原子力潜水艦シービュー号の第3シーズンに入る前に、ちょっと気分転換で「600万ドルの男」の第1話(パイロット版)を観ました。意外と地味でした。後になると出てくるスティーブが機械化された部分を使う時に出てくる効果音とか画面がまだ使われていません。またスティーブも手術後素直に自分の状態を受け入れた訳ではなく、色々と葛藤しています。しかし、サイボーグ009とかのサイボーグに比べると、機械化されているのは両足と左腕と左目だけで非常に中途半端な感じがします。左腕に原子力エンジン入れてモーターを回してパワーを出していても、それを支える胴体の部分が普通の人間だったら保たないような気がしますが。
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原子力潜水艦シービュー号の第2シーズンのまとめ
原子力潜水艦シービュー号の第2シーズンのまとめです。放送年は1965年から1966年にかけてで、全26話です。各話のタイトルは、Jonah and the Whale, Time Bomb, …And Five of Us are Left, The Cyborg, Escape from Venice, The Left-Handed Man, The Deadliest Game, Leviathan, The Peacemaker, The Silent Saboteurs, The X Factor, The Machies Strike Back, The Monster from Outer Space, Terror on Dinosaur Island, Killers of the Deep, Deadly Creature Below!, The Phantom Strikes, The Sky’s on Fire, Graveyard of Fear, The Shape of Doom, Dead Men’s Doubloons, The Death Ship, The Monster’s Web, The Menfish, The Mechanical Man, The Return of the Phantom です。
第2シーズンの最大の特長はなんといっても、フライングサブという新しいメカが追加になったことです。このフライングサブはシービュー号から発進出来、海中だけでなく空中も高速に飛行出来るという優れもので、シービュー号だとどうしても移動に時間がかかってしまう、という制約を取り除いて、ストーリーの幅を拡げてくれたと思います。もっともフライングサブの羽の部分の面積は極めて少なく、いくら強力なジェットエンジンでも、空中を飛行するのは無理に思いますが、まあそれを言えばサンダーバード2号だってそうですから、野暮は言わないことにします。また、フライングサブの搭載に合わせ、シービュー号自身にもレーザーが装備され、近距離の敵相手には威力を発生するようになりました。レーザーはフライングサブにも装備されています。
それから、第2シーズンのもう一つの特長は、007を始めとするスパイ物が当時全盛だった影響を受けて、それを安っぽく真似したようなストーリーがいくつかあることです。名優リチャード・ベースハートにショーン・コネリーみたいな役を演じさせるのにはかなり違和感がありました。
さらにもう一つの特長は、「ネタに困ったら怪物を出す」ということで、全26話の内、実に9回がこの手の怪物がらみです。(大クジラ(2回)、巨人、宇宙生物、謎のへドラに似た怪物、巨大電気クラゲ、巨大海中グモ、半魚人、恐竜)デヴィッド・ヘディスンがインタビューで嘆いていたように、こうした怪物の登場する回はストーリーが単純になり、俳優達が演技をする余地がほとんど無くなってしまいます。おそらく、怪物を出すと視聴率が一時的に上がったのかもしれませんが、ちょっと安易と言わざるを得ません。多分第3シーズン・第4シーズンではこの傾向がもっとひどくなるんじゃないかと思います。
最後に、回数として沢山はありませんが、第1シーズンで目立った「冷戦もの」に加え、第2シーズンではアメリカ内部での権力争いみたいな話があり、なかなか興味深かったです。
第2シーズンで個人的に一番良かったと思う話は、”The Killers of the Deep”ですね。シービュー号自体はあまり活躍しないのですが、ネルソン提督が駆逐艦の艦長代行となり、某国の潜水艦と戦う話です。
原子力潜水艦シービュー号の”The Return of the Phantom”
