「謎の円盤UFO」の”A question of priorities”を観ました。何というか、とても暗くて悲しい話です。SHADOの司令官としてこれ以上ない優秀さを見せるストレイカーですが、実は家庭は崩壊しており、奥さんは離婚して別の男性と結婚しています。二人には一人息子がいます。ある日ストレイカーが息子と会って遊ばせた後、家まで送り届けた後、ストレイカーが別れを告げずに去ろうとした時、息子はストレイカーを追いかけて道路に飛び出して車にはねられます。この息子は抗生物質にアレルギーを持っており、それを防いで治療するには、ニューヨークにある新しい抗アレルギー剤を急いで取り寄せる必要があります。ストレイカーは公私混同して、SHADOの輸送機に命じてその薬をロンドンに運ばせます。しかし、その時UFOが地球に侵入しアイルランドに着陸します。エイリアンがそのUFOから出てきてある盲目の老婆に家に侵入します。このエイリアンを捕らえるためにはモービルが必要ですが、もっとも至近距離にいた輸送機はストレイカーが薬を運ばせていたものでしたが、フリーマンが行き先をアイルランドに変更してしまいます。結局、エイリアンは仲間のUFOに射殺され、侵入した別のUFOはスカイ1が撃墜しましたが、ストレイカーの息子は薬が間に合わず亡くなってしまいます。病院に駆けつけたストレイカーに元の奥さんは「二度と顔も見たくない」と言い放ちます…というどうしようもなく救いようのない話でした。
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「謎の円盤UFO」の”The Dalotek affair”
「謎の円盤UFO」の”The Dalotek affair”を観ました。SIDがUFO3機の来訪を探知します。直ちにムーンベースからインターセプター3機が出撃しますが、UFOは何故かすぐに引き返してしまいます。そのすぐ後に、小隕石が月面に落下し爆発しますが、それは民間の資源開拓会社のダロテック社の月面基地のすぐ近くでした。その後にムーンベースは突然の通信障害に襲われ、地球との通信が出来なくなります。フォスター大佐はその原因がダロテック社の基地が、当初申告していない周波数の無線を使ったせいだと思い、ダロテック社の基地に行って調査します。しかし証拠は見つからず、ムーンベースに引き上げます。直後、地球と月の連絡シャトルがやってきて、ムーンベースに着陸しようとしますが、またも通信障害が発生し、コンピューター制御からマニュアルに切り替えるのが遅れたシャトルは着陸に失敗し炎上します。フォースター大佐は再度ダロテック社の基地に出かけ、そこの通信装置を取り外してムーンベースに持ち帰ります。しかし、やはり通信障害は発生し、同時にUFO1機が来襲します。ここでもインターセプター3機が発進していましたが、ムーンベースとの通信ができません。一方ダロテック社の3名は隕石が落ちて出来たクレーターに何らかの電子機器が設置されていることを発見します。フォースターはそれが隕石によってもたらされたUFO側の通信妨害装置であることに気付き、ムーンモービルを発進させてその装置を爆破します。これでやっと通信が正常になり、インターセプター3機はUFOを撃墜します。
なおこの回ではフォスター大佐は女たらしぶりを発揮し、ダロテック社の女性エンジニアを口説いていたりします。
写真はインターセプターです。スカイ1がいつもロケットランチャーでUFOを撃墜しているのに、インターセプターだと何故核ミサイルが必要なのかが良くわかりませんが。(どうも本当は直撃しなくても、広範囲のUFOを一撃で撃破出来る、という設定だったみたいですが、実際のドラマでは直撃しない限りUFOを撃墜出来ていません。)
「謎の円盤UFO」の”Conflict”
「謎の円盤UFO」の”Conflict”を観ました。子供の時に観たのをかすかに覚えています。そしてこのシリーズにおけるリアル感という意味で良く出来た脚本の回だと思います。1950年代後半から1960年代にかけて多数打ち上げられた人工衛星やロケットの残骸が月と地球の間に多数残り、ストレーカーの上司にあたるヘンダーソンの率いる国際惑星宇宙局では、少しずつ爆破による除去を進めています。UFOが残骸に隠れてSIDのレーダーをかいくぐる懸念で、すべての宇宙ゴミの即時撤去を求めるストレーカーと、予算が無いのでそれを断ろうとするヘンダーソンの間で議論になります。そうこうする内に、ムーンベースと地球を往復するシャトルが、地球の大気圏再突入の角度設定に失敗し、大気の摩擦で炎上爆発します。実はそれはUFO側がアポロ8号(あの最初の月面着陸のアポロ8号!)