ヤフオクで、SPレコード28枚を21,000円+送料で落札。前回SPレコード1枚を落札した分は、届いてみたら端部が割れておりまた盤面に7cmもある大きな傷で本当にひどかった(結局、「非常に悪い」評価を付けたらようやく返金に応じました)のに比べると、今回の本当に素晴らしいです。中にはほとんど新品同様のものまであります。中身は雑多ですが、「エール」で音さんのライバルだった夏目さんのモデルである関屋敏子とか、音さん(古関金子)の歌の先生だったベルトラメリ能子のものが混じっています。また高英男のシャンソンとか、民謡、君が代まであります。当分楽しめそうです。
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レコードプレーヤー用便利アイテム
レコードプレーヤー用に便利なアイテムで、もう40年近く使っているものを紹介します。
左はいわゆるスタビライザーで、プレーヤーのスピンドルに挿して、レコードとターンテーブルシートの密着性を上げてスリップを防止したり、共振を抑えたり、レコードの反りを矯正するために使います。良くあるのが単に重しみたいな重量のあるものですが、このタイプは当然のことながらプレーヤーの大切なモーターにとっては有害です。かといって軽すぎるとレコードを上手く押さえられません。オルソニックのDS-250はおそらく500g程度の軽さですが、注目すべきはスピンドルを通す所がコレットチャックといって一種の金属の爪が、スタビライザーの真ん中を押すことで開き、手を放すと爪が閉まってしっかりスピンドルに食いつきます。これによってユーザーは、このスタビライザーを固定する上下の位置を自由に調整出来ます。重さだけのスタビライザーではそれを使うと却ってレコードの周辺部が浮いてしまうということが起きます。しかしこのスタビライザーなら丁度いい所に固定することが出来ます。実は私が使っているVPIのClassicというターンテーブルに同じような考え方のスタビライザーが付属しています。しかしそれはコレットチャックではなくネジが切ってあって、同じVPIのターンテーブルのスピンドルにもネジが切ってあるため、このスタビライザーはスピンドルにねじ込むことが出来、好きな位置で止められます。しかし手間を考えたらコレットチャック式の方がはるかに簡単です。今売っているスタビライザーは、何故かこの方式のものは見当たりません。ヤフオク等でこのDS-250が売られているようですので、適価で落札出来るのであればお勧めします。
右はマクセルのSC-441という電動式スタイラスクリーナーです。円形の部分が非常に細かい毛を集めたブラシになっていて、スイッチを入れるとこれが高速に上下に振動します。要はブザーで音を鳴らす代りにブラシを動かすようにしただけだと思います。カートリッジの針(スタイラス)のクリーニングは、アルコール系のクリーナーを刷毛につけて拭いたりしますが、針にピッチみたいな粘着物が付いた場合にはそうした手動クリーニングで綺麗にすることは難しいです。でもこの電動スタイラスクリーナーを使うと30秒くらいでかなり綺麗に出来ます。ボタン電池でブザーの原理でブラシを動かすというシンプルな作りのせいか、買ってからほぼ40年経ちますが、今でも立派に現役です。ちなみに最初に付いていたクリーニング液はとっくに無くなっていますが、私はナガオカのスタイラスクリーナーの液をブラシに付けて使っています。この方式の電動式スタイラスクリーナーは、その後市場には出てきませんでしたが、ようやく最近になってドイツのFLUX Hi-Fiという会社が同様のものを出しています。しかし価格は2万3千円くらいします。
レコードプレーヤー2台体制
VPIのターンテーブルを現リスニングルームに設置
これだけまたレコードを聴くようになると、テクニクスのSL-1200MK7には十分満足していますが、折角高級なレコードプレーヤーを持っていて使っていないというのは気に掛かるようになりました。それで色々考えて、ヤマハの耐荷重120Kgのごついラックを導入。そしてその下に耐荷重100Kgの台車を入れ、簡単に移動させることが出来るようにしました。これで寝るときだけ別の場所に移動させます。ついでにテクニクスのSL-1200MK7も下段に置きました。
久しぶりに使ってみたVPIのプレーヤーですが、音質は確かによくて音場の土台が非常に安定しています。しかし操作的にはイマイチで、ターンテーブルの回転を止めるには電源スイッチを切るしかなく、ボリュームを上げたままだとポップノイズが出ます。また針圧調整に目盛りとかは無く、針圧計を使わないといけません。この辺り、値段の割りにはプアー感が漂います。その点、テクニクスのSL-1200MK7の操作性は長年世界のDJに愛用されているだけあって、とてもこなれています。まあ本当に一長一短です。今後、モノラル、ジャズでSPUを使う時、78回転のSPを掛けるときにはテクニクス、そうでない時はオーディオテクニカのAT33EVを付けたVPIということになりそうです。
ちなみに横に映っているダストカバーは、付属品ではなく、アクリルの加工屋さんに簡単な図面を渡して作ってもらった特注品です。
