謎の円盤UFOの第2話、”Computer affair”を観ました。第1話のちょっとおちゃらけた雰囲気から一転してかなりシリアスな話でした。ムーンベースでやってきたUFO1機を撃墜するため、インターセプター3機が出撃しましたが、ミサイルは3発とも外れます。(第1話でも3機が全部外していました。)インターセプターは機首の核ミサイル1発を打ってしまうと後は武器がない、という何とも不思議な迎撃戦闘機ですが、エリス中尉は3機に回避行動を取らせますが、結局1機が撃墜されてしまいます。攻撃をかいくぐったUFOはその後地球に侵入し、カナダの湖の中に隠れます。事態を重く見たストレイカー司令官が、エリス中尉とインターセプターのパイロット2人を地球に呼び戻し、精神鑑定を受けさせます。その分析結果が、前回はセクハラ全開ドラマでしたが、今回はpolitically correctでの問題ドラマで、何とエリス中尉がパイロットの一人が黒人であって、その人に対して実は特別な感情を持っていて指示が遅れた、というもの。その後UFOは湖から飛び立ち、スカイ1が一撃し、再びカナダの森林地帯に不時着します。フリーマン大佐はエリス中尉の嫌疑を晴らすため、2人にチームを組ませて、モービルで森の中のUFOを攻撃させます。といった話です。最後の結論は、エリス中尉の判断は正しく、そうしなかったらインターセプター3機共やられていた、というものです。(何かトロッコ問題みたいですが。)
写真は読者(?)サービスの、プライベートでのエリス中尉です。何故かプライベートの時の方がメークは大人しくこちらの方がいいですね。
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「謎の円盤UFO」”Identified”
タイムトンネルは観終わったので、次は1970年放映のイギリスのSFドラマ(ジェリー/シルヴィア・アンダーソン製作)の”UFO”(「謎の円盤UFO」)です。第1話”Identified”を観ました。このドラマは私はSFのTVドラマでの最高峰だと思っています。ともかく設定がリアルで、特にこの第1話でUFOで宇宙人が地球にやってくるのは、地球人の内臓を採取して、自分達の体に移植するため、というかなりグロテスクな設定がリアル感を高めています。このドラマの特長として、そうしたシリアスな設定の一方で、SHADOの女性職員(兵士)は何故か揃いも揃ってセクシーなユニフォームで、SKYDIVERの女性兵士に至ってはシースルーで胸が見えてしまっています。それでムーンベースに行くと何故か女性は全員紫色の髪で、この辺りジェリー・アンダーソンの趣味というより、奥さんのシルヴィア・アンダーソンのアイデアではないかと思います。またSHADOの男性職員(兵士)も軍務中でありながら、女性を口説くのを忘れません。この辺り007とかの影響でしょうか。ともかく子供向けが多かったSFドラマの中で、この番組だけがはっきりとアダルト志向でした。
吹き替えじゃないので初めて観ましたが、ストレイカー司令官(エド・ビショップ)の実声が意外とかん高い感じなのが意外でした。日本の吹き替えではかなり渋い感じで、「沈着冷静」という説明にぴったりあっていましたから。
なお、日本語版では、ムーンベースからインターセプターが出撃する時に、何故かサンダーバードの音楽が流れますが、あれはオリジナル版にはありません。音楽はどちらもバリー・グレイですが。
細田守の「未来のミライ」
「未来のミライ」を観てきました。何というか、お盆シーズンにピッタリの映画でした。素晴らしい作品という程ではないですが、佳作でした。主人公のクンちゃんは4つか5つぐらいだという設定でしょうが、その頃って現実と空想と夢の世界がきちんと区別されていなくて、ごちゃごちゃになっていますが、そういう子供の視点が良く表現されていたと思います。クンちゃんが家出するシーンで近未来の東京駅が出てきましたが、なかなか良く描写されていました。龍の新幹線はトトロの猫バスに匹敵する面白いギミックでした。その新幹線は迷子で引き取り手がない子供を「ひとりぼっちの国」に連れていくんですが、丁度英語でlimboという単語があって、意味がまさしくそういう意味(英辞郎によれば、《カトリック》辺獄◆洗礼を受けずに(幼児の時に原罪のままで)死んだが、地獄には行かない人がとどまると考えられた場所。)なんで不思議な符合を感じました。(タイムトンネルでトニーとダグの二人は時のlimboをさまよっていると表現されていました。)なお、Facebookお友達がこのアニメの声優に違和感があったとのことですが、私はまったく気になりませんでした。おそらくクンちゃんの声優が女性だったことを言っているんじゃないかと思いますが、男の子の声優が女性なのは良くあるので、私的にはOKです。