の残骸に、シャトルの計器を狂わせる装置を積んだミニ飛行体を潜ませておいて、シャトルに取り付かせたからでした。これこそUFO側の妨害工作だとするストレーカーに対し、ヘンダーソンはパイロットのミスを主張して譲りません。フォスター大佐はそのパイロットにミスが無かったことを証明するため、無断でシャトルを自分で運転し、UFO側の妨害を計算に入れたわざと浅い再突入角度の設定で、爆破されるの回避します。このフォスターの行動で、UFOの妨害を確信したストレーカーは、ムーンベースのインターセプター3機を全機地球とムーンベースの軌道上の宇宙ゴミを爆破させるために発信させます。しかしそれはムーンベースを無防備にする危険な作戦で、UFO側の罠に自らはまるようなものでした。ストレーカーはヘンダーソンと対立し、一旦は指揮官解任を言い渡されながらも、このUFOの最終目的(実はムーンベース攻撃が目的ではなく、SHADO本部の攻撃)を見抜き、UFOが本部の位置探索に使っているであろう電波類を全てOFFにし、最後はあらかじめ命じておいたスカイ1が駆けつけて見事にUFOを撃破する、というものです。ともかく放映時にはまだ記憶に新しいアポロ8号が、10年後の1980年には宇宙ゴミになって、UFO側に利用される、というアイデアがすごいと思います。またUFO側の作戦とそれの裏をかくストレーカーとの知的なゲームという感じもあり興味深いです。
「謎の円盤UFO」の”Survival”
謎の円盤UFOの”Survival”を観ました。前回SHADOに加わったばかりのフォスター大佐は、この回ではいきなりムーンベースの司令官になっています。UFOが1機隕石群に紛れて月面に着陸し、そこからエイリアンが出てきてムーンベースを攻撃します。といっても窓に穴を開けただけですが、エアーが漏れ、インターセプターのパイロットが一人犠牲になります。フォスター大佐はムーンモービル2機で月面にいるUFOの探索に出かけますが、UFOに接近した時、攻撃を受けます。急遽インターセプターが出撃し、飛び立ったUFOを撃ちましたが、UFOは墜落し、ムーンモービル1機の側に落ち、ムーンモービルが破壊されます。それでフォスター大佐1人だけが取り残されます。実はエイリアン1人も取り残されていて、フォスター大佐に銃を突きつけますが、エアーがなくなったフォスター大佐に自分のエアーを提供し、フォスター大佐を助けます。フォスターはエイリアンに友情を感じるようになります。結局新たなムーンモービルが捜索に来てフォスターは救助されますが、エイリアンも助けようとしてその旨伝えようとしますが、無線機が壊れていて通じません。かろうじてマスク同士をくっつけて何とか会話できましたが、「エイリアン」の所だけが聞こえてしまい、救助に来たムーンベースの兵士は無情にもエイリアンを射殺します。
という話なのですが、今回も際どい会話があり、フォスターが一度は死んだと思われ、ストレイカーはその後任の司令官に、ブラッドレーを指名しますが、彼は断ります。その理由として自分の肌を指し(黒人です)、「表面的な差別はなくなっても、まだ心の中の差別は残っている」と言います。このドラマの設定は1980年ですが、10年後でもまだそういう差別がしっかり残っているという設定がある意味非常にリアルです。
「謎の円盤UFO」の”Exposed”
謎の円盤UFOの”Exposed”を観ました。昨日「UFOは何故1機とか2機でしか来ないのか」と書いたら、早速反応があって(?)、今回は3機で襲来です。で、当然インターセプター3機が出撃して、今回は何とか2機を仕留めます。で、残った1機はSIDの破壊に向かえばいいというのが私のアイデアですが、そうしないで地球に向かい、そこでスカイ1に撃墜されます。どうでもいいけどスカイダイバー+スカイ1は確か全部で10機ぐらいあって、地球の7つの海全てに展開している筈ですが、これまで観た4話ではすべて同じスカイ1のパイロットがUFO撃墜に向かいます。(多分フィルムの使い回し)そのスカイ1が撃墜した時に、その場にテスト中の新鋭機が飛行中で、そのパイロットが一部始終を目撃します。そのテスト機はUFO破壊の爆破のショックを受けて墜落しますが、2人の内のフォスターだけが脱出に成功します。フォスターは意識が回復すると、自分が目撃したことが事実であることを強く主張しますが、証拠はSHADOの手によってすべて隠滅ないし改変されており、誰もフォスターを信用しません。等々で、結局SHADOはフォスターを抱き込んで、SHADOの大佐として採用します。これから後の話では、このフォスター大佐がストレイカー司令官と同じくらい登場して活躍します。(それでこのフォスター大佐がまた女たらしなのですが、それはまた別途)
