トワイライト・ゾーンの”The Obsolete Man”

トワイライト・ゾーンの”The Obsolete Man”を観ました。これでシリーズ2は終わりです。
ナチスドイツやスターリン支配下のソ連以上の全体主義の国の話で、そこでは宗教は完全に否定されて、本は焼かれ、体制に逆らったものは”obsolete”(古くなった、廃止された)と宣告され、死刑にされていました。あたかも今一人の男が”obsolete”宣告を受けております。その男は職業を問われると図書館員と答え、尋問側の失笑を買います。何故なら書物も図書館ももう存在しないからです。また男は神を信じるといい、これも失笑されます。男は処刑の方法と時間を選ぶことが出来、また処刑に立ち会う人を指定することが出来ます。男は次の日の深夜に自分の部屋で、を選択し、なおかつ自分の処刑がTVで中継されることを希望し了承されます。男が希望した立会人は彼に”obsoleteを宣告した指導者の一人でした。処刑の20分前くらいにその指導者は彼の部屋にやって来ます。彼は自分が選択したのは爆弾による爆破だと言います。それを聞いた指導者の一人は部屋から出て行こうとしましたが、男が鍵をかけてしまったため、指導者の一人は部屋に閉じ込められます。そしてこのままでは男と一緒に深夜に爆死することになります。男は静かに座って、秘かに隠していた聖書を取り出して読み始めます。爆破数分前になって指導者の一人はついに「助けてくれ、神が私を救うようにしてくれ」と叫びます。それを聞いて男は鍵を取り出してドアを開け、指導者の一人は間一髪で命が助かりますが、男は爆死します。しかしその指導者の一人の臆病な振る舞いは全国民に中継されていたため、結局今度はその指導者の一人が”obsolete”の宣告を受けることになり、傍聴していた人々が言い訳をする彼を捕まえます…
というなかなか良く出来たお話でした。ただ男の行為は指導者の一人に対する復讐にはなっても、その国の体制を変えることにはならないであろうことがちょっとひっかかりますが。