スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」

スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」を観ました。このBlu-rayはかなり前に買ったもので観ていなかったのですが、先月「オッペンハイマー」を観て観たくなりました。冒頭でアメリカ空軍から「これは実話ではなくこのような危険性は存在せず、また登場人物は実在の現存または死んだ誰とも関係ない。」という異例の?警告メッセージが入るのが異例かつ、1964年という時代を良く象徴していました。ちなみに核戦争の寸前まで行ったキューバ危機は1962年です。内容は予想に反しブラックコメディーでした。ある空軍基地の陰謀論に取り付かれた指令官が世界中を飛行中の34機のB-52に、航空攻撃計画Rという、つまりアメリカがソ連より核攻撃を受けた時の報復核攻撃を命じてしまいます。結局アメリカ大統領とソ連のドミートリという大統領のホットラインとか、また頭の狂った空軍司令官が結局自殺し、その司令官と一緒に閉じ込められていたイギリスのマンドレイク大佐がR指令の解除コードを突き止め、30機のB-52は引き返し、4機はソ連により撃墜されてめでたし、の筈が撃墜されたと思っていた内の1機は大破しながら何とか低空飛行を続け、結局ソ連のあるICBM基地に水爆を投下します。ソ連は「人類最後の日マシン」というのを装備済み(アメリカも)で、それは核攻撃を受けると自動的に作動し、半減期95年のコバルトを使った水爆を自動的に爆破し、人類を破滅に追い込むもので、それが作動し、最後は世界中に爆発のキノコ雲がというブラックなシーンで終ります。ピーター・セラーズがストレンジラブ博士、マンドレイク大佐、アメリカ大統領の3役を演じ分けており、その器用さに驚きます。まあコメディーなのですが、まったく笑えず、反対に陰謀論(共産主義者が水道にフッ素を入れてアメリカ人を長期間に破滅させようとしている)などは、むしろ今の方が全盛で、これまたまったく笑えませんでした。を観ました。このBlu-rayはかなり前に買ったもので観ていなかったのですが、先月「オッペンハイマー」を観て観たくなりました。冒頭でアメリカ空軍から「これは実話ではなくこのような危険性は存在せず、また登場人物は実在の現存または死んだ誰とも関係ない。」という異例の?警告メッセージが入るのが異例かつ、1964年という時代を良く象徴していました。ちなみに核戦争の寸前まで行ったキューバ危機は1962年です。内容は予想に反しブラックコメディーでした。ある空軍基地の陰謀論に取り付かれた指令官が世界中を飛行中の34機のB-52に、航空攻撃計画Rという、つまりアメリカがソ連より核攻撃を受けた時の報復核攻撃を命じてしまいます。結局アメリカ大統領とソ連のドミートリという大統領のホットラインとか、また頭の狂った空軍司令官が結局自殺し、その司令官と一緒に閉じ込められていたイギリスのマンドレイク大佐がR指令の解除コードを突き止め、30機のB-52は引き返し、4機はソ連により撃墜されてめでたし、の筈が撃墜されたと思っていた内の1機は大破しながら何とか低空飛行を続け、結局ソ連のあるICBM基地に水爆を投下します。ソ連は「人類最後の日マシン」というのを装備済み(アメリカも)で、それは核攻撃を受けると自動的に作動し、半減期95年のコバルトを使った水爆を自動的に爆破し、人類を破滅に追い込むもので、それが作動し、最後は世界中に爆発のキノコ雲がというブラックなシーンで終ります。ピーター・セラーズがストレンジラブ博士、マンドレイク大佐、アメリカ大統領の3役を演じ分けており、その器用さに驚きます。まあコメディーなのですが、まったく笑えず、反対に陰謀論(共産主義者が水道にフッ素を入れてアメリカ人を長期間に破滅させようとしている)などは、むしろ今の方が全盛で、これまたまったく笑えませんでした。

ウルトラマンAの「きみにも見えるウルトラの星」

ウルトラマンAの「きみにも見えるウルトラの星」を観ました。前回出て来たダンという「ウルトラ6番目の弟」がまた出て来ますが、まあどうでもいいようなお話でした。今回北斗が超獣が出て立ち入り禁止となった区域に重病人を乗せた車を通してしまい、結果的にその車が超獣に攻撃され爆発したのと、次はダン少年が入り込んだのを追いかけている隙にオートバイの一団が中に入ってこれまた超獣にやられる、という北斗の2回の失態で、北斗は一時的に隊員資格を剥奪されてしまいます。しかし次に超獣が出た時、何故か制服を着て駆けつけ、怪我をした山中隊員を救ってまた隊員に復帰する、という何と言うか当り前過ぎるストーリーでした。ダン少年も2度出てくるほどのキャラじゃないです。

トワイライト・ゾーンの”The Last Night of a Jockey”