「謎の円盤UFO」への素朴な疑問点
「謎の円盤UFO」について、昔から疑問に思っていること。UFOは何故いつも1機とか2機程度で来るのかということ。SHADOの防衛網の欠陥は色々ありますが、一番問題なのはムーンベースでの迎撃が最大UFO3機分しかないことです。(予備の機体はあるのでしょうが、インターセプターは一回に3機しか出撃できず、しかも1機のミサイルは1つだけです。また、本当は核ミサイルなので強力で、一度に多数のUFOをまとめて撃破できるという想定だったのじゃないかと思いますが、それだと特撮としていい絵にならないので、一つのミサイルで1機撃墜に変わったんじゃないかと思います。)なので、6機ぐらいのUFOの編隊で襲来し、一部撃墜されても、残った機体でまずSID(コンピューター衛星)を破壊します。これでSHADOの防衛網は破綻します。後、地球での防衛の欠点はスカイ1が潜水艦からしか発進できないことで、大陸のど真ん中(たとえばアフリカ大陸とか)に潜入すれば、少なくとも潜水艦から発進したスカイ1が来るまでかなりの時間が稼げます。その間にどこかの湖の中にでも隠れればいいです。
1機や2機で散発的に攻撃するのは、いわゆる「戦力の逐次投入」という、古来駄目な戦略の見本とされているものです。(例:太平洋戦争での日本軍のガタルカナル島防衛)
(結局全部観終わった後で振り返ると、UFOが50機くらいの大編隊でやってきた回が1回ありました。しかしその時は何故かインターセプターは明らかに3機以上のUFOを撃墜しています。どうやって短時間に核ミサイルを補給したのかは不明です。また月面では地対空ミサイル発射戦車みたいなのが結構活躍して多数のUFOを撃墜していました。さらに別の回では、インターセプターの攻撃をかいくぐった1機のUFOがSIDを攻撃する話もありました。)
「謎の円盤UFO」の”Flight path”
謎の円盤UFOの”Flight path”を見ました。ローパーというSHADOのメンバーが、謎の男から脅迫を受け、奥さんを殺すと言われ、若くて綺麗な奥さんに夢中なローパーは、何かの座標データを相手に伝えます。それは、UFOが月面の日の出に合わせて太陽の光に隠れてムーンベースを攻撃するための軌道データでした。しかし、ローパーは意図的に一部間違ったデータを渡しますが、UFO側がそれに気づき、ローパーの車はUFOの攻撃を受け炎上します。奇跡的に助かったローパーですが、ストレイカー最高指令は、ローパーに罪を償うため、一人でムーンベースを攻撃してくるUFOをバズーガで撃破しろという冷酷な命令を出します。結局彼はそれに成功しますが、宇宙服がその時に破損し命を落とします。一方で彼が愛した奥さんも、ストレイカーがそれに気付くのが遅く、UFO側にコントロールされたSHADOの医師によって殺されてしまう、というとても救いようのない話です。この辺りアメリカのドラマだともっと脳天気なハッピーエンドの話になるでしょうが、どうもイギリスはミステリー大好きな国だけあって話が暗いです。
ところで、今回の写真はそのストレイカーですが、何と手に持っているのは「計算尺」!計算尺見たことある人は、50歳以下の世代にはいないでしょうね。私の家は親父が数学の教師だった関係で、計算尺もあり、このドラマが放映された1970年頃には、キヤノンの初期の電卓も家にありました。まだ関数電卓は出ていなかったので、1970年であればまだ計算尺が登場するのは分かります。(1980年が舞台ということは置いといて。)(HPの簡単なプログラムが組める関数電卓が来たのはその2年後ぐらいだったと思います。)
J・A・バヨナの「ジュラシック・ワールド/炎の王国」
ジュラシック・ワールド「炎の王国」を観てきました。先日観たアーウィン・アレンの「ロスト・ワールド」の通称「トカゲ特撮」(要するにトカゲやイグアナやワニに飾りを付けて恐竜みたいにしたもの)に比べると特撮のレベルは100倍以上上がってますが、それを除くと後に残るものがありません。ジュラシック・パークの創業者の孫娘が実は...というのは良かったですが、後はちょっと。前半のジュラシック・ワールドの島の火山が爆発してというのをもう少し引っ張るかと思いましたが、あっさりその部分は終わってしまいました。また結末は明白に「次もやります。」と言っているものでした。ちなみに字幕はあの戸田奈津子でしたが、彼女のひどい字幕に頼らなくて内容が理解できるようになっただけでも、英語を勉強した甲斐がありました。
「謎の円盤UFO」の”Computer affair”でのエリス中尉とブラッドレイ飛行士の関係とは
