スイッチに関する間違った記述

ぺるけさん、という方がいて、真空管アンプの世界では有名です。「情熱の真空管アンプ」「真空管アンプの素」といった本を書かれていて、またWeb上にも色々と貴重な情報を上げておられ、私も勉強させていただいています。

ただ、そのぺるけさんがスイッチについて書かれたページには間違った記述が散見されますので、以下に記載します。

引用開始
微小電圧・電流でも高い接触安定を確保したい場合は、接点に金メッキを使ったものを使いますが非常に高価かつ滅多に売っていません。国産の信頼できるメーカーのものであれば、銀系メッキの通常タイプでもオーディオ信号回路で十分に実用になります。高い信頼性を確保したい場合は、押し当て接点のトグルスイッチよりも摺動接点のロータリースイッチの方が接触安定が良いです。
引用終了

訂正1
金メッキ接点のスイッチが非常に高価でかつ滅多に売っていないということは全くの事実誤認です。NKKスイッチズで販売している微小電力専用のスイッチは全て金メッキ接点ですし、パネル用のスイッチにも金メッキ接点はごく普通にあります。
価格も高くても銀接点に比べて100円未満のアップだと思います。(スイッチの種類によって違いますが、小型トグルのMシリーズでの例だと、銀接点のM-2022{2極ON-ON}が税込み372円、金メッキ接点のM-2022Gが449円です。{NKKのダイレクトショッピングでの価格})入手性もNKKのダイレクトショッピングだけでなく、ミスミ、モノタロウ、RSコンポーネンツ、Digi-key等で販売されていて容易に入手可能です。Amazonでもマーケットプレイスなどで売っていると思います、

訂正2
押し当て接点のトグルスイッチよりも摺動接点のロータリースイッチの方が接触安定が良いという事実はありません。
むしろロータリースイッチの方が複数の接点の接触力を均一に保ったり、回転させても均一の接触力を保たなければならないなど難しく、また摺動接点というのは人間の操作速度と接点の接触・分離の速度が同じであるため、その操作の間にアークが飛ぶ時間が長くなり、電気的な寿命はトグルに比べて一般に短くなります。さらにはロータリーは接点や絶縁物の摩耗粉が出やすいという問題もあります。例えばNKKのトグルスイッチであるMシリーズ(125VAC 6A定格)の電気的寿命は25,000回ですが、ロータリーのMR-A(125VAC 0.25A )は10,000回です。もう廃止になりましたが6A定格ロータリーのHS-13Xは7,500回です。
そもそもトグルの接点もロータリーの接点もバネの力で接点の接触力を保っており、そこに信頼性の大きな差はありません。
ロータリーやスライドなどでの摺動式接点は、自己クリーニング性といってこすり合わせられることにより接点表面の酸化や硫化部分を取り除くという長所がある一方で上記のアークの問題があり、トータルではトグルより一般的に信頼性は低くなります。またトグルのようなシーソー式接点でも、接触時に接点がスライドする機構を入れたりして、自己クリーニング性を持たせているものもあります。

訂正3
銀接点のスイッチを微小回路かつあまり操作されない所に使用すれば、どこのメーカーであれ、そのうち接点が酸化や硫化(空気中の硫黄分=亜硫酸ガスなどによる黒化)することにより、接触抵抗が増加し、1年以上経つとトラブルになる可能性大です。この場合は金メッキ接点が必要です。サンバレーという真空管アンプの会社のフォノイコライザーのMM/MCの切り換えスイッチ(銀接点のロータリー)が2年ぐらいで故障した話は別のページに書きました。

「巨人の惑星」の”The Mechanical Man”

