ウルトラQの「東京氷河期」

ウルトラQの「東京氷河期」を観ました。結構怖い怪獣のペギラが南極から北極に移る(南極が温暖化したとしたら北極も同じ筈ですが)途中で日本によって東京が氷漬けになるお話。上野駅で出稼ぎに東京に来て以来音信不通となった父親を探しに来た治男と、由利子がたまたま知り合い、由利子は父親探しを記事にしようとします。そこに突然空港が急速な寒冷化で使用不能になり、結局ペギラの仕業であることが分ります。実は治男の父親は元は零戦の名パイロットでしたが、酒で身を持ち崩し、銀座で宝石強盗をやって、飛行機を奪うために星川航空にやって来ていました。たまたま由利子と一緒に星川航空に向かっていた治男がペギラにより車を使用不能にされ、星川航空まで何とかやって来て、日本アルプスにある研究所に保存してあるペギミンHを取ってくるよう父親に頼んで気絶します。ペギラによって視界がほとんど取れなくなり、そんな中セスナを飛ばせるのは治男の父親だけで、彼は研究所まで飛んで爆薬と混ぜられたペギミンHの缶を受け取り、ペギラに向かいます。ペギラの出す冷気でセスナは分解寸前になり、結局彼はペギラの頭に向けて特攻し、見事ペギラを倒すと同時に亡くなります。
零戦の名パイロット、特攻攻撃と、ウルトラQは1966年の放送ですが、その時代でもまだ戦争の影を帯びた話というのは作られていたという証拠のようなエピソードです。

アウター・リミッツの”A Feasibility Study”

アウター・リミッツの”A Feasibility Study”を観ました。ある太陽系のルミナスという星は、太陽に近く高温であるため、生物はいないと思われていましたが、実際はヒューマノイドが生息していました。しかし彼らは加齢と共に身体が岩のようになって動けなく業病に冒されており、彼らのために働いてくれる奴隷を欲していました。そのフィージビリティ・スタディとして、アメリカのある6街区がその星に転送されます。住民達は奇妙な霧や、電話が通じなくなったことなどで異変に気が付き、何人かがルミナス人と遭遇します。その内の一人はルミナス人の業病に感染します。ある医者がルミナス人の所に連れて行かれ、彼らの意図を説明されます。その医者はその街区の人々を教会に集め、彼らの恐ろしい運命を説明します。しかし残った地球の全ての人々が同じように奴隷にされるのを防止するため、彼らは既に感染している医者の妻に触れ、病気を共有しようとします。彼らの英雄的な行為で、フィージビリティ・スタディは失敗に終り、地球人奴隷化計画は失敗します。何というか、ルミナス人の業病がもしかするとかつてのらい病(レプラ)をイメージしているのではないかと感じました。らい病は空気感染しませんが、かつてはそう思われていた時代もあります。

アウター・リミッツの”The Special One”

アウター・リミッツの”The Special One”を観ました。ある人間に化けたエイリアンが、地球の子供達を洗脳して特殊な知識を与えて地球の気象をコントロールするマシンを操作出来るようにさせ、それを使って地球を侵略しようとしています。ロイ・ベンジャミンの息子のケニーもそのターゲットにされた少年で、ゼーノという私的教師が度々ケニーの所にやってきて、ケニーは壁をすり抜ける特殊な超能力を身に付け、ゼーノの期待を上回る進歩ぶりを見せていました、ロイは教育省に出かけて、教育省のプログラムで私的な講師を家庭に派遣することはないことを確認し、ある夜ゼーノとケニーがいる部屋に押し入ります。しかしロイはゼーノの超能力で窓から飛び降りて自殺するように強いられます。すんでの所で、ケニーが気象コントロールマシンを操作し、ゼーノが必要な大気中の成分を取り去ります。実はケニーは最初からエイリアンの企みに気が付いていて、洗脳された振りをして逆襲を狙っていました。エイリアンは結局侵略を諦めて帰っていくという、ケニーの英才ぶりが光るお話でした。

トワイライト・ゾーンの”The Mind and the Matter”

