本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が村川大介9段、白番が河野臨9段の対戦です。両者棋士の中のポジション的には近い位置にありがっぷりかみ合う対局です。白は珍しく両三々の布石、黒は両小目でした。黒が左上隅に二間にかかり白がケイマに受けたのに、黒は左辺から両ガカリ風にはさみ、白がコスミツケて黒が立って、白が中央に一間トビして上辺と左辺を見合いにしました。黒が上辺で二間に開いたので、白が左辺の星下へ挟む展開になりました。ここで左下隅の三々に対し星に肩付きしたのがいわばAI風の打ち方でした。白の這いに軽く一間に飛び、白が割り込んで黒が上から当て、白が継いだところで黒は手抜きし、左辺の白にボウシしました。ここからギシギシと石の絡み合う戦いになりました。結局白は左辺を捨てて中央を厚くし、切り離された下辺の黒4子を小さく取るのは出来ましたが、右下隅の黒の肩を衝いて下辺を目一杯拡げました。こうなると黒は取られかけていた4子を動き出す一手でした。この後の黒のサバキが見事で、黒は中央への進出を見せながら巧みにサバキました。その代償として右下隅を若干利かされましたが、結果として白の一等地で無理なく活きて、ここで黒が優勢になりました。白はその後上辺の黒模様に打ち込んでいったりして挽回を図りましたが、差は縮まらず、結局白の投了となりました。
NHK杯戦囲碁 村川大介9段 対 河野臨9段(2022年9月18日放送)
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