手持ちのLPレコード、全部で1,051枚のクリーニングマシンによる洗浄がこのお盆休みで完了しました。内50枚くらいは新盤を買ったものなので、約1,000枚せっせと洗ったことになります。5月の中旬から始めて3ヵ月かかりました。1日平均12~15枚くらいです。なお、メーカーによると、1回に洗浄する枚数は最大30枚くらいまでだそうです。それ以上続けてやると、モーターが熱を持って故障の原因になるらしいです。洗浄液は私はかなり多めにジャブジャブという感じで使ったので、5本くらいを使いました。なお写真ではあまり目立ちませんが、これ以上に白く泡立つくらいゴシゴシやった方がいいです。付属のブラシではかなり力を入れても、盤面に傷がついたりはしませんでした。なおA面が終ってB面をクリーニングした後、洗浄済みのA面の端にクリーニング液が残る場合がありますが、ティッシュで拭き取れば大丈夫です。もう一度バキュームをかけるという手もありますが面倒です。
洗浄したLPレコードは元の状態にもよりますが、かなりいい状態になり、プチプチノイズは激減します。場合によってはほとんど新品同様になるのもかなりあります。
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電蓄によるSPレコードの音
日本ラジオ博物館で見せて(聴かせて)もらった電蓄です。
元々個人の方が組み立てたもの。昭和29年頃のようです。蓄音機部、ラジオ部、スピーカー、アンプ部、筐体が別々に売られていて、アンプ部は自分で組み立てる人も多かったようです。この電蓄のアンプ部が館長が新しく真空管のプッシュプルアンプを作ってつないだものだそうです。
でこれで聴いたSPレコードの音がなかなか良かったです。スピーカーは16cmのフルレンジで、高域は8KHzくらしか出ませんが、それが逆にSP特有の針音を目立たなくして良かったです。今最新のHiFi機器につないでSPを聴くとかなり貧弱に聞こえますが、当時の人はもっといい音で聴いていたということですね。
なお、カートリッジは電磁式ですが、針は機械式の蓄音機の鉄針をそのまま使っていました。針圧は10gくらいとのことです。(機械式蓄音機の針圧は100gくらいです。また私が使っているSP用カートリッジの針圧は5gです。)
日本ラジオ博物館再訪
結局今日は松本に行って日本ラジオ博物館を再度訪ね、岡部館長に濃い話を2時間以上も伺い有益でした。(ちなみに前回の時とは場所が変わっています。)そして今回は岡部さんがアキュフェーズにお勤めとのことでそちらの話も色々とお聞きしました。アキュフェーズは真空管アンプをやらないんですか、と聞いたら、創業社長の春日二郎氏(元トリオ社長)がとにかく新しいことが好きで過去のことを振り返るのが嫌いだったということです。それで日本で最初のトランジスターのオーディオアンプをトリオが出したのですが、その時にこれからは半導体で行くということで、社内にあった真空管の在庫を全て処分させたそうです。逆にD級アンプ(デジタルアンプ)はやらないんですか、と聞いたら、既にAVアンプで実績があるそうです。しかしD級アンプで本当にいい音を出そうとすると非常に大がかりになるので今はやっていないとのことでした。
P.S.トリオが最初のトランジスターだけによるアンプTW-30を発売したのは1962年です。この時点で真空管を捨てて全て半導体で行く決断をしたというのはすごいと思います。
シャルランのLP
中野英男さんの「音楽 オーディオ 人々」という本の中に、トリオが日本で販売していたシャルランレーベルの話が出てきます。それを読んで「あれ、シャルランって持ってなかったっけ」と思いました。しかしその時は確かめていませんでした。今回、5月から3ヵ月かけて例のクリーニングマシンで手持ちのLPレコード約1,000枚を洗いました。それで棚卸しも出来て、シャルランのLP3枚を確かに所有していたことが確認出来ました。ORTF四重奏団のフォーレの室内楽です。現在このLP3枚はCD2枚組で復刻されています。今何十年かぶりに聴いていますが、うーん、高音質という感じはあまりしないですね。非常に自然な録音ということは確かですが、テープのヒスノイズが若干目立ちますし、また強音では音が少し歪んでいるように思います。私としては仏ハルモニアムンディやエラートの方が好みです。
LUXMANの真空管プリアンプCL-38uを導入
メインのシステムのプリアンプについては、色々試行錯誤していて、真空管アンプで3種類(エレキット、サンバレー。中華アンプ)試しましたが、どれもそれぞれに問題があり、暫定的に半導体アンプであるアキュフェーズのE-600のプリ部を使っていました。(フォノイコライザーはオプションボードのAD-50)
