二代 大島伯鶴の「寛永三馬術 度々平住込み」「寛永三馬術 平九郎浪人の巻」

二代 大島伯鶴の「寛永三馬術 度々平住込み」「寛永三馬術 平九郎浪人の巻」を聴きました。間垣平九郎は、将軍家光の前で、愛宕神社の男坂という絶壁のような急な石段を馬で駆け上がり、梅の枝を手折って駆け下りてきて、家光よりお褒めをいただいて出世した、という伝説の人です。そのお話は「寛永三馬術 出世の春駒」というお話ですが、このCDに入っているのはその後日談で、讃岐に戻った平九郎が度々兵という筑後の柳川からやってきた男を仲間としますが、その度々兵が藩の重役の弟といさかいを起こして、結局浪人するまでの話です。大衆小説は最初「新講談」と呼ばれましたが、確かに講談のお話の調子は初期の大衆小説に近いですね。

ちなみに「出世の春駒」はCDなどは出ていませんが、ここで聴くことができます。

堀口茉純の「江戸⇔東京節」と「大江戸=痛快伝」

いい年して(笑)、こんなCDを買ってしまいました。
お江戸ル、ほーりーこと堀口茉純の「江戸⇔東京節」と「大江戸=痛快伝」の両A面シングル。「江戸⇔東京節」は「らめちゃんたらギッチョンチョンでパイのパイのパイ~」の替え歌。「江戸=痛快伝」は江戸文化歴史検定の公式イメージソング。ほーりーのサイン入り生写真付き。(笑)ほーりー意外と歌うまい。「江戸=痛快伝」はアニメの主題歌みたいでなかなかいいです。ちなみにAmazonでは買えません。

クリスマス・キャロル

高校がカトリックの修道会が経営する学校で、それが良かったと今でも思えるのが、クリスマス・キャロルを英語の歌詞で教えてもらったこと。今でも次のような有名なキャロルは英語で歌えます。
God Rest Ye Merry, Gentlemen
The First Nowell
Hark the Herald Angels Sing
Angels We Have Heard on High (Gloria in excelsis Deo)
Adeste Fideles
O Holy Night
O Little Town of Bethlehem
Joy to the World
We Three Kings
中でも、”God Rest Ye Merry, Gentlemen”は、やはり高校の英語の授業で使ったディケンズの「クリスマス・キャロル」のラジオドラマで、冒頭で子供たちがこのキャロルを歌い、それに対し強欲なスクルージ爺さんが子供たちを追い散らすシーンで今でも覚えています。
そういう訳でこの時期はクリスマス・キャロルのCDを買って楽しんでいます。上はルネ・フレミングの、左はキングスカレッジ合唱団の、右下はアンゲリカ・キルヒシュラーガーのです。

ピアノのCDの棚卸し

ピアノのCDの棚卸しをやりました。今までは作曲家順だったのを演奏家順にしました。以下が2枚以上持っているピアニスト。1位は意外にもマレイ・ペライアでした。確かに箱物を3つも持っているので…メジューエワが多いと思っていましたが、実はグレン・グールドの方がまだ多かった…

マレイ・ペライア 33
マウリツィオ・ポリーニ 31
マルタ・アルゲリッチ 29
グレン・グールド 20
スヴァトラフ・リヒテル 19
イリーナ・メジューエワ 18
内田光子 16
ヴィルヘルム・バックハウス 15
エレーヌ・グリモー 14
クラウディオ・アラウ 14
ルドルフ・ブッフビンダー 14
ウラジーミル・アシュケナージ 11
ダニエル・バレンボイム 11
マリア・ジョアン・ピリス 11
アリシア・デ・ラローチャ 10
サンソン・フランソワ 10
ベネディッティ・ミケランジェリ 10
ヴァレリー・アファナシエフ 7
ウラジーミル・ホロヴィッツ 6
エミール・ギレリス 6
ラザール・ベルマン 6
ラドゥー・ルプー 6
イングリッド・ヘブラー 5
クララ・ハスキル 5
バドゥラ=スコダ 5
アルフレッド・ブレンデル 4
河村尚子 4
クリスティアン・ツィマーマン 4
清水和音 4
ジャン=マルク・ルイサダ 4
ジョン・オグドン 4
辻井伸行 4
ファジル・サイ 4
ユジャ・ワン 4
ラン・ラン 4
アリス・紗良・オット 3
アンドラーシュ・シフ 3
イーゴ・ポゴレリチ 3
ヴィルヘルム・ケンプ 3
エフゲニー・キーシン 3
ソロモン 3
マルカンドレ・アムラン 3
レイフ・オヴェ・アンスネス 3
アルトゥール・ルービンシュタイン 2
ヴラディーミル・ソフロニツキー 2
スタニスラフ・ネイガウス 2
スタニスラフ・ブーニン 2
ディヌ・リパッティ 2
ラファウ・ブレハッチ 2

バッハのイギリス組曲第2番ジーグ

アルゲリッチの弾くバッハで一番好きなのは、「イギリス組曲第2番」の最後の部分であるジーグ。この曲では、楽譜に見られるような上昇音型(アナバシス)が何度も何度も互いに追いかけっこするように(つまりフーガ的に)繰り返されます。アルゲリッチの演奏だとこの上昇音型が「パパパパパパ…」と次々に現れては消えて、とても幻想的な効果を上げています。本当に「昇天する」ような気持ちになります。(バッハの音楽でこういった上昇音型が使われる時は、「昇天する」とか「山に登る」みたいな意味が伴われていることが多いです。)
ちなみにグールドのも持っていますが、グールドはこの曲をかなりのスピードで弾き飛ばしていて、この上昇音型がまったく目立たず、好きになれません。

