新藤兼人と「盤嶽の一生」

映画監督の新藤兼人が映画界に入ったのは、白井喬二原作山中貞雄監督の映画「盤嶽の一生」を観て感激したからみたいです。以下、Wikipediaより。
「すごい映画に出合った。尾道の“玉栄館”という映画館で見た。山中貞雄監督の『盤嶽の一生』で、人の生き方を考えさせる、知恵の働いた映画だった。「これだっ」と思った、突然ね、映画をやろうと思った。
— 新藤兼人、中国新聞1990年特集「私の道」」

「原子力潜水艦シービュー号」の”Long live the king”

「原子力潜水艦シービュー号」の”Long live the king”を観ました。この所荒唐無稽な話が続いていたのですが、今回はなかなか良く出来た話でした。ある東南アジアのアメリカの友好国でクーデターが起こり、国王が爆殺されます。クーデターを起こした勢力は反アメリカです。国王には12歳の王子がおり、その王子が国王を継ぐことになります。王子はアメリカに滞在しており、クリスマス休暇の直前だったシービュー号に王子を秘密裏に友好国まで送り届けるミッションが下ります。王子は自分が王になったことがわかった途端に威張りだし、ネルソン提督やクレーン艦長を振り回します。そんな中王子が寝ている所をナイフで襲ったものがいました。またシービュー号は敵勢力の潜水艦から魚雷攻撃を受けますが、かろうじて回避してその潜水艦を逆に撃沈します。王子はたまたま覗かせてもらったシービュー号の潜望鏡で、洋上に救命ボートで漂っていたジョンという男を見つけ、それをシービュー号に収容するよう命じます。ジョンは自称宝探しの男でしたが、不思議な性格でたちまち王子の心をつかみ、親友になります。そうこうしている内にその国に到着しましたが、そこではアメリカが国王を暗殺しまた王子も殺したというデマが流されていました。ネルソンはシービュー号の位置が知られてしまうという危険を冒しながらも、国王となった王子の無事な姿をTV電波へと流します。これが功を奏して、クーデターは鎮圧されます。しかしシービュー号は複数の駆逐艦に取り囲まれ、今にも攻撃を受けそうになります。しかしそれはアメリカの第7艦隊の駆逐艦でした。こうして王子は無事に国王に就任しますが、ジョンはそれを見届けるとどこかに姿を消しました。ネルソン提督が改めてジョンを拾った場所を確認すると、それは「クリスマス島」の側でした。(おそらくジョンはサンタクロースだったのでは、ということが匂わされています。)改めて艦内でクリスマスを祝うネルソンとクルー達でした。

米林宏昌監督の「思い出のマーニー」(英語版)

毎日「原子力潜水艦シービュー号」を観るのもちょっと飽きたので、気分を変えて「思い出のマーニー」を英語版で観ました。この映画は映画館で観て以来ですが、とても好きな映画です。英語版で観ても、元々このお話の原作はイギリスですし(以前原作も読みました)、マーニーもアンナも英語名ですし、マーニーってそもそも外人そのものなんで、英語しゃべっててもまったくといっていい程違和感はありませんでした。この映画は一番最後で、「あーそうだったのか(マーニーとアンナの本当の関係が)」と分かる映画なんですが、今回その結末を知った上でもう一度観て、「あーなるほど」と思うセリフがいくつかありました。原作はイギリスですけど、日本人の繊細な美意識が加わって素晴らしい画面になっています。鳥好きの私としては何種類かの鳥が正確に描写されているのもうれしかったです。
まだ観たことがない方には是非一度観てみることをお勧めします。

「原子力潜水艦シービュー号」の”The ghost of moby dick”

「原子力潜水艦シービュー号」の”The ghost of moby dick”を観ました。タイトル通り、ある海洋生物学者が通常のシロナガスクジラの倍のサイズがある巨大クジラに遭遇して、心電図を取るためにモリを打ち込んだらクジラが怒って船に体当たりし、船は真っ二つになって沈没し、彼の息子が死んでしまいます。その科学者は復讐の念で狂ったようになり、シービュー号に乗り込んでそのクジラを追いかけます。で、シービュー号はクジラに遭遇して、体当たりを数度くらい、あっという間に各所が浸水して危険な状態になります。(それにしてもシービュー号って脆い…)この番組を日本でやっていた時、子供たちがやっていた「シービュー号ごっこ」とは、シービュー号が何かの原因で傾いてクルーが右に行ったり左に行ったりする様子を真似することだったそうです。ちなみに、アーヴィン・アレンはそのシーンをカメラの方を回転させるように動かして撮影しています。で結局狂った科学者はネルソン提督が止めるのも聞かず潜水具を装着して外に出て、クジラに薬品入りのモリを打ち込みますが、結局クジラに振り回されて死んでしまう、というもの。
ちなみに、その科学者の奥さん役がジューン・ロックハートで、「宇宙家族ロビンソン」でモーリン・ロビンソン(ロビンソン博士の奥さん)役をやっていた人です。
ついでに、今調べたらネルソン提督役のリチャード・ベースハートは、1956年の「白鯨」でイシュメイルを演じています。

