NHK杯戦囲碁 鶴山淳志8段 対 一力遼棋聖(2023年3月5日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が鶴山淳志8段、白番が一力遼棋聖の対戦です。布石で白が右上隅に上辺から掛かり、黒が一間に受けてから白が黒の上辺から左上隅に掛かって石にコスミ付け、ここから激しくなりました。黒は左辺を捨てて中央を重視して打ちましたが、どこかに誤算があり、左上隅から中央に延びる石を厳しく攻め立てられました。この大石は文字通り綱渡りで上辺から右上隅に連絡しましたが、その代償で中央の黒6子が取られ、なおかつ右上隅でも白に潜り込まれて活きられたため、黒は圧倒的に地合いが足らなくなりました。こうなると後は残った右辺、右下隅、下辺をどれだけまとめられるかですが、白はまず右下隅に掛かって、また切りを見せて利かして右辺に余裕を持って地を確保しました。黒は下辺を地にしたものの、右下隅に手を付けられ、ここが白の有利な一手ヨセコウになり、中央で白5子くらいを取ったものの、地合いの差が非常に大きく黒の投了となりました。一力棋聖は決勝進出で3連覇まで後一勝になりました。