アルゲリッチのバッハ、SACD

今日は自分へのクリスマスプレゼント。アルゲリッチの弾くバッハについては、学生時代にドイツからの輸入盤のLPを買い、長く私の愛聴盤です。演奏も素晴らしいですが、録音も故長岡鉄男が別冊FMファンの「外盤ジャーナル」で取り上げる程のレベルで、高音の冴えた音の粒がそろったきわめて魅力的なものでした。しかしこのLPについてはあまりに聴きすぎたために、あちこち傷が入り、またゴミを取ろうとして木工用ボンドを使ってクリーニングした際に剥がすのに失敗して一部ボンドが残ってしまう、というかなり悲惨な状態になってしまっていました。アルゲリッチの演奏ですから当然CDは出ていてそれも持っているのですが、CDの音は高音がぼやけて音の粒もはっきりしなくなった、LPに比べればかなり落ちるものでした。そういう訳で長らくこの演奏のSACDが出るのを心待ちにしていたのですが、ついにエソテリックからSACDが発売されていました!早速聴いていますが、SACDの音はCDよりかなり上質で、かなりLPでの再生に近い感じです。エソテリックさん、有り難う!

ロザリン・テューレックの「ゴールドベルク変奏曲」

ロザリン・テューレックのバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を聴いています。メジューエワの本の中で「ゴールドベルク変奏曲」のお勧めとして彼女が挙げていたので興味を持って買ってみたものです。聴き始めてびっくり!グレン・グールドと演奏スタイルが非常に似ています。特にグールドの2回目の録音に。と思ってテューレックについて調べてみたら、何と事実は逆でした!グールドがテューレックのバッハ演奏に大きな影響を受けているんだそうです。ゆっくりしたテンポ、一音一音大事にするようなフレージング、またチェンバロでの演奏を真似るかのような一つの音の前に「タメ」を作るスタイルなどが特徴かと思います。2枚組で5000円ととても高かったのですが、買った甲斐はありました。さすがメジューエワです。

イリーナ・メジューエワの「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」

イリーナ・メジューエワの「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」を読了。メジューエワと対談した人が聴き取ってまとめたものです。素晴らしい本で、全てのクラシック音楽を愛する人、またピアノを弾く人にお勧めします。メジューエワはその演奏を聴くと、感受性と知性がかなりの高いレベルで融合した人、という印象を受けるのですが、その印象はこの本によって更に強固になりました。こういう本が出ると、大抵の音楽評論家の本は不要になるのではないかと思います。ピアニストが曲を取り上げるにあたってここまで深く色々なことを考えているということが新鮮で感動的です。取り上げられている作曲家は、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ショパン、リスト、ドビュッシー、そしてラヴェルです。バッハの「ゴールドベルク変奏曲」の中に「数」へのこだわりがあるとか、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは弦楽四重奏曲の様式で書かれているとか、シューベルトこそ本当の古典派であるとか、ともかく目から鱗が落ちるような指摘に満ちています。また、メジューエワのお勧めの演奏(本人以外の)が載っているもなかなか楽しく、シュナーベルとかコルトーが多く登場します。個人的には、シューマンのクライスレリアーナとラヴェルの「夜のガスパール」についてはアルゲリッチを外して欲しくないのですが、ライバル意識があるのか(?)一度も登場しません。一方で私が好きなアファナシエフは何度か登場します。しかし、この本を読んで、いわゆる「ロシア・ピアニズム」というものが、ネイガウスやソフロニツキーが亡くなってかなりの時間が経った今でも、このメジューエワの中にしっかり生きているだなと思いました。

イリーナ・メジューエワのショパンのポロネーズ集

イリーナ・メジューエワのショパンのポロネーズ集を聴きました。メジューエワの手持ちでは17枚目のCDです。先日リストの「巡礼の年」のCDを買った時にチェックして、ショパンでこのCDをまだ買っていなかったので購入しました。メジューエワはリスト、メトネル、シューベルト、グリーグその他色々録音していますが、何といっても多いのがショパンで、現代でのショパンの第一人者と思います。ポロネーズは元々がポーランドの舞曲ですが、ショパンのそれは愛国の思いがつまった結構ダイナミックな曲が多いです。メジューエワは繊細さや叙情性だけではなくて、こういう曲での劇的な表現でも卓越した実力を見せてくれます。

ルドルフ・ヴァルシャイ指揮、ケルンWDR交響楽団のショスターコヴィチ交響曲全集

ルドルフ・ヴァルシャイ指揮、ケルンWDR交響楽団のショスターコヴィチ交響曲全集を聴きました。何故かHMVでもAmazonでも3,000円以下で現在販売されています。ショスターコヴィチ交響曲全集は、既にゲルギエフ、キタエンコ、ロジェストヴェンスキー、ハイティンク、ヤンソンスなどで持っているため、今さらと思ってヴァルシャイのは買っていなかったのですが、この価格で触手が伸びました。聴いてみてびっくり、超オーソドックスで素晴らしい演奏で録音もいいです。初めてショスターコヴィチ交響曲全集を買おうという方には是非ともお勧めします。一つ嬉しいのは、ショスターコヴィッチの交響曲は15曲もあって、長いのもあり短いのもありで色々なんで、全集にする時は例えば1番と15番をカップリングするなんていうことが良く行われるのですが、この全集ではきちんと順番通りに収録しています。これはありそうでなかなかないことです。ヴァルシャイのは既に14番の東京ライブのCDを持っていましたが、買って本当に良かったです。