「巨人の惑星」の”The Mechanical Man”を観ました。確か「原子力潜水艦シービュー号」にも同じタイトルの話があったように思います。そのタイトル通り巨人の科学者が、なんと油圧かなんかで動くロボットを作って、それが命令通り動かなくて勝手な行動をするのをエンジニアのダンが手助けして、という話です。原子力潜水艦シービュー号の時も、背中に電子部品がそのまま実装されているというチャチな人造人間でしたが、こちらのも体の中はすかすかで、うまく動かないのは絶縁不良で、ダンが絶縁テープで修理するというチープさです。結局最後は予想通りロボットが暴走して、それを作ったマッドサイエンティストを殺してという話です。ただバリーだけが、そのロボットが何故か犬のチッパーが流砂にはまったのを助けたということで、あのロボットは本当はいい奴だったんじゃないかと思う、というチープな筋立てでした。それにしてもこのマッドサイエンティスト、ロボットを作って何をさせようとしていたのかが不明です。テストでは鞍馬とかの運動をやっていましたが。

実践ビジネス英語終了…

実践ビジネス英語の3月号のCDを聴き終えて、途中でヘザー・ハワードさんがお別れの挨拶を言ったので、「あーついにアシスタント交代か…」と思っていたら、最後に杉田敏先生が「今回が最終回です。」と。1987年の「やさしいビジネス英語」以来、34年の幕を下ろすそうです。私がこのプログラムを聴き始めて丁度7年で、このプログラムを月に3回繰り返すことが私の英語学習の中心になっていました。このプログラムは英語の知識だけではなく、ポジティブ評価、ジェントリフィケーション、ミレニアル世代等々最新のアメリカの状況についても色々教えてくれました。
本当に寂しいです。

JBL4307の私なりの評価


JBL4307を一週間ほど使った感想。

総合評価は「素晴らしいスピーカー」です。というかこの30~40年間スピーカーって本当に進化したのかと思うぐらい、JBLの伝統技術の素晴らしさを感じました。この4307というスピーカー、伝説的名機である4343の上2/3を切り取ったような構成になっています。つまり4307ではウーファーが25cm口径ですが、4343は25cmはスコーカー(中音用ユニット)で更にその下に38cmの超弩級ウーファーがあります。とはいえその25cmのコルゲートコーンウーファーがいい感じの低音を出してくれます。これまでずっと小型のブックシェルフ(多く密閉型)を聞いてきて、JBL4307を聞くと、これまでのスピーカーの低音が何らかの形で無理をして出していた感じがします。それに対し、4307はウーファーの口径を大きくし、エンクロージャーの容積を大きくすれば低音が出ますよ、と言わんばかりに素直な伸び伸びとした自然な低音を聞かせてくれます。ずっとバスレフによる不自然な低音のブースト感が好きではなかった私ですが、4307のバスレフはそういう不自然さがほとんど感じられません。
中域を担うスコーカーは、おそらく紙コーンをベースにその上に何かの樹脂の黒色のコーティング材がかけてあります。これまでバックロードホーンという一種のフルレンジみたいなスピーカーをずっと聴いて来て、こういう3ウェイで聞くボーカルって音像が拡がって良くないのではという偏見を持っていました。しかし4307で聞くボーカルは非常に自然で、何より声に艶や色気が感じられるのが、これまで聞いたスピーカーと違う所です。また今使っている石のアンプのアキュフェーズのE-600についてはこれまで緻密で歪みの無い音だけどどこか無機的と感じていましたが、4307を鳴らすとそういう無機的な感じがほとんど無くなります。
最後はツィーターで、これがまた素晴らしいです。本当に繊細で美しい、消え入るような高音を聞かせてくれます。ただニアフィールドで聞く場合はちょっとだけレベルが強すぎる感じがしたので、初期設定ではアッテネーターが3時になっていましたが、それを12時に下げました。ソフトドームの音に比べると、若干メタリックに寄り金管などが美しく響きますが、だからと言って弦の音がきつくなったりはしていません。
以上低域から高域まで、どれも非常に良く出来たまとまったスピーカーだと思います。ジャズはもちろん得意ですが、クラシックも非常に良く、なによりボーカルは最高にいいです。JBLというスピーカーメーカーの実力が本当に良く出ているスピーカーで、既に10年以上発売されているロングセラーというのも良く分かります。私の部屋においてはギリギリの大きさになりますが、買って良かったです。唯一の欠点は手持ちの真空管アンプで上手く鳴らない(高音が歪む)ことですが、これはまあアンプのせいですね。

LEDは明るい方がいいのか?

