真空管アンプ-B電源回路

高さの低い電解コンデンサーが半分だけ来たので、B電源(プレート電圧用)の回路を組んで接続しました。
トランスの出力が243V、ショットキーバリアダイオードをブリッジ接続して全波整流し、100μFの電解コンデンサー3つとチョークコイルで平滑化し、更にFETでリップル電流を除去し、最終的にはDC330Vになりました。(理論的にはACをDCに全波整流しかつ平滑化するとACでの電圧のルート2倍になりますので理論値はDC344Vになります。但しダイオードでの整流の時に電圧が若干落ちます。)元の参考にした回路だとDC270Vだったので現時点ではかなり高いですが、まだ増幅回路を接続していないので高めに出ているのと、元の回路が整流に普通のブリッジダイオード(普通のシリコンダイオードは電圧降下がショットキーバリアダイオードより大きい)を使っていることなどによります。もし最終的にB電圧が高すぎる場合には、電源トランスの230Vの出力の所に400VAC耐圧のフィルムコンデンサーを入れて調整するつもりです。(ここは交流なので電解コンデンサーは使えません。)オシロスコープで波形を見たい所ですが、電圧が高いので差動プローブを取り寄せ中です。ただテスターの電圧表示はせいぜい変動が±0.1Vくらいで安定しているようです。

真空管アンプ-電解コンデンサーの高さ問題

真空管アンプ、内部の部品取付け・配線作業に入ろうとしているのですが、ここで問題が一つ発覚。電解コンデンサーで5cmの高さのが6本有り、これをユニバーサル基板の上に垂直に取り付けると、シャーシの高さをオーバーしています。これの解決手段は、
(1)シャーシーのリアパネルに穴を開け、コンデンサーの頭を出させる。(インシュレーターの高さがあるので、頭が出ても大丈夫です。)
(2)ユニバーサル基板を垂直に取付け、電解コンデンサーを水平に配置する。
(3)より高さの低い、同じ定格の電解コンデンサーに取替える。
のどれかです。(2)を最初検討しましたが、ユニバーサル基板を垂直に固定する上手い方法が分からなかったのと、電流を流すと振動する電解コンデンサーを水平に空中に浮かしているのが気持ちよくないのでボツ。
(1)は底板の厚さが結構あってホールドリルで開けるのが面倒なのでこれもボツ。
結局、ネットで調べて高さ3cmの同じ定格の電解コンデンサーがありましたので、それを取り寄せ中です。

全段差動プッシュプルアンプ-電力増幅部の定電流回路

ぺるけさん設計の全段差動プッシュプルアンプでは、定電流回路に、電圧増幅部では定電流ダイオード、電力増幅部では三端子レギュレータを使っています。この内後者の三端子レギュレータについては以前から?と思って来ました。三端子レギュレータは電圧を降下させて一定の電圧を得る部品ですから、それに固定抵抗を付ければ定電流になるという理屈は分かります。しかし定電流ダイオードというそれ専用の部品があるのに何故使わないのだろうという疑問です。確かに電力増幅部での電流値は電圧増幅部に比べると10倍以上高いので、「一本の」定電流ダイオードで、例えば今私が作ろうとしているアンプで必要な56mAを賄えず、例えばSEMITEC(旧石塚電子)のEシリーズだと最大のピンチオフ電流は18mAまでです。しかしもっと高い定電流値が欲しいのであれば、複数の定電流ダイオードを並列に使えばいい筈です。実際に、公称15mAのと18mAの定電流ダイオードをそれぞれ20本買い、先日の方法で定電流値を実測し、56mAになる組み合わせを探しました。その結果、

Rチャンネル用:12.3mA + 14.6mA + 15.3mA + 13.9mA = 56.1mA
Lチャンネル用:11.7mA + 15.4mA + 15.3mA + 13.6 mA = 56.0mA

という具合に4本並列にすることで、2チャンネル分でほぼ目的の定電流値の回路を組むことが出来ました。注意点としては定電流ダイオードは発熱するので、あまり近接させて実装しない方がいいということがあります。まだこれで上手くいくかどうかはやってみなければ分かりませんが、少なくともノイズ源になる三端子レギュレータよりもこの方がオーディオ用としてはまっとうだと思います。
なお、電圧は7.8V x 2で15.6Vであり、各定電流ダイオードはDC30VまでOKですので、まったく問題無いと思います。

