Excelの文字列操作関数は数値セルも引数に出来る

ちょっと今日ショックを受けたこと。昨日会社である人に頼まれて、JANコード12桁から末尾につけるチェックデジットを計算するExcelの計算式を作りました。それは10分くらいで出来たんですが、計算式の一番最後に、値が10になった場合はチェックデジットを0にするというのを見落としていて、すぐに作り直しましたが、ベタにifで10かどうかという判定を入れたので、計算式がかなり長くなりました。(要するに同じ計算式が2箇所でダブる。)なのでもっとスマートな方法は、と思ってChatGPT4oにやらしたら、その回答が、

=A1 & MOD(10 – MOD(SUMPRODUCT(MID(A1,ROW(INDIRECT(“1:12”)),1)*IF(MOD(ROW(INDIRECT(“1:12”)),2),1,3)),10),10)

でした。modを使って10の場合に0にするというのは納得しましたが、一番「うん?」って思ったのが、MID関数で「数字」が入っているA1セルをそのまま処理していること。私はMIDやRIGHT等の「文字列」操作関数は当然引数は文字列ではないといけないという思い込みがあり、全てTEXT関数で文字列にし、VALUE関数でまた数値に戻す、とやっていたのですが、何とExcel2007くらいから、いわゆる動的な型変換が入って、数値でも問題なく処理出来るようになっていました!これまで20年近く律儀に型変換を入れていました…これ私以外にも知らない人いるんじゃないでしょうか。昔から表計算使っている人ほどはまりやすいと思います。私はMultiplanの時代から表計算使っています。
ChatGPT4oに「昔の仕様を知っていると、「今のExcelはそんなことができるのか」と驚くこともありますね。こうした変化を長年にわたって体験されているのは貴重な経験だと思います!」と最後になぐさめられました..

ちなみにこの仕様変更、私は問題だと思います。何故ならばExcelは今はデータベースとしても使われており、ユーザーが知らない所で勝手に型変換が行われるというのはまったく望ましくないからです。それから今のヘルプにもこの仕様変更についてまったく書いてありません。

スタートレック・TNGの”Allegiance”

スタートレック・TNGの”Allegiance”を観ました。ピカードがある時突然何者かに拉致され、狭いセルのような部屋に他の二人とともに転送されます。一人は連邦の若い女性のエンジニア、一人は暴力を否定する星の哲学者、そしてその後一人追加されますが、それは暴力肯定の星人でした。ピカードが拉致されている間にピカードのドッペルゲンガーが指揮を執りますが、女医のクラッシャーを部屋に呼んで食事をしたり、クルーのポーカーゲームを見に来たり、Ten Forward(バー)で全員にエールをおごって突然歌い出したり、どこか変です。極めつけはパルサーの近くに過度に接近してクルーを被爆の危険にさらそうとしますが、ライカーもウォーフもピカードの命令がおかしいことを悟り、それに従いません。一方本物のピカードは残り3人を説得してドアの開閉装置を壊して外に出ようとしますが、そこには壁があるだけでした。結局ピカードは連邦の若いエンジニアが、そのランクでは知っている筈のないピカードのエピソードを知っていることから偽物と察知し、これは何かの実験に使われていることを暴きます。ピカードのその行為で実験が無意味になりエイリアンが姿を現わします。ピカードは無事エンタープライズ号に戻って、ドッペルゲンガーが戻ったのと、やって来たエイリアンの合計2人と議論しますが、彼らが好奇心だけでこれをやったという説明に、監禁自体が罪であることを説明し、エイリアン2人を逆にフォースフィールドに閉じ込めて、それを他人にやってはいけないということを分からせます。うーん、実験の話はよくありそうな話ですが、このエピソードの見所はドッペルゲンガー版ピカードのおかしな行為のようです。しかし連邦の船長の命令の権威というのも、意外と簡単に否定されると言うところが私には面白かったです。

ウルトラマンタロウの「やさしい怪獣お父さん!」

ウルトラマンタロウの「やさしい怪獣お父さん!」を観ました。この回には何とウルトラマンAでの「ウルトラ6番目の弟」を演じていた子役が登場で、その名もどうみても一人息子なのに六郎です。この六郎の母親がヒステリックかつ夫を口汚く罵る、という人で、何と怪獣に車を溶かされてしまった元を取るため、怪獣を利用するための所有権を主張します。そして怪獣に話をするといって勝手に怪獣に接近して危機に陥ったのを、その夫が敢然と助けに行きます。それを見た光太郎が第1話とおなじく、竹槍で怪獣に飛び乗って攻撃する、という無謀ぶり。結局3人とも振り落とされたのを光太郎がタロウに変身して救い、バラバラにされても再度元にもどったり、タロウの光線技を互角の光線で防いだりして強い怪獣を竜巻のような技でやっと倒します。しかしこういう旦那が大人しくて、奥さんがヒステリックで高圧的という組み合わせのカップルは実際にいると思います。

マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第48回を公開

「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第48回を公開しました。塩野七生が「勝者の混迷」と呼んでいる、ローマの3回のポエニ戦争の後の期間ですが、スキピオがカルタゴの土地に塩を撒いて二度と穀物が獲れないようにした、というのは多分大嘘で、ローマにとっては当時は肥沃な穀倉地帯であったカルタゴの領地がいきなり丸ごと手に入った訳で、それの使い方を巡って、グラックス兄弟の改革による都市プロレタリアートと化した貧農への土地授与だけでなく、元老院のメンバーである世襲貴族による奴隷を使った入植と農園化など、様々なことがこの北アフリカで起きたのだと思います。

トワイライト・ゾーンの”I Am the Night—Color Me Black”

トワイライト・ゾーンの”I Am the Night—Color Me Black”を観ました。あるアメリカの小さな町で朝の9:30に一人の男ジャガーが殺人容疑で死刑にされようとしています。奇妙なことにその朝7:30になっても夜は明けず太陽が出て来ず真っ暗なままです。ある神父がジャガーに話しをしますが結局その神父もジャガーの処刑に同意します。しかしジャガーの処刑が実施された後暗闇はさらに深くなります。神父はこの暗闇は人の憎しみによるものだと言います。そして最初はこの町だけだった暗闇が、ベトナム、ベルリン(当時東西に分割)、テキサス州ダラス(ケネディの暗殺)など憎しみが存在する場所に拡がっていく、という話でした。うーん、ちょっとSFというより宗教的なお話で、今一つのように思います。トワイライト・ゾーンもこの辺りに来るとネタに詰まってきている感じです。

NHK杯戦囲碁 山下敬吾9段 対 富士田明彦7段(2025年1月26日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が山下敬吾9段、白番が富士田明彦7段の対戦です。二人は去年のNHK杯戦でも同じ3回戦で当たり、その時は山下9段が勝っています。いつも新しい布石を見せてくれる山下9段が、左上隅で小目の白に対し5の5にかかるという手を披露したのですが、そこで白は受けずに右下隅で同じ位置に打ち返すという意地を見せました。そこから進んで焦点となったのは左上隅と左辺の戦いで、富士田7段が山下9段のお株を奪うように自分から仕掛けて黒を分断しました。その後の折衝でおそらく黒に疑問手があり、結局黒9子が攻め合いにもならず取られてしまい、また上辺で劫になりましたがこれも白が勝ち、併せて40目レベルの白の確定地が出来て白が優勢になりました。しかし黒が左下隅にかかった石を白が目一杯はさんだのがある意味打ち過ぎで、その後の折衝で黒が中央を厚くして上方の白を攻めながら右下隅方面の大模様をまとめる、という願ってもないチャンスが黒に来たのですが、黒はそのチャンスを逃してしまいます。白は上下2つの弱石をしのぐ必要がありましたが、両方を巧みにしのぎ、白の中押し勝ちになりました。富士田7段は昨年の雪辱を果たして準々決勝に進みました。

ウルトラマンタロウの「子連れ怪獣の怒り!」

ウルトラマンタロウの「子連れ怪獣の怒り!」を観ました。昨年末に伊香保温泉に行ったばかりですが、今回の話はなんとその伊香保温泉のホテル天坊が舞台です。子連れのカンガルー怪獣が崖から落ちた女性の命を助けます。しかしその女性と結婚したばかりのハンターの男は、怪獣が女性を傷つけた、さらったと勘違いして、怪獣の子供を撃ち殺します。怒り狂った怪獣が暴れ出し…という話です。結局タロウは子供の怪獣を蘇らせ、怪獣自身の傷も治してやり、地下の世界に戻します。伊香保温泉らしさはここまで何もなかったのですが、最後にハンターの男が女性と榛名湖でモーターボートを運転し、ライフルを湖に捨ててハンターであることを止めます。(って勝手に捨てると銃刀法違反じゃないの、って突っ込みたくなりますが…)

