に押していった時に黒が左下隅をかけたのが好手で、左辺で白が出切って1目取る価値を小さくしました。黒は逆に白を出切って、隅から効かせ、先手で切り上げ右下隅のかかりに回り、黒が優勢でした。しかし白はその後うまく打ち回し、黒に弱石2つを作ってこの2つをカラミ攻めにすれば有望な局面かと思われました。しかし、白は2つの石の分離がうまくいかないと思ったのか自重した手を打ち、黒はつながることが出来ました。これで再び黒が優勢になったようです。その後白は左下隅の黒を封鎖する手を打ち、これが先手と思っていましたが、黒は受けずに中央を打ちました。白は左下隅の2の2に付けていきましたが、黒から1線に下がる手が好手で、白からは最初に4目取られて、その後劫になるくらいしかありませんでした。最後に白は黒に包囲された中央の白1子を動き出しましたが、最後は攻め合い1手負けで手にならず、ここで投了となりました。終始王9段の冷静な打ち回しが光った1局でした。

天頂の囲碁6との九路盤 ついに互先対局

天頂の囲碁6との九路盤対局、今度はついに互先(コミ6目半)での対局。しかし、途中の手順が少し違いますが、結局左下隅は前二局とまったく同じ形になりました。白はこのまま死形です。(一見セキみたいに見えますが、白から内ダメを詰めると、5目中手になり白死。黒からは外ダメをすべて詰めてから、板六の形に6目にして取らせて、急所に置けば白死です。)後は回りを包囲している黒が二眼作って活きてしまえばそれで終わりで、この碁では右下隅で二眼作れましたのでそれで終わりです。黒の31目半勝ち。

 

天頂の囲碁6 九路盤定先/打ち直し

天頂の囲碁6との九路盤定先での対局をもう一度同じ手順で打っていたら、左下隅の受けで白が変化しました。しかし、前のは劫になりましたが、今度の受けでは(24)と継いだためそのまま死の形になりました。(一見セキみたいに見えますが、白から内ダメを詰めると、5目中手になり白死。黒からは外ダメをすべて詰めてから、板六の形に6目にして取らせて、急所に置けば白死です。)後は包囲している黒が生きればいいだけで、生きた所で30目以上の勝ちになりました。しかし、その後Zenのバグだと思いますが、ヨセが乱れて間違えまくり、結局49目勝ちという記録的な勝ちになりました。

NHK杯戦囲碁 謝依旻女流棋聖 対 小林覚9段

本日のNHK杯戦の囲碁は、謝依旻女流棋聖が黒番、小林覚9段が白番の対局です。白は上辺に展開していましたが弱く、ここを黒がどういじめるかが本線と解説の趙治勲名誉名人は言っていましたが、謝女流棋聖は右辺の白への打ち込みを選択しました。その結果、黒は白の三子を取り込んで右下隅からの地が大きく、大きな戦果を上げました。しかし白も先手で黒1目を抱えたのが厚く、上辺の白も心配がなくなりまたし先手で左下隅に打てたので、全体ではここで白がリードしました。黒は左辺で非勢を意識して目一杯の手を打ちましたが、途中で軌道修正したりしてちょっとちぐはぐでした。また、下辺の折衝で戦いになり、部分的には振り替わりで互角に分かれましたが、白は取られていた3子を生還させることが出来、ここでも白がポイントを上げました。そのまま白がリードを保ってヨセに入りましたが、ここで事件が起きて黒が左上隅に置いていったのに白が受けを間違え、白の2子が取り込まれて、出入り10目近く黒が得をしました。普通の碁ならここで逆転ですが、この碁ではそれまでの白のリードが大きく、終わってみれば、白の1目半勝ちでした。謝女流棋聖も非常に強いですが、このNHK杯戦で羽根直樹9段に連敗しているなど、男性トップ棋士にはもう一歩届かない感じです。

