バキューム式レコードクリーナー「クリーンメイトNEO」を購入

LPレコードのクリーナーである、バキューム式レコードクリーナー「クリーンメイトNEO」を買いました。
以前は、レイカのバランスウォッシャーというクリーナーで手動でLPを洗浄していました。しかし、終った後乾かすのに結構時間がかかるのと、クリーニングする時に実際のプレーヤーを回転させてやっていたら、プレーヤーのモーターを壊してしまったという苦い思い出があります。それでこのマシンを買いました。この手の洗浄マシンは前からあるのですが、50万とかしてとても手が出ませんでした。しかし最近やっと手が届く価格になり、思いきって購入しました。
使い方は、まずLPレコードを除電シートが乗ったターンテーブルにセットし、中央のレーベル部をカバーする円盤を付けて、その上からネジ付きのクランプで固定します。そして付属の洗浄液を4ml程度盤面に垂らします。その後ターンテーブルを回転させながら、付属の細かい毛のブラシで盤面全体に洗浄液を伸ばし、そしてブラシをあまり力を入れないで細かく揺らしながらクリーニングします。どのくらいここに時間をかけるかは盤面の汚れ方によります。見た目がそんなに汚れていないものなら、2分もやれば十分です。その後、盤面に残った洗浄液とその中に含まれるゴミ類を取り除くために、右のレバーを盤面上に動かして右側のトグルスイッチを上方に倒すと、バキュームが作動してターンテーブルが回転し、残った液を吸い取ります。5回転させます。それが終わったら、最後は左のレバーを盤面上に動かして、右側のトグルスイッチを今度は下に倒すと室温の風が出て、ターンテーブルが回って盤面を乾かします。7回転で終わります。これで終了で、片面あたり3分ぐらいです。素晴らしいのは、乾燥が終わったらすぐに演奏可能であるということです。
それで改善効果ですが、ほとんどの盤で顕著な効果があり、新品同様とまではいかなくても、新品の90%ぐらいのレベルにはなります。今まで10枚くらい処理しましたが、処理後に聞くに堪えないパチパチノイズが出るものはありませんでした。
今手持ちのLPは1000枚くらいですが、少しずつクリーニングして聴き直します。レコード愛好家にはお勧めです。
なお、Amazonなどで超音波洗浄を使ったクリーナーが3万円くらいで売られていますが、オーディオ雑誌のテスト結果では、洗浄に時間がかかり、乾燥時間も必要、なおかつ効果は限定的ということでした。

バランス接続のMCトランスーPhasemation T-550

今回、サブのレコードプレーヤーを買った際に、カートリッジもいつもオーディオテクニカばかりじゃ飽きてくるので、デノンのDL-301IIを新たに買いました。昇圧のMCトランスはオーディオテクニカのAT3000Tというそれなりのものを既にオークションで中古で購入しているのですが、これの対応カートリッジが17Ωまでで、33ΩのDL-301IIは合わないことが分かりました。仕方なくこれ用のMCトランスを探して、結局比較的新しい製品であるフェーズメーションのT-550を買いました。これを最初はRCA接続していたのですが、Webサイトにこのトランスはバランス接続を前提に設計しました、などと書いてあります。RCA接続の音が悪かった訳ではありませんが(逆にAT3000Tより良かった訳でもない)、バランス接続を試してみたくなりました。ところが、片方がRCA、片方がXLRというフォノケーブルがなかなか売っていなくて(XLRとDINというのはオルトフォンから出ていました)、止む無くフェーズメーションの純正ケーブルを買おうかと思いました。ところがこのケーブルが1mで56,000円!馬鹿馬鹿しいので、更に探して、結局サウンドハウスでオヤイデの d+RXM class B/1.0という左右ペアの片方RCA、片方XLRのケーブルが3,980円で買えました。更に単体のアース線も買いました。これで問題無くバランス接続出来ました。ただ、何故かアース線については、フォノイコとトランス間も、トランスとプレーヤー間も外さないと逆にハムが出ます。(取説に稀にそういうことがある、と書いてあります。)
それで音ですが、一つ間違いない変化はSN比が非常に向上したということです。これまでのRCAケーブルでは1mと短いといえどもそれなりのノイズを拾っていたのかもしれません。ただ、ワイドレンジ感はあまりなく、若干カマボコ型の音のように思いますが、トランスというものの特性上はそういうものなのかと思います。