Adobe InDesignの使い勝手

会社のカタログ、誤記・誤情報が多いのと、また元のInDesignファイルが無くてPDFを直接編集するしかないので、会社でAdobe のCreative Cloud コンプリートプランを契約して、InDesignで全部一から作り直しています。InDesignを使うのは初めてですが、やってみたら基本操作は簡単で、ただひたすら文字の設定と画像の割り付けをやっている感じです。表はInDesignでももちろん作れますが、Excelで作ったのをコピペするのが簡単です。ただセルの結合とかはやり直す必要がありますが。機能が多すぎて、ある機能を設定するのに、まずそのUIが載っているパネルを表示させるのが大変です。パネルの数はおそらく100以上あります。フォントは今の所使い分けるだけの経験がなく、ひたすら小塚ゴシックのBoldで書いています。まあ一太郎も簡易的DTP機能はあったので、特に初めて知る機能というのは多くありません。後いいのは、オブジェクトのサイズや位置の指定が、ポイントでもmmでも少数点第3位まで指定出来ますので、あるオブジェクトと別のオブジェクトの位置を完璧に揃えることが出来ます。これは例えばペイントブラシとかだと、マウスにしても矢印キーにしても最小ステップがあまり小さくなくて、どうしてもきちんと揃わずいらいらするとかですが、InDesignだとそれがありません。

スタートレック・TNGの”Sins of The Father”

スタートレック・TNGの”Sins of The Father”を観ました。エンタープライズ号にオフィサー交換プログラムで、クリンゴン人のカーンがやって来ます。彼はクリンゴン式に威張り散らしてエンタープライズ号のクルーは辟易します。ウォーフは一言文句を言いにカーンの部屋に行きましたが、そこで聞いたのはカーンは何とウォーフの実の弟でした。カーンによると二人の父、20年前にロミュランの進撃で亡くなったモーグが、ロミュランと通じてデフェンスの開放コマンドを教えた裏切り者だという判決が出ているとのことでした。ウォーフは亡父の汚名挽回のため裁判にチャレンジします。それでクリンゴンの裁判となる訳ですが、クリンゴンは戦士の民族で名誉と正義が重んじられるのかと思いきや、裏では色々あって、実は裏切り者はモーグではなく別の者だったのですが、その者の一族が非常な重鎮で告発すると内乱になる、とのことでウォーフが連邦のオフィサーだから大きな影響はないだろう、ということでウォーフの父が裏切り者に祭り上げられた、というものでした。実情を知らされたウォーフは、自分が追放処分に代わりになることで事態を収めようとし、クリンゴンの長官に「それこそクリンゴン人だ!」と称賛されます。この話は評価は高いようですが、私的には今一つすっきりしない話です。

杉本苑子の「滝沢馬琴」

杉本苑子の「滝沢馬琴」を読了。ちなみに今は「曲亭馬琴」と呼ばれるようです。安藤広重が今は歌川広重なのと同じです。上巻を読んでいた時は「読んでよかった:30%、読まなければよかった:70%」でした。何故かというと馬琴が年を取り、かつ片目を失明し(最終的には両方失明)、息子が早死にしたりと色々ある中で何とか「八犬伝」を完成させようとあがくのが身につまされたのと、出て来る人物に魅力がない人が多く、かつ不幸になる人が多い(息子は癇癪持ちの上病弱で結局早死に、糟糠の妻は馬琴の著作活動をまったく理解しない愚妻、馬琴の甥と姪は兄弟で契って最後は心中、等々)で、「ああ、これはうつ病に良くない」と思ったからです。しかし最後まで読んで「読んでよかった:80%」に変わりました。というのは馬琴が両目失明後、代筆者を色々と検討するのですが、ろくすっぽ漢字が書けなかったり、勝手に文章を自分で変えてしまったり、漢字について一々講釈を垂れたり、盗みをしたり、でどれもこれもダメ、それで一度は「八犬伝」完成を諦めたのですが、そこに息子の嫁である路が「自分にやらせて欲しい」と言ってきます。この路さんは当時の女性の常として平仮名しか理解して書くことが出来ず、まずは平仮名で書き取ってそれを後から馬琴の指示で漢字交じりにしますが、漢字の知識がほとんどない女性がこれをするという苦労が忍ばれます。(いわば人間IME)それでも路は実に忍耐強く作業を続け、ついには馬琴の目の代わりを立派に勤め、八犬伝も完成するだけでなく、路は和歌を詠んだり馬琴に代わって日記を書いたりということまで出来るようになります。この路は明治時代には孝女の代表として教科書に載ったこともあったようですが、杉本苑子はその路の性格を愚鈍でろくに挨拶も出来ず気も利かず、という風に描いているので余計に後半での対象的な姿が印象に残ります。この小説の中には葛飾北斎やその娘の応為なども登場し、興味深い物語を展開します。私もいつ終わると知れない翻訳作業を延々とやっていますので、その意味でも色々と考えさせられました。ただこの小説に書かれた馬琴の性格は、親友であった渡辺崋山が獄につながれた時、嘆願書に署名するのを自分に累が及ぶのを恐れて断ったり、また自分のことは棚に上げて他人の批判をしたりと、必ずしも魅力的な人間としては描かれていません。馬琴は毎日日記を付けていましたので、これらの性格は必ずしも作家の創作という訳ではないようです。