「謎の円盤UFO」の”Computer affair”ですけど、Wikipedia(英語)とかブルーレイに付属しているブックレットの説明だと、エリス中尉がインターセプターの黒人パイロットに「恋愛感情を抱いていた」という説明になっています。私の英語力の問題かもしれませんが、私が最初に聞いた限りではエリス中尉はこの黒人パイロットに「複雑な感情」を抱いていて、それで指示が遅れた可能性があるとSHADOの医者は言っているように聞こえました。つまりは「嫌悪感」です。(それまでの文脈からするとそう解釈する方が自然です。)どうも推測すると、このUFOはアメリカでも放送されていますから、「黒人を嫌悪している」という設定は非常にまずいので、後から「恋愛感情を持っている」に意図的に変えられたんではないかという気がします。大体恋愛感情を抱いているなら、何とか助けようと必死になる筈です。この話では、エリス中尉の本当の感情を試すためフリーマン大佐がわざと二人にチームを組ませてUFOを攻撃させます。それで結果的に成功し、二人は和解して食事する、という内容でした。もし、「恋愛感情」ならそれを取り沙汰するのはいくらSHADOといっても個人のプライバシーへのあまりにも行きすぎた干渉であり、おかしいと思います。
別の話でも、この黒人パイロットがフォースター大佐が死んだと思われていた時にストレイカーから司令官になることを打診されますが、「人々の心の中にまだ差別感情があるから」という理由で断っています。つまりUFOの世界では、表面的にはマイノリティーが活躍していますが、実はまだ差別は残っているという設定です。
この問題、結局ブルーレイを見直してもう一度セリフをチェックして真相がわかりました。おそらくは最初はエリス中尉が心の底で黒人を嫌っていたから、というのが原案で、途中でさすがにそれはまずいのではという配慮があって脚本に修正が加えられたんだと思います。以下の流れを見れば私の言っていることがおわかりいただけるかと思います。
(1)SHADOの精神科医がブラッドレイに向かっていきなり「私はお前ら黒人が嫌いなんだ」(”I’ve no liking for you blacks!”)と言います。(ブラッドレイの反応を見るためと説明されていますが。)
(2)エリス中尉が言葉の連想テストで、”Black”という言葉に普通の人ならすぐ”White”と答える所を言いよどんでかなりの時間がかかっている。
(3)医者はエリス中尉が「意識的に”White”という言葉を避けようとしている」と説明しています。
(4)(5)フリーマン大佐は二人に分析の結果を読み上げますが、それによると二人の間に”an emotional attachment”があった、となります。それは「個人的な愛着」という意味ですので、確かに字面的には二人が愛し合っているということになります。
脚本に修正が加えられたか、あるいは(4)(5)でフリーマン大佐が二人の関係に問題があることを婉曲的に示すためにわざと言い換えた、という解釈も成り立つと思います。
アーウィン・アレンの「地球の危機」(原子力潜水艦シービュー号)
原子力潜水艦シービュー号(”Voyage to the bottom of the sea”)の「地球温暖化エディション」を観ました。(邦題「地球の危機」で、TV版の元になる映画版です。)こっちの温暖化は、今の地球の温暖化のレベルではなくて、隕石がヴァンアレン帯にぶつかった結果、ヴァンアレン帯が燃えだし、地上の気温は130℃を超えて150℃にもなり、ジャングルは燃えだし、水は干上がって、という危機的状態になります。シービュー号は処女航海で南極の下を航行中でしたが、この急速な気温上昇で南極の氷が崩落して水中に落下し、シービュー号にぶつかり初めてこの危機を知ります。艦長のネルソンは優れた科学者でもあるという設定で、この危機を回避するにはマリアナ沖から核ミサイルを発射してヴァンアレン帯の炎を吹っ飛ばすしかないと考え、国連での会議で提案しますが、炎はそのうち燃え尽きるからそんなことは必要ないと主張する科学者が現れ、合意を得られません。艦長は「私が必要なのはアメリカ大統領の許可だけだ」と言い放ち、シービュー号をマリアナに向けて出発させます。マリアナで必要な日時にミサイルを発射するためには、全速力で向かわないと間に合いません。しかし、クルーの間には艦長への不信が次第に高まって…といった話です。さすが後年のパニック映画の巨匠だけあって、次から次にシービュー号に危機が発生します。ただ、潜水艦の装備は、今の眼で見るとかなり原始的でちゃちに見えます。原子力潜水艦自体も1950年代のノーチラスが既にある訳ですから、このTVドラマはSFとは言えません。