真空管アンプの板金加工(6)

真空管アンプの板金加工その6。電源スイッチの取付け穴が汚くなったのがやはりずっと引っ掛かっていて、結局電源スイッチは上杉研究所式の上部ではなくて一般的なやり方の前面パネルに移しました。今度は12mmまでドリルで開けて、後はリーマーで少し拡げて、今回は上手く行きました。残った上部の穴はこれもリーマーで拡げて、放熱用の空気穴にすることにしました。
スイッチ横に表示灯のLEDも付けました。このLEDは定電流ダイオードを内蔵しているもので、6Vぐらいから30VDCまで電圧に関係なく、かつ制限抵抗無しで使えるので真空管アンプのようにヒーター用の電圧が6V、12V、14.5Vと色々あるのには考えなくていいので便利です。ただ欠点は自分で明るさのコントロールが出来ませんが。

ロシア製真空管の輸出停止

ロシアが逆制裁で200品目の輸出を停止し、その中に真空管も含まれています。

https://shop.ehx.com/item/12ax7eh/tubes-vacuum-electro-harmonix/

Electro-Harmonix、Sovtek、Tung-Sol、Mullard。Svetlana、Genalex Gold Lionといったブランドはすべてロシアのエレクトロ・ハーモニックス社で製造されており、今後は入手困難が予想されます。

私はこの事態を予想していたので、当面必要になりそうな真空管は買い増ししています。

真空管アンプの板金加工(5)

真空管アンプの板金加工その5。バイアス電圧調整のための、測定用端子(ここにテスターのプローブを突っ込む、チップ・ジャックという名前です)4箇所と、調整のための小型ポテンショメーター2つの穴を開けました。それぞれ6φと7φで、どちらも小さめの穴を開けてからリーマーでぐりぐりして調整しました。丸穴についてはかなり慣れてきました。トランス用の角穴は先に開けてしまうとシャーシの強度が低下して加工がしずらくなるので最後にやる予定です。

NHK杯戦囲碁 高尾紳路9段 対 一力遼NHK杯選手権者


本日のNHK杯戦の囲碁はついに決勝戦で、黒番が高尾紳路9段、白番が一力遼NHK選手権者です。決勝戦にふさわしい激戦になりました。まずは左下隅の攻防が面白いワカレになり、黒が左辺で白1子を抜く代償に、白は黒の左下隅の6子を「ほぼ」取りました。しかし白がその黒を包囲する断点を継がなかったので、黒はすぐ切って行きました。白は左下隅を完全に取ろうとすると、自身もダメヅマリで危ないことになるということを察知し、左下隅の復活を容認し、中央下方で黒1子を抱えて大きな厚みを築きました。そして白はこの厚みを活用して、左上隅から上辺、左辺にかけて大きく模様を張りました。そして黒は上辺に入り活きを図りました。しかし黒は辺で這っても6子なので一眼しかなく、後は中央で眼を作るしかありませんでした。そして白は単純な取りかけには行かず、黒の右上隅の構えに手を付けて行きました。この辺りの柔軟な発想はさすが一力9段です。結果的に黒の一団は中央に逃げ、白は右上隅から上辺を地にしました。このワカレはほぼ互角で、後は黒がまだどの程度攻めを受けるかにかかっていました。白はこの黒を攻めながら中央に白地を付けようとしました。黒は中央にもう一眼作って活きた後、中央の白を切って行って中央の白地に手を付けました。しかしここの打ち方に何か誤算があり、折角切っていった黒2子が取り込まれました。この結果、若干ですが白が厚い形勢になりました。しかしその後白も左辺へのヨセで手順前後があって、形勢は半目勝負になりました。最後半劫争いがあるかと思いましたが、3箇所あって順番に継ぎあって劫争いはなく、結局白の半目勝ちになり、一力NHK杯選手権者が連覇を果たしました。しかし敗れたとはいえ、今期の高尾紳路9段の戦い振りは見事だったと思います。一力遼9段はこれで3回目のNHK杯戦優勝で、この先何回優勝するかが楽しみです。

真空管アンプの板金加工(4)

真空管アンプの板金加工その4。ボリュームの取付け。取付け穴はM7のブッシングが入る7.3φくらいの穴と、回転止めのポッチ用の穴です。7.3φは6mmまでドリルで開けて後はリーマーで拡げてOKでした。ポッチ用の穴は位置を合わせたつもりが意外にずれていて、仕方なく穴を拡げましたが、固定には問題ありませんでした。但しボリュームノブを付けてみたら、ボリュームのシャフトが長すぎることが分かり、金鋸で3mm程度切りました。少しずつ、アンプらしさが出てきています。

真空管アンプの板金加工(3)