「原子力潜水艦シービュー号」の”The blizzard makers”

「原子力潜水艦シービュー号」の”The blizzard makers”を観ました。アメリカが「超」異常気象に襲われ、夏なのにフロリダに雪が降るという事態に。ネルソン提督はこの原因はメキシコ湾流が南寄りに流れを変えてしまったから(そのくらいで夏のフロリダに雪が降るか?)と推測し、気象学者のメルトン博士と協力して、解決に動きます。ところが博士は「某国」(今回はソ連ではないです)に捕まって洗脳され(写真のような古典的洗脳装置で)、ネルソン提督を殺すように命じられます。博士は高度500m以上になると爆発する薬品を浸した書類をネルソンに渡し、ネルソンは軍のジェット機でワシントンに向かいます。そのジェット機は空中で爆発しますが、ネルソンはそのジェット機に乗り込む前にワシントンから計画についての承認が得られてたので搭乗を中止し、九死に一生を得ます。メルトン博士は次にシービュー号に乗り込んで、メキシコ湾流が流れを変えている辺りに向かいますが、シービュー号はそこで多数の死んだ魚と強い放射線を観測します。その海面にあったブイへの指示電波の出元を解析して、洋上の無人島を突き止めます。結局そこでは「某国」が核実験を何回か行って、核保有国となることに成功しつつありました。またメキシコ湾流の流れが変わったのはその核爆発のせいでした。(いくら核兵器が強力でも海流の流れが大きく変わったりしないと思いますが…)その島に乗り込んだクレーン艦長以下が捕まったり、メルトン博士が銃を抜いてシービュー号の操縦装置を破壊しようとしたり色々ありましたが、ネルソン提督はメルトン博士をコントロールしている装置を取り除き博士を正気に戻します。そして博士に脅かされている芝居をしつつその島に上陸し、あわやという所でメルトン博士が敵の親玉に拳銃を突きつけて、また脱牢していたクレーン艦長以下も乗り込んできて、形成が逆転します。しかし、シービュー号の近くに仕掛けられていた核爆弾の起動装置を止めることは出来なかったため、ネルソン提督はその島にあったもう一つの核爆弾も同じ時間に爆発するように装置をセットし直します。そうすればネルソン提督以下が脱出した後、某国の一味が必死に爆発を止めるだろうと計算してのことですが、結局シービュー号が安全な距離に逃げた所で核兵器は爆発して島は吹っ飛びます。その爆発で、メキシコ湾流が元に戻り(えー、何で?)、異常気象もなくなって正常になりました、というお話です。色々と疑問の残る回でした。

「原子力潜水艦シービュー号」の”No way out”

「原子力潜水艦シービュー号」の”No way out”を観ました。冒頭で写真のような街のシーンが出てきたので、てっきり香港かと思い、1960年頃の香港というのも珍しいと思って観ていたのですが、ジャカルタでした。ジャカルタのチャイナタウンでしょうか。今回またも冷戦もので、シービュー号のネルソン提督とクレーン艦長は、東南アジアの「赤の」スパイ網について熟知している男をシービュー号でアメリカに亡命させようとします。その男の口を塞ぐため、ワシントンから送り込まれた人間に成り代わってスパイがシービュー号に乗り込みます。これだけだと割と単純な話ですが、さらに男の恋人が男の強い希望で敵組織から救い出され、彼女もシービュー号に乗船します。でも実はその彼女も…といったスパイが暗躍するお話。題名は、シービュー号の中で逃亡しようとしても、潜水服着てミニサブで逃げる以外は不可能で、時間の問題で捕まってしまう、ということです。しかし、よく分からないのは、ネルソン提督は科学者で、自分でシービュー号を設計した筈ですが、いつもアメリカ政府から命じられるまままに軍事的な行動をしています。

「原子力潜水艦シービュー号」の”The magnus beam”

「原子力潜水艦シービュー号」の”The magnus beam”を観ました。今回はソ連やキューバではなく、中東の某国(イラン?)が敵です。アメリカの偵察機U-2がその某国上空で3期連続謎の墜落をします。その原因を調べにシービュー号が紅海に向かい、クレーン艦長が某国に潜入します。お約束のパターンでクレーン艦長はすぐ捕まってしまいます。シービュー号の方も某国から来た亡命志望の男の言葉によって、その謎の新兵器(強力な磁力線を発射する装置)に接近するために、海底から接近しますが、その磁力に捉えられて全ての機関が凍結してしまい、なおかつ磁力によって徐々に海面に引き上げられます。ネルソン提督はミニサブのバッテリーを降ろし、その電池を使って電磁石を作り、磁力を中和してハッチを開け、スキューバダイバー部隊が装置の破壊に向かいます。一方クレーン艦長も反政府組織の人に助けられ、上下で新兵器の破壊を画策します。とまあそういう話ですが、初歩的な科学の知識によれば、磁力というのは距離の二乗に反比例して弱くなりますから、どんなに強力な磁石を作っても、100mも離れればほとんど威力は及ばないと思います…

