原子力潜水艦シービュー号の”The Mechanical Man”

原子力潜水艦シービュー号の”The Mechanical Man”を観ました。この回またもネルソン提督の登場無し。ワシントンで大統領との秘密会議に参加しているから、ということですが、おそらく病気だったのかあるいはシービュー号の荒唐無稽路線に嫌気が差してきたのか。また、この回嬉しいのは、狂ったアンドロイド役に、タイムトンネルのトニー役のリチャード・ダレンがゲストスターとして出ていることです。これでタイムトンネルの俳優は3人目です。でもそのアンドロイドの「回路(?)」がご覧のようにとてもチャチ。このアンドロイドは写真の左側の博士に作られたものですが、サブテラニウム113という海底から取り出した新元素のエネルギーの力でパワーを強大化させ、色んな能力(電撃発射とかテレパシーまで)を身につけ、クレーン艦長以下を翻弄します。このサブテラニウム113の発掘のため、ドリルでマントル層に達する穴を開けてしまったため、世界各地で火山が活性化し、ベスビオ火山や富士山までが噴火し始めたというニュースが伝えられます。最後はアンドロイドを作った博士が、アンドロイドがサブテラニウム113からエネルギーを得る際に必要なサングラスを壊してなんとかアンドロイドを倒します。

原子力潜水艦シービュー号の”The Menfish”

原子力潜水艦シービュー号の”The Menfish”を観ました。タイトル通り、今回は半魚人です。既に「両生類人間」と言うのはありましたが、今回のは人間の脳の一部を魚に入れて、何かの放射線みたいなのを当てると半魚人に変化するというものです。問題はその脳を採取する人間で、場合によっては死んでしまいますが、開発した博士はマッドサイエンティストで、勝手に犠牲者を捕まえて実験しています。
この回は何故かネルソン提督はワシントンに呼ばれて不在という設定で、替わりに乗り込んで来た提督は、タイムトンネルの第1回で、タイムトンネルのプロジェクトを中止するかどうか視察にやってきた議員を演じていた人です。マッドサイエンティストは最初の一匹に飽き足らず、シービュー号のクルーを二人勝手に捕まえてもう二匹半魚人を作りますが、こちらはクレーン艦長の機転で殺されます。で残った一匹が過剰な放射線(か何か)を浴びてシービュー号を超えるサイズに巨大化しシービュー号を襲うという定番的パターンです。最後は提督がフライングサブのレーザーで巨大化した半魚人を攻撃して倒します。しかし、第2シーズンも終わりに近づいて、段々荒唐無稽化が進行しているように思います。

スタートレックのオリジナルシリーズの”Shore Leave”

60年代のSFドラマというと、アーウィン・アレンだけではなく、これは絶対に外せない、ということで、スタートレックのオリジナルシリーズのブルーレイを購入。
それで最初に観たのが”Shore Leave”(船員に与えられる「上陸許可」の意味)で、何故これかというと、セオドア・スタージョンが脚本書いた話が、オリジナルシリーズの中に2本あって、1本はトレッキーには有名な、いつも冷静なバルカン星人が結婚期にはおかしくなって、カーク船長とミスター・スポックが決闘する、という話です。もう1本がこの”Shore Leave”で、確か日本語吹き替えでの題名は「おかしなおかしな遊園惑星」だったと思います。まあストーリーは省略しますが、スタージョンらしいちょっと不思議な、でも悪者が出てこないほのぼのドラマになっていると思います。日本の初期のSFアニメ、エイトマンとかスーパージェッターとかは当時の若いSF作家が多数脚本に参加していたのは有名ですが(豊田有恒、辻真先、筒井康隆、光瀬龍といった辺り)、アメリカではアーウィン・アレンのドラマもこのスタートレックも本物のSF作家の登場は少ないです。特にスタートレックはジーン・ロッデンベリー自体が元々脚本家なんで多くの話の脚本を自分で書いています。そんな中で例外がスタージョンが書いた2本と、後1本フレデリック・ブラウンが書いたものがあります。

シオドア・スタージョンの「原子力潜水艦シービュー号」ノベライズ版

Wikipediaで「原子力潜水艦シービュー号」のノベライズ版が出ていることを知り、どんなものかと古書店サイトで購入してみました。中を見たら、映画の「地球温暖化エディション」の小説化でした。私はあの映画版、一応観ましたけどあまりいいと思っていないので、多分これは読まないと思います。ただ、面白いのが書いたのがSF作家のシオドア・スタージョンだということです。(この本での表記は「シオドー・スタージョン」、「人間以上」が代表作で、それは石ノ森章太郎の「サイボーグ009」の設定のベースになっています。)スタージョンは、スター・トレックのファーストシーズンでも2本脚本を書いています。1本はこの間観た、やって来た人の願望を現実化する遊園地惑星の話、もう1本は一部で有名ないつも冷静なバルカン星人が一生で一回おかしくなる婚姻の話で、ミスター・スポックもおかしくなり、婚約者を賭けてカーク艦長と戦う、という変な話です。