オルトフォンのSPUデビュー
オルトフォンのSPU#1Sカートリッジを使い始めました。オルトフォンのSPUというのは1959年から発売されている、MC型カートリッジのいわば元祖です。シェル一体型で針圧4gというヘビー級で30gもあって通常のアームでは使えないのですが、幸いにもサードパーティーがSL-1200用のサブウェイトを売っていたのでそれを用いました。何とオルトフォン自体がSL-1200でSPUを使うにはというYouTube動画を公開していました。
今聞いていますが、いわゆるピラミッド型のどっしりした音場で非常に安定感と安心感のある音です。一方で高域の分解能などは最新のMCカートリッジには及びません。今パワーアンプとして使っている先日組み立てた超三結アンプが、ちょっと高域に色付けをして、ピアノの高音などは非常にきれいに響く一方で、弦の音がちょっと堅めになることがありますが、このカートリッジを使うと丁度良くなるように思います。
どちらかというと期待しているのはクラシック音楽ではなく、ジャズ、それも1950年代のモノラルの奴です。
バキューム式レコードクリーナー「クリーンメイトNEO」を購入
LPレコードのクリーナーである、バキューム式レコードクリーナー「クリーンメイトNEO」を買いました。
以前は、レイカのバランスウォッシャーというクリーナーで手動でLPを洗浄していました。しかし、終った後乾かすのに結構時間がかかるのと、クリーニングする時に実際のプレーヤーを回転させてやっていたら、プレーヤーのモーターを壊してしまったという苦い思い出があります。それでこのマシンを買いました。この手の洗浄マシンは前からあるのですが、50万とかしてとても手が出ませんでした。しかし最近やっと手が届く価格になり、思いきって購入しました。
使い方は、まずLPレコードを除電シートが乗ったターンテーブルにセットし、中央のレーベル部をカバーする円盤を付けて、その上からネジ付きのクランプで固定します。そして付属の洗浄液を4ml程度盤面に垂らします。その後ターンテーブルを回転させながら、付属の細かい毛のブラシで盤面全体に洗浄液を伸ばし、そしてブラシをあまり力を入れないで細かく揺らしながらクリーニングします。どのくらいここに時間をかけるかは盤面の汚れ方によります。見た目がそんなに汚れていないものなら、2分もやれば十分です。その後、盤面に残った洗浄液とその中に含まれるゴミ類を取り除くために、右のレバーを盤面上に動かして右側のトグルスイッチを上方に倒すと、バキュームが作動してターンテーブルが回転し、残った液を吸い取ります。5回転させます。それが終わったら、最後は左のレバーを盤面上に動かして、右側のトグルスイッチを今度は下に倒すと室温の風が出て、ターンテーブルが回って盤面を乾かします。7回転で終わります。これで終了で、片面あたり3分ぐらいです。素晴らしいのは、乾燥が終わったらすぐに演奏可能であるということです。
それで改善効果ですが、ほとんどの盤で顕著な効果があり、新品同様とまではいかなくても、新品の90%ぐらいのレベルにはなります。今まで10枚くらい処理しましたが、処理後に聞くに堪えないパチパチノイズが出るものはありませんでした。
今手持ちのLPは1000枚くらいですが、少しずつクリーニングして聴き直します。レコード愛好家にはお勧めです。
なお、Amazonなどで超音波洗浄を使ったクリーナーが3万円くらいで売られていますが、オーディオ雑誌のテスト結果では、洗浄に時間がかかり、乾燥時間も必要、なおかつ効果は限定的ということでした。
バランス接続のMCトランスーPhasemation T-550
今回、サブのレコードプレーヤーを買った際に、カートリッジもいつもオーディオテクニカばかりじゃ飽きてくるので、デノンのDL-301IIを新たに買いました。昇圧のMCトランスはオーディオテクニカのAT3000Tというそれなりのものを既にオークションで中古で購入しているのですが、これの対応カートリッジが17Ωまでで、33ΩのDL-301IIは合わないことが分かりました。仕方なくこれ用のMCトランスを探して、結局比較的新しい製品であるフェーズメーションのT-550を買いました。これを最初はRCA接続していたのですが、Webサイトにこのトランスはバランス接続を前提に設計しました、などと書いてあります。RCA接続の音が悪かった訳ではありませんが(逆にAT3000Tより良かった訳でもない)、バランス接続を試してみたくなりました。ところが、片方がRCA、片方がXLRというフォノケーブルがなかなか売っていなくて(XLRとDINというのはオルトフォンから出ていました)、止む無くフェーズメーションの純正ケーブルを買おうかと思いました。ところがこのケーブルが1mで56,000円!馬鹿馬鹿しいので、更に探して、結局サウンドハウスでオヤイデの d+RXM class B/1.0という左右ペアの片方RCA、片方XLRのケーブルが3,980円で買えました。更に単体のアース線も買いました。これで問題無くバランス接続出来ました。ただ、何故かアース線については、フォノイコとトランス間も、トランスとプレーヤー間も外さないと逆にハムが出ます。(取説に稀にそういうことがある、と書いてあります。)