トワイライト・ゾーンの”The Mind and the Matter”を観ました。アーチボルト・ビーチクラフト氏は20世紀の住人ですが、どこに行っても溢れている人にうんざりしていました。満員電車、エレベーター、そして彼のオフィス。ある日彼は彼にコーヒーをこぼした給仕の少年からその少年の友人が書いたという本、「心と物質」という本を贈られます。それには精神を集中させれば何でも思い通りになる、とあり、ビーチクラフトはすぐにそれを最後まで読み、それを部屋代の催促にやってきた大家を消すことで試してみて成功します。次の日、駅で全ての人間がいなくなるように願い、彼は一人だけになり、彼以外空っぽの電車で会社に行きます。会社に着いた彼はしばらくは一人を楽しんでいましたが、すぐに退屈しだします。それで地震を起してみたり雷雨を起してみたりしましたが、それは面白くありませんでした。次の日彼は、全ての人間が彼のような人間だったらいいと願って世界をそう変えます。しかしそれは彼のような非社交的な人間がぶつぶつグチを言いながら暮しているので、まったくいいものではありませんでした。結局彼は世界を元のように戻します。
うーん、話の進行はほとんど予想出来たという意味で今一つでした。

ウルトラQの「ガラモンの逆襲」

ウルトラQの「ガラモンの逆襲」を(続けて)観ました。このエピソードでは平田昭彦が電波研究所長として初登場します。平田昭彦は東大法学部卒でこの手の「博士」が得意で、初代ゴジラの芹沢博士(ゴジラを倒した化学物質を発明)、ウルトラマンの岩本博士などを演じています。またレインボーマンでミスターKを演じたのも忘れられません。ちなみにウルトラマンの岩本博士は、ウルトラマンでさえ倒されたゼットンを一撃で倒す兵器を開発しています。このエピソードでは前回の電子頭脳がエイリアンによって盗み出され、それと前後してガラダマが多数降ってきてガラモンが一匹(一台)ではなく多数登場して東京を破壊します。またガラモンを作ったエイリアンがセミ人間として最後に正体を現わします。ちょっと造形がバルタン星人に似ています。このエピソードでも、ガラモンの電子頭脳が何故一個しかないのか、量産して地球に送り込めばいいじゃない、また宇宙船で来ているならその中に電子頭脳を置いておけば、と突っ込みたくなります。

ウルトラQの「ガラダマ」

ウルトラQの「ガラダマ」を観ました。続篇の「ガラモンの逆襲」を合わせ、ウルトラQの中では少ない本格的地球侵略もの。但し、色々と矛盾は多く、何故電子頭脳とガラモンを分けて送り込まないといけないのかとか、電子頭脳から電波が遮断されたらガラモンは動かなくなるだけの筈なのに死んでしまうのは何故か、と色々突っ込めます。但し造形としては円谷プロの怪獣(今回はロボットですが)の中では出色の出来で、人気が出たのは良く理解出来ます。ちなみにウルトラマンでは同形ではるかに小さいのがピグモンで復活しますが、こちらはロボットでは無く普通の怪獣でややこしいです。またガラモンは白黒(まあ白黒放送だったからですが)、ピグモンはカラー(全体にオレンジっぽい)と違います。
ちなみに東京大人倶楽部のウルトラQ特集では、M1号=朝潮関、説に続いてガラモン=甲斐よしひろ(甲斐バンドのリーダー)説を挙げていました。こっちはなるほど、という感じです。

アウター・リミッツの”Fun and Games”

アウター・リミッツの”Fun and Games”を見ました。これまたフレドリック・ブラウンの「闘技場」の亜流みたいな話(スター・トレックにもありました)でした。ただ闘技場と違うのは、闘技場では2つの星の代表者が1名ずつ選ばれて戦うのに対し、このエピソードでは男女のペアがチームになって戦うということです。その戦いはアンデラというエイリアンが自分達の楽しみのためにやっているものでした。負けた方の星は5年以内に滅ぼされます。地球側のチームは、元ボクサーのベンソンと、離婚歴のあるローラという女性です。敵側はカルコ星人で地球人より原始的で、ブーメランを武器としています。カルコ側は限定された食料を2倍にするために、男の方が女性の方を殺してしまいます。ローラはベンソンに同じようにするよう言いますが、ベンソンはそれを了承せず、ローラは結局半分の食料を持って逃げ出します。ベンソンとカルコ星人の男の方は、溶岩の川にかかる丸木橋の上で争いになりますが、結局ローラが放置されていたブーメランを投げてカルコ星人の男を倒します。
なお、脚本家はフレドリック・ブラウンの「闘技場」を読んでいなかったようで、そこからアイデアを得たのではないようです。

