「巨人の惑星」の”The Deadly Dart”

「巨人の惑星」の”The Deadly Dart”を観ました。SIDのコービッド捜査官は、失敗続きで左遷されたのか、今回はSIDの他の捜査官が登場します。その一人スワンにマークが弓矢を射かけられながら逃げています。しかしスワンは踵に毒針を刺されて死にます。他にも同じように殺された捜査官がいました。ラジオの女性ニュース記者のフライは一連の事故がすべて地球人達の仕業だということで大衆を煽ります。そうこうしている内に今度は市中で爆発事故が起きます。これについてもキャプテン達は、スピンドリフト号の非常用の爆薬が持ち出されていることを確認します。ダンは一度戻って来ましたが仲間達にも疑われたため逆上し、スピンドリフト号から出ていきますが、すぐに真犯人によって捕らえられてしまいます。キャプテン達はダンの無線機を手がかりにその位置を突き止めようとしますが、その途中でスワン捜査官が作った電磁トラップにひっかかったりします。しかし結局二方向でダンの無線機を追っていった線が交わる所はSIDの本部でした。結局の所はバーカーというSIDのヒラの捜査官が、自分が25年もSIDに勤めていたのに出世せず、元同期の捜査官にこきつかわれるのを恨んでの犯行で、最後バーカーがグレイソン捜査官を毒針で殺そうとしたのを、キャプテンが注意して知らせ、バーカーが捕まるという話です。犯人の意外性はありますが、途中の伏線が解決しないままになっていたりで、全体として出来がいいとは思いませんでした。

「大魔神」(1966年)

何となく観たくなって、「大魔神」三部作のブルーレイを購入。そしてまず安田公儀監督の(今初めて知りましたが、大魔神三部作は全部監督が違うんですね)「大魔神」(1966年)を観ました。脚本・俳優・特撮とそれぞれレベルが高く楽しめました。今のCGお手軽特撮と違って、セットを組んでブルーバック合成でと非常に手間がかかっていて、それでいて不自然な感じがほとんどない見事な特撮だと思います。大魔神も迫力満点で、子供の頃これを映画館の大スクリーンで観ていたら(私はこの映画は何故か小学校での上映会で観ました)結構トラウマになったのではないかと思います。ちなみにこの最初の話では大魔神は本当は魔神ではなく、山の中の悪い魔神を封じ込めている神として登場します。悪者の謀反を起した武将は、この程度であれば戦国時代ではごく普通であり、もう少し悪者ぶりの描写があればと思いました。音楽もゴジラの伊福部昭であり、見事でした。

スター・トレックのシーズン2の”Return to Tomorrow”

スター・トレックのシーズン2の”Return to Tomorrow”を観ました。もう何回目か忘れましたが、新しいエイリアンコンタクトものです。ただそのエイリアンが地球人の先祖ではないかとされているのがちょっと面白い所です。カーク達がある惑星の何かのエネルギーによってその惑星に呼び寄せられ、サーゴンという男の呼びかけを聴きます。その星は100万年前に何かの理由で生き物が住めない状態になり、そのままとなっていました。サーゴンはカーク、スポック、生物学者のアンとマッコイの4人に転送装置で地下の空間に来るように言います。そこに居たのは、純粋なエネルギー体として球形の保護装置の中に生きていた人間3人でした。サーゴンはカーク達の体を借りてアンドロイドを作り、その中に移るというプランを示し、それに協力してくれたらはるかに進んだ科学知識を教えてくれると言い、カークは承諾します。しかしスポックの体を借りて実体化したヘノックという男が、カークの体を借りたサーゴンに毒薬を注射して殺そうとします。まあこの展開は、元夫婦のサーゴンとタラッサ、そしてヘノックというアンバランスな組み合わせから容易に予想された展開でした。殺されたと思ったサーゴンは実はエンタープライズ号そのものに乗り移っており、結局スポックの体でエンタープライズを思いのままにしようとしたヘノックを策略で倒して、という話です。サーゴンとタラッサがカークとアンの体を借りて、束の間のラブシーンを演じるのがちょっと悲しくも美しい、というものです。

「巨人の惑星」の”Wild Journey”

「巨人の惑星」の”Wild Journey”を観ました。またしてもウェルチ脚本。まあ今回のはましな方でしたが、脈絡もなくまたタイムパトロールみたいなの(しかも前回出てきたのとはまったく別の)が出て来て何の説明も無いというのは、さすがウェルチです。キャプテンとダンが、巨人の警察官に追われていたどこかの星から来たタイムパトロールみたいな男女二人と知り合います。その二人は時空を自由に移動出来るガジェットを持っていて、それを偶然手に入れたキャプテン達は、スピンドリフト号が出発する前のロサンゼルス空港に移動します。要はスピンドリフト号をその日運航させなければ、全員が巨人の惑星に飛ばされることはない、ということです。しかしそれは過去を変えてしまうことになるため、タイムパトロールの二人がそれを阻止しようとする話です。途中で何故かキャプテン達は地球の上で小人サイズに縮められてしまいます。そして元のサイズに戻る時に飲んだ薬で結局記憶を消されて、最終的にはやはり元の歴史通りスピンドリフト号を運転してクラッシュする、という話です。