原子力潜水艦シービュー号の”The Return of the Phantom”を観ました。タイトル通り、”The Phantom Strikes”’(第一次大戦の時のドイツのUボートの艦長の亡霊がクレーン艦長の肉体を乗っ取ろうとする話)の続篇です。ということは”The Phantom Strikes”の視聴率が良かったのでしょうか。しかし、個人的にはあの話をまた引っ張るのはちょっと止めてくれよ、という感じです。今回はネルソン提督はクルーガー艦長の脅しに屈し、クレーン艦長を銃で撃ち、瀕死の状態になったクレーンの肉体はクルーガーに乗っ取られてしまいます。しかし、チップ副長は、原潜には必要の無い浮上をクルーガー艦長が乗っ取ったクレーン艦長が命じたことで、クレーン艦長が本人ではないことに気がつきます。それで肉体を手に入れたクルーガーがやりたかった事は、昔ハワイの近くの島で出会った女性との愛を復活させることで、その女性も当然とっくに死んでいますが、クルーガーは生きているダンサーの女性をその女性の墓に連れて行き、その女性も蘇らせようとします。最後はシービュー号のミサイルが島を吹っ飛ばして、クルーガーもその女性の霊も一緒に消滅します。(クレーン艦長と拉致された女性はネルソン提督が助け出しました。)
これで第2シーズンは終わりです。第1シーズンの時もそうでしたが、オマケでデイヴィッド・ヘディスンのインタビューがついています。アーウィン・アレンは名セールスマンで名プロデューサーだが良い監督ではなく、特に生身の俳優達とのコミュニケーションが取れず、またユーモアの感覚もほとんど無かったことが暴露されています。またシービュー号の後半の2年間では奇妙な怪物のオンパレードで、せっかく集められた俳優達は自分達の演技がほとんど無用のものとなって、フラストがたまっていた、と告白しています。
原子力潜水艦シービュー号の”The Mechanical Man”
原子力潜水艦シービュー号の”The Mechanical Man”を観ました。この回またもネルソン提督の登場無し。ワシントンで大統領との秘密会議に参加しているから、ということですが、おそらく病気だったのかあるいはシービュー号の荒唐無稽路線に嫌気が差してきたのか。また、この回嬉しいのは、狂ったアンドロイド役に、タイムトンネルのトニー役のリチャード・ダレンがゲストスターとして出ていることです。これでタイムトンネルの俳優は3人目です。でもそのアンドロイドの「回路(?)」がご覧のようにとてもチャチ。このアンドロイドは写真の左側の博士に作られたものですが、サブテラニウム113という海底から取り出した新元素のエネルギーの力でパワーを強大化させ、色んな能力(電撃発射とかテレパシーまで)を身につけ、クレーン艦長以下を翻弄します。このサブテラニウム113の発掘のため、ドリルでマントル層に達する穴を開けてしまったため、世界各地で火山が活性化し、ベスビオ火山や富士山までが噴火し始めたというニュースが伝えられます。最後はアンドロイドを作った博士が、アンドロイドがサブテラニウム113からエネルギーを得る際に必要なサングラスを壊してなんとかアンドロイドを倒します。
原子力潜水艦シービュー号の”The Menfish”
原子力潜水艦シービュー号の”The Menfish”を観ました。タイトル通り、今回は半魚人です。既に「両生類人間」と言うのはありましたが、今回のは人間の脳の一部を魚に入れて、何かの放射線みたいなのを当てると半魚人に変化するというものです。問題はその脳を採取する人間で、場合によっては死んでしまいますが、開発した博士はマッドサイエンティストで、勝手に犠牲者を捕まえて実験しています。
この回は何故かネルソン提督はワシントンに呼ばれて不在という設定で、替わりに乗り込んで来た提督は、タイムトンネルの第1回で、タイムトンネルのプロジェクトを中止するかどうか視察にやってきた議員を演じていた人です。マッドサイエンティストは最初の一匹に飽き足らず、シービュー号のクルーを二人勝手に捕まえてもう二匹半魚人を作りますが、こちらはクレーン艦長の機転で殺されます。で残った一匹が過剰な放射線(か何か)を浴びてシービュー号を超えるサイズに巨大化しシービュー号を襲うという定番的パターンです。最後は提督がフライングサブのレーザーで巨大化した半魚人を攻撃して倒します。しかし、第2シーズンも終わりに近づいて、段々荒唐無稽化が進行しているように思います。
スタートレックのオリジナルシリーズの”Shore Leave”
60年代のSFドラマというと、アーウィン・アレンだけではなく、これは絶対に外せない、ということで、スタートレックのオリジナルシリーズのブルーレイを購入。
それで最初に観たのが”Shore Leave”(船員に与えられる「上陸許可」の意味)で、何故これかというと、セオドア・スタージョンが脚本書いた話が、オリジナルシリーズの中に2本あって、1本はトレッキーには有名な、いつも冷静なバルカン星人が結婚期にはおかしくなって、カーク船長とミスター・スポックが決闘する、という話です。もう1本がこの”Shore Leave”で、確か日本語吹き替えでの題名は「おかしなおかしな遊園惑星」だったと思います。まあストーリーは省略しますが、スタージョンらしいちょっと不思議な、でも悪者が出てこないほのぼのドラマになっていると思います。日本の初期のSFアニメ、エイトマンとかスーパージェッターとかは当時の若いSF作家が多数脚本に参加していたのは有名ですが(豊田有恒、辻真先、筒井康隆、光瀬龍といった辺り)、アメリカではアーウィン・アレンのドラマもこのスタートレックも本物のSF作家の登場は少ないです。特にスタートレックはジーン・ロッデンベリー自体が元々脚本家なんで多くの話の脚本を自分で書いています。そんな中で例外がスタージョンが書いた2本と、後1本フレデリック・ブラウンが書いたものがあります。
