本日のNHK杯戦の囲碁はTOEIC受験のため、録画で視聴。黒番が趙治勲名誉名人、白番が芝野虎丸7段という、年齢差43歳という、往年の名棋士対新鋭バリバリという興味深い対戦でした。黒の趙名誉名人は1、3、5手目がすべて三々でした。先週の伊田篤史9段は2、4、6手目がすべて三々でした。もっとも1、3手の向かい三々の布石は趙名誉名人は全盛期から打っていたように思います。違うのはAIの影響で相手の星の構えにいきなり三々に入るところです。そういう風に趙名誉名人がひたすら実利に走ったので、対する芝野7段は当然厚みから模様を張る展開になりました。白の下辺から右辺にかけての構えに、趙名誉名人がらしく相対的に深く打ち込んで行きました。芝野7段は、右下隅で黒から切り取りがあった所をかけついで隅の黒に利かした後、打ち込んだ石にボウシしました。その後の一連の攻防で、黒は目一杯の手を打ち続けましたが、誤算があったのが取られていた黒2子を逃げ出したことで、この黒はその後色々やっても結局取られで、ここで黒は大きく損をしました。しかしここからの黒の趙名誉名人の粘りと反撃が見事で、下辺からの石は我慢して左辺に連絡し、今度は右辺に出ていき、右辺を荒らしながら、同時に右上隅の白への攻めを見ました。この打ち方はかなり効果的で一時かなり挽回したかなと思いました。しかし右上隅の白を攻めようとした時、白が右辺から下に一間に飛んで、黒を逆に切り離しました。結局攻め合いになるのですが、白の方が一手長く、結局中央の攻め合いで白に黒数子を取り込まれ,更には右辺でも白二子を取り込むことがかなわず、結局ここで黒の投了となりました。芝野7段の読みの的確さと、趙名誉名人の粘りの両方が楽しめました。
NHK杯戦囲碁 趙治勲名誉名人 対 芝野虎丸7段
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