それで音ですが、一つ間違いない変化はSN比が非常に向上したということです。これまでのRCAケーブルでは1mと短いといえどもそれなりのノイズを拾っていたのかもしれません。ただ、ワイドレンジ感はあまりなく、若干カマボコ型の音のように思いますが、トランスというものの特性上はそういうものなのかと思います。
SPレコード用イコライザー
SPレコードを何枚か入手し、SL-1200MK7とオーディオテクニカのSP専用カートリッジのAT-VM95SPでSPを聴き始めました。しかしこの場合普通のフォノイコライザーを使うとそのカーブはいわゆるRIAAであり、これが決まったのは1954年頃でその前のSPレコードはRIAAではありません。RIAAで聴くと若干ハイ落ち、ロー上がりになります。ではSPの場合の正しいイコライザーカーブは何かというと統一されたものはなくレコード会社でばらばら、同じレコード会社でも途中で変わっていたりします。古いレコードのイコライザーカーブを調べたサイト(英語)を紹介します。
一番右のParametersの所の最初の数字がターンオーバー周波数でそれより高い周波数帯でレベルを上げていくのを開始する周波数、その後のマイナスの数字がロールオフといって、10KHz当たりの減衰させる量(再生時)(単位dB)です。
結局SPレコード用のイコライザーを持ったフォノイコライザーは、ターンオーバー周波数とロールオフをそれぞれ何種類かに切り替えられないといけません。そういう製品を探したら、個人の方の会社のようですが、合研LABという会社があり、ここのGK05monoSPというイコライザーを購入しました。価格は29,800円でした。ターンオーバー周波数が4通り、ロールオフが6通りで全部で24通りの中から選べます。使っているSP用カートリッジであるAT-VM95SPの出力電圧が比較的低い(1.4mV)ので使えるかどうか心配でしたが、ゲイン:Highの方で問題なく再生出来ました。但し若干ですが無音時にハムが出ますが、SPの演奏を始めたらマスキングされるので問題ありません。取り敢えずターンオーバー周波数を500Hz、ロールオフを-12dBにして聴いています。まああんまり厳密に考えず、それぞれのSPレコードの音質に応じて聴きやすい設定を選べばいいかと思います。(ちなみにRIAA相当は500Hz、-14dBだそうです。)ちなみに演奏中に設定を切り替えると、若干ですがポップノイズが入ります。
初SPレコード体験
STRAIGHT RECORDというWebのショップでSPレコードを二枚買いました。パハマンのショパンと織井茂子の「黒百合の歌」です。本日届きました。カートリッジを購入済のオーディオテクニカのAT-VM95SPに変えます。針圧は何と5gもかけないといけません。それでテクニクスのSL-1200MK7のDIPスイッチを78回転ありの方にして、33回転と45回転のスイッチを同時に押すと78回転になります。またSPレコードのイコライザーカーブはLPとは違うので、本当は専用のイコライザーが必要です。それは注文していて到着待ちなので、今日はアンプのトーンコントロールを使い高音を上げて、低音を下げて聴きました。話には聞いていましたが、スクラッチノイズはすごいですが、曲が始まるとそんなに気にならなくなります。それで新しく発見したのは、パハマンの方は針を音楽信号の刻まれていない外周に落としただけだといつまで経っても曲が始まらないことです。音楽信号が刻まれている溝の最初の所に正確に針を落とす必要があります。これは結構面倒でした。織井茂子の方はそんなことはなくて、LPと同じで外周に落とせば自動的に針が進んで曲が始まりました。音質は悪くないと思いました。高い方の音が途中で切れている感じですが、中音域はクリアーでした。
問題は価格が高すぎることで、この2枚だけで1万円しました。
アルゲリッチのバッハ、オリジナルと復刻盤の差
HMVからアルゲリッチのバッハの復刻のLPが届いたので、1980年盤(初出)と音質を聴き比べました。
今回の復刻版は180gの重量レコードであり、それが利いていて重心が少し低い方に移動し、中低音に関してはむしろこの復刻版の方がいいかもしれません。
しかし、高音に関しては1980年盤の方がいい意味でよく伸びていて音場もいい感じです。おそらく長岡鉄男が言うようにピアノでチェンバロらしさを出すためにイコライジングでハイ上がり気味に処理しているのかもしれません。復刻盤はこれはこれで良い録音であり価値はありますが、この復刻盤を聴いたら長岡鉄男はおそらく「小粋な録音」とは言わなかったと思います。
なお、今回の復刻盤とDSD音源は非常に似ています。もしかすると復刻盤はDSDでリマスターしたものを使っているのかもしれません。1980年盤を録音した人はもう41年経っていますから、既にグラモフォンにはいないでしょうね。なので今回の復刻盤を担当したエンジニアは元のエンジニアの意志を正しく理解していないのではと思います。まあそうであっても私が持っている1980年盤は傷が沢山入り、途中針飛びする箇所もありますので、レコードという形でもう一度入手出来たのは良かったです。