原子力潜水艦シービュー号の”The Monster’s Web”

原子力潜水艦シービュー号の”The Monster’s Web”を観ました。タイトル通り巨大海中グモが登場し、科学者のガントが開発した新しい燃料を使った高速潜水艦のテスト中に、テスト艦の艦長が判断を誤り、その巨大海中グモの蜘蛛の巣にテスト艦は突っ込んでしまいます。ガントは奇跡的に助かりましたが、ネルソン提督はその燃料が海水に触れ水圧がかかると大爆発を起こすことを指摘します。テスト艦に残された燃料が爆発すると何百万人も死ぬことになります。
でこのガントが何とか大グモを倒そうとして躍起になる、というのは巨大クジラの時の話と同じパターンです。
この回で面白いのはネルソン提督はフライングサブが大グモに捕まって逃げだそうとした時に、ガントが無理なパワーをかけてフライングサブを一部爆発させてしまい、そのショックでネルソン提督が気絶してしまいます。従って話の半分くらいがネルソン提督無しで進むという珍しいパターンです。
結局活躍したのはガントの方で、勝手な判断ながら自分の開発した燃料で大グモを倒します。
後奇妙なのはシービュー号って本当に原子力エンジンなのかということです。ガントはクレーン艦長に自分の燃料を使えばシービュー号なら90ノット(時速167Km)出せる、と言います。原子力エンジンなら、別の燃料を使えたりしない筈ですが…大体良く考えると、「原子力潜水艦」と言っているのは日本語吹き替え版だけで、もしかすると最初から核エンジンという設定はなかったのかも。

原子力潜水艦シービュー号の”The Death Ship”

原子力潜水艦シービュー号の”The Death Ship”を観ました。出だしは緊迫感があって、シービュー号がいきなり正体不明の潜水艦に追われ、その潜水艦が魚雷を発射します。かろうじてかわしたシービュー号は逆にホーミング魚雷を発射しますが、その潜水艦はホーミング魚雷の回避装置を備えていて難なく攻撃をかわし、また魚雷を発射します。クレーン艦長はネルソン提督の許可が必要な超音波魚雷の発射を独断で命じ、何とかその潜水艦(無人のドローン潜水艦)を撃破します。
そこからちょっと話が変になって、シービュー号に新たに取り付ける自動運転装置を実験するために、いつものクルーは全て退船し、その替わりに科学者10人が乗り込みます。そして深海で自動運転の実験中に、突然シービュー号のパワーがダウンし、計器類が火を吹き、シービュー号はコントロール不能になります。シービュー号の上部にいるある船の上で7ヵ国の集まった平和条約の締結が行われようとしており、それに反対する国がシービュー号を乗っ取ってシービュー号からの魚雷攻撃でその船を沈めようとします。
という設定はかなり無理矢理で、結局何かというと、密室とみなせる潜水艦内で、乗員が一人また一人と殺されていって「犯人は誰か」を引っ張る、「そして誰もいなくなった」のシービュー版です。この話で面白いのは、ネルソン提督自身が10,000Vの高電圧に感電して死んでしまうことです。でも本当に死んでしまうとシービュー号の話はここで終わってしまうのですが、さすがにどんでん返しがあります。どっちにせよかなり無理矢理に「そして誰もいなくなった」状況をシービュー号の中で作り出そうとした、強引な脚本と言わざるを得ません。

原子力潜水艦シービュー号の”Dead Men’s Doubloons”

原子力潜水艦シービュー号の”Dead Men’s Doubloons”を観ました。何だか半分タイムトンネルが混じっているような変な話でした。またミニサブとフライングサブが両方登場し、しかもミニサブは爆破され、フライングサブも2回撃墜されるという珍しい回です。
お話は、16世紀の海賊が敵の船に襲われ沈みますが、その船と一緒に集めた宝(ダブロン金貨)が沈む時に、海賊の親玉が沈んでいく宝に対し呪いをかけます。シービュー号が1978年にアメリカの海底核ミサイル発射装置を点検していますが、その時にダブロン金貨の一部を発見します。それでシービュー号に乗り込んでいるある同盟国の将官が、顔が16世紀に亡くなった海賊そっくりで、自分をその海賊の生まれ変わりと信じ、アメリカの海底核ミサイル発射装置を逆用し、それに電磁波を流して操作する仕組みを作りますが、最後はネルソン提督がミニサブの電源を操作して、その装置に逆に電流を流し込み、その装置の元を爆破します。その当時のアメリカが、潜水艦から発射するポラリス核ミサイルだけではなく、本当にこのような海底発射装置を作っていたのかどうかは知りませんが、どっちにせよ今から見ると狂気の時代、という感じがします。

「原子力潜水艦シービュー号」の”The Shape of Doom”