真空管アンプの板金加工その3。真空管ソケット用の穴開け、25φです。このサイズになると、普通のドリルは無く、ホールソーという、中心と外周に刃がついているドリルを使います。(右に写っているの)先日のスイッチ用穴開けの失敗の教訓を活かし、目的は25φですが、22φのホールソーを使いました。これが正解でした。何故なら中央のガイド用ドリルの穴を大きく開けすぎたため、刃がぶれまくってまたも座繰りをしたような感じで22φの所が23φくらいの穴になりました。それをリーマーで拡げて目的の穴径が開けられました。見た目がイマイチですが、初めてだし、ボール盤を使っていないので、多少仕上がりが汚くなるのは仕方がないです。ボール盤は安いのを買っていますが、さすがに部屋の中では使えず、ベランダとかを使うしかありません。しかし今住んでいる賃貸マンションが外壁の塗装をやっていて、ベランダが使えないんです。仮に使えたとしても夜中に盛大に音を立てて金属加工は出来ません。

真空管アンプの板金加工(2)

真空管アンプの板金加工その2。今日は電源スイッチ用の穴加工。12.5φです。最初ドリルを細い方から3本くらい使って6φまで開け、後はステップドリルという0.2mm毎に穴径を増やしていくドリルで12φまで、ここまでは問題ありませんでした。この状態でリーマーをかけて穴を少し拡げればスイッチはM12なので丁度良かったのですが、丁度12.5φのドリルを買ってあったのでそれを最後に使って大失敗!ボール盤ではなく電動ドリルを手で持って穴開けしているのでドリルが激しくぶれ、ざぐった見たいになって、13φくらいになってしまいました。これでもスイッチは固定出来るので問題はないですが、見た目が悪いのでプラモデル用のパテで少し修正しました。後で塗装しますから分からなくなると思います。教訓:穴は目的のサイズより小さめに開けてリーマーかヤスリで削って仕上げる。

真空管アンプの板金加工(1)

返金待ちながら確定申告も終ったので、いよいよ真空管アンプの板金加工に着手。まずは裏蓋のネジ穴空けから。これが結構苦戦しました。ポンチで中心穴を打ってからBoschの600W電動ドリルで穴開け、と思ったのですが、これがなかなか空きません。そうだ切削油を使ってなかったと思って使っても、なかなか空きません。と思ったらドリルが逆回転でした…正回転にしたらわずか2秒くらいでバリも少ない綺麗な穴が開きました。それで8箇所空けて本体にネジ止めしようとしたら、ネジ穴が微妙にずれていてネジが入りません。そこでその状態で改めてドリルで穴を開け直したのですが、これをやると本体側のネジ加工が全部飛んでしまいます!それでナットを瞬間接着剤で接着してネジ止めしようかと思いましたが、以前ルンダールのトランスを300Bアンプに付けた時、ネジ穴加工が必要と思ってM4のタッピングドリルを買っていました。それを思い出し、改めてM4のネジ穴を空けることにしました。これは一度空けた後、ドリルを逆転させないと引き抜けないということに気付くまで少し時間がかかりましたが、結果的には大正解で、ちゃんとM4のネジ穴加工が出来、ご覧の通り8箇所で止めることが出来ました。ちょっと傷があちこちに入ってしまいましたが、当初は予定になかった塗装をしてごまかそうと思います。今日は単純なアルミ板への穴加工とタッピング加工のスキルを得ることが出来ました。こうやって少しずつ経験値を高めていきたいと思います。

ペルチェ素子をテスト

真空管アンプの電源トランスの冷却にペルチェ素子が使えないかと思って、Amazonで素子自体を買って実験してみました。
結論としてNGです。
まずはペルチェ素子に電動のファンを組み合わせたものが、CPUクーラーという名称で売られていますが、オーディオアンプに使うので音がするファンは望ましくありません。
それでペルチェ素子単体を買いました。使い方は簡単で、赤のリード線に+、黒にーの安定化電源をつなぐだけです。最初標準電圧という12Vまで流してみましたが、冷却されるどころか手ではとても持てないくらい熱くなりました。私はペルチェ素子を電流を流すと温度が下がる素子と思っていましたが、よく考えてみたらそんな熱力学に反するようなものがある訳がなく、正しくは片側を温度を上げ、反対側をその分温度を下げる素子です。従って、冷却目的で使うには、温度が上がる側の熱を効率的に放熱しないと、却ってその近くのものの温度を上げることになってしまいます。ちなみに4Vで1Aぐらいかけた場合、片側は51℃、反対側は31℃、その近くのテーブルの表面は28℃で、まったく冷却になっていません。この素子の反対側に馬鹿でかいヒートシンクを付けて、なおかつ何Aもの電流を流し続けるというのは、電気代もかかりますが、何より火事等の危険があります。また、ペルチェ素子の片側にヒートシンクを付けるなら、電源トランス自体に付けた方が早いです。
という訳で結果はNGでした。まあ新しい知見が増えたということでは無駄では無かったです。

レコードプレーヤー復活

久し振りにラックを整理してD級アンプを片付けて代わりに真空管アンプを入れ、アナログレコードをまた聴けるようにしました。なんせしばらくの間、レコードプレーヤーのアクリルカバー(専用ではなく、私がアクリル加工屋に注文して作らせたかなり頑丈なもの、プレーヤー本体には接触せずかぶせているだけ)の上に真空管アンプを置いて聴いていました。全段差動プッシュプルアンプの球はKT170を試しています。
やっぱり真空管アンプ+アナログレコードという組み合わせはいいです。