SPレコード用イコライザー

SPレコードを何枚か入手し、SL-1200MK7とオーディオテクニカのSP専用カートリッジのAT-VM95SPでSPを聴き始めました。しかしこの場合普通のフォノイコライザーを使うとそのカーブはいわゆるRIAAであり、これが決まったのは1954年頃でその前のSPレコードはRIAAではありません。RIAAで聴くと若干ハイ落ち、ロー上がりになります。ではSPの場合の正しいイコライザーカーブは何かというと統一されたものはなくレコード会社でばらばら、同じレコード会社でも途中で変わっていたりします。古いレコードのイコライザーカーブを調べたサイト(英語)を紹介します。

一番右のParametersの所の最初の数字がターンオーバー周波数でそれより高い周波数帯でレベルを上げていくのを開始する周波数、その後のマイナスの数字がロールオフといって、10KHz当たりの減衰させる量(再生時)(単位dB)です。

結局SPレコード用のイコライザーを持ったフォノイコライザーは、ターンオーバー周波数とロールオフをそれぞれ何種類かに切り替えられないといけません。そういう製品を探したら、個人の方の会社のようですが、合研LABという会社があり、ここのGK05monoSPというイコライザーを購入しました。価格は29,800円でした。ターンオーバー周波数が4通り、ロールオフが6通りで全部で24通りの中から選べます。使っているSP用カートリッジであるAT-VM95SPの出力電圧が比較的低い(1.4mV)ので使えるかどうか心配でしたが、ゲイン:Highの方で問題なく再生出来ました。但し若干ですが無音時にハムが出ますが、SPの演奏を始めたらマスキングされるので問題ありません。取り敢えずターンオーバー周波数を500Hz、ロールオフを-12dBにして聴いています。まああんまり厳密に考えず、それぞれのSPレコードの音質に応じて聴きやすい設定を選べばいいかと思います。(ちなみにRIAA相当は500Hz、-14dBだそうです。)ちなみに演奏中に設定を切り替えると、若干ですがポップノイズが入ります。

初SPレコード体験

STRAIGHT RECORDというWebのショップでSPレコードを二枚買いました。パハマンのショパンと織井茂子の「黒百合の歌」です。本日届きました。カートリッジを購入済のオーディオテクニカのAT-VM95SPに変えます。針圧は何と5gもかけないといけません。それでテクニクスのSL-1200MK7のDIPスイッチを78回転ありの方にして、33回転と45回転のスイッチを同時に押すと78回転になります。またSPレコードのイコライザーカーブはLPとは違うので、本当は専用のイコライザーが必要です。それは注文していて到着待ちなので、今日はアンプのトーンコントロールを使い高音を上げて、低音を下げて聴きました。話には聞いていましたが、スクラッチノイズはすごいですが、曲が始まるとそんなに気にならなくなります。それで新しく発見したのは、パハマンの方は針を音楽信号の刻まれていない外周に落としただけだといつまで経っても曲が始まらないことです。音楽信号が刻まれている溝の最初の所に正確に針を落とす必要があります。これは結構面倒でした。織井茂子の方はそんなことはなくて、LPと同じで外周に落とせば自動的に針が進んで曲が始まりました。音質は悪くないと思いました。高い方の音が途中で切れている感じですが、中音域はクリアーでした。
問題は価格が高すぎることで、この2枚だけで1万円しました。

アルゲリッチのバッハ、オリジナルと復刻盤の差

HMVからアルゲリッチのバッハの復刻のLPが届いたので、1980年盤(初出)と音質を聴き比べました。
今回の復刻版は180gの重量レコードであり、それが利いていて重心が少し低い方に移動し、中低音に関してはむしろこの復刻版の方がいいかもしれません。
しかし、高音に関しては1980年盤の方がいい意味でよく伸びていて音場もいい感じです。おそらく長岡鉄男が言うようにピアノでチェンバロらしさを出すためにイコライジングでハイ上がり気味に処理しているのかもしれません。復刻盤はこれはこれで良い録音であり価値はありますが、この復刻盤を聴いたら長岡鉄男はおそらく「小粋な録音」とは言わなかったと思います。