真空管アンプ-定電流ダイオードの測定


真空管アンプ作り、今日は差動アンプの肝の部品である定電流ダイオードのピンチオフ電流のばらつきを測定しました。定電流ダイオードのバラツキは、実はプラスマイナス20%ぐらいもあってかなりばらついていますので、左右の回路で一本ずつ使う場合にはそのピンチオフ電流が揃っている必要があります。測定方法は下の右の写真の通りで、定電流ダイオードと1KΩくらいの抵抗を直列につないで、スイッチング電源で9Vをかけて、抵抗の両端の電圧を測定し、それを抵抗値で割って電流値を出します。思ったほどよりはばらついていませんが、それでも工程能力指数は1ギリギリでしかも下側に偏っています。今回のアンプには2番と14番のを使います。

真空管アンプ-塗装後のシャーシに部品を再取り付け

塗装したシャーシに部品を再度取付け。なかなかいい感じになってきたと思います。トランスのケースのデザインが揃っていないですが、なかなか一つの販売店で全部のケースを揃えるというのが難しく、バラバラに買ってこうなっています。

真空管アンプの板金加工-塗装(2)

真空管アンプの板金加工、仕上げの塗装です。若干塗りむらはありますが、まあまあ綺麗に塗れたのではないかと思います。カントリーブルーという色です。塗装すると、キズとかパテの跡とかが見えなくなるので、ちょっとだけですが高級感が出てきたように思います。

真空管アンプの板金加工-塗装

真空管アンプの板金加工、塗装です。
塗装の工程は、
(1)耐水ペーパーがけ→表面の傷落としですが、あまり鏡面仕上げにしないで、#1000くらいで止めておきます。その心は、(表面に細かな凸凹を付けることにより)塗料と金属の接触面積を増やして接着力を上げるためです。粗化処理と言います。
(2)プライマー塗料(樹脂と金属の仲立ちをしてくれる中間塗料、ラッカー塗料)をスプレーで吹き付けます。その後2時間換装させます。(←今ここ)
(3)プライマーが完全に乾燥したら、最終仕上げ用の塗料をスプレーで吹き付けます。
私はシャーシ表面だけではなくて、裏側も塗装します。何故かというと、シャーシはアースを兼ねているので、何も塗らないとそこら中にマイナスの電極があるのと同じで、ショートの原因になります。

真空管アンプの板金加工、やり直し(5)

真空管アンプの板金加工、出力トランスx2の穴を開けてこれで外に出る部品用の穴加工はようやく全部終了しました。
これから、折角苦労して取り付けた部品ですが一旦全部外して、板金の塗装をやります。耐水ペーパーで磨いて傷を消し、同時に表面を荒らして塗料の接着力を上げます。その後、プライマー塗料をスプレーで吹いて、それが乾いたら最終の色をスプレーで吹きます。それから、これが一番大事な、裏の配線と部品の配置をどうやるかを考えないといけません。

真空管アンプの板金加工、やり直し(4)

真空管アンプのシャーシ、今日はチョークコイルとそのケースの取り付け。今回は穴開けは3箇所で済みましたので楽でした。(本当は後4箇所ケースにネジ止め出来ますが、そこまで強度は必要無いと思います。)ただケースへの収納の関係でチョークコイルは45度回転させて取り付けました。まあこの配置なら電磁的に干渉するということはあまりないでしょう。

真空管アンプの板金加工、やり直し(3)

今日は電源トランスとそのケースの取り付け。楽勝かと思ったら、ほとんど6時間くらいかかりました。原因はトランスのケースで、片方に偏らせた位置にしたら、ご覧の通りこのトランスケースはコの字型の枠に、側板を2枚ねじで止める構造になっていますが、片側の側板が電源トランスの端部に当たって入らなくなりました。やむを得ず、配置を変えケース用の穴を開け直してようやく何とかなりました。ケースは見た目で付けているんじゃなくて、電磁シールドのために付けています。しかしそのための工数が馬鹿にならないです。