シオドア・スタージョンの「原子力潜水艦シービュー号」ノベライズ版
Wikipediaで「原子力潜水艦シービュー号」のノベライズ版が出ていることを知り、どんなものかと古書店サイトで購入してみました。中を見たら、映画の「地球温暖化エディション」の小説化でした。私はあの映画版、一応観ましたけどあまりいいと思っていないので、多分これは読まないと思います。ただ、面白いのが書いたのがSF作家のシオドア・スタージョンだということです。(この本での表記は「シオドー・スタージョン」、「人間以上」が代表作で、それは石ノ森章太郎の「サイボーグ009」の設定のベースになっています。)スタージョンは、スター・トレックのファーストシーズンでも2本脚本を書いています。1本はこの間観た、やって来た人の願望を現実化する遊園地惑星の話、もう1本は一部で有名ないつも冷静なバルカン星人が一生で一回おかしくなる婚姻の話で、ミスター・スポックもおかしくなり、婚約者を賭けてカーク艦長と戦う、という変な話です。
原子力潜水艦シービュー号の”The Monster’s Web”
原子力潜水艦シービュー号の”The Monster’s Web”を観ました。タイトル通り巨大海中グモが登場し、科学者のガントが開発した新しい燃料を使った高速潜水艦のテスト中に、テスト艦の艦長が判断を誤り、その巨大海中グモの蜘蛛の巣にテスト艦は突っ込んでしまいます。ガントは奇跡的に助かりましたが、ネルソン提督はその燃料が海水に触れ水圧がかかると大爆発を起こすことを指摘します。テスト艦に残された燃料が爆発すると何百万人も死ぬことになります。
でこのガントが何とか大グモを倒そうとして躍起になる、というのは巨大クジラの時の話と同じパターンです。
この回で面白いのはネルソン提督はフライングサブが大グモに捕まって逃げだそうとした時に、ガントが無理なパワーをかけてフライングサブを一部爆発させてしまい、そのショックでネルソン提督が気絶してしまいます。従って話の半分くらいがネルソン提督無しで進むという珍しいパターンです。
結局活躍したのはガントの方で、勝手な判断ながら自分の開発した燃料で大グモを倒します。
後奇妙なのはシービュー号って本当に原子力エンジンなのかということです。ガントはクレーン艦長に自分の燃料を使えばシービュー号なら90ノット(時速167Km)出せる、と言います。原子力エンジンなら、別の燃料を使えたりしない筈ですが…大体良く考えると、「原子力潜水艦」と言っているのは日本語吹き替え版だけで、もしかすると最初から核エンジンという設定はなかったのかも。
原子力潜水艦シービュー号の”The Death Ship”
原子力潜水艦シービュー号の”The Death Ship”を観ました。出だしは緊迫感があって、シービュー号がいきなり正体不明の潜水艦に追われ、その潜水艦が魚雷を発射します。かろうじてかわしたシービュー号は逆にホーミング魚雷を発射しますが、その潜水艦はホーミング魚雷の回避装置を備えていて難なく攻撃をかわし、また魚雷を発射します。クレーン艦長はネルソン提督の許可が必要な超音波魚雷の発射を独断で命じ、何とかその潜水艦(無人のドローン潜水艦)を撃破します。
そこからちょっと話が変になって、シービュー号に新たに取り付ける自動運転装置を実験するために、いつものクルーは全て退船し、その替わりに科学者10人が乗り込みます。そして深海で自動運転の実験中に、突然シービュー号のパワーがダウンし、計器類が火を吹き、シービュー号はコントロール不能になります。シービュー号の上部にいるある船の上で7ヵ国の集まった平和条約の締結が行われようとしており、それに反対する国がシービュー号を乗っ取ってシービュー号からの魚雷攻撃でその船を沈めようとします。
という設定はかなり無理矢理で、結局何かというと、密室とみなせる潜水艦内で、乗員が一人また一人と殺されていって「犯人は誰か」を引っ張る、「そして誰もいなくなった」のシービュー版です。この話で面白いのは、ネルソン提督自身が10,000Vの高電圧に感電して死んでしまうことです。でも本当に死んでしまうとシービュー号の話はここで終わってしまうのですが、さすがにどんでん返しがあります。どっちにせよかなり無理矢理に「そして誰もいなくなった」状況をシービュー号の中で作り出そうとした、強引な脚本と言わざるを得ません。