「原子力潜水艦シービュー号」の”The Shape of Doom”を観ました。またも巨大クジラもので、それも第一シーズンであった話と基本線はほとんど一緒。あるマッドなサイエンティストが、クジラから取るある物質で何かの化学物質を作ろうとして、巨大クジラを追いかけており、その水域で行われる水爆実験についての待避命令もまったく情報を入手していません。結局クジラにモリを打ち込んだけれでも船はクジラに破壊されて、一人生き残ったサイエンティストがシービュー号に救助されて、と第一シーズンとまったく同じ。違うのはクジラがシービュー号が海底にセットしようとしていた新型の水爆を飲み込んでしまって、という所。結局マッドサイエンティストがネルソン提督が金庫に隠していた水爆の起爆装置を手に入れて、ミニサブ(今回は何故かフライングサブはオーバーホール中ということで登場しません)でクジラに向かいますが、麻酔剤で眠らせていたクジラが目覚めて深海へ潜っていき、水爆が爆発することになっている深度を超えて潜って、水爆が爆発し、という身も蓋もない話。かなりの近距離で水爆が爆発しているのに、シービュー号が平気というのも良く分からないです。しかもミニサブは防水性が0なので、乗り込んで海に入った瞬間中に海水が入り込み、起爆装置はすぐに使えなくなる筈ですが、なっていません。

原子力潜水艦シービュー号の”Graveyard of Fear”

原子力潜水艦シービュー号の”Graveyard of Fear”を観ました。今回の巨大海洋生物は、またもクラゲ。しかし、今回のは電気クラゲという所が違います。その電気クラゲとの戦いの話に怪しげな科学者とその恋人の話がからみます。その科学者は”Vita Synthesis”という特殊な薬物を海の資源から開発します。それは人間を不老不死に保つ薬でした。その科学者の恋人は見た眼は20歳代ですが、実は200歳を超えています。しかしその薬は永遠に飲み続けない限り、急速に老化して死んでしまいます。その科学者の調査船が巨大電気クラゲに襲われて沈没し、その科学者はネルソン提督に頼んでシービュー号に乗せてもらい、沈んだ船にある”Vita Synthesis”を何とか回収しようとします。しかしその船の側には巨大電気クラゲが待ち構えていて、シービュー号はダメージを受けます。修理のためにサンタバーバラに引き返すことを決めたクレーン艦長でしたが、その科学者は無断でスキューバギアを装着して海の中に出て、巨大電気クラゲに襲われて動きがとれなくなります。クレーン艦長がフライングサブで電気クラゲの気をそらせようとしますが、フライングサブも電撃を受けて動けなくなります。男はその間にシービュー号に戻り、銃を持って魚雷発射室に押し入り、すぐに電気クラゲに向けて魚雷を発射しなければ、別の魚雷を細工して10分で艦内で爆発するようにした、と言います。クレーン艦長は何とかフライングサブを脱出しシービュー号に戻って来ましたが、その科学者が立てこもっている魚雷発射室に入ってしまいます。科学者はクレーン艦長にもう一度海中に出て船の貨物を取ってくるように命じますが、その時巨大電気クラゲがシービュー号を再び襲い、その衝撃の際にクレーン艦長は男の銃を取り上げ、魚雷の爆発も止めます。その科学者はついに貨物の回収を諦めますが、部屋に戻って目撃したのはすっかり老婆になってしまった恋人の姿でした。
という話ですが、不老不死の薬だけで十分ストーリーを作れるように思い、別に電気クラゲと無理矢理からめる必要は無かったように思います。

「原子力潜水艦シービュー号」の”The Sky’s on Fire”

「原子力潜水艦シービュー号」の”The Sky’s on Fire”を観ました。映画版の「グローバルウォーミングエディション」と同じ話ですが、細部はかなり違います。(出ている俳優が違いますから、さすがのアーウィン・アレンも使い回しは出来なかったのでしょう。)映画版ではヴァン・アレン帯が燃え出すということでしたが、今回はガスが燃えている、ということになっています。(いずれにせよ酸素が無い宇宙空間でどうしてガスが燃えるのかの説明はありません。)また途中の経過はかなりはしょられていて、メインはネルソン提督と違う意見のかなりとち狂った科学者が、何とかネルソン提督が核ミサイルを発射するのを防ごうとして、かなり無茶苦茶なことをする話になっています。このとち狂った科学者は、ネルソン案に賛成する二人の科学者を殺し、またある種の薬剤を使ってシービュー号のクルーを正気ではない状態にしてネルソンに対する反乱を起こすように仕向けます。最後は拳銃と手榴弾を持ってコントロールルームに乱入し、ミサイル発射装置を破壊します。しかしクレーン艦長がダイビングスーツを着て外に出て、外から核ミサイルを発射させて(しかしこれが可能なのであればフェイルセーフシステムはほとんど意味が無いように思います)結局それが成功して火は消えます。しかし、映画版だと確か複数の核ミサイルを発射した筈ですが、今回のはたったの一発です。それで南半球全体に広がる火を消せるというのはかなり無理があります。