タイムトンネル2002年版
タイムトンネル2002年版を観ました。DVDのオマケで付いていたもの。テレビでは放映されなかったようです。
今回のは、核融合の開発を行っていたら、偶然「時間嵐」が240分間発生し、その間に歴史が変わってしまいます。それを知っているのはその核融合の開発を行っていたチームだけで、時間嵐が起こった原理を解明し、タイムトンネルを作り上げ、変わってしまった過去を元に戻そうとします。
この話では私が指摘したオリジナルのタイムトンネルの欠点がほとんど修正されていて(誰でも考えることは同じ)
(1)セキュリティーはきわめて強化されている。
(2)一人を過去に送るのではなく、数人の部隊を転送先の衣服や武器まで装備させて送る。
(3)脳に注射した特殊な薬品で、転送先の言語が理解できるようになる。
(4)過去が変えられると現在も変わってしまうというリスクを熟知している。
(5)過去に送られたチームはミッションが終了したら現在に戻される。
という内容になっています。欠点が全部修正されたから、では面白いかというとそれは別の問題です。シリーズ化されなかった理由は同時期に内容がかぶる別のSF番組をやっていたからのようです。
タイムトンネルそのものは明らかにCGですね。
タイムトンネルー総評:ProsとCons
タイムトンネルの全30話を見終わったので、ProsとCons(良い所と駄目な所)を私なりにまとめておきます。
Pros(良い所)
-タイムトンネルという装置の持つ圧倒的なリアリティ。通常のSFではタイムマシンは大抵一人の科学者の発明で、ごく小さなもので多くの場合マシンは操作者と一緒に移動します。しかし、このタイムトンネルというのはアリゾナの砂漠の地下に800階という超巨大な規模で作られた軍事施設であり、国家プロジェクトとして作られたという設定に1950-60年代の宇宙開発競争を思わせるリアリティがあります。
-チームワークによるドラマ作りの面白さ。トニーとダグというちょっと性格の違う二人の科学者を主人公とし、そのバックでカーク司令官、女性研究者のアン、更に老科学者のスウェインが集まって、トニーとダグが毎回陥る様々な危険な状況を乗り切っていきます。カーク司令官は責任感が強く、また何とかトニーとダグを現代に戻そうとする温情もある指導者として描かれています。(巨大プロジェクトの責任者として見ると、構築と維持に莫大なお金を使っていながら、何らの軍事的成果も挙げていない無能な指揮官になってしまいますが。)アンとスウェインは時にはカーク司令官に強く逆らって自分の考えを押し通そうとすることもありますが、結局は司令官の判断に従います。
-歴史の後ろを覗き見る楽しさ。タイムトンネルの装置はモニターにもなっていて、トニーとダグが流された時代の状況を映像に映し出してくれます。これがいわば巨大なテレビ画面にも見える訳で、視聴者はまさにテレビで観ている訳ですが、テレビで歴史の裏側を眺め、その真実や裏話(まあ作り話ですが)を知る楽しみがあります。また、例えば沈没直前のタイタニック号の上に転送されたたら、「自分だったらどう行動するか」を考えるという楽しみもあります。
Cons(駄目な所)
-Prosのリアリティの素晴らしさと同時にそのリアリティの面での詰めの甘さが目立ちます。最高の軍事機密なのに簡単に民間人を中に入れているのは何故なのか。ある回ではその民間人が銃を持ち込んで自分の個人的欲望をタイムトンネルで果たそうとします。セキュリティーがあまりにも甘すぎて軍事施設として構築されている、というリアリティ感を損なっています。また、アリゾナの砂漠のど真ん中にあるのであれば、アクセスにはかなりの時間がかかる筈であり、実際に第一話では国会議員が飛行機でやってきて更に車に乗ってタイムトンネルに移動しますが、各回の話でトニーとダグが流された場所の地理を確認するために多くの民間人が招かれますが、彼らは大抵カーク司令官が要請してから10分くらいで登場します。まあ60分ドラマの都合上と言ってしまえばそれまでですが。
-時間旅行の理論的裏付けが弱く、トニーとダグが何故現在に戻れなくて毎回違った時空に飛ばされるのかがはっきりしません。二人は戻れないのに、毎回その当時の人間をタイムトンネルのコントロールルームに間違って転送するというのがルーチンになっていましたし、またジグスという警備員に機関銃を持たせてトロイア戦争の現場に送り込み、その後すぐ現代に戻すということが出来ています。この場合はOKで二人の場合は何故駄目なのかが最後まで不明です。またタイムマシンの話でありながら、過去に介入した場合にそれが現在にどういう影響を及ぼすのかと言う点についてはまったく言及がなく、何も気にせず過去に介入していました。さらにはタイムトンネルをどのように軍事的に使用するのかというのも不明です。