今作っているPCL86シングル超三結アンプキットでちょっと面白いというか、スイッチメーカーの社員としては教訓になるようなことがありました。
このキットの電源スイッチは最初から付いているのはミヤマ電器というメーカーの照光式ロッカスイッチです。最初ネオン照光と勘違いしていましたが、回路図みたらLED照光でした。私はこれをパネルカットが同じであるNKKのJWS11というLED照光ロッカスイッチに替えようとしています。それでミヤマのもLED照光なら、電流制限抵抗がそのまま使えるんじゃないかと思って見たんですが、何と15kΩもの抵抗を使っています。JWSの場合、順電圧が2.1V、推奨順電流が10mA、また電圧はトランスではAC14.2V、これを直流に整流して16Vぐらいになります。JWSの電流制限抵抗は(16-2.1)/0.01=1,390Ωになります。それに対し、ミヤマ用にはその10倍以上もの抵抗が使われている訳です。1.5kΩと間違えたので無いかと思い、販売元に問い合わせたら、2年くらい前にミヤマがLEDをいわゆる超高輝度タイプに変えており、10mA流すと非常に明るくなって真空管アンプの雰囲気を壊すので(下の写真)、元のLEDの明るさにするため抵抗を変えていったら15kΩが丁度良かったということのようです。この場合、もし順電圧が同じだとすると、順電流はわずか1mAにしかなりません。JWSは昔からある輝度のLEDですのでこの電流値ではほとんど点灯しません。まあ10mAの定電流ダイオードを入れているので、この15kΩを飛ばして配線すればいいのですが、定電流ダイオードで全てやると発熱が心配だったので、15kΩのを820Ωに取替えました。一応スイッチング電源で印加して点灯を確認しました。
しかし、LEDが明るくなったということは、エネルギーの変換効率が良くなったということですが、折角良くなったその分を抵抗で熱に変えてしまう訳で、何だかなあ、です。照光式は明るければ良い訳ではないという良い教訓になりました。

NHK杯戦囲碁 張栩9段 対 村川大介9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が張栩9段、白番が村川大介9段の対戦でした。本局はプロらしい変化に継ぐ変化の連続で面白い碁でした。まずは右上隅で白が上辺からかかったのに黒が挟み、白が両ガカリしてという展開でしたが、白は黒に上辺側の石に付けられたのに手を抜いて右辺に足早に展開しました。黒は右辺の白に右下隅からじっと迫ったので、白は右上隅に手を戻し隅を地にしました。その後白は上辺も地模様にしたので、黒は左上隅でかかって挟まれて一間に飛んで白からケイマに煽られていた所を5線を押して厚みを築きました。黒はその厚みをバックに右辺の白に肩付きし、攻めました。白は強くは戦わず、4子を捨てて打ちました。しかしその後、白は右上隅を2線に下がり、更に右辺の下方でほとんど取られていた石から下がり、取られた石の活用を図りました。しかし黒は利かされと考え右辺を受けず、上辺で当たりにし、白1子をポン抜きました。この結果取られていた白が復活し、逆に黒8子がまだ攻め取りの可能性を残しながらも取られてしまいました。しかし同時に上辺の白地が消え、また左上隅の白がいじめられセキ活きで地0目になったので形勢は互角でした。その後白は右下隅に手を付けましたが、劫にする手がありましたがそうせず、結局隅を捨てて下辺に展開しました。これで勝負は黒の左辺と白の下辺の大きさ勝負になりましたが、白は囲い合いではなく左辺の消しに回りました。その後黒が左下隅に打ち込み、下辺左方で抱えられている1子の下がりを狙いました。ここの折衝で白は中央が薄いのを補強せずに下辺で地を確保しました。黒は左辺の白と右下隅からの白のどちらかを取るぐらいでないと地合では厳しくなりましたが、黒にも薄みがあり、妥協して白を活かしてしまい、戦果としては左辺の白数子ぐらいでした。そこで左下隅の黒を再度動き出しましたが、白は無理せず黒を活かして打つ方針でした。ところが黒にオオポカが出て、手順を間違え、活きていた石が死んでしまいました。これで白の大きなリードとなり、結局白の9目半勝ちとなりました。

