ブラームスの交響曲全集は70種類くらい持っていて、さらに1番だけなら220種類くらい持っていますけど、ロビン・ティチアーティーのブラームス交響曲全集が出たとあっては買わざるを得ません。ティチアーティーは1983年生まれでまだ35歳に過ぎませんが、既に一流の指揮者として欧州各地で大活躍しています。特に若くしてグラインドボーン・オペラ祭の音楽監督になったことも記憶に新しいです。
それでこのブラームスですが、1番の出だしから響きの新しさが強く印象づけられます。一言で言ってしまえばピリオド奏法なのかも知れませんが、手持ちのブラームスではガーディナーのものと似ている感じです。それでティチアーティーの場合は単に音色の新しさで終わらず、緊張感を終始保った素晴らしいブラームスです。ティチアーティーは未だに日本語のWikipediaのページも無いのですが、日本で何故注目されないのかが不思議です。
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クラギも復活(予定)
Martin D-35の生還(続き)
マーティンD-35復活
マリス・ヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団のマーラーの交響曲7番「夜の歌」
マリス・ヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団のマーラーの交響曲7番「夜の歌」を聴きました。ヤンソンスの7番は実に3回目で、最初がオスロ・フィル、次がバイエルン放送楽団で、今回がコンセルトヘボウです。全部持っています。私はマーラーの交響曲の中ではこの7番が一番好きで30種類くらい持っています。普通交響曲というと、ベートーヴェンの5番が典型ですが、「ジャジャジャジャーン」のように格好良く始まるのが多いのですが、この曲は実に静かに物憂げに、まさに夜の雰囲気で始まるのがいいんです。また途中で私の好きなギターやマンドリンが出てくるのもいい感じです。最終楽章は一転して狂乱の大騒ぎになりますが、私はこれを「百鬼夜行」と名付けています。ヤンソンスも3回も録音しているということは、彼も7番が好きなんだと思います。今回の3回目が一番素晴らしく、手持ちの7番のすべての演奏の中でもかなり上位に来る出来だと思います。
二代 大島伯鶴の「寛永三馬術 度々平住込み」「寛永三馬術 平九郎浪人の巻」
二代 大島伯鶴の「寛永三馬術 度々平住込み」「寛永三馬術 平九郎浪人の巻」を聴きました。間垣平九郎は、将軍家光の前で、愛宕神社の男坂という絶壁のような急な石段を馬で駆け上がり、梅の枝を手折って駆け下りてきて、家光よりお褒めをいただいて出世した、という伝説の人です。そのお話は「寛永三馬術 出世の春駒」というお話ですが、このCDに入っているのはその後日談で、讃岐に戻った平九郎が度々兵という筑後の柳川からやってきた男を仲間としますが、その度々兵が藩の重役の弟といさかいを起こして、結局浪人するまでの話です。大衆小説は最初「新講談」と呼ばれましたが、確かに講談のお話の調子は初期の大衆小説に近いですね。
ちなみに「出世の春駒」はCDなどは出ていませんが、ここで聴くことができます。
堀口茉純の「江戸⇔東京節」と「大江戸=痛快伝」
クリスマス・キャロル
高校がカトリックの修道会が経営する学校で、それが良かったと今でも思えるのが、クリスマス・キャロルを英語の歌詞で教えてもらったこと。今でも次のような有名なキャロルは英語で歌えます。
God Rest Ye Merry, Gentlemen
The First Nowell
Hark the Herald Angels Sing
Angels We Have Heard on High (Gloria in excelsis Deo)
Adeste Fideles
O Holy Night
O Little Town of Bethlehem
Joy to the World
We Three Kings
中でも、”God Rest Ye Merry, Gentlemen”は、やはり高校の英語の授業で使ったディケンズの「クリスマス・キャロル」のラジオドラマで、冒頭で子供たちがこのキャロルを歌い、それに対し強欲なスクルージ爺さんが子供たちを追い散らすシーンで今でも覚えています。
そういう訳でこの時期はクリスマス・キャロルのCDを買って楽しんでいます。上はルネ・フレミングの、左はキングスカレッジ合唱団の、右下はアンゲリカ・キルヒシュラーガーのです。
ピアノのCDの棚卸し
ピアノのCDの棚卸しをやりました。今までは作曲家順だったのを演奏家順にしました。以下が2枚以上持っているピアニスト。1位は意外にもマレイ・ペライアでした。確かに箱物を3つも持っているので…メジューエワが多いと思っていましたが、実はグレン・グールドの方がまだ多かった…
マレイ・ペライア 33
マウリツィオ・ポリーニ 31
マルタ・アルゲリッチ 29
グレン・グールド 20
スヴァトラフ・リヒテル 19
イリーナ・メジューエワ 18
内田光子 16
ヴィルヘルム・バックハウス 15
エレーヌ・グリモー 14
クラウディオ・アラウ 14
ルドルフ・ブッフビンダー 14
ウラジーミル・アシュケナージ 11
ダニエル・バレンボイム 11
マリア・ジョアン・ピリス 11
アリシア・デ・ラローチャ 10
サンソン・フランソワ 10
ベネディッティ・ミケランジェリ 10
ヴァレリー・アファナシエフ 7
ウラジーミル・ホロヴィッツ 6
エミール・ギレリス 6
ラザール・ベルマン 6
ラドゥー・ルプー 6
イングリッド・ヘブラー 5
クララ・ハスキル 5
バドゥラ=スコダ 5
アルフレッド・ブレンデル 4
河村尚子 4
クリスティアン・ツィマーマン 4
清水和音 4
ジャン=マルク・ルイサダ 4
ジョン・オグドン 4
辻井伸行 4
ファジル・サイ 4
ユジャ・ワン 4
ラン・ラン 4
アリス・紗良・オット 3
アンドラーシュ・シフ 3
イーゴ・ポゴレリチ 3
ヴィルヘルム・ケンプ 3
エフゲニー・キーシン 3
ソロモン 3
マルカンドレ・アムラン 3
レイフ・オヴェ・アンスネス 3
アルトゥール・ルービンシュタイン 2
ヴラディーミル・ソフロニツキー 2
スタニスラフ・ネイガウス 2
スタニスラフ・ブーニン 2
ディヌ・リパッティ 2
ラファウ・ブレハッチ 2
バッハのイギリス組曲第2番ジーグ
アルゲリッチの弾くバッハで一番好きなのは、「イギリス組曲第2番」の最後の部分であるジーグ。この曲では、楽譜に見られるような上昇音型(アナバシス)が何度も何度も互いに追いかけっこするように(つまりフーガ的に)繰り返されます。アルゲリッチの演奏だとこの上昇音型が「パパパパパパ…」と次々に現れては消えて、とても幻想的な効果を上げています。本当に「昇天する」ような気持ちになります。(バッハの音楽でこういった上昇音型が使われる時は、「昇天する」とか「山に登る」みたいな意味が伴われていることが多いです。)
ちなみにグールドのも持っていますが、グールドはこの曲をかなりのスピードで弾き飛ばしていて、この上昇音型がまったく目立たず、好きになれません。