トワイライト・ゾーンの”The Last Night of a Jockey”を観ました。主人公のグレイディをミッキー・ルーニーが演じているという以外はつまらないお話でした。競馬の騎手のグレイディは、八百長や馬へのドーピング疑惑で出場停止になっています。半分自棄になっているグレイディに部屋の中で誰かが語りかけ、それがグレイディの良心とまた悪魔(?)でした。良心はグレイディに今回の件をきっかけに立ち直るように勧めますが、悪魔はグレイディに何になりたいかと聞きます。グレイディは良心の言うことは無視し、悪魔に「大きくなりたい」と願います。目が覚めるとその願いは聞き入れられグレイディは身長3mの巨人になっています。彼は喜んでガールフレンドに電話しますが相手にされません。そこに競馬界の審議団体から電話が掛かって来て、グレイディの疑惑が不問になり、またレースに出場出来るようになりました。しかしふと気付いて、身長3mになった彼がもはや馬に乗ることは出来ません。それで後悔する、という話ですが、そもそも何で大きくなりたがったのかが不明(良く考えたらミッキー・ルーニーは160cmしかない小柄なので有名でそれにかこつけた設定ですね)で、またバスケットボールの選手で活躍したいみたいなことも言っていたので、別に騎手をやれなくても、そのバスケの選手とかプロレスラーとかをやればいいと思いますが。まあミッキー・ルーニーが出た、というだけのエピソードです。

ウルトラマンAの「ウルトラ6番目の弟」

ウルトラマンAの「ウルトラ6番目の弟」を観ました。今回から南夕子はいなくなり北斗だけです。それで登場するのがダンという子供で、父親が酔っ払い運転で事故死し、また友達からは嘘ばかり言うといじめられていました。そこに北斗が絡みますが、ダンが時々昼間にウルトラの星が見えることに気づき、負けない心を持てばウルトラの星が見えると励まします。今回はAは地底人と超獣ギタギタンガを相手に戦いますが、ダンから地底人は胸が弱点と教えてもらい両方を倒します。それでダンが「ウルトラ6番目の弟」と認められるという話であり、決してウルトラマンタロウが早くも登場する訳ではありません。ダンは次のエピソードにも登場するようです。

スター・トレック・TNGの”Manhunt”

スター・トレック・TNGの”Manhunt”を観ました。うーん、これまでで最悪のエピソードでした。ある種族のエイリアンが連邦に入るための会議が開かれることになって、その会議に出席するために、トロイのお母さんがやって来ます。しかし彼女はベータゾイドの中年女性に発現する「発情期」の真っ最中で、性欲が通常の5倍以上になります。そして彼女が選んだのがピカードで、ピカードは二人だけの夕食に誘われたりしてのアタックを受け、辟易してホロデッキのDixon Hill(チャンドラー風私立探偵)の世界に逃げ込みます。しかしそこに彼女が追いかけて来て、しかしそこのバーテンダーが気に入り、彼女にとって心が読めない初めての男性でした。ってコンピューターが作ったイメージですから当り前ですが。結局会議があるのでラブロマンスは途中までで、お母さんは連邦に所属しようとしているエイリアンが爆弾を所持しているのを暴いて、目出度し、という話です。しかし中年女性とピカードのロマンスなんて、観る方からは何も魅力がありません。変なエピソードです。

ウルトラマンAの「さようなら夕子よ、月の妹よ」

ウルトラマンAの「さようなら夕子よ、月の妹よ」を観ました。タイトル通り、この回で南夕子がいなくなります。伏線も何もなく、唐突に南夕子は実は月星人で、月のマグマを全部吸い取って死の星に変えたルナチクルスを倒す使命を帯びて地球にやって来たということになります。この男女合体の変身、元は大魔王シャザーンで双子の男女のチャックとナンシーが指輪を合わせると大魔王シャザーンが出てくるというのだと思いますが、脚本の市川森一の発案で、ある意味時代に先駆けた設定で良かったと思います。しかし途中で市川が抜けたため、他の2人がこの設定を最後まで守り抜こうという意欲に欠け、途中から参加した石堂淑郎がこの無理矢理な話を書いたようです。そもそも北斗と南は同じ日に生まれており、またTACに入ったのも同時で、二人に上下関係は無い筈なのに、いつも北斗は相手を呼び捨てにし、南は「星児さん」とさん付けするのは以前指摘しました。つまりは昭和の時代の男性が優位の世界観では、女性である夕子を生かした脚本を書くのが困難だったことが南夕子降板の理由ではないかと思います。私としては最後まで男女合体の変身を貫いて欲しかったと思います。

トワイライト・ゾーンの”A Kind of a Stopwatch”

トワイライト・ゾーンの”A Kind of a Stopwatch”を観ました。30分に戻ってからまたドラマの構成がシンプルになり、それはまあそちらの方がトワイライト・ゾーンらしいです。
パトリック・マクナルティーはいつもどうでもいいおしゃべりをして人をうんざりさせるような男でした。会社では新しいビジネスの提案を300件以上も提出しますが、それは女性服会社である彼の会社にはまったく関係なく、ついに社長からクビを言い渡されます。バーでそれにもめげず飲んでおしゃべりしていると、他の客はみなうんざりして家に帰ってしまいます。しかし不思議な男が一人残り、マクナルティーはその男にビールをおごりますが、その男は御礼だと言ってストップウォッチをマクナルティーにくれました。それを試していて、マクナルティーはそれが自分以外の世界を停止させることが出来るストップウォッチだということを発見しました。最初は面白がって色々なものを止めて遊んでいたマクナルティーですが、結局銀行に行って時間を止めている隙に大金を盗み出すことを思い付き、実行します。それはほとんど成功していましたが、しかし現金を運び出す時にストップウォッチを地面に落して壊してしまいます。彼がボタンを何回押してももはや世界は元に戻らず、マクナルティー一人の世界になってしまう、というオチです。
まあバーの男が悪魔だったということが少し匂わされている感じですが、もう少し捻りがほしかったと思います。

