コージィ城倉の「プレイボール2」

グランドジャンプに連載中の、コージィ城倉の「プレイボール2」の中の1シーン(上)です。オリジナルの「キャプテン」の第6巻に出てくるシーン(下)とまったく一緒。監督が青葉中学の監督から東実高校の監督に変わっているだけ。確かに連載の前に「何も足さない、何も引かない」と言っていたけど、これはさすがにやり過ぎでは。まあオリジナルの「キャプテン」「プレイボール」のファンからこういう指摘が出ることはは100も承知でやっているんでしょうが。

「謎の円盤UFO」の”Computer affair”でのエリス中尉とブラッドレイ飛行士の関係とは

「謎の円盤UFO」の”Computer affair”ですけど、Wikipedia(英語)とかブルーレイに付属しているブックレットの説明だと、エリス中尉がインターセプターの黒人パイロットに「恋愛感情を抱いていた」という説明になっています。私の英語力の問題かもしれませんが、私が最初に聞いた限りではエリス中尉はこの黒人パイロットに「複雑な感情」を抱いていて、それで指示が遅れた可能性があるとSHADOの医者は言っているように聞こえました。つまりは「嫌悪感」です。(それまでの文脈からするとそう解釈する方が自然です。)どうも推測すると、このUFOはアメリカでも放送されていますから、「黒人を嫌悪している」という設定は非常にまずいので、後から「恋愛感情を持っている」に意図的に変えられたんではないかという気がします。大体恋愛感情を抱いているなら、何とか助けようと必死になる筈です。この話では、エリス中尉の本当の感情を試すためフリーマン大佐がわざと二人にチームを組ませてUFOを攻撃させます。それで結果的に成功し、二人は和解して食事する、という内容でした。もし、「恋愛感情」ならそれを取り沙汰するのはいくらSHADOといっても個人のプライバシーへのあまりにも行きすぎた干渉であり、おかしいと思います。

別の話でも、この黒人パイロットがフォースター大佐が死んだと思われていた時にストレイカーから司令官になることを打診されますが、「人々の心の中にまだ差別感情があるから」という理由で断っています。つまりUFOの世界では、表面的にはマイノリティーが活躍していますが、実はまだ差別は残っているという設定です。

この問題、結局ブルーレイを見直してもう一度セリフをチェックして真相がわかりました。おそらくは最初はエリス中尉が心の底で黒人を嫌っていたから、というのが原案で、途中でさすがにそれはまずいのではという配慮があって脚本に修正が加えられたんだと思います。以下の流れを見れば私の言っていることがおわかりいただけるかと思います。

(1)SHADOの精神科医がブラッドレイに向かっていきなり「私はお前ら黒人が嫌いなんだ」(”I’ve no liking for you blacks!”)と言います。(ブラッドレイの反応を見るためと説明されていますが。)
(2)エリス中尉が言葉の連想テストで、”Black”という言葉に普通の人ならすぐ”White”と答える所を言いよどんでかなりの時間がかかっている。
(3)医者はエリス中尉が「意識的に”White”という言葉を避けようとしている」と説明しています。
(4)(5)フリーマン大佐は二人に分析の結果を読み上げますが、それによると二人の間に”an emotional attachment”があった、となります。それは「個人的な愛着」という意味ですので、確かに字面的には二人が愛し合っているということになります。

脚本に修正が加えられたか、あるいは(4)(5)でフリーマン大佐が二人の関係に問題があることを婉曲的に示すためにわざと言い換えた、という解釈も成り立つと思います。