「原子力潜水艦シービュー号」の”Submarine sunk here”

「原子力潜水艦シービュー号」の”Submarine sunk here”を観ました。タイトル通り、シービュー号が機雷に接触し、沈没して機雷原のまっただ中の海底に座礁して動けなくなる話です。きっかけはあるクルーの奥さんに子供が産まれたけど、奥さんの容態が悪くて緊急の退艦を上官に依頼しますが、上官は今それどころじゃない、港に着いたら考えると冷たく答え、そのクルーは上官を殴ります。その喧嘩をソナーの係が止めようと自分の持ち場を離れてしまいます。その間にシービュー号は機雷原に突っ込んでしまい、ネルソン提督が目視で気がついて後退して機雷原から離れようとしますが、一発の機雷が艦首に引っかかってしまいます。すぐにミニサブを出してその機雷のワイヤーを切断しましたが、その機雷が固定から離れて上に流れて行く時に他の機雷に接触し、機雷が爆発します。その勢いでミニサブが流され別の機雷に接触してしまいます。こうして次々に機雷が爆発し、シービュー号は各所が浸水し、またエンジンも停止し、海底に降下して座礁します。すぐに緊急のブイを海上に向かって上げ、それは海上の船に発見されます。しかし、沈んでいるシービュー号に酸素を届けるための潜水球(ベル)は修理中ですぐには助けに行けません。そうこうしている内にシービュー号の船内では火災が発生し、消火に当たっていたネルソン提督も浸水した時に部屋の荷物が動いてそれに当たり、動けなくなってしまいます。さて、シービュー号の運命は…となかなかスリリングな回でした。

「原子力潜水艦シービュー号」の”Hot line”

「原子力潜水艦シービュー号」の”Hot line”を観ました。ソ連の打ち上げた原子力エンジンの人工衛星が、妨害工作により打ち上げ後制御不能になり、外からの破壊も失敗します。クレムリンが急ぎ、その衛星の墜落位置を計算したら、それはサンフランシスコの沖100マイルの地点でした。もし墜落した人工衛星の原子力エンジンが暴走して爆発したら、何百万人の死者が出ます。クレムリンはホットラインでアメリカの大統領にこのことを連絡します。すぐにシービュー号が墜落位置に派遣されますが、衛星解体のエキスパート2人がロシアから送り込まれシービュー号に乗船します。しかし、その内一人は途中で入れ替わった妨害工作側の人間でした。そうとは知らないネルソン提督は2人を解体に送り出し、2人は無事に解体が終わったと言って戻って来ます。ネルソンは大統領より一人スパイが混じっていることを伝えられ、戻って来た2人にクレムリンからの依頼で電子頭脳も回収することになったと伝えます。それを聞いた1人が急に慌てだし、自分が一度解体した衛星の原子力エンジンをまた元に戻したことを告白します。今度はネルソンが自分で潜り、衛星のエンジンを再度止めようとします…という話です。
途中で、サンフランシスコに家族がいるクルーが、通信禁止の命令を破って家族に連絡しようとしますが、これは映画版でも同じようなシーンがありました。

「原子力潜水艦シービュー号」の”The village of guilt”

「原子力潜水艦シービュー号」の”The village of guilt”を観ました。この回は大ダコとシービュー号の格闘で、このシーンも映画版に出てきていたと思います。ノルウェーのある漁村で酔っ払った猟師3人がボートで海に漕ぎだして、「海の怪物」に襲われて2人が死にます。残った1人から事情を聞き出そうとネルソン提督がシービュー号でやってきますが、タッチの差で生き残った一人も誰かに殺されてしまいます。シービュー号が近くの海を捜索していたら、シービュー号は何匹もの巨大ナマズに襲われます。(日本人には巨大ナマズはおなじみですが。)結局ある種のマッドサイエンティストが海洋生物の細胞を巨大化する実験を行っていて、それが逃げ出したのが怪物の正体で巨大タコでした。シービュー号はこの大ダコに襲われて、船首を破壊されそうになります。(意外ともろいシービュー号)ネルソン提督の指示で原子力エンジンのフルパワーを出して、電流を艦体に流してやっと大ダコを退治することが出来た、という話です。この海洋巨大生物パターンはこの後何度も何度も登場し、シービュー号のストーリーの中のもっとも顕著なパターンの一つになります。