クリストファー・ノーランの「オッペンハイマー」

オッペンハイマーを観て来ました。最初はユダヤ系物理学者が協力して、何とかナチスが原爆を開発する前にアメリカが、ということで、オッペンハイマーがリーダーになってマンハッタン計画が進行します。しかし、その前にナチスは降伏し、そのターゲットが日本に切り替わり、後はご承知のように1945年7月に実験が成功し、8月に広島と長崎に投下されます。それで戦争が終わると今度はソ連との水爆開発競争になり、戦時中は協力していたユダヤ系学者の間で争いが始まり、オッペンハイマーが陰謀のターゲットになり、という話です。原爆の悲惨さが描かれていない、という日本からの批判もありますが、私はオッペンハイマーが尋問の中で広島と長崎の犠牲者の数を正確に述べていたのがむしろ印象に残りました。オッペンハイマーについては以前ジョン・アダムズという作曲家の「ドクター・アトミック」というオペラのブルーレイを観ています。なのでインド哲学や芸術に関心があって、というのは知っていましたが、そのオペラはトリニティー実験の前日を描いたものでした。なのでオッペンハイマーの戦前のキャリアや共産主義への関心は今回初めてはっきりしました。それから、この映画の後半部はほとんどディベートの実戦映画として観ていました。そういうのもあってこの映画は大量に観客を集めるタイプの映画ではないと思いますが、一般的アメリカの観客は国家を挙げた一大プロジェクトを成功に導いたヒーローの物語として観るんでしょうね。

ウルトラマンAの「全滅!ウルトラ5兄弟」と「奇跡!ウルトラの父」

ウルトラマンAの「全滅!ウルトラ5兄弟」と「奇跡!ウルトラの父」を続けて観ました。タイトル通りで、ヒッポリト星人の罠にはまって最初にAが金属像にされ、ウルトラシグナルを受けて救助に来たウルトラ4兄弟も、セブンが最後まで戦っていましたが、結局Aと同じで金属像にされます。その前にヒッポリト星人に「ウルトラマンAを渡せ」と言われ、人々はあっさりと裏切ってAを渡すようにTACに電話します。それどころか山中隊員までが同じことを言います。
そして次の話が、これもタイトル通りで、初登場の「ウルトラの父」が5兄弟を救助に駆けつけます。「父よあなたは強かった」で最初はヒッポリト星人を圧倒しますが、宇宙の長旅で疲れていました、であっさりと倒され、最後にエネルギーをAに渡して死んでしまいます。蘇ったAがヒッポリト星人を倒し、そして4兄弟も復活させますが、父は死んだままでした、というものです。しかしレインボーマンのダイバダッタのように、死んだ筈のウルトラの父はこの後も魂だけで登場するようです。
次回はついに夕子が月に帰るという話です。

スター・トレック・TNGの”Up the Long Ladder”

スター・トレック・TNGの”Up the Long Ladder”を観ました。ある星系からの原始的なSOSシグナルを受信したエンタープライズ号は救助に向かいます。そこは22世紀の第三次世界大戦の後、宇宙に新天地を求めて飛び立った人達が植民していました。しかし300年経った後、そのブリングロイディの植民星の人々は、ほとんど18世紀くらいの暮らしをしていて、そのトップはアイルランド出身でした。(いつも陽気で飲んだくれている、というステレオタイプなアイリッシュ描写です。)エンタープライズ号は全員を機内に転送しますが、彼らは家畜を持ち込み、またそこで煮炊きをしようと火を使って、コンピューターによる装置で雷撃の罰を受けたりします。
そうこうする内に、同じ宇宙船の別の植民星が見つかり、そこは着陸時の事故で男3人、女2人しか生き残らず、しかしそのメンバーは全員科学者だったため、クローン人間を作り出して何とか生活していました。しかしクローン人間は繰り返し複製すると劣化していくという欠点があり、新しいDNAを必要としていました。そこのリーダーはライカーとポラスキーのDNAをくれるよう頼みますが、断られたので、麻酔銃で二人を眠らせ二人の胃のDNAを抜き取ります。しかし結局ライカーとポラスキーがそれに気がついてクローンを破壊しました。ピカードはそこで、ブリングロイディの人々をこちらに合流させるという名案を思いつきます。科学の進んだ側はあまりに文明程度が違うので嫌がっていましたが、結局受け入れました、というお話です。しかし2つのコミュニティは元々一緒だったのでは、という素朴な疑問は残りました。まあなんというか緩い感じのエピソードでした。