なお、今回の復刻盤とDSD音源は非常に似ています。もしかすると復刻盤はDSDでリマスターしたものを使っているのかもしれません。1980年盤を録音した人はもう41年経っていますから、既にグラモフォンにはいないでしょうね。なので今回の復刻盤を担当したエンジニアは元のエンジニアの意志を正しく理解していないのではと思います。まあそうであっても私が持っている1980年盤は傷が沢山入り、途中針飛びする箇所もありますので、レコードという形でもう一度入手出来たのは良かったです。

アナログレコード環境追加

今のリスニングルームに、レコード環境構築。TechnicsのSL-1200MK7というDJ御用達のプレーヤーです。ちょっとピュアオーディオとは違いますが、ピュアオーディオ用のプレーヤーはVPIのClassicというヘビーデューティーのを別に持っています。しかし今の部屋では常時レコードプレーヤーを置くスペースは無く、寝るときには片付けないといけません。そうするとVPIはあまりに重すぎ、でかすぎです。そういう訳で比較的コンパクトなこれにしました。
別にこれでDJの練習をする訳ではありません。ただ、DJが使うぐらいなので耐久性は十分にあると思います。また、私はベルトドライブとか糸ドライブって本当は嫌いで、ダイレクトドライブで起動して数秒でOKになる方が好きです。しかし一時期日本メーカーは全部撤退してやむを得ず糸ドライブのを買っていました。しかし最近のビニール復活で、テクニクスを始め何社かダイレクトドライブを出してくれています。その中でもテクニクスの復活は素晴らしいと思います。
またこのプレーヤーのもう一つの目的は、78回転がサポートされているので、オーディオテクニカのSP専用のカートリッジと組み合わせてSPレコードをこれで聞いてみようと思っています。古関裕而のCDになっていないのなんかを入手出来たらいいなと思っています。

ケーブル類の交換

最近のマイオーディオでアンプが一応FIX(アキュフェーズのプリメインアンプのE-600をプリとして使い{これ単体でプリメインアンプとして使うより超三結アンプと組み合わせた方が私好みでした}、それに音の工房のSK-60の超三結アンプの部品大幅交換品をパワーとして使う)し、スピーカーも先日ヤフオクで落としたオンキヨーのD-77NEがまあモニタースピーカーとしては優秀ではないかと思い、FIX。そしてSACDプレーヤーとUSB-DACも交換しました。そうなると残りはケーブル類ということになります。ただ私は非常に高価なケーブルの効果については疑問を持っており、ケーブルである程度良質な(良質そうな)ものを使うのは、一種の精神衛生上の問題だと思っています。それでRCAケーブルでモガミの2497という元々マイク用ケーブルだったのを使ってまあいいかなと思った(プラシボ効果ではないかとも思いますが)ので、スピーカーケーブルもモガミにしました。モガミ3104という1mあたり1,280円のケーブルを3m買って、半分に切って1.5mx2で使い、先端処理はYラグを付けました。(写真のようにゴムの被覆の中に4本のワイヤーが入っていますので、対角線同士を結線するスタガード接続にして使っています。)端子加工が非常に大変でしたが、これでまあまあ満足出来る音が鳴っています。

またPCL86入手(EUROPA80とHALTRON)

またeBayで、PCL86を2ブランド、4本入手。EUROPA80とHALTRONです。前者がドイツで後者がイギリス、どちらも商社(販売店)と思います。実際はどこで作られているかは不明です。EUROPA80の方は、gm(相互コンダクタンス)が3極部で11%、5極部で4%の違いで、まあおまけでペア管といってもいいかな、ぐらいのレベル。これに対してHALTRONの方は、3極部が29%、5極部が-12%の違いで、まったくペアとしては使えないレベルです。もっとも一緒に売っていたというだけでペア管とは称していなかったので文句は言えませんが。