-SFドラマでありながら、非科学的な話が多く出てくること。まあタイムマシンというもの自体が非科学的な話なのかもしれませんが。例えばローマ皇帝のネロの亡霊が出てきたり、旧約聖書でのエリコの戦いの奇蹟話が描かれたり、アーサー王の魔術師マーリンが時空を勝手に超えてきてタイムトンネルを嘲笑する、なんて回もありました。
-未来やエイリアンの話で、とにかく特撮がちゃちです。宇宙の画面は書き割りですし、宇宙人やエイリアンはいつも銀の服を着て、銀色か金色の顔をしています。最後の2話だけは別の格好をしていましたが、それでも円谷プロの特撮に比べるとはるかにレベルは下です。
-英語の問題。英語版しか作られておらず、当時は100%アメリカで放映することしか考慮していないということは分かりますが、古代イスラエルや古代ギリシアのようなそもそも英語自体がまだ生まれていない時代の人間がいきなり英語を話すのはきわめておかしな印象を与えます。タイムトンネルというものが出来ているのだから、万能通訳機ぐらい出来ていても何もおかしくないと思うのですが。そういえば、流された二人は服装以外は何も現代のものは持ち込んでいません。後から追っかけたダグは武器や食料ぐらい持っていけばいいのに、と思います。
全体を通じて、全30話の内、2/3ぐらいまではそれなりに面白かったです。しかし、後半になってエイリアンや未来人が出てくる回になると、SF的な詰めの甘さや貧弱な特撮のせいであまり楽しめませんでした。また選択された時代がかなりの部分19世紀と20世紀前半に集中しており、もっと色んな時代が選択されれば良かったのにとも思います。
タイムトンネルの”Town of horror”
タイムトンネルの”Town of horror”を観ました。これが最終回です。(といっても実は違うんですが…)今度は2人は1978年という比較的近未来のニューイングランドのある町に飛ばされます。今回はいきなり人間に襲われますが、殴ったらすぐ死んだと思ったら、またすぐ蘇ります。そうです、今回はゾンビでした。ある星から派遣されたアンドロイド達が、地球の酸素を全部彼らの星に転送しようとします。そのアンドロイドの造形が今回はさすがに銀の顔と服ではないですが、かなりちゃちで、例えばウルトラシリーズに出てくる宇宙人なんかにくらべるとかなり落ちます。それから今回面白いのは、アンドロイドの酸素転送がタイムトンネルの制御室にも働いて、タイムトンネルが制御室の酸素を吸い出してしまい、そこの人間がバタバタと倒れていきます。カーク司令官はさすがの責任感で、マイクでトニーとダグにそちらから接続を切り離すように必死に頼んで倒れます。後は二人が町の小間物屋から入手した火薬類を使ってアンドロイドの装置を爆破して、というお話です。小さな町の人間の大部分がエイリアンに支配されるって、結構他にもあったと思います。この頃の流行りのパターンなのだと思います。
ところで最終回なので二人は無事に現代に帰れるかと思いきやそんなことはなく、次回予告で出てきた飛び先は何とタイタニックの上!ということで第一話に戻り、おそらく輪廻の輪のように、二人は同じ話を延々と繰り返すという、何だか涼宮ハルヒみたいな終わり方(?)になっています。どうでもいいですが、後半エイリアンがやたら出るようになってから、急につまらなくなった感じです。途中までのように過去の歴史の有名イベントにからむ、というパターンを続けた方が良かったと思いますが、アーウィン・アレンが「宇宙家族ロビンソン」で色んなエイリアンを登場させて人気が出て、同じ路線をタイムトンネルでも狙ったみたいですが、はっきりいって失敗しています。
タイムトンネルの”Raiders from outer space”
タイムトンネルの”Raiders from outer space”を観ました。この回は最終回の前の回です。今度は1883年のスーダンでアラブとイギリスが戦っている所に飛ばされますが、そこに地球を攻撃しようとするエイリアンが現れ、という話です。今回のエイリアンは銀の顔ではなく、一応それらしいメイクをしています。ダグが捕まって拷問にかけられそのタイムトンネルに関する知識を読み取られようとされますが、その機械が他の時代でもさんざん出てきた原始的な拷問用具(ストレッチャー)にそっくりで、何だかSFらしさがありません。タイムトンネルは二人を転送して助けようとしますが、エイリアンはタイムトンネルの制御室に巨大な時限爆弾を送りつけてきて、タイムトンネル側の動きを封じようとします。その爆弾は爆発寸前でタイムトンネルによりエイリアンの基地に送り返されます。(そんなの最初から思いつけよ、という感じですが。(^_^;))そういう訳でエイリアンの基地は破壊されますが、ロンドン目がけて飛んできていた筈のミサイルはどうなったのかイマイチ良くわかりませんでした。ともかく後一話です。