ウルトラQの「バルンガ」

ウルトラQの「バルンガ」を観ました。これまで観たウルトラQの怪物の中では、一見地味ですが一番大きな被害を与える不気味な生命体です。要はエネルギーを全て吸い取ってどんどん巨大化していきます。最後は宇宙空間で爆発させた核爆弾に惹かれて宇宙空間に出ていき、そこで太陽という格好のエサ?を発見して太陽に向かっていく、というオチです。宇宙戦艦ヤマトの漫画版に似たような生命体が出ていて、そちらもオチは太陽を食べようとして逆に吸収されてしまう、でした。もしかすると元ネタはこのバルンガかも。また、これまでレギュラー陣は色んな怪獣に襲われても怪我したり死んだりはなかったですが、このエピソードでは一平が落ちて来た車の破片を背中に受けて瀕死の重傷を負い、バルンガによって電気が吸い取られて病院が手術を行えず危機に陥るという、シリアスな展開が初めてありました。

トワイライト・ゾーンの”Shadow Play”

トワイライト・ゾーンの”Shadow Play”を観ました。アダム・グラントは殺人の罪で裁判所で電気椅子による死刑を宣告されます。その判決に対し「また俺を殺さないでくれ」と叫びます。彼はそれは現実ではなく、彼が見ている悪夢だと思っています。彼はそれを弁護士や他の死刑囚にも説明しますが、誰もそれを信じようとはしません。12時になって電気椅子に座らされまさに処刑されようとした瞬間、彼はまた判決の場にいます。しかし今度の裁判官は、先ほどの死刑囚の一人だった人に変わっています。彼はこうして毎晩同じパターンの夢を繰り返し見ている、という奇妙な話です。まあトワイライト・ゾーンらしい話ではありますが。中二病というか哲学で言う唯我論、フレドリック・ブラウンの「火星人ゴーホーム」と共通する主題のエピソードでした。

アウター・リミッツの”The Guests”

アウター・リミッツの”The Guests”を観ました。何というか、いわゆるゴシック・ロマン+SFです。ウェイド・ノートンという放浪の若者が、車を運転中に老人が森の中の道路で倒れているのを発見します。その老人を助けるため人手を借りようと森の中に入って行き、そこで古い洋館が丘の上に建っているを発見します。その中には奇妙な老夫婦、女優、若い女性がいました。しかし彼らは助けを求めるウェイドの要求を鼻で笑い、その老人の年齢だけを尋ねます。その家を出て行こうとしたウェイドですが、何故かどこも出口が無くなっており、さらに彼自身は奇妙な力で上の階へと引っ張られます。そこにはブヨブヨした軟体動物のようなエイリアンがいました。この洋館自体がそのエイリアンが作り出した幻影で、その中に人間を閉じ込めている理由は人間というものを完全に理解するためでした。そのエイリアンはウェイドの心の中に他の館の住人にはない何かを発見したため、彼を殺さず館に留めました。ウェイドは洋館の中の若い女性が彼が森の中で拾った懐中時計の中にあった写真と同じであることを発見します。そしてウェイドはその女性テスに一目惚れします。テスはウェイドに実は逃げる道はあるので、手遅れにならない内に出ていくように言います。しかしテスを愛したウェイドは彼女となら一緒に洋館にいても良いと言います。ウェイドを目覚めさせるため、テスは洋館の門から外に出ます。実はテスはもう90歳以上でしたが、洋館の中では時が止まっていたため若い姿だったのですが、外に出たとたん時に追いつかれたちまち老婆となりまた灰になって消えます。エイリアンはそんな二人を見て、「愛」と「自己犠牲」という人間の特性を理解し、ウェイドを解放します。その瞬間洋館は巨大な脳になり、そのまま中の住民と共に消滅します。
しかし、SF+ゴシックロマンというのはスタートレックにも宇宙家族ロビンソンにもそういうエピソードがありましたが、アングロサクソンのオカルト好きの一つの変形版という感じです。