MQAへの疑問

MQAというハイレゾの形式の音源を聴き始めて3日ですが、早くもこの方式はインチキではないかと思うようになりました。
左のグラフはMQAが単に圧縮形式というだけでなく、より音が良いという説明に使われているものですが、要するに従来のデジタル録音は、音の立ち上がり・立ち下がりの前後に一種のノイズが乗って、立ち上がり・立ち下がりとも丸く広がってしまうのを、MQAでは非常にシャープに出来ると言っています。
しかし、これは当然元のマスターの音をデジタル的に加工して作っている訳で、写真で言うならフォトレタッチでコントラストを上げたり、シャープネスを上げるのと似ています。しかし写真と違うのは、写真の場合は一枚一枚最適なレタッチは違い、プロの写真家であれば全ての写真に一括していつも同じシャープネスをかけたりしません。しかしMQAでは元のマスターがどのような音であるかに関わらず、常にこのような処理が入る訳です。これまでMQA-CDをリッピングしたもの2種とe-onkyoでダウンロードしたアルバム2枚でMQAの音を聴きました。私の印象では直接音がやや細身になって、間接音から分離されて聞こえるような傾向を感じました。この傾向はソースによっては好ましいでしょうが、全てのソースにいいかというと大いに疑問です。また、今使っている超三結アンプとONKYOのD-77NEの組み合わせでは、ピアノの高音がSACDやDSD音源では本当に綺麗に繊細に響きますが、MQA音源ではわずかですが、濁りみたいな歪みを感じました。もしかするとそれはMQAが上記の処理をした結果の副作用として出てきている可能性があります。実はe-onkyoで売られているMQA音源には単なるMQAとMQA Studioがあります。後者の意味が分からなかったのですが、後者は元々その音源のマスターを作った人がMQA処理した後の音を確認して承認したもの、ということみたいです。ということは、逆に言えば単なるMQAは元のマスター作成者が承認していない勝手な音の加工をしているということになります。ちなみにMQAは非可逆の処理であり、一度MQAにしたものを元の音には戻せません。
それからMQA-CDもきわめてナンセンスです。ちなみにこんなものを売っているのは日本だけです。ハイレゾのCDとしてはSACDが既にありますが、プレーヤーが最低でも9万5千円くらいするし、またPCでは再生出来ないので(ハイブッリド盤は除く)、マニア以外にはほとんど普及していません。というか既に若い人はCDを買うことをしなくなっています。そこにおいてMQA-CDをかけられるCDプレーヤーは現時点で最低16万円です。普通のCDプレーヤーにMQAフルデコーダーを組み合わせるというやり方もありますが、そのデコーダーも最低で14万円くらいです。一体誰がそんなものを買うのでしょうか。

MQAの再生

MQAファイルが再生出来るUSB-DACを購入。MQAというのはハイレゾ音源の圧縮・配信方式の一つで、従来の圧縮形式より大幅にファイルサイズが小さくなるのが特長です。またMQAファイルを通常の音楽ファイルと一緒に入れたCDも発売されています。再生にはMQAに対応したCDプレーヤーを使うか、CDプレーヤーから光デジタルファイルや同軸でデジタル出力したものをMQAデコーダーのついたDACにつないで再生します。そうなんですが、今回買ったものはこのCDからの出力ではMQA再生が出来ないようです。今調べたらそれが出来るデコーダは最低12万円くらいします。これは普及しないわな…一応、最初からMQAも再生出来るCDプレーヤーも売られていますが、これだけのために買い換える気は当然しません。それにこの規格始まってからもう4年ぐらい経っていますが、現在発売されているMQAのCDはたったの400タイトルぐらい。それも新録音ではなくて、いわゆる疑似ハイレゾです。なお、MQA対応CDをWAVやFLACなどのロスレスの形式でリッピングすれば、MQAファイルとして認識されます。(まあそんな面倒なことするくらいだったら、CD買わないでダウンロードした方が早いです。)
e-onkyoなどで売っているMQA音源や、上記のMQA付きCDをリッピングしたものでのMQAでの再生は出来ています。MQAだと1アルバムのダウンロードが数分で終ります。(DSDの11.2MHとかだと、私の環境で20分以上かかります。)
ちなみにプレーヤーはfoobar2000はOKですが、SONYのMusic Center for PCではMQAを再生するとflac再生になってしまいます。まあ別に音質上差はないんですが。