タイムトンネルの”The kidnappers”
タイムトンネルの”The kidnappers”を観ました。冒頭でタイムトンネルの制御ルームにいきなり宇宙人か未来人か分からない(このドラマではどちらにしても顔を銀色に塗って、銀色の服を着ているので同じです。(^_^;))のが出てきて、光線銃を振りかざして警備兵やカーク司令官を倒し、アンをさらって時空の彼方に去って行きます。その男が落としていったパンチカード(原始的(^_^;))を分析して、どうやら時空の座標らしいことが分かると、カーク司令官はそれがどこなのか確かめもせずに、トニーとダグをそこに転送するように命令します。(現在には戻せないのに、そういうコントロールは正確に出来るのが不思議。(^_^;))二人が転送されたのは地球から98光年離れたカノープス星系で、時間的には80世紀でした。実は、アンをさらったのは二人をおびき寄せるためのおとりで、二人以外にもローマのキケロ、ルネサンスのエラスムス、そして何とヒトラーが転送されていて、彼らの地球侵略のためのデータを取るために使われようとしていました。で、ここまではまあそれなりに許せる展開なんですが、ここの宇宙人は植物と同じで光合成みたいな感じで生きていて、暗くなると眠くなって動けなくなるという何ともSFとは思えないチープな設定です。彼らが寝ている間に久し振りに再会したアンと二人が、盗まれたタイムトンネルの時空転換装置(こういう重要な装置が簡単に盗まれてしまう、またもタイムトンネルのセキュリティーの甘さが…(^_^;))を取り戻し、アンが彼らのタイムマシンを使って、タイムトンネルの制御室に無事戻ります。そして今度は二人を転送して(何故かやっぱりどこかへまた飛ばされますが…(^_^;))どうも、タイムトンネルの未来の話や宇宙人の話は陳腐なものが多いですね。
タイムトンネルの”Merlin the magician”
タイムトンネルの”Merlin the magician”を観ました。後4回なのですが、この辺りに来るともうストーリー目茶目茶。今回はアーサー王の魔術師のマーリンが登場し、タイムトンネルのコントロールルームに現れ、スタッフがトニーとダグを転送しようとするのを止めてしまいます。このタイムトンネルというドラマの世界観が不明で、SFよりオカルト、SFより宗教、そして今度はSFより魔術!です。で、マーリンは魔術でほとんど何でも出来るんですが、一回に使える魔術のパワーに限度があるということで、トニーとダグをこき使ってアーサー王がヴァイキングから城を取り戻すのを支援させます。しかし、アーサー王がヴァイキングに矢で射られたのを、「時間を逆転させて」元に戻すなど、明らかにタイムトンネルの科学力以上の魔力を発揮します。タイムトンネルは途中までは「偉大なるワンパターン」展開でそれなりに面白かったのですが、最後の方になるとかなりストーリーが破綻しているように思います。ちなみにこのお話の最初で、トニーとダグは1968年の現在に一度戻されているのですが、フリーズした状態だったので、二人がそれに気付くことはありませんでした。
タイムトンネルの”Attack of the barbarians”
タイムトンネルの”Attack of the barbarians”を観ました。トニーとダグは今度は13世紀のモンゴルに飛ばされ、ジンギスカンの孫達による後継者争い(バトゥとクビライ)に巻き込まれます。そこにイタリアから旅してきていたマルコ・ポーロもからみます。今回、二人が流されて、その時代の人間に見つかって殴り合いになり、そして捕まって、という所まではお約束通りなのですが、何と今回はトニーとクビライ・カンの娘のサリが恋仲になってしまいます。そして面白いのが、いつもは冷静なアンが、トニーが本当に恋したのなら、そのまま13世紀で暮らすようにして上げるのがいいのではないかと言い出します。また、今回モンゴル内部の戦いで、「火薬」が大きな役割を演じます。マルコ・ポーロが火薬を欧州に持ち帰ったというのは事実ではないようですが、この回ではおそらく硫黄の粉を持っていて、それにトニーが硝石を混ぜて自家製の火薬を作ります。しかしこのままでは点火出来ないのですが、歴史に介入することに何のためらいもないカーク司令官の命令で、導火線が転送されます。(最初はもっと大きなバズーカ砲を送ろうとして失敗し、軽い導火線に切り替えたものです。)結局、その自家製の火薬による砲弾でバトゥ軍を蹴散らし、トニーはダグの忠告もあってようやく目を覚ましてサリに別れを告げ、また別の時代へと転送されます。