原子力潜水艦シービュー号の”The Lobster Man”を観ました。またもアーウィン・アレンの従兄弟のAlbert Gailの脚本ですが、今回はこの間の黒髭よりは数段マシでした。ただ、ロブスター男というタイトルで既にゲンナリしますが。ただそのコスチュームは、シービュー号に出てきたエイリアンの中ではまあマシな方です。お話は、地球の海に住み着くことを狙っているエイリアンがまずロケット1機だけでやって来て、それにのっていたロブスターエイリアンが、ロケットが故障したので、シービュー号の核燃料が欲しいと言います。それで色々あって、結局そのエイリアンがシービュー号の核エンジンの制御棒を一本取り外して自分のロケットにセットし、核エネルギーのお陰でそのロケットが地球上の生物を全て死滅させる爆弾になったと言います。あのー、それ核燃料ではなくて制御棒ですが…(制御棒は中性子を吸収する物質で出来ていて、それ自体が核燃料な訳はありません)シービュー号のお話全体を通じて、脚本家のほとんどが原子力発電とはどいうことなのかまるで理解していないように見えます。
とまあまた悪口を書きましたが、第4シーズンのひどい話の連続の中では、今回のはそこそこマシでした。
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原子力潜水艦シービュー号の”The Terrible Leprechaun”
原子力潜水艦シービュー号の”The Terrible Leprechaun”を観ました。タイトルのLeprechaunは、「レプラコーン」でアイルランドの民話に登場する妖精です。まあグリム童話に出てくる、夜中にこっそり靴を作ってくれる小人の妖精の同類ですね。前回は黒髭でしたが、今回はそういうおとぎ話の登場人物が出てきて、まあほのぼのしていると言えば褒め言葉ですが、悪く言えば子供向け。レプラコーンは大抵は緑の服を着た良い妖精と、1000年に一度悪さをする紅い妖精に分かれます。その紅いレプラコーンがアメリカ軍の核ミサイル迎撃装置(?)みたいなのを吹っ飛ばして地下にある金塊を自分のものにしようとします。ネルソン提督が緑の服の良いレプラコーンと協力して、爆発を食い止めようとします。
原子力潜水艦シービュー号の”The Return of Blackbeard”
原子力潜水艦シービュー号の”The Return of Blackbeard”を観ました。Welch脚本ではありませんが、前に盗賊がシービュー号をシージャックしてモナリザを盗む話がありました。その脚本家は今回の脚本家とWelchの共作であり、今回は一人で書いたものです。その脚本家とはAlbert Gailで、アーウィン・アレンの従兄弟だそうです。それでそのレベルがWelch脚本にも劣るとも優らない出来です。タイトル通り有名な海賊の黒髭が突然シービュー号の艦内に現れて、シービュー号乗っ取りをたくらむ話です。何故かコワルスキーが子分に変えられてしまいます。何でこの黒髭が急に蘇ったのか、黒髭が駆使する超能力(クルーを消したりします)はどこから来るのか、等々何の説明もありません。それでネルソン提督はまたも変なフォースフィールドみたいなお手製の機械を短時間で作って黒髭と対決して勝ちます。ある意味悪しきパターン化です。このシーズン4になると、他があまりにひどいんで、まともな脚本家はアレンと組むのを嫌がったみたいです。
原子力潜水艦シービュー号/ディビッド・ヘディスンのインタビュー
原子力潜水艦シービュー号のシーズン4のDVDのおまけのディビッド・ヘディスンのインタビュー。アーウィン・アレンはシービュー号の第2シーズンになると別のドラマ(多分「宇宙家族ロビンソン」)で忙しくなり、シービュー号は別のディレクターに任せることになります。ヘディスンによれば彼は第2シーズンがベストだと言っています。第3、第4シーズンの質の低下は予算が削られたことで、そのため陳腐な怪物を出してごまかすしかなかったと言っています。第2シーズンまでは1つの回に7日間ぐらいかけ、毎日8時-9時ぐらいまで撮影していたのが、第3シーズン以降は毎日6時で終わりで、役者としては楽だったと言っています。
原子力潜水艦シービュー号の”Eleven Days to Zero”(未放送別テイク)
原子力潜水艦シービュー号の”Eleven Days to Zero”を観ました。これはシリーズの第1話の別テイクで放送されなかったものです。嬉しいことに第1シーズンは白黒ですが、これはカラーです。つまり撮影は最初からカラーで行われていたということです。この回の脚本はアーウィン・アレン本人が書いています。放送された第1話との違いは今一つ良く分からなかったですが、強く感じたのは第3・第4シーズンの馬鹿げたストーリーに比べると、第1シーズンは何とまともだったか、ということです。まあ第1話は映画のシーンの使い回しが非常に多くそれがちょっと興醒めの部分はありますが、全体の緊迫感は非常にいいです。
原子力潜水艦シービュー号の”Deadly Amphibian”
