本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が村川大介9段、白番が原正和3段の対戦でした。この碁のハイライトは下辺の黒地で白が1子を動き出し、その後白が右上隅で黒の二間ジマリに付けていってからの攻防でした。下辺左での白の動き出しは右上隅での戦いでのシチョウアタリを見ていました。しかしシチョウアタリが役に立つ前に右上隅は退っ引きならない戦いとなり、結局劫付きの攻め合いになりました。しかしそれは黒の有利な一手ヨセコウでした。更に上辺で白が打った劫立てが問題で、結果的には無効になりました。黒は劫を解消して右上隅から右辺で40目クライの地を確定しました。白は劫の代償で上辺か左辺の黒のどちらかを取らないと勝負にならない形勢でした。黒は左辺の4子は捨てても形勢は悪くなかったと思いますが、成り行きで全て頑張ることになり、真ん中の白に切りが入って薄かったこともあり、結局全部活きました。こうなると右辺の得の分黒が優勢で、ヨセの途中で白が投了しました。村川9段の戦いの上手さが優りました。