超三結アンプの時はこの組み合わせは結構良かったのですが、今回パワーアンプをKT88全段差動プッシュプルアンプに変えましたが、この組み合わせだと、若干音が硬質になりました。(全段差動プッシュプルアンプが定位が良くて音が引き締まった感じになりますが、それがある意味真空管らしさを減じている部分があります。)それで最後のボーナスももらったので、マッキントッシュのC8、上杉研究所のU・BROS-2011Pと、LUXMANのCL-38uを検討しました。条件は、(1)フォノイコ付き(2)バランス入力有り(3)リモコン付き(4)適当な価格、で比較して結局(4)の要素が一番効いてLUXMANのCL-38uを購入しました。さすがにいいお値段だけあって、今までの真空管プリとは大違いでした。パーツ類も良質なものを使っているようです。また操作感もなかなかいいです。ただリモコンが音量とミュートだけなんで。、出来れば入力切替えも欲しかったです。全段差動プッシュプルアンプとの組み合わせでは、若干ですがE-600に比べて柔らかさが戻ったと思います。なおフォノイコはMMポジションのみで使い、別に昇圧トランスを使っています。
サンチャゴ・ナバスケスの「ギター音楽の3世紀」
私の愛聴盤、サンチャゴ・ナバスケスの「ギター音楽の3世紀」。(Eurodisk)
バチバチノイズだらけになっていたのが、クリーニングマシンによる洗浄で蘇りました。特筆すべきは演奏もですがむしろ録音。きわめて間接音の多い録音でおそらく小さな教会とかで床も壁も石だと思います。その間接音と直接音の混じり具合が絶妙です。全段差動プッシュプルアンプの良好な定位と相性が良いようです。長い間、このギタリストがどういう人なのか分かりませんでしたが、さすがインターネットで情報がありました。1933年生まれのスペインのギタリストです。10枚くらいレコードを出していたようです。
MCカートリッジの値上がりの原因
これはオーディオテクニカのAT33EVというMCカートリッジです。私はこのカートリッジが気に入ってこれまで4回購入しています。その価格がAmazonで40,000円弱だったのが、今は何と59,000円くらいになっています。実に1.5倍です。オーディオテクニカだけでなく他の会社のカートリッジも値上げになっていて、例えばデノンのDL-103というNHK御用達のカートリッジがありますが、これは私の学生時代には14,000円くらいでした。それが今は3万円以上です。
カートリッジの原価に影響するのはコイルの銅線、磁石材料とダイヤモンド、さらにはカンチレバーの材料のボロンやベリリウム、ジュラルミン等ですが、銅と希土類磁石が要するに電動自動車が普及しだしてモーターの需要が急増して値上がりしているみたいです。昇圧トランスの類いも値上がりしていると思います。
フィデリックスのアウター・スタビライザー
反りのあるLPレコードを再生する時に有用なのが、このフィデリックスのアウター・スタビライザーです。ご覧になって分かるようにレコード盤の外周に載せるスタビライザーです。反りのあるレコードをフラットにする手段としては、1980年代に吸着ターンテーブルというのが一時流行りました。それはつまりターンテーブルとレコードの間の空気をポンプで抜いて、レコードをターンテーブルに密着させるものでした。しかしその欠点は吸着に時間がかかり、レコードの片面毎に行うのは面倒であるというのと、もう一つはレコードの表面のホコリを出来る限り取り除かないと、場合によっては真空圧着でそのゴミをレコード盤に食い込ませて取れなくする、というのがあります。そういう欠点と、後数年後にCDの時代が始まった関係で、今は吸着ターンテーブルは見かけません。それに対してこのアウター・スタビライザーは載せるだけなので簡単です。また外周を押さえるだけなんでホコリを食い込ませたりすることもありません。欠点は、センター出しが結構面倒で、レコードの径のバラツキを考え多少大きめに作ってあるため、センターを出すためには何回かトライして調整する必要があります。また重さが十分ではなく、ひどい反りは取り切れません。またこれが一番の欠陥ですが、ターンテーブルの形状によっては使用出来ません。つまりターンテーブルの外周が垂直になっている部分がある程度あるタイプでないとダメです。ただ、お使いのターンテーブルが使える形状なら、持っていて損はないと思います。
KT88全段差動プッシュプルアンプ用真空管ガード
KT88全段差動プッシュプルアンプに、自家製真空管ガードを追加。前もやったことありますけど、Amazonで売っている金属メッシュのペン立てを改造しています。とても簡単。真空管の保護もありますけど、このアンプ常に最大電流が流れていて真空管がかなり熱くなるため、火傷防止でもあります。