ワーフェデールのデントン85thの不良品の返品・返金の件

ワーフェデールのデントン85thの不良品の件、返品してからかなり経ってとっくに終っていると思っていたら、今日になって販売業者(BAE Storeというマーケットプレイスの販売店、おそらく単なるドロップシップメント屋でワーフェデールの日本での正規代理店ではありません)から、「現象がこちらでは確認出来ない。また元箱を使わないで返送して来たのでAmazonの規程で返金には応じられない。現物を戻すか代金の35%だけを受け取るかどちらかにしろ」という極めて理不尽なことを言ってきました。しかも恐るべきことに今回返送した不良品をそのまま誰かに転売しようとしています。(大体転売出来るのであれば返送時に傷が付いたりせず無事に着いているということで、元箱うんぬんはほとんど言いがかりのレベルです。)馬鹿馬鹿しいので、一応強く反論しましたが、Amazonのマーケットプレイス保証を申請しました。そうしたら2時間も経たない内に返金処理が行われました。
ともかくこのBAE Storeという店はオーディオのど素人で、事務所にはCDプレーヤーすらありません。現象の確認をしている時にYouTubeの動画で現象が出るのを教えてくれと言って来ました。どこの世界にYouTubeの圧縮音源でHiFi機器を評価する販売店があるでしょうか。また製造元のワーフェデールとも何の連絡ルートも無いようです。今回の現象について、製造元に問い合わせてもいないようなので。

ワーフェデールの日本での正規代理店であるロッキー インターナショナルが、こうしたケースについて注意書きを上げてくれていました。

PCL86シングル超三結アンプキット→後は手配線だけ

PCL86シングル超三結アンプキット、今日はプリント配線板を取り付けるためのポストをネジ止めしたり、また電源スイッチのLEDの配線が、NKKのロッカスイッチについている絶縁用の隔壁のために、パネルに取り付けた後半田付けするのがほぼ無理ということが判明し、スイッチを外してLEDの配線だけ先にやりました。その時についでに定電流ダイオードを直列に組み込みました。乾電池2本の3Vと006Pの9Vでテストしてみましたが、どちらでも問題なく点灯しました。なお、元々付いていたミヤマのロッカがネオン照光というのは私の勘違いで、LEDでした。なのでそれをつなぐ回路には制限抵抗も入っていることを確認しました。そのためおそらく定電流ダイオードが無くとも問題なく点灯すると思いますが、念のため入れておきます。これを入れておけばDCで3Vから30Vまでの範囲であればどこにでもつなげます。
電源トランスと出力トランスも取り付けました。出力トランスは付いてきたものではなく春日無線製のより高級なものですが、サイズが入るかがちょっと心配でしたが問題ありませんでした。またこちらの方が最初からワイヤー付きで配線が楽です。
後はひたすら配線ですが、ツイストペア線(より線)を作ったりしなければならないのが大変です。

PCL86シングル超三結アンプキット→機構部品取付け

PCL86シングル超三結アンプキット、シャーシへの機構部品の取付け完了。ちなみミヤマ製のスイッチ(照光式ロッカx1、トグルx2)は全てNKK製に交換。毎回思うのですが、アンプの組み立てで一番面倒なのがこの機構部品類です。ネジ止めって結局時間が経つと緩む訳で、そうなるとシャーシを開けて締め直すことになり面倒です。

PCL86シングル超三結アンプキット→プリント配線板の実装完了

PCL86シングル超三結アンプキット、プリント配線板上への実装が全部完了しました。部品をほとんど総取っ替えで、抵抗とかカップリングコンデンサーとかかなり元のよりサイズが大きくなっており、きちんと実装出来るか不安でしたが、何とかなりました。しかし、真空管ソケットが付いたのでやっと真空管アンプぽくなりましたが、これがなかったら何の回路か分かる人は少ないでしょう。ここまでじっくり時間をかけて丁寧に作ることを心がけました。ただこれからがスイッチとかトランスとかボリュームとの接続で、なかなか大変です。