サーバーを新居に移設し、DNS設定も変更し、このブログは元通りにアクセス出来るようになりました。
月別アーカイブ: 2023年8月
中村真一郎の「江戸漢詩」
中村真一郎の「江戸漢詩」を読了。あまり知られていませんが、日本で漢詩作りが一番盛んだったのは江戸時代の後半から明治の初めにかけてです。その証拠の一つは、明治時代の新聞には、必ずといっていいほど、読者投稿の漢詩の欄がありました。それほど漢詩作りが一般の人にまで広く行われていた訳です。乃木大将や大正天皇といった方はその最後のグループに属します。また私見ですが、現在日本にやってくる海外の観光客が称賛して止まない日本の文化というものは、ほとんどが江戸時代後期に熟成したものだと思います。例えば漫画やアニメの絵の元は江戸時代の絵師の絵で、手塚治虫の決して二度書きしない流れるような線は、浮世絵師の絵が元だと思います。
この本はそうした漢詩の全盛期の作品を、頼山陽みたいな有名な人だけでなく、かなり広い範囲で集め解説したものです。その題材も伝統的な風景を描写することに留まらず、生活の隅々までに及び、中には吉原の遊女についての粋なものも存在します。またこの時代女性の漢詩人が活躍したのも大きな特長で、例えば頼山陽の生涯を通じた愛人だった江馬細香が有名です。
漢詩は明治に入り、従来の漢籍の教養から西洋の科学へと人々の学習の重心が移っていくに従って衰えていきます。しかし漢詩もまた、日本人が外国の文化を自家薬籠中の物にするという典型の一つだということを、この本は教えてくれます。
サーバー移設によるアクセス停止の件
このブログを動かしている自宅サーバーを引っ越しにより移設するため、8月11日(金)の16時より同日深夜0時くらいまで、一時的にアクセス出来なくなります。移設が完了して元通りアクセス出来るようになりましたら、また連絡します。
KriptonのKX-1.5 外観補修
エディアルド・パニアグアの”Alarifes Mudéjares”
私のオーディオチェック用ソースその2。エディアルド・パニアグアの”Alarifes Mudéjares”。タイトルは「ムデハル様式の建築家達」という意味。ムデハル様式とは、レコンキスタ(キリスト教徒によるスペインの国土の奪回運動)の後、スペインに残ったイスラム教徒の技術とキリスト教が融合して建てられた、アラゴンなどに多く残っている建築様式のこと。
このCDはパニアグアらしく人を喰っていて、建築家達がノコギリを引いたり、トンカチで釘を叩いて、という教会を建てるシーンから入っています。音場は広大ですけど、縦長の建物の中というのが良く分り、左右は狭く、上が広いです。特に2階か3階に水盤か人工の泉があるのか、水が高い所から流れているのが面白いです。教会の外からは秋なのか虫の声がしています。そこで演奏される曲は、建築様式と同じでキリスト教とイスラム教が混じり合ったスペイン独特のものです。エディアルド・パニアグアは「聖母マリアのカンティガ」を多数録音していますが、カンティガの音楽ともかなり近いです。というかパニアグア一家のことですから、厳密な考証に基づくものではなく、かなりの部分想像によるものでしょうが。
ひかりTV(ドコモ)という最悪のサービス
今回購入した新居が、山の中で地デジの難視地域にあたります。一応藤野中継局というアンテナが新居から900mくらいの山の上に立っているのですが、アンテナ屋さんに来てもらって電波強度を測ってもらったところ、山蔭になるため最低でも35dBくらい欲しいのが21dBしか出ないということで、アンテナは断念しました。
それでTVをネットにつないで地デジを観るドコモの「ひかりTV」というのに申し込んだのですが、契約して2か月ぐらいで解約しました。まずは最初の説明だと、チューナー(セットトップボックス)をネットにつなぐだけでOKですよ、という説明でしたが、これが大間違いでIPV6接続というあまり一般的ではない設定でつなぐため、WiFiルーター(ASUS)経由でつなぐのに非常に苦労しました。サポートに聞いても、「ONUとルーターとチューナーの電源を抜いて10分ぐらい経ってから入れなおしてください」と言うだけで何の役にも立ちませんでした。結局Webで調べてASUSでIPTVを使う設定が分かったので、それを設定し取り合えずルーター経由で地デジを観られるようになりました。
ところが、回数で3回目、累計で5時間くらいしか使っていないタイミングで、地デジ視聴中に急にチューナーが落ち、そのまま電源を入れなおすことも出来なくなりました。サポートに問い合わせたら、例によって「電源を入れなおして…」かあるいは向こうから電話するので候補日時を3つ挙げろ、とかそういう回答だけでした。明らかにチューナーの故障なんで代品を強く要求し、やっと送ってもらいました。しかし今度は、最初にdアカウントでログインして使用開始するところで、DNSの名前解決エラーで先へ進めませんでした。これはきっと前のチューナーでの設定が残っているのだろうと、サポートに言ってそれを解除してもらいましたが、それでもつなげるようになりません。