アン・バンクロフトの映画「卒業」

アン・バンクロフトの映画「卒業」を今さらながらに初めて観ました。観た理由ですが、サイモン&ガーファンクルの名曲「ミセス・ロビンソン」がどうもずっと思っていた歌詞の内容とは違うんではないかということを確かめたかったためです。まずミセス・ロビンソンは、この映画の主人公ベン(ダスティン・ホフマン)を誘惑し不倫を重ねる身持ちの悪い女性です。歌詞の内容はミセス・ロビンソンを褒め称えるようで、実は皮肉っているのが真相のようです。ただ、映画版の同曲はシングルカットされたのとアレンジが違い、歌い方にも皮肉る調子があり、また歌詞も少し違うようです。どうもシングルカットされる時に一般に受ける内容に変えたのではないかと思います。それから「サウンド・オブ・サイレンス」については「え、ここで使うの?」という感じで違和感がありました。逆に「スカボローフェア」については実にピッタリのシーンで登場します。何故かというと「スカボローフェア」は元々イギリスのバラードで、妖精の男性に結婚を迫る若い女性に対し、妖精が絶対に不可能なことを出来たら結婚すると言い、若い女性が負けず「じゃあこれをまずそちらが出来たら私もそれをやる」と不可能なことを要求し返す、という内容に基づいているからです。(「スカボローフェア」では、「針と糸を使わず縫い目が無いシャツを作ってくれ」「潮の満ち引きする間の砂地に家を建ててくれ」といったことが要求されます。)
また面白いのは、音楽でサイモン&ガーファンクル以外にデイブ・グルーシンが参加していることです。私はデイヴ・グルーシンは中本マリの「アフロディーテの祈り」で知りました。
映画の内容は非常に有名なのでコメントは省略します。

スター・トレックの第2シーズンの”A Private Little War”

スター・トレックの第2シーズンの”A Private Little War”を観ました。スター・トレックとは思えないような、偏見とおかしな理屈丸出しのストーリーでした。昔カークが訪問して現地人と友好関係を築いた星に、医薬品の原料採取の可能性を求めてカークとスポック、マッコイが降り立ちます。しかしまだ槍とか弓矢の時代だった筈の原住民が火縄銃を持っていて、スポックが撃たれて重体になります。そしてエンタープライズ号は近くにクリンゴンの宇宙船を発見します。結局クリンゴンが2つの部族の片方に火縄銃の技術を教えていたものでした。カークは、白いゴリラみたいなの(原子力潜水艦シービュー号にも出てきました。これはそのぬいぐるみを持っているスーツアクターが演じているのだと思います)に襲われて嚙まれ、その毒で死にかけます。しかしカークの昔の知り合いの奥さんが一種のシャーマンで、呪術でカークの命を救います。カーク達はクリンゴンが銃の技術をもう一つの部族に教えているのを突き止めます。そこでカークが行ったのは、何と「勢力の均衡」のため、もう一方の部族にも同じ銃の技術を教えることでした。マッコイは反対しますが、カークはこれが唯一の方法だと言います。(使用すれば双方が死ぬ核兵器での勢力の均衡はあるでしょうが、このレベルの武器での勢力の均衡というのはあり得ないと思います。)そしてカークの知り合いの奥さんがカークに呪術をかけて誘惑し、フェイザーを奪いますが、それで敵を攻撃しようとして失敗し殺されてしまいます。この女性の描写も未開人の女性は男を誘惑して、という「君の名は」第二部のアイヌの女性の描き方と同じような性格に描写されています。という具合に、これまでのスター・トレックの世界とはまったく逆の偏見に満ちたストーリーでした。(英語のWikipediaの説明によると、ソ連と米国が代理戦争をしたベトナム戦争を暗示しているとのことです。)

「巨人の惑星」の”Doomsday”

「巨人の惑星」の”Doomsday”を観ました。キャプテン達が巨人の惑星の国に爆弾を多数仕掛けて戦争を起そうとする陰謀に巻き込まれ、SIDのコービックに恩を売る形でそれを阻止するという話です。ちょっと変わっているのが、フィッチューが陰謀団の女性が仕掛けた爆発物で足を折ってしまうのですが、それの治療に巨人の惑星の薬局から持ってきた万能抗生物質を使うんですが、強烈過ぎて一時的に仮死状態になります。その抗生物質を使って陰謀団の主犯の女性を気絶させて、その間に時計の針を進めて爆弾の場所を告白させるというのがちょっと面白いです。ただSIDとの関係もいい加減マンネリ感はぬぐえませんが。後は主犯の女性のペットのチンパンジーが、鳥籠に閉じ込められたキャプテン達が脱出するのを手伝ってくれるというのもまあ良かったです。