天頂の囲碁6との九路盤定先 天元布石

天頂の囲碁6との九路盤定先での対局。初手天元の布石を試してみました。左下隅を劫にして、この劫に無理矢理勝って左下隅の白を全部取り、なおかつ囲んでいる石に二眼作って攻め取りにもさせないで、結局9目勝ちになりました。この調子で連勝できると互先になるのですが、まだまだ無理ですね。

NHK杯戦囲碁 趙善津9段 対 藤沢里菜女流本因坊

本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が趙善津9段、白番が藤沢里菜女流本因坊・名人の対局です。趙9段は本因坊獲得経験、棋聖挑戦経験のある強豪です。対する藤沢女流2冠は、謝依旻女流棋聖の女流名人10連覇を阻止するなど絶好調です。対局は左辺で差し手争いになりましたが、黒がかけたのが強手で、封鎖された白は何とか左下隅に連絡出来ましたが、後手になり、この辺り黒のペースでした。その後白が中央の黒を攻めようと下辺に一間に飛んだのに黒が両ノゾキを打って白を分断に行きました。しかしその後の下辺の折衝で黒はアマチュアでも比較的容易に読める筋をうっかりし、要石の2子が取られてしまいました。(画面で左下方面で黒2子がアタリになっていますが、そこを継いでも黒が結局取られてしまうことを確認してみてください。)ここで白が優勢になりました。黒は中央の白の攻めに最後の望みを託し、右辺と中央の分断に行きました。ここで白は中央を守る手を打っておけば固かったのですが、右辺の地を頑張り過ぎました。黒は目一杯の手で白を分断し、眼も取りました。白は左辺の黒と攻め合うしかなくなりましたが、この黒は左上隅の白に差し込んで両当たりにする手があり、かなり手が長く攻め合いははっきり白が負けでした。この結果中央に30目を超える黒地が出来、白の投了となりました。

NHK杯戦囲碁 向井千瑛5段 対 山城宏9段

本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が向井千瑛5段、白番が山城宏9段の対局です。向井5段は司会の長島梢恵2段の妹です。女流のタイトル獲得歴もある強豪です。対する山城9段はかつて全盛期の趙治勲名誉名人や小林光一名誉三冠ともタイトル争いをした強豪で、58歳の今でも第1線で活躍しています。対局は白が左上隅の黒を上辺に挟んでいって仕掛けました。白が上辺の黒に付けた時にはねれば普通でしたが、伸び込んでいったのが意表を突きました。白は上から押さえると利かされになるので、黒を分断する手を打ちました。この一連の折衝はほぼ互角に分かれましたが、上辺の白に厳しい寄り付きはなく、折衝の間に左辺を大きく囲った白が優位に立ちました。白が右辺に連絡しようとしたのを黒がうまく立ち回り、右下隅は大きく黒地となりそうでした。白はそこで中央の黒を分断に行きました。その後黒は中央に一手備えておけば安全でしたが、それでは勝てないと見て、右下隅に白から侵入する手を防ぎました。そのため中央の黒は白から打たれ一眼もなくなりました。(写真の場面)この黒が活きるか死ぬかがそのまま勝ち負けとなる展開になりましたが、結局一眼しか出来ず、それではと左辺の白の眼を取りに行きましたが、最善で攻め合いですが、攻め合いは大差で白が良く、ここで黒の投了となりました。

「天頂の囲碁6」との九路盤定先での対局で勝率の良い打ち方

「天頂の囲碁6」との九路盤定先での対局、黒5と付けて、白6と跳ねた時、通常は9に引くのですが、黒7と突っ張るのが私の工夫で、白は当然8と当ててきますが、黒は継いで、この結果黒は愚形になりましたが、白には断点が2つ残ります。白がここを継げば黒は先手で他に回れますし、白が継がなければ、後で切りをにらみながら打つことができます。この打ち方は「天頂の囲碁6」に対してかなり勝率がいいです。この時は黒3目勝ちでしたが、多くの場合、黒1目勝ちになります。