クレメンス・クラウスの97枚組セット

クレメンス・クラウスの全97枚のセットを全部聴き終えました。中に数枚音飛びがするCDがありましたが、送り返すのが面倒で返品交換は求めていません。
クレメンス・クラウスについては、ウィンナ・ワルツのニューイヤーコンサートを始めた人で、私も最初はそちらから入りました。しかし感銘を受けたのはブラームスの交響曲第1番の演奏で、歌心あふれる素晴らしいブラームスでした。それでこのセットを買い求めました。
クラウスはウィーンの国立歌劇場のバレリーナの私生児です。父親が誰かは分かっていませんが、ご覧の通りの端正な顔立ちであるため、父親が当時の皇帝であるという噂もあります。皇帝でなかったにしても、かなり高貴な身分の人であっただろうと思います。
全体を通して、クレメンス・クラウスが偉大な指揮者であることが十二分に確認出来ました。中でも一番感銘を受けたのがヨハン・シュトラウスの「こうもり」です。CDなんで当然映像はありませんが、何というか大晦日の演奏の定番であるこのオペレッタがこれほどワクワクした響きを持っていることに驚かされました。クラウスの指揮だけでなく、ユリウス・パツァーク、ヒルデ・ギューデン、アントン・デルモータといった素晴らしい歌手が集まっていることにも感銘を受けます。後は伝説の名演と言われるバイロイト音楽祭のライブである「指輪」と「パルジファル」も素晴らしいです。その他リヒャルト・シュトラウスについては、クラウスはある意味協力者と言っていい位R・シュトラウスの音楽を取り上げていますし、最後のオペラ「カプリッチョ」に至ってはクラウスが台本を書いています。このセットにもかなりの数のR・シュトラウスの音楽が入っており貴重な記録だと思います。
惜しいのは、イタリアオペラもヴェルディやプッチーニなど多数収録されているのですが、すべてがドイツ語歌唱だということです。現在でもドイツの主として地方ではドイツ語上演が普通で私もフィッシャー・ディースカウの「リゴレット」のCDを持っていたりしますが、やはりちょっと違和感は否めないです。
Wikipediaの「クレメンス・クラウス」の項には「ウィーン、ベルリン、ミュンヘンとドイツ圏の三大歌劇場の総監督をすべて歴任し、ウィーン・フィル最後の常任でもあった指揮者ながら、日本ではこれに見合った位置づけがほとんど行われていない。」とありますが、同感です。これだけの名指揮者としては評価が低すぎると思います。

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