原子力潜水艦シービュー号の”Deadly Amphibian”を観ました。今回はWelch脚本ではありません。冒頭のクレジットでそれを確認するだけでほっとします。ただお話はまたも荒唐無稽な両棲人の登場で、シービュー号を音響砲で攻撃してダメージを与えます。どうでもいいけど、毎回のルーチンですが、シービュー号はちょっとでも衝撃を受けると盛大に艦内で火を吹きます。核ミサイルを16基も搭載している潜水艦がこんなに簡単に火を吹いていいのか。TVを観ている視聴者を楽しませようとしているのかも知れませんが、潜水艦ものとしてリアリティーを大きく損なっていることは否めません。両棲人は人間を動物と呼んで馬鹿にしますが、自分では原子力を発明出来ていなくて、シービュー号を乗っ取って原子力エンジンの出力で音響砲をパワーアップし、地球を征服しようとします。例によってネルソン提督が両棲人が使っている武器と同等のフォースフィールドみたいなのをあっという間に開発し、最後は核弾頭魚雷を発射して両棲人の住んでいる洞窟みたいなのを吹っ飛ばします。核弾頭魚雷なんて本当にあったのかと思って調べたら、Mk45というのが本当に1963年から実戦配備されていました。おそらく実際に潜水艦相手に発射されたことはないのだと思いますが。
ヒッチコックの「救命艇」
ヒッチコックの「救命艇」を観ました。1943年の作品で、私がヒッチコックのベストと思っている「疑惑の影」と同じ年に撮影されたものです。これで1934年の「暗殺者の家」以降のヒッチコック作品は2本の短い国策映画を除いてすべて観たことになります。お話はドイツ軍のUボートの魚雷によって沈没させられた客船の救命艇に生き残った10人くらいの人々のお話です。そこにこれまた沈没させられたUボートの乗組員が乗り込んで来ます。最初は足の怪我が壊疽になったガスの手術を買って出るなど、善人を装っていましたが、実はコンパスを隠し持っていて、船をバミューダの方ではなく、ドイツの補給船がいる方向に導こうとするなど、正体を現します。英語はしゃべれない振りをしていて、実は英語もフランス語も堪能という怪しさ満点の人物として描かれています。まあそのドイツと戦争をしている真っ最中に作られた映画なので、ドイツ人が悪者扱いされるのは仕方が無いかと思います。一部で有名なヒッチコック自身のカメオ出演ですが、さすがに人数が最初から決まっている救命艇に突然自分を出演させる訳にもいかず、何と生き残りの一人が読んでいた新聞の広告に、やせ薬服用の前と後、というシルエット姿で登場します。
原子力潜水艦シービュー号の”Blow Up”
原子力潜水艦シービュー号の”Blow Up”を観ました。「またも」Welch脚本。そして最低の脚本を更新。ネルソン提督がミサイルの燃料が漏れているのを修理している時に爆発が起き、その時クレーン艦長から渡された非常用呼吸装置を使った後、性格が変わって被害妄想になり、やたらと威張り散らして権威主義になり、シービュー号を危機に陥れ、あげくの果てはランデブー予定だったアメリカの艦隊に対し魚雷を発射するという話です。リチャード・ベースハートは自身の演技力を示すことが出来てご機嫌だったのかもしれませんが、ヒーローであるべきネルソン提督にこんなひどい役柄を演じさせてはいけません。
ウディ・アレンの「ラジオ・デイズ」
ウディ・アレンの「ラジオ・デイズ」を観ました。ゴールデンウィークに日本ラジオ博物館に行ってから、すっかりラジオ少年の血がよみがえり、その一環で観たものです。まだテレビが無くて、ラジオが日常の娯楽のほとんどすべてだった1938年から1944年ぐらいまでの、ウディ・アレンの少年時代を描いた作品です。冒頭でいきなり、ある家に押し入った強盗二人組の所に、ラジオの曲当てクイズの番組から電話がかかってきて、思わず出てしまい、3曲見事に当てて、その2人は50ドルくらいの物を盗んだだけなのに、次の朝それをはるかに上回る賞品がその家に送られてくる、というのでまず笑わせてくれます。ラジオがいいのは、テレビだと皆画面を見入ってしまって、お互いの会話とかほとんどありませんけど、ラジオだと皆自由に聞いて会話も成立する、という所です。ミア・ファローの演じる歌手志望の女性がチャンスをつかんでいくエピソードで、たまたまある店で殺人の現場を目撃して、目撃者として殺されそうになったのに、その殺し屋が実は同じ町の出身と分かってすっかり仲良くなり、その殺し屋のコネでチェーホフのラジオドラマの役をもらいます。その本番中に、突然ニュースのアナウンサーがスタジオに乱入してきて、「日本軍がパールハーバーを攻撃しました。」というニュースを読む、という演出がいいです。そこから戦争になりますが、灯火管制とかもありますが、日本とは豊かさがまったく比べものにならなかった、というのがこれを観るとよく分かります。その他、例の「火星人が襲撃してきた」というラジオドラマが本当だと受け取られてパニックになるという話と、主人公の叔母さんでオールドミスで常に結婚相手を探しているビーが、相手にほったらかされてしまう、というエピソードとからめていて、上手い演出です。全体に肩が凝らない楽しめる作品でした。
原子力潜水艦シービュー号の”A Time to Die”
原子力潜水艦シービュー号の”A Time to Die”を観ました。またもWelch脚本。自由自在に時間を操れるMr. Pemという男が登場します。その男のお陰で、シービュー号は100万年前に飛ばされ、そこでまたアーウィン・アレンのお得意のトカゲ恐竜が出てきます。もう何回目か、数える気もしません。ネルソン提督は男が、時を操るためにシービュー号の原子力エンジンのパワーを増幅させて使っていることに気がつき、エンジンをシャットダウンさせます。それで、わざとCircuitry Roomの看板をReactor Roomに変えさせ、そこに通常の1000倍の電圧をかけたスイッチを用意しておいて、その男に触らせて感電死させる、というオチです。Mr. Pemは誰なのか、何故時を操れるようになったのか、それで何をしようとしていたのか、一切説明はありません。またシービュー号もどうやって100万年前から現在に戻れたかの説明もまったくありません。Welchらしい論理性0のストーリーです。