それでドコモのサポートというのが、メールで問い合わせる度に担当者が変わり(つまり人数はかなり沢山いる)、しかもそれまでのやり取りの履歴をまったく参照せずに、不具合の詳細を教えろとか、「電源を抜いて…」とか、「電話するので候補日時を3つ…」を繰り返すだけでした。
それで分かったのが、このサポート部隊はおそらくドコモの携帯のサポート部隊と同じであり、ひかりTVについてはマニュアルがあってそれに書いてある回答をしているだけだということです。しかもCRM(顧客情報管理システム)みたいなものも使っていないようでやり取りの履歴が共有されておらず、本当に最悪のサポートでした。
ドコモについては、昔携帯電話の仕事をしていた時に、新しい携帯の機種のチェックのため半年だけ契約したことがあったのですが、それを解約する時「(短期の解約者として)ブラックリストに載りますけどいいですね」みたいな脅しを受けたことがあり、元々非常に悪い印象を持っていましたが、今回の件でその悪い印象が更に強くなりました。なお、「ひかりTV」の評判について検索してみましたが、「故障が多い」ということで納得しました。
結局、地デジについては、考えてみればNHKしか観ていないので、NHK+というWebブラウザーでNHKの番組を観るサービスに申し込みました。実際は30秒遅れの配信で、また高校野球など一部のコンテンツは配信されていませんが、私は朝の「おはよう日本」と日曜日の囲碁番組を観ているだけなのでこれで十分です。
手持ちのCDの枚数
NHK杯戦囲碁 小池芳弘7段 対 本木克弥8段(2023年8月6日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が小池芳弘7段、白番が本木克弥8段の対戦です。この碁は右下隅から戦いが始まり、最後まで続きました。その発端は右辺下方で黒が延びていれば普通だったのを、ハネて白が切ったため、激しい戦いが始まりました。右辺は白黒ともほぼ同型となり、両方が活き活きとなりました。この戦いで白は下辺で得をし、また中央の黒3子も半分死んだ形となりました。なので黒としては右辺から延びる白を攻めて得を図らなければなりませんでしたが、白は上手く上辺になだれ込んで活きました。その後いろいろありましたが、最後は中央の黒が切断されて眼が無く、攻め合いも2手ぐらい白が良いということになり、黒は最後に中央の白のダメヅマリを追及しましたが、セキ活きとなり、結果中央の黒の死が確定し、黒の投了となりました。
「帰ってきたウルトラマン」の「戦慄!マンション怪獣誕生」
「帰ってきたウルトラマン」の「戦慄!マンション怪獣誕生」を観ました。元祖ウルトラマンでガヴァドンという子供達が塀に書いた落書きが宇宙線を浴びて怪獣になる、という話がありましたが、これはその二代目ウルトラマン版です。最初は弱かった宇宙怪獣を、少年がアイデアを出して、その通りに怪獣が進化していきます。それで結局巨大化して暴れ出した怪獣キングスロンに対し、ウルトラマンも例によって苦戦しますが、怪獣をそもそも強化したその子供が、ウルトラマンに怪獣の弱点を教えてようやくウルトラマンが怪獣を倒す、というありがちの展開でした。この戦いではウルトラマンは肝心のブレスレットを落してしまったりします。後、ついでですが、二代目ウルトラマンの戦いって、何故か無駄なジャンプとかの不要な動きが多すぎるような気がします。この辺りも「弱いウルトラマン」というイメージに貢献しているような気がします。
トワイライト・ゾーンの”Young Man’s Fancy”
トワイライト・ゾーンの”Young Man’s Fancy”を観ました。結婚したばかりのヘンリエッタ夫婦が、結婚式の後、夫の生家に戻って来ています。そこはその夫の母親が一年前に死ぬまで住んでいた家で、その夫が育った場所でした。夫婦はその家を売却するつもりでしたが、家の中に入った夫は、昔の母親との思い出の品物を多数見つけて、その家を売るのを段々渋るようになります。そしてやって来た不動産屋に、ハネムーンから戻るまで待ってくれるよう言います。しかし結局彼は家を売ることを止めてしまいます。奥さんはそこに現れた夫の母親の亡霊(?)に、その息子を昔に戻すことは止めてくれるよう頼みますが、母親は自分がそうしたのではなく、息子自身の希望なのだと言います。そしてやって来た夫は、すっかり少年に戻ってしまっていて、妻に対しもう用は無いので出ていくように言います…
まあ何と言うか妻対姑のバトルをSF調に表現した感じのドラマでした。しかしトワイライト・ゾーンもこの辺りかなりマンネリです。