スター・トレックのシーズン2の”The Immunity Syndrome”

スター・トレックのシーズン2の”The Immunity Syndrome”を観ました。エンタープライズ号は大変な任務を完了した後、休暇を取るためにスターベース6に向かっている最中に、スポックがガンマ6星系を探査していたイントレピッドというヴァルカン人400人で運営されている宇宙船が破壊され、全員の命が失われたことをヴァルカン人独自の本能のようなもので察知します。そして連邦からエンタープライズ号にその星系を調査せよとの命令が入ります。エンタープライズ号はそこで小さなブラックホールのように見える空間を発見しますが、その空間に引き寄せられて行き、またある種の音波が鳴り響きクルーの多くが気絶します。結局そのブラックホールみたいなものは超巨大な単細胞生物で、イントレピッドとガンマ6の星系の何十億の人を殺したのはそいつでした。エンタープライズ号はその生物に引寄せられ、またエネルギーも吸収されていきます。カークはシャトルでその生物を調査するのに、その危険な任務を誰に命ずるか悩みますが、結局スポックを指名します。スポックはその生物の細胞の中に入り込み、その中からの攻撃方法を通信して来ましたが、肝心な所が聴き取れませんでした。カークは考えを巡らし、反物質が有効ではないかと思い付きます。そして探査プローブの中に反物質を入れ時限装置で6分後に爆発するようにセットします。エンタープライズ号はインパルスエンジンで6分の間に脱出を図り、その途中でスポックも救出出来ました。結局反物質にてその生物は完全に破壊されました。といった話で、緊迫感がある展開はいいのですが、結局の所宇宙の物を言わない怪物との戦いであり、話としての深みはあまり無かったです。

「巨人の惑星」の”The Secret City of Limbo”

「巨人の惑星」の”The Secret City of Limbo”を観ました。考古学者が2人、キャプテン達が潜む森で発掘調査をしています。そこに突然謎の巨人が現われ、岩を熱線銃みたいなもので撃って考古学者2人を殺そうとします。2人は何とか助かりますが、キャプテン達をたまたま見つけたため、キャプテン達が彼らを殺そうとしたと思い込みます。一方でフィッチューが岩の破片が頭に当たって気絶していたため、何とか介抱しようと入った洞窟のような所で、あるグリッドの上に乗った3人(ダン、フィッチュー、ヴァレリー)は突然どこかに転送されます。そこは地底人の秘密の都市でした。地底人は以前地上の巨人達と争い、地下に安住の場所を求めて逃げ出していました。しかし考古学者が発掘を進めるとその都市が見つかってしまい、その場合は地底人と地上人の間の戦争になります。地底人の間ではそのトップの地位を巡って選挙が行われていましたが、キャプテン達は科学者の方に味方し、何とか戦争を回避するために、考古学者が探している化学物質を地底人の科学者に作らせて、それを考古学者に発見させようとします、といったお話ですが、これまで一度も出て来なかった地底人が出てきたり、また以前は海の向こうにはまた違う人々が住んでいたりで、巨人の惑星はなかなかに複雑です。なお考古学者の内の一人はホイット・ビッセル(タイム・トンネルで司令官を演じていた人)が出てきました。

スター・トレックの第2シーズンの”A Piece of the Action”

スター・トレックの第2シーズンの”A Piece of the Action”を観ました。エンタープライズ号が100年前にある連邦の宇宙船が遭難した惑星にコンタクトしたら、そこの「ボス」が面会を求めて来ました。カークとスポック、マッコイが転送装置でその星に降り立ちますが、たちまちマシンガンを持った男2人に脅されてフェイザーとコミュニケーターを取上げられてしまいます。そしてボスの所に連れていかれ、命を助ける代わりにフェイザーを多数よこすように言います。スポックがそのボスの家で、1992年に書かれた地球の本で、禁酒法時代のアメリカのシカゴギャングのことを書いた本がこの星ではまるで聖書のように扱われ、その世界が再現されていることに気がつきます。カーク達は一人のボスからは逃げ出しましたが、今度は別のボスに捕まって同様の要求を受けます。ここからがカークが悪乗りで、ほとんどギャング気取りでスラングを多用しながら(ほとんど分かりませんでした)、ギャング達を逆にまとめて連邦が彼らのボスになり、上がりとして40%を寄越す、ということを提案し、ボス達の部下が攻撃してきたのに対してはエンタープライズ号のフェイザーを麻痺モードで撃ち、全員を気絶させて言うことを聞かせます。当時のスラングとかを知っていたらもっと楽しめたかと思いますが、私にはちょっと大変でした。